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2025年8月10日日曜日

ドラマ 「地獄の沙汰もヨメ次第」

 2007年7月〜9月。(全10話)




『橘 真琴』(江角マキコ)は、おむすび会社を経営するワンマン女性社長。

大勢の社員を抱え、やり手の真琴はニューヨークに支店を出そうと、もっか奮闘中である。


もちろん、仕事ばかりではなく、合間をみつけては友人たちとフラダンス教室に通ってみたり、リフレッシュ休暇をとっては旅行してみたり ……


そうして40歳になった真琴は、さらにプライベートを充実させようと計画していた。


それが《結婚》である。


お相手は『森福三四郎』(沢村一樹)といって、真琴より3歳若い商社マン。


森福家は、当主『森福大三郎』(伊東四朗)と妻『千代子』(野際陽子)、離婚して出戻りの三四郎の姉『小百合』(浅田美代子)、その娘『みちる』(片瀬那奈)が住んでいる。


森福家の希望としては、「お嫁さんには、息子と結婚して敷地内にある《離れ》に住んでくれたら …… 」なのである。


真琴も実際、その《離れ》を見てみるとノリ気になってきた。


(うん、案外いいかも …… そんなに都内から離れていないし。オマケに近くには海岸があって休みの日には『三四郎』さんと散歩できるしね …… )

あんまり物事を深く考えない真琴は、O.Kした。


だが、この判断は即、後悔する事になる。


姑の『千代子』(野際陽子)は、超お節介な性格で、いちいち真琴のする事なす事に介入してくるのだ。(仕事のことでも)


しかも《日本の心》、《日本の伝統》を引き合いに出してきては、また、それが正論で、真琴は毎回粉砕されっぱなし。


「おのれ〜!千代子めぇ〜!🔥」

いつしか趣味で始めたフラダンスは真琴のストレス解消法になり、




「あの《バカ嫁》が〜!💢」

それに応えるように千代子も趣味の三味線で応戦する。



同居する家族はそんな二人に呆れながら、今日も森福家の夜は平和にふけていくのであった ……




江角マキコ主演の《地獄の沙汰もヨメ次第》を久しぶりに観て大笑いした。(U-NEXTでやっていた)

放映当時も観ていたが、やっぱ江角マキコ、演技上手いわ。(そう思うの私だけか?)



《離れ》を洋風に改造リフォームしようと計画するも、千代子に先回りされて畳部屋や神棚を設置されてしまう真琴。

「生まれてくる子供は畳で育つのが一番なんです!」(by千代子)


オマケに森福家には、昔ながらの《女心得》なんてのが神棚に飾られている。


「あなたのそのひねくれた根性、滝行をして精神を鍛えなおしてきなさい!」(なんちゅー姑じゃ)


こんなのも断ればいいのに、この真琴も「千代子に負けてたまるかぁー!」の意地で山奥まで勇んでいく始末。


でも、実際行ってみると凍りつくくらい水は冷たすぎて ……


(誰も見ていないし、このくらいでいいだろう …… )と、顔と髪の毛をチョチョイと濡らして「ハイ!滝行おしまい!」とズルしようとする真琴。


だが、そうは問屋がおろさない。



またもや先回りした千代子が待ち構えていた。

「あなたの滝行を見届けにきました。さぁ、どうぞ。」(暇な姑)




「ヒィィィーーッ!冷たぁーーい!」


「ハイ!その場で、森福家の《女心得》を復唱しなさい!」


「お義母様ぁぁーーー!(このクソ千代子めぇーー!)」(by真琴)


万事がこんな風である。(ああ、可笑しい)


放映当時は山口智子野際陽子が演じた『ダブル・キッチン(1993)』の焼き直しみたいに言われていた本作だが、私は江角マキコの方が好き。(どちらにも伊東四朗も出ている)


だいたいにおいて《コメディー》が出来る女優さんを、私は大いにかっているのだ。


これは偏見でもなく、男と違って女性がコメディーを演じるというのは、とても高いハードル。


如何せん、女性には男と違って「人に笑われたくない!バカにされたくない!」なんて気持ちが大きくて、どうしても最後の最後、《羞恥心》を捨てて、それを乗り越えられないものなのである。


だからコメディーが出来る女優さんを私は尊敬します。


そうした江角マキコの特異な資質を最初から見抜いていたのが、あの樹木希林である。


おっとりした風貌に反して演技には非常に厳しく一切妥協を許さなかった樹木希林。(いくら有名でも、西城秀樹にしても郷ひろみにしてもコテンパンにやられたそうな。郷ひろみに至っては「あんた、演技の引き出しが少なすぎる!」と、ケチョンケチョン)


共演した女優にも、その厳しさは容赦なく、若手女優なんか我慢できずに泣き出す者もいたという。


ただ、江角マキコだけは、デビュー作で共演した時も(『輝け隣太郎』)、そんな樹木希林のシゴキに全く音を上げる事がなかったそうな。(後年、樹木希林自身が、そう言って江角マキコを褒めたたえていた)


この『地獄の沙汰もヨメ次第』は、そんな女優、江角マキコの到達点みたいな気がする。

当然、オススメしとく。(最後まで面白いよ)



2024年2月24日土曜日

ドラマ 「凄絶!嫁姑戦争 羅刹の家」

 1998年4月〜6月。




『戸越杳子(とごし ようこ)』(加藤紀子)は、明るいけど少々ノーテンキな娘。

友人の結婚式に参列して、ブーケトス👰を受け取った杳子は、すっかり浮かれて舞い上がっている。


「杳子、次はあなたの番よ!」


そう、杳子も《結婚》が決まっている。

お相手は大手商社で働くエリートサラリーマン『小椋貴史(おぐら たかし)』(保阪尚輝)だ。


そうして、とうとう貴史の実家で、両親との初顔合わせの日。

貴史に伴われてやって来た杳子は、とても緊張していた。


(まさか、こんな大きなお屋敷だったなんて …… )

小椋家は、100年以上も続いているという茶道の家元だったのだ。


そこで紹介されたのが、貴史の両親・『小椋孝夫』(田村亮)と『小椋綾乃』(山本陽子)。

妹の『紗江子』(佐藤仁美)である。(この面子が揃うだけでヤバい空気がムンムンしている!)





