ジジ・ブロイエッティの『SEX発電』なる珍作を初めて観た。
なんともはや………。
よくぞ、まぁ、この時代にDVD化してくれたものだ。(このタイトル大丈夫かな?でも映画のタイトルが、ズバリこれなんだからしょうがないんだけど)
全てのエネルギーが枯渇した架空の21世紀。(21世紀の今を生きている我々には、もはやおとぎ話である)
時代は2世紀くらい逆行して、人々は馬車や自転車を乗り回している。
「あの巨大な鉄の塊が、昔は空を飛んでいたんですよ」
空港には飛ばなくなったジェット機が並び、観光案内の名所になっていて、ガイドの説明に人々が、
「へ~え……」
「ほ~お……」の声をあげていた。
道端には、今では全く役にたたなくなった車が鉄屑然として放置されている。
家では蝋燭が灯されて、何も映らなくなったテレビを囲んで夕食をとる。
でも、人々は、こんな時代でもノホホ~ンとしながら、暮らしていた。
でも、一部の科学者たちは諦めない。
ある者は、太陽光発電の研究をしようと血眼になっている。(虫眼鏡を当てて火をつけようとするくらいの太陽光の研究とは……間抜けな科学者に笑うよりも、どこかほのぼのしてしまう)
そんな実験を、(バカめが……)と横目であざ笑う一人の男。
科学者、『エンリコ・コッポラ教授』(ジジ・ブロイエッティ)である。
コッポラ教授が建物の実験室に入ると、
「教授、準備ができました!」とスタッフたちが声をかけた。
「よし!ピエラ脱いでくれ!」
ピエラと呼ばれた助手の女性は、恥ずかしさもなく躊躇わずに、着ているものを全て脱ぐと、ベットに横になった。
全裸のピエラに、助手たちが、電極をつけていく。
「さあ、始めるんだ!」コッポラ教授のかけ声に、助手たちは、ピエラの全身を愛撫しはじめた。
「アハ~ン……」
悶えだすピエラを伝わり、電極は機械を通って、微妙な針の動きをとらえた。
「いいぞ、この実験はいける!」(マジか?)
確信をもった教授は、今度は別の男女の助手たちを素っ裸にして命令した。
「さあ、二人とも、おっぱじめるんだ!」
周囲が見守る中で、交わりはじめる二人。
「二人の激しい摩擦が、科学の進歩、新しい『電力』を生むのだ!」(?!)
教授のヘンテコな理論は成功して、電球には、見事に「パッ!💡」と灯りがともった。
そして、
「こんなものじゃダメだ!町で一番の性豪の男女を連れてくるんだ!!」
教授の要求は、さらにエスカレートしていき、厳選された二人の男女が選ばれる。
故意に救急馬車(馬車ってのが凄い)をぶつけて、交通事故にあわせて、拉致同然に連れて来られる男女。(なんて強引な……もはや犯罪である)
当然、素っ裸で隣り合わせに寝かされている二人。
「何で素っ裸なんだ!」男、『ベンチェロリ』が全裸で脚を吊られたまま叫ぶ。
ホテル支配人だが、何人もの女性の間を渡り歩く、根っからのドスケベで、『歩く種馬』なんて異名をもつ男だ。
もう一方は、
「何で裸で隣同士なのよ!」
美人の『フランチェスカ』という人妻。この女も根っからのスキモノで、次から次に、子供を産む子沢山の女だ。(でもプロポーションは抜群)
右手に包帯を巻かれて、ヤッパリ全裸である。
お互いに隣り合わせで全裸で寝かされているベンチェロリとフランチェスカ。
「ヤバイ!おっ立ってきた!」
それを見ながらフランチェスカ、
「寝るのよ、寝ればおさまるわ」なんて言いながらも目線がはずせない。
ベンチェロリの方も、フランチェスカに目が釘付け。
(さあ、やるんだ!やれ!おっぱじめるんだ!世界のために!………)
コッポラ教授の心の声が聞こえたのか………日が経つにつれて、二人の距離は縮まり、そして………。
こんなトンデモない映画観たことない!
バカ作、珍作、怪作……なんて表現したらいいのか………。
イタリア人、素直に尊敬します!(笑)
『S●Xは世界を救う』なんていう大義名分で、真っ正面からヘンテコな映画を作ってしまうなんて。
コッポラ教授の思ったとおり、ベンチェロリとフランチェスカは、莫大な電力を産み出す。
政府関係者たちが、マジックミラーで事の成り行きを見つめながら、
「オォー、フランチェスカ!」と何度も叫ぶベンチェロリ。
フランチェスカもそれに応え続ける。
二人に驚嘆する政府関係者たち。
「もう、5回!いや、まただ!6回目だ!」
「凄い!本当にすごいわ!」女の関係者たちもびっくり!
電気のない時代に、こんなやり方で、こんな莫大な電力を産み出せるのか……こんな突飛な発電方法に、政府関係者たちは唖然として感嘆する。(風力発電、火力発電、水力発電、考えれば他にも色々あるだろうに。この世界の人たちは、みんなどこかオカシイぞ!(笑) )
こうして、政府が承認、推奨する《SEX発電》が全国規模で開始されたのであった。
案外、こんなヘンテコな未来もいいかもしれない。
日本も世界も、この発電に傾いていれば、まれに平和な世の中になるやもしれない。
なんだかバカ作では、片付けられない何かが、この映画にはあるように思える。
イタリア美女たちの、脱ぎっぷりに感動したし。
イタリア最高!
星☆☆☆☆☆であ~る。
日本の政府関係者たちにも、ぜひ参考にほしいなぁ~(アホか (笑) )