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2020年3月28日土曜日

映画 「ブレイク・アウト」

1975年 アメリカ。






たった今、チャールズ・ブロンソンの『ブレイク・アウト』を観終わったとこ。



懐かしい~。



これも、大昔、日曜洋画劇場で放送していたっけ。



この『ブレイク・アウト』のDVD、嬉しい事に、日本語吹き替えの追加収録までしていて、《 ブロンソン 》=《 大塚周夫(おおつかちかお)さん 》を、心ゆくまで完全に堪能できるのだ。



やはり、ブロンソンと言えば、《 大塚周夫(おおつかちかお)さん 》。

《大塚周夫さん》



この声に、慣れ親しんだ世代には、誠に嬉しい限りの、お宝のようなDVDなのである。




この大塚周夫さん、リチャード・ウィドマークの吹き替えも専門でやってらしたので、今思うと、ブロンソンもウィドマークも、大塚さんの声で好きになったんじゃないかと思えるほどである。



「この俳優には、この吹き替えの声じゃなきゃダメ!」なんてものが、我々、世代には絶対にあるのだ。






さて、この映画、『ブレイク・アウト』だが、お話自体は、なんてことは、ない話。



無実の罪でメキシコの刑務所に収監された『ジェイ』(ロバート・デュバル)を妻の『アン』(ジル・アイアランド)が救おうとして、金のためなら何でも請け負う『ニック』(ブロンソン)に脱獄を依頼するお話。



この映画を、ブロンソンの声と字幕スーパーでも観てみたのだが、何なんでしょう………やはり物足りなかった。




観るべき、見せ場、見せ場は、確かにあるのたが、今の時代の目で観ると、やはり展開が、いささかノンビリし過ぎていて、古くさいように感じてしまった。(決してつまらなくはないのですよ)




だが、吹き替えの大塚さんの声で観ると、それに何かが加算されたように、イキイキとしてくるのだ。



ここでの『ニック』(チャールズ・ブロンソン)の吹き替えは、大塚さんにしては、珍しくべらんめぇ調の声でニックの声をあてている。



金のために、脱獄を成功させるために、あちこちで、口八丁のブロンソンなんてのも、また珍しいものだ。



ブロンソンの芝居に、大塚さんの声が乗っかると、平坦な映画でも、まるで別の命が吹き込まれたようになってしまう。



これが、声優としての力なら、まさにプロ中のプロの仕事である。




残念ながら、2015年にお亡くなりなってしまったが、大塚周夫さんの声は、今でも、この世には残っている。




生きている我々は、この声を楽しみながら、これからもブロンソンを楽しみたいと思う。



名吹き替えがプラスされて、

星☆☆☆☆であ~る。

2019年12月30日月曜日

映画 「特攻大作戦」②

《①の続き》

そして、いよいよ囚人たちの紹介である。(これも豪華な面々が揃う)




チャールズ・ブロンソン………ジョゼフ・ワラディスロー。

囚人の中でも、かなり教養があり、そして人一倍冷静な判断力を持つ男である。


やがてライズマンの右腕になるような才覚をみせていく。(さすがブロンソン!)



髭のないブロンソンの出演は貴重だが、やはり、この人には髭があった方がお似合い。

この後に、映画『デス・ハント』で再び、リー・マーヴィンとタッグを組んでいる。(まるでリー・マーヴィンを中心に広がる友達の《輪》)





ドナルド・サザーランド………ピンクリー。

終始おどけているようなアホな囚人役。


まだデビューして3年目の初々しいサザーランドに、最初気がつきませんでした。(こんな時代もあったのね)


ドナルド・サザーランドは、ニコラス・ローグ監督の『赤い影』が有名である。(不気味なサスペンス)






ジョン・カサベテス…………フランコ。

威勢だけは、一丁前の囚人。(喧嘩になれば、簡単にのされてしまう、このヘタレっぷりよ。)


ジョン・カサベテスが、俳優をやっているのを初めて観た。


だってカサベテスといえば、監督として有名ですもん。


奥さまのジーナ・ローランズを主演にした『こわれゆく女』や『グロリア』などは、超有名。

でも、調べてみると、このお方、コンスタントに俳優もやってらっしゃるのですね。



リー・マーヴィンの『殺人者たち』にも出ているという。(ここでも広がるリー・マーヴィンの友達の《輪》である。)







テリー・サバラス…………マゴット。

そして、そして、サバラスである。


とんでもなくイカれている囚人。


人種差別は当たり前。強姦殺人の死刑囚役。


この見た目のビジュアルが、この映画では、特に不気味で、恐ろしく思えるほど。(こう見えても実際のサバラスは、コロンビア大学で心理学を専攻したほどの知性派なのですよ)