「まぁ、貴史のお嫁さんに、こんなに可愛らしい人が来てくれるなんて …… 母さん、とっても嬉しいわ」

綾乃は、にこやかに笑いかける。



「杳子さん、私達仲良くなりましょうね!私も近々結婚が決まっているのよ」

妹の紗江子も杳子には好意的だ。(こんなのが、いずれ真逆になるとは …… この時の杳子は、まだ知らない)


広い庭で、やっと一人きりになった杳子は、茂みの奥に隠れて食べ物をむさぼっている、奇妙な老婆(三條美紀)に遭遇する。



「許しておくれ〜!お腹が空いていたんだよぉ~!!」


(なんなの?!この人は …… !!)


それと平行して杳子の所にかかってくる謎の電話。


「あなたが見た、あの《餓鬼(がき)》のような老婆は貴史の祖母よ。離れの方に一人だけ幽閉されているのよ。小椋家ではあの薄汚い老婆の(しも)の世話をあなたにさせたいだけ。よ〜く覚えておくことね」


(↑ま~た、よけいな事を ……それにしても懐かしい公衆電話)


電話をかけてきたのは、昔から貴史に恋していた従兄妹の『涼香(すずか)』(伊藤かずえ)だったのだ。(当然、杳子と貴史が結婚するのはクソ面白くない)


どんどん、不穏な空気に変わっていく杳子の周辺 ……


そんな折も折、杳子の実家では《ガン》で闘病中だった父親が亡くなってしまう。


お通夜の晩、人の言い争う声で目覚めた杳子は、目の前で取っ組み合いをしている自分の祖母と母親・『静江』(赤座美代子)を見て愕然とする。



「この 鬼嫁 め!お前がろくなモノしか食べさせなかったから息子は死んだんだぁーー!」


「何を言うかー?!この 鬼婆 が!あたしが今までどれほど我慢してきたことか …… 謝れ!謝りなさいぃー!!


今まで仲がよかったと思っていた祖母と母親の殴り合い、凄絶な修羅場。


包丁を取り出して襲ってきた祖母を、なんとか力でねじ伏せた静江は、髪を振り乱した姿で、側にいる杳子に熱を帯びた感じで語りかけた。


「杳子、覚えておきなさい。女が間違った結婚をすると、女を醜い羅刹(らせつ)》に変えてしまうのよ」


「《羅刹》 …… ???」(ノーテンキな杳子はメジャーでもない、まるで聞いたこともない言葉にポカ〜ンとする←当時視聴してた自分も初めて知った)


《羅刹》とは、「人の心に住み着き、惑わし、人を喰らうという恐ろしい魔物、悪鬼👹」の事なのだという。


こんな光景を見せられて、近づいている結婚式にも不安な暗い影がのしかかる杳子。


(でも、私は貴史さんを愛してるんだもの …… )


その一点だけで強行に結婚式を行うも ……


出たぁーー!あの餓鬼のような老婆三條美紀が、結婚式に呼ばれてもいないのに参上!!(ダジャレかよ(笑))






杳子の指輪に噛み付いたり、ウェディング・ケーキはなぎ倒すわで、結婚式場は大パニック。

当然だが、メチャクチャな状態になってしまう。(↑この笑顔で誰が企んだか一目で分かるはず。)


溺愛する息子の結婚式を台無しにされた『綾乃』(山本陽子)は、顔を真っ赤にして怒り心頭。


「許せませんわね …… 」



いつの間にか結婚式場から祖母(三條美紀)を連れ出すと、自宅の離れでは凄絶な折檻が始まっていた。


ああ、恐ろしや《羅刹の家》……


こんな家に嫁いでしまった杳子に、安息の日はやってくるのか ……



つい先日(2024年2月20日)、女優の山本陽子さんがお亡くなりになった。享年81歳だった。


よく俳優さんや女優さんが亡くなれば、これまでの代表作がいくつか挙がって、メディアでもチラリと、その映像が流れたりするものだが、この『羅刹の家』に限っては全く無し。(まぁ、こんな内容だし、「やっぱりな …… 」とは思っていたけど)


でも、自分にとって山本陽子さんといえば、やっぱり『羅刹の家』なのだ!(貼り付けた場面が、画質の悪いのばかりでごめんなさい。.⁠·⁠´⁠¯⁠`⁠(⁠>⁠▂⁠<⁠)⁠´⁠¯⁠`⁠·⁠.)


このドラマでは、数多くのアクの強い俳優陣たちが揃って出演しているが、そんなのの向こうを張って、やっぱり山本陽子さんは最強のボスキャラ!(ノーテンキな芝居では、別次元で加藤紀子も最強クラスかも)


とにかく、羅刹の家ならぬ、この家の周辺は淀(よど)んだ 負のオーラ😰で満ち溢れている。


なにせ、呪いの藁人形🔨で、人を呪い殺す丑の刻参りが、ブームになっているような町なのだ!


最初は近所の主婦(いしのようこ)が、姑憎さに《丑の刻参り》をしているが、満願成就(願いが叶う)前に、その姿を杳子見られてしまい願いは叶わない。(残念!)


