1975年 アメリカ、イギリス合作。
ピーター・フォンダが亡くなった。(今年2019年、8月。79歳永眠)
独特な顔の人だった。
お世辞にもハンサムとはいえない顔。
アゴが異常に発達していて、横から見ると、ブーメランか、三日月みたいにも見えるほど。
体つきは細身でスラーッとしていて、足首なんかもキュッ!と細い。
そう、まるで漫画家のモンキーパンチが書くような姿形なのだ。
と、思っていたら、案の定、吹き替えはルパン三世の山田康雄が専属でやっていた。(ピッタリ!)
ピーター・フォンダといえば、『イージー・ライダー』と言われるくらい代表作になっているが、あいにく自分は観ていない。
むしろ、B級と呼ばれるフォンダの映画ばかりを好んで観ていた。
『悪魔の追跡』やら、『未来世界』、『怒りの山河』などなど……。
そして、この『ダイヤモンドの犬たち』もB級の名に恥じない出来。
出演者たちは豪華なのに、なぜか?ピーター・フォンダが出ると、B級感満載になる不思議。
その豪華な出演者たちが、こちらである。
☆テリー・サバラス………『刑事コジャック』やら、『女王陛下の007』のプロフェルド役やら、1度見たら忘れられない、そのアクの強い顔とスキンヘッド。
この映画ではダイヤモンドの警備会社の社長役。
ダイヤモンドを守る為なら、盗人たちなど、平気で射殺するほどの非情さをあわせ持つ。
☆モード・アダムス………このblogでも何度も紹介しているモード・アダムス。
言わずと知れた007映画に、最多出演したボンドガールである。
この映画では、警備員ブラッドリー(ピーター・フォンダ)にベタ惚れしている恋人クレア役。
ボンド映画以外のモードも、また珍しい。
☆クリストファー・リー………この人も『007 黄金銃を持つ男』に出ている。
となると、3人の007に出演した俳優たちが、この映画に出ているのか~!と改めてビックリ。
ダイヤモンド強奪組織の一味の内の一人である。
☆O・J・シンプソン………ある意味、別の方で有名な人。
フットボールの花形選手から俳優に転身して活躍していたのに、白人妻の殺害事件やら、ラスベガスのホテルの襲撃事件などで逮捕された。
天国と地獄を経験したようなお人。
この映画では、もちろんダイヤモンド強奪組織の一味で、血の気が多く、すぐに「殺せ!殺せ!」と言う始末。
後年の数々ある事件を知ってしまうと、まんざら、地で演っていたんじゃないか?と疑いたくなってしまうほどである。
こんな一癖も二癖もあるような面々が集まれば、さぞや映画は傑作になりそうだが、やはりそうはならないのが、ピーター・フォンダの宿命。
で、最後に、
☆ピーター・フォンダ……なのであるが、………クルクルしたアフロヘアに近い髪形に、これまた顔を、ほとんど覆い隠すようなクルクルした、サンタクロースのような剛毛の髭で登場する。
これが、全然、まったくもって似合ってないのだ。(誰もこの姿に反対する人はいなかったの?)
主役なのに、なんだか汚ならしい姿にドン引き。
ダイヤモンド会社の警備員から、一転、強奪犯の一味に加わって逃避行するのだが………
(無事に逃げきればいいなぁ~)とは思いながらも、
頭の隅では、
(髭くらい剃れよ!汚ねぇな~!(笑))
というのが交錯してしまい、なんだか最後まで集中出来なかった。
話はまぁ、せっかく面白くなりそうなのにねぇ~。
でも、これがピーター・フォンダなのだからしょうがないか。
決してA級にはなれない。
死ぬまでB級道を貫いた人だった。(合掌)
星☆☆☆
※B級道を極めたいピーター・フォンダは、その後、日本でも大活躍。
『だいじょぶマイフレンド』なんていう、これまた珍妙な映画にも出てしまった。
B級どころか、汚点になりそうなくらいに、そうとう変な映画。
それでも、「さすが、ピーター・フォンダ!」と感心しながら、終わりにしようと思うのであ~る。