この方の代表作といえば、海外ドラマ『刑事コジャック』。

ピーター・フォンダの映画『ダイヤモンドの犬たち』でも大活躍している。


スキンヘッドは、その見た目だけで、相当に破壊力のあるビジュアル。





と、まぁ囚人役で気になったのは、こんなところかな。(後、8人いる。他ははあまり知らないけど)


それでも、これだけの豪華な面子が揃えば、集団劇でも見分けるのは、とても楽だ。(大人数になるほど、脚本や監督の力量が試される気がする)



それにしても、リー・マーヴィン、アーネスト・ボーグナイン、ジョージ・ケネディ、チャールズ・ブロンソン、ドナルド・サザーランド、テリー・サバラスなんて名前がズラズラ並ぶと、まるで自分が、この1年で書いてきたblogの総決算のような気がしてくる。



もちろん星☆☆☆☆☆である。


「悪を知った者しか、悪に立ち向かえない」と言ったのは誰の言葉だったか……。



男たちの熱い闘いを、どうぞご覧あれ。


そして、みなさま良いお年を。(お粗末さま)

2019年11月5日火曜日

映画 「荒野の七人」

1960年 アメリカ。








メキシコは国境はずれの寂れた農村。



村人たちは皆が協力しあい、わずかな作物を育てて地味〜に暮らしていた。



だが、悪党『カルベラ』率いる盗賊団たちが、頻繁にやってきては食べ物や衣服など、次々と奪っていく。


そして、今日も前触れもなく村にやって来ては、盗人猛々しく荷物を奪って積み込みはじめた。


その様子を怒りながらも、只、黙って見ているしかない村人たち ……



その時、一人の農夫が、農具片手に向かっていったのだが …… 呆気なくピストルで、ズドン!


盗賊たちは「また、来るぞ!」と、言い残してスタコラ去っていく。



だが、この事件は村人たちの心に火をつけて、何かを揺り動かしたようだ。


「このままじゃダメだ! どうにかしなければならない。でも、どうすればいい?!」

「長老に相談しよう!」

村のはずれに住んでいる物知りの長老なら、良い知恵を授けてくれるはずだ。



村の青年たちは長老を尋ねていった。



「戦え、戦うんだ!」長老は、開口一番そう言い切った。


「でも、どうやって?」

「銃を買え!」

「そんな …… 金もかかるし …… 」

グズグズ言い続ける3人に、長老は金時計を取り出した。

「これを売って金を作れ!他は皆からも集めろ!」

「銃なんて …… どうやって使えばいいのか …… 」

「じゃ、習え!!」(長老も段々と、めんどくさそうだ)




仕方なく青年たちは、テキサスの町まで銃を買いにやってきた。



そこでは、町外れで死んでいたインディアンのじいさんを誰が霊柩馬車で輸送するかで揉めている。



たまたま、居合わせたセールスマンが代金まで支払うと約束して、

「可哀想だから葬儀をしてくれ!」

(見ず知らずの死体になんて親切なんだ)と、葬儀屋に交渉しているのだが、人種の偏見が強いこの町では死体を取りに行く者さえいないのだ。




「馬車で迎えにいくまでに、きっと誰かに殺されてしまいます!」

馬車の運転手も逃げ出してしまい、葬儀屋は途方にくれている。




そこへ、一人の男が名乗り出た。

「俺が行く」

さすらいのガンマン、『クリス』(ユル・ブリンナー)だ。


そして、もう一人の男、『ヴィン』(スティーブ・マックイーン)も名乗り出た。


二人は馬車に乗り込むと、颯爽と出発した。




その後を、見物人たちもゾロゾロつけてくる。(怖いから誰もやりたくない、って言ってるのにコイツら …… )



二人が馬車で町の通りを走らせていると、建物の2階などから町のゴロツキどもが狙い撃ちしてきた。


それをヴィンもクリスも見事な早撃ちで、次々と撃退する。



遺体を無事に馬車で運んでくると、皆が二人に拍手喝采。



それを感心して見ていた村の青年たちは、

「是非、村の用心棒に来てくれ!」と、クリスとヴィンに頼み込んだ。


「2人じゃダメだ!あと5人の助っ人を探そう!」


クリスとヴィンは全部で7人のメンバー集めの為に、奔走するのだった。





この映画は、皆様、ご存じ有名な黒澤明監督の『七人の侍』のリメイクである。



この映画を観たユル・プランナーが、「是非とも、本国アメリカで映画化したい!」と思い、日本の東宝は破格の安いリメイク権(後年、黒澤明は東宝とこの一件で別離する)で売り渡したのだ。