お次が、あの杳子。

祖母(三條美紀)が死んだ後、綾乃のいじめのターゲットが嫁の杳子に移り、その結果、ストレスで初めての子供を流産してしまう。


すると、杳子も綾乃を激しく憎むようになってくる。


(いつか見た《丑の刻参り》…… アレを利用して、お義母様を呪い殺してやろう …… )と。(結局、行き着く先は、こうなってしまうのでした(笑))



だが、杳子もまた、生来の人の良さが邪魔して、あともう一歩のところで断念。

満願成就は叶わないのでした。



そうして、綾乃は《丑の刻参り》の効き目を存分に知っているので、最初からやる気満々。


夫の『小椋孝夫』(田村亮)が、若い愛人・史子(ふみこ)を孕(はら)ませると、その子を呪い殺してしまおうと《丑の刻参り》を躊躇なく決行する。


こちらは無事、満願成就を達成した。(愛人の子は流産したのだ)


強い意志と精神力がなければ、《丑の刻参り》は、簡単には成功しないのである。



恐ろしい羅刹よりも、さらに恐ろしい『綾乃』(山本陽子)は、やっぱり最強。


でも、こんな家や近所には住みたくないよねぇ~


いつまでも忘れられない思い出のドラマである。(なんせ、あちこちの木には、呪いの藁人形を打ち込んだ釘跡だらけ(笑))


おしまい。

星☆☆☆☆☆。


2023年8月12日土曜日

ドラマ 「かもしれない女優たち2016」

 2016年 10月。




変わったドラマ見っけ!

…… と、いってもコレも平成も終わりに差し掛かった頃の、だいぶ前のドラマなのだけど。


それぞれの女優たちが実名で登場していて、

「もしも、あの時、〇〇の仕事を断っていたら …… 」なんて想像で、架空のパラレルワールドの世界を描いている。


一風変わった切り口に挑んでいるのは、お笑いタレントのバカリズム。(脚本)


第一弾が2015年にあり、竹内結子真木よう子氷川あさみで放送されている。


私が観たのは第二弾の広末涼子井川遥斉藤由貴版のスペシャルドラマ。(竹内結子のみ第二弾にも少しだけ出演している)



広末涼子は、「もしも伝説のドラマ《ビーチボーイズ》を断ってしまったら …… 」

井川遥は「あの時《写真集》を出さなかったら …… 」で、共に落ち目の女優になったしまった二人。


広末涼子の方は、結婚式の司会や、若い頃に出した《掃除本》を足がかりにハウス・キーパーの職で、なんとか食いつないでもいる。(広末が《掃除好き》なんてイメージは一切ないけど(笑))


井川遥の方はちまちまエキストラの女優だけを続けているみたい。

でもコチラには、一応、藤木直人(同名・俳優)という彼氏がいて、プロポーズを心待ちにしている様子。


で、問題は斉藤由貴なのだが …… 


カップヌードルのCMで評判になり、デビュー曲『卒業』がオリコン6位まで登りつめ大ヒット。(この辺りまでは現実と同じ)


だが、初主演ドラマスケバン刑事》を断ってしまった斉藤由貴!」は、そこから転落人生となる。


一気に落ち目。

仕事はなくなり、芸能界からは忘れられていき、ひっそりと引退。


暇をこいた斉藤由貴は図書館通いをはじめて、(なぜか?)理論物理学へと興味を持ちだし猛勉強して ……


現在(2015年)は、若い子らに混じって、48歳で、大学生となっていた。



夜は、かつて芸能人だったツテを使って《由貴ママ》なんて愛称で呼ばれながら、芸能人たちがお忍びで集まるBARを経営している。←(コレはコレで中々の成功じゃねぇの?)



そんなBARへ、子役から女優をしている夏帆((かほ)コチラも実名)は常連客となり、斉藤由貴を慕って足しげく通っていた。(井川遥藤木直人もココの常連客)



夏帆「ねぇねぇ、由貴ママが断った仕事って《ミニスカポリス》だったっけ?なんで断っちゃたのよ?」


斉藤由貴 「あのねぇ、《ミニスカポリス》じゃなくて《スケバン刑事》!それまで清純派路線だったのにいきなりのスケバン役でしょ。なんとなく、ついねぇ~ …… 」


夏帆 「ふ〜ん …… 」



だが、昼は大学生活、夜はBARの仕事。

卒業を間近に控えての論文の仕上げで、きりきり舞いの斉藤由貴はとうとう大学で、ある日、ぶっ倒れてしまう。


そんな病室へ、

「由貴ママ、大丈夫なのぉ~?」と、夏帆も心配してお見舞いに駆けつけた。


夏帆の手土産は、なんと!スケバン刑事の《ヨーヨー》である。


「由貴ママ、あんまりアタマ使いすぎ!コレならアタマ使わなくて済むでしょ」


だが、卒業論文で行き詰まっていた斉藤由貴はヨーヨーを見ているうちに、何かのヒントをつかんだようで ………




当人が同名で出演してくれて、しかも斉藤由貴じゃなきゃ、絶対に成り立たないようなお話。(よくこんな企画が通ったし、出演してくれたよ)


この後は、BARに、前述の広末涼子やら井川遥、藤木直人などが集結して、ちょっとしたスッタモンダがあるのだが、皆が皆、ハッピーエンドを迎える。(その中で論文が成功して《ノーベル賞》まで受賞してしまう斉藤由貴は、あんまりにも、やり過ぎのような気もするのだが …… )


まぁ、実名で皆が出演してくれてる以上、バカリズムとしては、だいぶ配慮した、こんな有り得ない結末もしょうがなかったのかも。



そうして、現在(2023年)に、このドラマを初めて観た私は、少し複雑な心境である。


このドラマの中で広末涼子が同じ歳で、女優として大成功している竹内結子を羨むシーンがあるのだが、現実では竹内結子が亡くなっている事実を誰もが知っている。


彼女に何があったのか詳しく報道もされなかったが、彼女こそ「もしも女優になっていなければ …… 」と思わずにはいられない。(このドラマを観た後では、一層そう思ってしまった。(少ししんみり))



広末涼子が、不倫して2度目の旦那と離婚したのはつい最近の事で、世間一般が知ってる事実。


このドラマの中で、結婚式の司会をしながらイケメン花婿に心ときめく広末だが、現実の彼女の男性遍歴を知っている我々には、ひと目で「ない!ない!絶対に有り得ない!」エピソードである。


なんせ、彼女の男の趣味は、男の自分から見ても、あまりにも《特殊》過ぎる!←(「広末、またもや、そっちに行く?」と誰もが、毎回思ってるはずだ)


結婚相手も不倫相手も、ごくごく普通のイケメンなんてのには絶対に惹かれない女、それが広末涼子なのである(笑)。

世間的には、こんなイメージが完全に定着している現在。(彼女は無事復活できるのか?こう、ご期待である)



そうして、斉藤由貴


3度目の不倫をしても、大したダメージもなく、歌手や女優を続けているのは皆がご承知のとおり。


それどころか「是非、出演してほしい!」と、次から次へと舞い込んでくる映画やドラマのオファーは、今も後を絶たない。


《不倫》くらいでは、びくともしない。

芸能界にしても、世間一般にしても、いつの時代も、斉藤由貴は求め続けられているのである。


そんな斉藤由貴が「《スケバン刑事》のオファーを蹴ったばかりに芸能界から消えていく?」


それこそ、有り得ないようなお話なのだけど。(こんな強力な個性や魔性が、人々の記憶から簡単に忘れ去れますかね?)


かくいう私もそんな魔性に魅了され続けた一人である。


バカリズムの脚本に、ところどころ苦笑いしながらも、これは「絶対に有り得ない話!」と全力でツッコむのが、このドラマの正しい観方だ。


そうして、何十年経っても、こんな扱いをされる《スケバン刑事》って、「名作だったんだなぁ~」と再認識させてくれたドラマなのでした。(デビュー曲《卒業》も、ドラマに中にちゃんと織りこまれております。やっぱスゴいわ、斉藤由貴!)



※尚、初代《スケバン刑事》は、当初、宇沙美ゆかりってアイドルにオファーがあったのは有名なお話。


それを、宇沙美ゆかりが蹴ったばかりに、次点として斉藤由貴が選ばれたのである。


こんなトリビアを知っておいて観ると、このドラマは案外面白いかもしれない。

《おしまい》

2023年4月12日水曜日

ドラマ 「仮面ライダー フォーゼ」

 2011年9月〜2012年8月。




ごく最近、ネットで配信されはじめた『仮面ライダー フォーゼ』。

久しぶりに観はじめたら、やっぱり面白くて、あっという間に夢中になってしまった。


しまいには、毎週更新されている次の回を待てなくなって、「そういえば …… 」と思い出し、今まで部屋の奥底に眠っていた『フォーゼ』のDVDをひっぱり出す。


全48話と劇場版を一気に観てしまいました。


お話は、天ノ川高校に転校してきた『如月(きさらぎ)弦太朗』(福士蒼汰)が、ゾディアーツと呼ばれる怪人と戦いながら、友達をドンドン増やしていくという、痛快青春ドラマ。


なんせ弦太朗の夢が

「この学校にいる全員と《トモダチ》になる!」ことなのだ。(まんま昭和の熱血主人公)


そうして《仮面ライダー フォーゼ》に変身すると、

宇宙、キタァーーー!!と、訳の分からない雄叫びをあげている。


なに?

訳が分からん?(私もよー分からん(笑))

とにかく観てちょうだいな。面白いから。


それにしても、この『仮面ライダー フォーゼ』が放送されてから、もう10年以上が過ぎたのか。(現2023年)


10年も過ぎれば誰にだって色々な事がある。

このドラマでも俳優を辞めてしまった者もいるだろう。


だが、

後に、数多くのスターたちを排出するのが、この仮面ライダー フォーゼなのだ!!



★如月弦太朗(福士蒼汰


『美咲ナンバー・ワン』というドラマで脇役を一度だけ演って、

次の『フォーゼ』では、ご覧のように主役。


「『仮面ライダー』になりたい!」

「『戦隊ヒーロー』になりたい!」

何年もオーディションを受け続けている者からしたら、まるで夢のようなお話。

しかも初めてのオーディションで、いきなり主役の座を射止めるなんて。


デビューしたばかりの福士蒼汰は、いとも簡単にスターダムの階段を駆け登ってしまう。


「君は笑顔がいいねぇ~」

『フォーゼ』に選ばれた理由なんてのは、たったのこれだけである。(愛嬌があれば演技の下手さも関係ないのだ)


その後は、朝ドラの『あまちゃん』に出演し、今日の今日までトントン拍子なのはご存知の通り。(最近では男女逆転の話題作『大奥』にも出演していた)


共演した女優たちとは毎度噂になり、女たちはひと目でメロメロ状態。

年配のプロデューサーや監督たちにも受けが良い。


苦労せずに誰にでも好かれる特別なタイプなのだ。(羨ましいなぁ~)


ここまで来たら、この《爽やかさ》で、今後も生き残ってほしいものである。(その代わり、薄汚れて髭モジャ。ダークサイトに墜ちた悪役の福士蒼汰など全くイメージできないけどね(笑))



★城島ユウキ(清水富美加(現・千眼美子))


この人もフォーゼ以後、有名になるのは超早かった。


フォーゼでは、珍妙な仮装をしながら踊り、ヘンテコな歌まで歌ったりしている。

そこには《恥じらい》や《ためらい》など全くない。


家政夫のミタゾノ』では松岡昌宏の鬘(かつら)を釣り上げて、『変態仮面』では鈴木亮平の局部を何度も拝む事になる。(今考えると、なんちゅー仕事よ(笑))


このまま順風満帆に進むと思いきや、突然《幸福の科学》に出家。


総裁・大川隆法に気に入られて、洗顔…もとい、千眼美子(せんがんよしこ)の名を与えられる。(この名前、本当にセンス悪っ!)