監督や制作をしたかったユル・ブリンナーだが、あまりにも当時売れっ子で忙しく、映画の主演でなんとか落ち着いた。




監督は、ジョン・スタージェス

『OK牧場の決斗』、『ガンヒルの決斗』などの西部劇を、今まで撮ってきているので、リメイクが西部劇ならと連れて来られた。



だが、ユル・ブリンナーにしてみれば、あくまでも、


「これは、俺の為の、俺の映画なのだ!」なのだ。




その前の『王様と私』で絶好調、大スターだったユル・ブリンナー。

まさに、向かうところ敵なし!と思っていたユル・ブリンナーなのである。


この『荒野の7人』までは。





この映画には、それ以後、活躍する役者たちが数多く出演している。


チャールズ・ブロンソン、

ジェームズ・コバーン、

ロバート・ヴォーンなどなど ……

いずれも、その後、有名になり大スターになった。




だが、ユル・ブリンナーを一番苦しめたのは、それらではなく、《スティーブ・マックイーン》に他ならない。




勿論、スティーブ・マックイーンは、この時点では、大スターであるユル・ブリンナーには知名度や人気の点では全然及ばない。


TVシリーズ『拳銃無宿』が当たったが、映画界では、まだまだ端役扱い。



マックイーンはとにかく「売れたかった!有名になりたかった!」のだ。



だが、この映画でも与えられたセリフはあるが、たった僅かな数行のセリフだけ。


(どうすればいい?、どうすれば印象づけられる?)…… 考え続けるマックイーン ……



「セリフが無ければ、動きで表現すればいい!」マックイーンが動き出す。


最初のシーン、

ユル・ブリンナーと馬車に乗り込んで向かう時にもセリフはないが、帽子の角度を変えてみたり、馬車に揺られながらライフルの手入れなんかをコソコソ始めるマックイーン。



(なんだ?!こいつは?!)

ユル・ブリンナーは思い、


「じっとしてろ!」と言うのだが、マックイーンは止めない。


実際に二人が並んで映っているシーンでは、マックイーンに目線がどうしてもいってしまう。



その後もマックイーンは、カメラに映り込む為に、(どういう動きをしたらいいのか)カメラマンに、監督に振り向いて貰えるように様々な工夫で挑んでいく。




ユル・ブリンナーは、それにイライラし始めた💢


そして、脅威を感じた。




ユル・ブリンナーは銃の扱いに慣れていなかった。(それでよく西部劇の主人公に名乗りをあげたものだ)


マックイーンは軍隊にも居たし、『拳銃無宿』の経験があり、ピストルやライフルの扱いはお手のものだ。

華麗なガン・アクションと動きで魅せていく。



ユル・ブリンナーは、只、突っ立って、真正面の敵相手に引き金をひくだけだ。




そんなマックイーンに監督もスタッフたちも魅了されていく。



「なんで、マックイーンのカットがこんなに多いんだ!!」

撮られたフィルムを観て、ある日、ユル・ブリンナーがヒステリックにぶちギレた💢



「主役は俺なんだぞ!」ユル・ブリンナーが叫ぶ!


ジョン・スタージェスは雇われ監督ゆえ、ブリンナーに逆らえず、ブリンナーの意向を聞いて、なんとか映画を完成させる ……(スタージェスも大変だ。)



そうして完成した、この映画 …… 本国アメリカでは見事にコケたのだった。(アラアラ … )



だが、しばらくするとヨーロッパの方で評判を呼び、なぜか大ヒットしたりする。


(そんなに大ヒットしているなら …… )と再びアメリカに逆輸入されると、今度は話題を呼んで大ヒット!



リバイバル上映では、それぞれの出演者たちが、後に有名になった事もありグンと知名度を上げた ……… そんな一風変わった逸話のある『荒野の七人』なのである。





あの時、ユル・ブリンナーが感じたものは何だったのか……


『追う者』と『追われる者』…… スターの自分を追い抜こうと、後にかまえている未知の存在、マックイーンへの恐怖だったのか ……



(いや!そんなはずはない!!俺はスターなんだ!!)