《幸福の科学》の看板女優になった千眼美子は、それからコンスタントに専属女優として映画に出演していく。


だが、大川隆法の突然の死。


今や総裁を亡くした《幸福の科学》は糸の切れた凧状態。

千眼美子(清水富美加)は今後どうなっていくのか …… 流転、流転の人生である。(千眼=洗顔。 顔でも洗って出直す?(笑))



★朔田(さくた)流星(吉沢亮


『フォーゼ』も中盤になると出てくるのが2号ライダーだ。

その名も『仮面ライダー メテオ』。


表裏のない弦太朗とは真逆で『朔田流星』(吉沢亮)は、思いっきり《裏ありき》の男である。


交換転校生として天ノ川高校にやって来た流星には、《ある目的》があった。


それは《アリエス・ゾディアーツ》(おひつじ座の怪人)を探し出すこと。


ある事故で永遠の眠りについてしまった親友・『井石二郎』を再び目覚めさせるには、どうしても《アリエス》の力が必要なのだ。(その為に怪人が頻繁に出没するという天ノ川高校にやって来る)


そんな本心を隠して、弦太朗が作り上げた《仮面ライダー部》に近づいていく。(仮面ライダーが、このドラマでは部活扱いなのだ)


口では「面白そうな部活ですねー!」と愛想よく振る舞いながらも、本音は(どうしようもない奴ら …… )と舌打ちしたりする。(チッ!)


メテオの正体を隠したまま戦う流星。

この『朔田流星』(吉沢亮)の投入がフォーゼを加速度的に面白くさせ、中盤以降、番組を盛り上げていく事になる。


この朔田流星を演じた吉沢亮は、前述の二人とは違い、すぐにブレイクする事はなかった。


それでも努力して、少しずつ知名度を上げていって、とうとう2021年の大河ドラマ『晴天を衝け』では主役にまで登りつめる。(凄い!)


この人が、今のところフォーゼでは一番の出世頭じゃないかな。



メテオの決めセリフ、

俺の運命(さだめ)は俺が決める!なんてのがあるが、今聴くと、吉沢亮の有言実行にも思えて、更に格好いいセリフのように響いてくる。




★井石(いせき)二郎(横浜流星



で、コイツが元凶となった『井石二郎』(横浜流星)である。


たま〜に出てくれば、病室のベッドで「ウ〜ン、ウ〜ン …… 」と、もがき苦しんでおります。

しょっちゅう病院からは『朔田流星』(吉沢亮)に電話がかかってくる。


「大変です!井石さんがまた苦しんでます!!」(コイツに両親はいないのか?(笑))



まぁ、見てみれば(中々整った顔をしてるけどなぁ~) …… 当時はこのくらいの薄い印象だった。



でも、世の中は分からない。

この人は、その後  大化けしてしまうのだ!



翌年、戦隊ヒーロー・モノ『列車戦隊トッキュウジャー』に合格して《トッキュウ4号》でレギュラー入り。(志尊淳関根勤も出てました)


徐々に知名度をあげながら肉体改造をしていき、今じゃトンデモない宝塚のような美貌と鋼のようなボディーを手に入れる。


見よ!今の姿を!


まるでサナギが蝶に生まれ変わったようじゃないか。


最近じゃ、頻繁に主演映画にも駆り出されていて、横浜流星の名前をあちこちで耳にするようになった。


でも、まさか、あの時フォーゼに出ていた二郎だったとは。(あまりにも変わり過ぎている)


それにしても、当時は何とも思わなかったが《(朔田)流星《(横浜)流星を救おうとするシチュエーションだったのね。(ああ、ややこしや〜)




★エリーヌ須田(滝沢カレン



ご存知、変な日本語を操り、バラエティ番組で大ブレイクした滝沢カレンである。


驚くなかれ、彼女も、この『フォーゼ』に出演していたのだ。(37話・38話)


彼女の役は《アクエリアス・ゾディアーツ》(水瓶座の怪人)。


宇宙飛行士になるテストで一緒になった『城島ユウキ』(清水富美加(現・千眼美子))に異常なまでの憎しみを抱く。


「ふざけ過ぎてる!」

「口先だけのパフォーマー!」言いたい放題。(まぁ、気持ちは分かるけど(笑))



で、肝心の演技の方はどうかというと ……


長セリフを全く息継ぎも無しに、しかも超早口でまくし立てる!(ヒィーッ!)


まぁ、この頃は演技するのも初めてで一生懸命だったのかも(そっとフォローしとく)





…… 以上が、世間的に見てブレイクしたと思える『フォーゼ』の面々である。



この後も《仮面ライダー・シリーズ》を追ってしばらく観ていたものだが、自分的には全くダメダメだった。


とにかく話(脚本)がつまらない。

魅力的なキャラクター(俳優)が出てこない。


その後、大ブレイクしたのが『仮面ライダー ドライブ』の竹内涼真だけなのをみれば、あながち、この考察もハズレではないのかもしれない。



子供でも、大人でも、皆が観ても楽しめる『仮面ライダー』。

皆の記憶に残る『仮面ライダー』。


『フォーゼ』はやっぱり傑作なのだ!



だから、「あ〜、あの仮面ライダー フォーゼに出ていた人ね …… 」で、俳優たちは次のチャンスにつながっていく。


まだまだ『仮面ライダー』のコンテンツに頼りたいのなら、東映さん、そろそろ本腰を入れてくださいな。


『フォーゼ』観るべし。

星☆☆☆☆☆。



※《補足》

そうそう、アンガールズの田中卓志も《フォーゼ》にレギュラー出演していた。


芸風そのまんま、皆に 気持ち悪がられる 教師役である。(気持ち悪がられながらも笑いあり)


でも、こんな田中卓志も最近結婚したという。(おめでとう)


やっぱり一括りに10年といっても、色々あるわ~(笑)



2022年10月1日土曜日

ドラマ 「獣拳戦隊ゲキレンジャー」

 2007年2月〜2008年2月。




たぎれ!獣の力!!ビースト・オン!!


東映のYou Tubeで、最近配信が始まった『獣拳戦隊ゲキレンジャー』をついつい観てしまう。


放送当時もけっこう気にいって毎週観ていたものだが、ヤッパ面白いゲキレンジャー


なんせ特撮モノの《良心》といえるような坂本浩一監督が関わっているんですもんね。(私のお気に入りである『仮面ライダーW』も坂本浩一監督)


放送当時、この『ゲキレンジャー』は、視聴率的な事や玩具の売り上げで伸び悩み、苦戦したらしいが、んな事は 関係ないし、どーでもいい!


とにかく特撮ヒーロー・ドラマとしては、完成度が高いし、とても良質な作品なんですから。(絶対観るべし!)


ゲキレンジャーのモチーフはカンフー


正義の《激獣拳ビースト・アーツ》と悪の《臨獣拳アクガタ》が、毎回熱い死闘を繰り広げながら、お話は進んでいく。


もちろん、正義の《激獣拳》使いであるゲキレンジャーたちも最初っから完璧に強いわけではない。


課題として出される《修行》を、1つ1つクリアーしながら、少しずつレベルアップしていくのだ。



ここで、オッサンである私の愚痴を少しだけ …… 。


最近の特撮モノでは、この点が 特に ダメダメなのだ💢。 


いくらスポンサーが玩具を売る為とはいえ、毎度毎度、安易にレベルアップしすぎである。


ストーリー展開なんて、二の次、三の次。


最近のライダー・シリーズなんて、どんどん派手な色合いの、まるで飾りたてた孔雀のような見た目になってきた。


耳をつんざくような(キィー!キィー!)やかましいベルト。


それが敵も味方も交えて、次から次への新変身を簡単に繰り返す。


レベル・アップのカタルシスさえも全く感じない。(もはや原形を忘れてしまうほど。何度変身するんだ?オイ!(笑))



戦隊シリーズでは、新ロボットや新兵器が次から次に出まくりで、それが変に合体していくと、とてもカッコイイは言えないくらいのイビツな形になっていく。(「これじゃ、全然動けねぇ~だろ〜よ」てのもある)


もはやヒステリー状態。末期的症状である。(ダメだこりゃ!)



その点、この《ゲキレンジャー》は、そんなモノを無理なく消化できていて、とても上手い具合にやっていると思う。


子供番組や特撮モノだとしても、やっぱり《ドラマ》は《ドラマ》なのだ。


観ている大人や幼い子供たちを侮(あなど)るべからず。

今後もシリーズを続けていきたいなら、お話の方にこそ、もっと重点をおくべき事をオススメしとく。



それには、どんな新シリーズでも、第一話が、一番重要になってくる


来週も「是非観なければ!」と思わせる …… 全ては、この《第一話》の出来にかかっていると言っても過言じゃない。


そういう意味では、第一話からして、この《ゲキレンジャー》は格段に出来が良いのだ。


森林深い樹海でたった一人、虎に育てられ、獣たちと暮らしてきた野生児『ジャン』(鈴木裕樹)。


そんな場所へ、ある日、小型飛行機が墜落してくる。🛩️

なんとか脱出した激獣拳使いの『ミキ』(伊藤かずえ)。


ミキは敵の臨獣拳たちに襲われたのだ。

だが、生身のミキは臨獣拳の手下たちをバッサバッサと倒していく。


「激獣拳スゲェ〜!!」

すっかり感動したジャンは、ミキに保護されて、都会の激獣拳ビースト・アーツ本部へと連れられてくる。(樹海の中でも、助けを呼ぶ為の携帯電波は繋がったのかな?(笑))


そこには猫の顔をした激獣拳の師匠『マスター・シャーフー』(猫?)やら、同じように激獣拳を学んでいる『ラン』(福井未菜)と『レツ』(高木万平)の姿も。


ランとレツの修行を見て、天真爛漫なジャンは大ハシャギ。

「俺もやるぅ~!」と、早速乗り込んでいく。(二人はポカ〜ン顔。「なんなの?この子?!」って感じ)


そんな時、ジャンの第六感が妙な気配を察知した。(野生児ゆえか?)


「なんだコレ?ゾワゾワする …… 」

急いで現場に駆けつけるジャン、レツ、ランの3人。


街では、悪の臨獣拳の化け物たちが大暴れして、破壊の限りをつくしていた。

レツとランは、早速『ゲキブルー』と『ゲキイエロー』に変身して応戦。


ジャンは、変身も出来ずそこへ立ち尽くすだけである。


そんなジャンの目の前で敵の親玉が小さな女の子に手をかけようと近づいてゆく。


震えて泣き叫ぶ女の子。(これ、『ポニョ』の大橋のぞみちゃんじゃないですか!)


それを見て、ジャンの心に火がついた。🔥


やめろぉーー!その子から手を離せぇーー!


ジャンの怒りが頂点に達すると、巨大な虎のオーラが全身を覆うように包み込む。


『ゲキレッド』の誕生である。


その後は爆発的な『ゲキレッド=ジャン』の力が大炸裂!💥

敵は「こりゃ、もうたまらん」と突然、巨大化する。(戦隊モノの定番ね)


と、そこへ、あの師匠である猫のマスター・シャーフーが同じように巨大化して現れた。


ゲキレンジャーの3人は驚いて見上げながら、第一話は、これにて幕。


次回へと続くのである ……


まるでヒーロー・モノのお手本みたいな第一話。


主人公である『ジャン』(鈴木裕樹)に、大きくスポットが当たっているのが、充分に分かる仕上がりになっている。



物語の世界観もそこそこに、

登場人物たちの紹介をパッパ!と済ませて、

すぐにでも変身させて闘わせたい。


スポンサーも番組プロデューサーも、ガンガン!オモチャの宣伝をして売りたいだろうが、そこは、もう少しだけこらえましょうや。


間口を広く、この物語の世界観に視聴者を引き込むためには、主人公の魅力を存分に語る時間が必要なのだから。


主人公の置かれた立場、性格描写、心理描写 …… 

そんなのを充分に描く事が出来てこそ、視聴者が初めて見るような特殊な世界でも、主人公の目線で、物語を追っていく覚悟がやっと出来るのだから。


それさえ無事に終わってしまえば、もう安心。


異形のヒーローに変身しても、視聴者は主人公の気持ちで、同一にも観てもくれる。(第一話のクライマックス近くで、やっと変身して闘うジャンに、観ている側も気分は 最高潮!🔥大興奮である)


コレで掴みはOK!


第二話以降は、ブルーやイエローなど他の戦隊や仲間たちにスポットを当てて語るも良し。敵を語るも良し。

好き勝手、自由にやってくれてもいいと思う。



ただ、第一話だけは、定番と言われてもセオリー通りじゃなきゃ ダメ なのだ!


第一話で《主人公》をおざなりに扱っている作品は、戦隊モノでもライダー・モノでも、ことごとく失敗していると思う。(誰もが、いくつか思い当たる作品があるんじゃないかな?)



しかも1年間の長丁場なら尚更である。


こんな下地が出来てこそ、中盤に出てくるような追加戦士などもイキイキしてくるというもの。(「追加戦士にレギュラー陣はどんな反応をするんだろう?」と、ひときわ別の興味も湧いてくるのだ)


ゲキレンジャーの追加戦士は二人。



『ゲキバイオレット=深見ゴウ』(三浦力)は、『ゲキブルー=深見レツ』(高木万平)の行方不明だった兄貴。

戦隊モノにしては、珍しい《紫》がトレードカラーになっている。

けっこうな肉体派だ。


『ゲキチョッパー=久津ケン』(聡太郎)は、ロン毛で髭面の調子の良い男。

この戦士だけ、《白》なのか《オレンジ》なのか、色設定が曖昧である。(名前も《チョッパー》だし)


髭面の割に愛嬌がある聡太郎さんは、どの場面でも笑顔なんだけど、なぜか?いつも涙目だったような記憶が💦。(新人ゆえ、こっぴどく現場スタッフたちに怒られていたらしい。※詳しくは聡太郎さんのYou Tubeチャンネルをご覧あれ)


それでも、上記の写真を見ても分かるように5人は仲良さそうだ。



それぞれのキャラクターが立ってくると、番組も中盤以降は大盛り上がり。


謎だった伏線が回収され、ハードな展開をはさみながら、怒涛のクライマックスへと流れていく。


ゲキレンジャーはトータル的に見ても、数多い戦隊モノの中で、それが上手くいったような稀な作品じゃないだろうか。



こうして何年経っても、私のゲキレンジャーへの評価はいまだに高い。


観た事がある人は、あの当時を懐かしがって、初めて観る人は期待して ……

存分に楽しんで頂きたいと思う。


みんな、ニキニキのワキワキだぜ~!(ジャン語ならこんな感じか?(笑))


2022年8月9日火曜日

ドラマ 「鉢植えを買う女」

 2011年  11月。





2011年のテレビ東京で放送したという、このドラマ。

私が観る事ができたのは、2020年代に入ってから、ずっと後の放送だった。


とにかく、このドラマの主人公である余 貴美子(よ きみこ)さんのやさぐれ感半端なく最高(≧▽≦)過ぎて、いつしか食い入るように観てしまったのだ。



『上浜楢江(ならえ)』(余貴美子)は、精密機械メーカーの会社に勤続30年以上勤める独身OL。

もはや《恋》だの《愛》だのに、とっくに見切りもつけている御立派な年齢を迎えている。(52歳だもんね)


それなのに、時たま、田舎から出てきて見合い写真を押し付けてくる母親(佐々木すみ江)には、もうウンザリ。


「どうせ、子持ちの冴えない中年男でしょ」

そう言いながらも、一応写真を見てみると案の定。(ガックリ!やっぱりオッサンじゃん)



こんなイライラ💢する気持ちは、会社でウサばらし。

仕事の出来ないような新人たちに激しく当たり散らす楢江。(上司もそんな楢江が恐いのか、注意すら出来なくてビクビクしてる)


みんなが楢江を嫌っている。

でも、一方では、そんな楢江を《頼りにもしている》という異常な状況。


なぜなら、楢江は会社で金貸し業をやっているからなのだ。(非合法で)


昼食は毎日、ステンレスの弁当箱に詰めた《自家製焼きそば》だけ。

そんなモノで辛抱して、30年間楢江はコツコツ金を貯め込んできたのだ。


それを今度はどうにかして、さらに増やしていきたい。

そこで、社員相手に利子付きで《金貸し業》を始めたのだ。


こんな噂は、口コミで、あっという間に社内中に伝わり、今日もある社員が、楢江が一人きりになるタイミングを見計らっては、こっそりと近づいてくる。


「あの〜上浜さん、また少しばかり都合つけてほしいんだけど …… 今度、子供が産まれるもので …… 」


「名刺だして!」



社員が差し出した名刺の裏に、《借りた日付》、《金額》、《返済日》などを書かせる楢江。その目は射抜くように真剣そのものだ。


個人の名前が書かれた名刺は、いわば借用書がわりなのだ。


その名刺を受け取ると、代わりの金を渡す。


「ちゃんと期日には返して貰うわよ!もちろん、それなりの利子も頂くわ!!」

社員は金を受け取ると、楢江に深々と頭を下げていってしまった。


これが今の楢江の信念。


(《金》は決して私を裏切らない!信用できるのは《金》だけよ。それをもっと増やしていって、いつか郊外に私だけの夢の城(アパート)を …… )


そんな、ある日、会計課の『杉浦淳一』(田中哲司)という男がやって来て、楢江から金を借りていった。

ギャンブル狂の杉浦に金を貸したのは初めてだったが、楢江はあくまでも強気。


「ちゃんと返してよ!」


でも、返済当日が来ても杉浦の態度は、まるで呆れたもの。


「明日、本命のレースがあるんだ!今はこれだけしか返せない」


「冗談じゃないわ!約束よ!返してよ!キチンと今すぐ返しなさいよ!!」

ギャンギャン喚き散らす楢江。


そんな楢江を黙らせようと、杉浦は口を塞ぎ、抱き寄せ、慣れた手つきで、スカートの中に手をもぐり込ませてきた。


「何するのよーー!」

すんでのところで、杉浦を振り切り、やっとこさ逃げ去る楢江。


この歳で《強姦》されかかった …… 

一周りも歳下の男に ……



楢江にとってはショックな出来事。

でも、この出来事が、諦めかけていた楢江の女性としての《本能》を目覚めさせ、今までの自信を徐々にグラつかせてゆく ………




こういう『楢江』のように、強気の仮面をかぶって《金》にだけ執着している女は、昔も今も存在するし、自分の間近にもいたりする。


『杉浦』のように、ギャンブル癖があり、女ったらしの男も、また然りだ。


どこにでも見かけるような登場人物たち。

そんな人物たちを上手く絡めて、物語に織り込んでいくサマは流石である。


「誰の原作か?」と思いきや、やっぱりコレもミステリー作家・松本清張さまでございました。


鉢植えを買う女』は、1961年に発表された短編集の中のほんの一編。

こんな短編でさえ、その昔から何度も映像化されているのだという。(『鉢植えを買う女』は、コレを入れて4度目のドラマ化である)



思えば、この日本で、古今東西『ミステリー作家ナンバー1』を選ぶとするなら皆、誰を挙げるんだろうか?


江戸川乱歩?横溝正史?

赤川次郎?西村京太郎?山村美紗?

それとも最近の作家じゃ東野圭吾なのか?


映像化するクリエーターたちは、もはやその答えを、とっくに出している。


この日本では、松本清張こそが、不動の『ナンバー1』なのだ。



たとえ、名探偵などのシリーズ・キャラクターを持たなくても問題なし。


長編、短編の原作関係なく、コレだけ多くの作品が、半世紀以上前から〜現在に至るまで、何度も何度も映像化されては、その都度、話題になる。

しかも、それらのほとんどが高視聴率を叩き出してる。


時代が移り変わっても、松本清張の作品だけは色褪せる事がない。

常にどの時代でも求められているのだから。



俳優や女優たちにしても、松本清張の原作ドラマに出演するともなると、他のドラマとはまるで普通とは意気込みが違うし、最初っから襟を正すような気構えである。


特に女優たちの方が、そんな想いが格別に強いように思える。


「この作品が女優としての真価をとわれる!」とか、

「これが成功すれば女優として一歩前に抜きん出る事ができる!」

なんてのをビンビンと感じさせてくる。(最近じゃ米倉涼子武井咲なんてのが、それに当てはまるだろうか)


表向きには人当たりが良かったり強気の仮面を被っていても、裏ではドロドロしたモノや弱さを抱えていたりして、苦悩している男と女。


そんな人物たちが間近にいて、知り合ってしまうと、どうなってしまうのか?


松本清張の小説には、大がかりなトリックは無くても、そんな男女の《化学反応》的な面白さがある。


それを皆が分かっているのだ。




楢江はあれ以来、杉浦の事が気になってどうしようもない様子。

しまいには、用もないのに会計課に行っては杉浦の姿をちょくちょく探してしまう日々。


そうして、借金を返しに楢江の家を訪ねてきた杉浦に誘われ、拒まれず、とうとう関係を結んでしまうのだ。(「嫌よ嫌よも好きのうち」を地でいく楢江)



でも、その日から楢江の気持ちは180℃反転。


顧客名簿からは杉浦の名前は消されて、すっかり杉浦の彼女気分。

いきなり「淳ちゃーん♥」になってしまうのだ。(この変わり様よ(笑))


杉浦の為に尽くしはじめ、オシャレをしはじめ、ケチケチした焼きそば弁当をヤメて、多少の贅沢(会社の社員食堂で昼食)をしたりもする楢江さん。


そんな楢江に水を差すような事を言って近づいてくるのが、イヤな食堂の賄いババァ(泉ピン子)。


「あんた、あの男と付き合ってるのかい?あの男ギャンブルだけでなく、若い女にも金を注ぎ込んでいるって噂だよ」(要らぬことを)


「そんな …… 」


幸せの絶頂から、いきなり奈落へ真っ逆さま。

今度はドス黒い疑惑と嫉妬心に支配される楢江。



これぞ不可思議な男女の《化学反応》。

当然、この先、楢江と杉浦には悲惨な末路が待っているのである ……



暇な時間に面白いドラマや映画を探すなら、松本清張を頭の隅に入れておくのもいいかもしれない。

なんせ、ハズレ無し。


このドラマも印象深く残っている一編なのでございます。星☆☆☆☆。

(それにしても、泉ピン子は最後までイヤなババァだ(笑))