ユル・ブリンナーは、そんな弱気を振り払い、監督や出演者を変えて、主人公を再び自分にして、『続、荒野の7人』に望んだ。



結果は見事にズッコケた。



それ以降、ユル・ブリンナーは、どんどん衰退していく …… 




かたやマックイーンは飛ぶ鳥を落とす勢い。

チャールズ・ブロンソンやジェームズ・コバーン、監督はジョン・スタージェスで、再びタッグを組んで別の映画を撮る。



―――『大脱走』1963年。


「主役はスティーブ・マックイーン、君だ!」

見事、念願の主役をつかみ、映画は大ヒットしたのだった。




この映画を観ると、本当にハリウッドの光と影を見るような気がする。



古いものは、新しいものに、いつかは追い抜かれる。



あれから、ユル・ブリンナーは、大スターになっていくマックイーンをどんな目で見ていたのだろうか …… 



そんなマックイーンやユル・ブリンナーのターニング・ポイントになったという意味では、この映画は、貴重な記録だと思わずにはいられないのです。



星☆☆☆☆。

2019年9月28日土曜日

映画 「デス・ハント」

1981年 アメリカ。







1931年頃、冬のカナダ、ロッキーの山麓で闘犬で盛り上がっている人々。




犬は血だらけで噛みつきあっていて、白い犬の方は瀕死の状態だ。

その犬の飼い主『ヘイゼル』(エド・ローター)は、それでも止めず、

「やれ!やれ!」と逆に煽り立てている。



そこへ轌(そり)に乗って、颯爽と現れた『アルバート・ジョンソン』(チャールズ・ブロンソン)なる男。




「その犬を逃がしてやれ」

そう言うと、飼い主ヘイゼルを、簡単に背負い投げして、首をねじり押さえつけた。



「とんでもない!あの犬には元手がかかってるんだ!」

押さえ込まれながらも、威勢だけはいいヘイゼル。


そんなヘイゼルの側に、ジョンソンは100ドル札を投げた。


「200だ!」

足元を見て強欲なヘイゼルは、値を釣り上げると、またもやジョンソンは100ドル札をヒラヒラ投げた。


そして、傷ついた犬を轌に乗せるジョンソン。




「おい!犬が欲しければ1000ドルよこしな!」

強欲なヘイゼルは、まだ叫んでいるが、今度はジョンソンも完全無視。(当たり前だ)


さっさと轌(そり)で行ってしまった。




「畜生〜!あの野郎!」

金を貰ったのに強欲で、芯から根性の腐ったヘイゼルは、まだブツクサ言っている。(まぁ、クズを演じさせたら天下一品のエド・ローター)



我慢がならず、町の騎馬警察隊長の元へと向かった。

途中、赤いピカピカの騎馬兵隊の制服に身を包んだ若い男に出会うヘイゼル。


「ミレン隊長はどこかね?」

ヘイゼルは、その男の身なりをジロジロ見て、(イケすかねぇ野郎だ)と思ったが、「付いてきな!」と道案内をかってでた。



警察隊長『エドガー・ミレン』(リー・マーヴィン)は、警察署には居ずに、ヘイゼルは男を酒場へ連れていった。



ちょうど一杯やっている最中のエドガー。



赤い制服の男は、ここに着任してきたばかりの新人のアルピンという巡査だった。


(この、呑んだくれが新しい上司?……)

エドガーの様子に驚きもしたが、とりあえず敬礼して自己紹介をしたアルピン。




でも、その横でヘイゼルが、

「おい!犬を盗まれたんだ!なんとかしてくれよ!」

と、キャンキャン吼えている。



でも違法な闘犬をやっていて、死にかけている犬を救い出された事など、エドガーはとっくにお見通し。

相手にするわけがない。



「俺が祈っている間に、とっとと消えな」

と捨て台詞を吐いて背中をむけるのだった。(格好いい!リー・マーヴィンである)




(畜生……畜生!畜生!畜生〜!)

苦虫を潰した顔のヘイゼルは、頭の中で『畜生』を連呼した。(本当にクズな演技がお上手)



その頃、薬を買って犬を手当てしている心優しいジョンソン。


「ここまで生きられたんだ、きっと治るからな」


人里離れた小さな小屋で、孤独なひとり暮らしのジョンソン。

そんなジョンソンの手厚い看病に犬も応えた。





次の日、犬は立ち上がり、餌を食べるまでに回復した。




でも、そんなジョンソンの小屋の周りに不審な人影。



あのクズのヘイゼルが、クズ仲間たちを集めて復讐しようと迫ってきたのだった ………






面白かった!


チャールズ・ブロンソンの映画を急に観たくなって探したのだが、あの『北国の帝王』のリー・マーヴィンとの共演。



渋い!渋すぎる男たちに、男ながら惚れ惚れする。




やさぐれて老いた警察隊長『エドガー』(リー・マーヴィン)なんて、一言、一言の台詞が痺れるくらい格好いい。



新人で頭の固いアルピン巡査は、「闘犬は違法だし取り締まるべきです」なんて必死に訴える。


でも、エドガーは

「坊や、忘れちまいな。人と人が殺し合うよりよっぽどいいさ」

なんて返答する。(か、格好いい~!)




こんな、老いても渋くて格好いいエドガーを町の女がほおっておく分けがない。

美人の未亡人『ヴァネッサ』(アンジー・ディキンソン)なんて旦那が死んだばかりなのに、エドガーの魅力に、もうイチコロ。



新年のダンスを踊った後は、二人すぐさまベットへと ……(あらあら)





そこへ不粋な、あのヘイゼル(エド・ローター)がやって来て(本当に不粋)、


「仲間のトムをあいつ(ジョンソン)に殺された!!」

と、ヒステリックに叫びわめきたてる。(自分達が襲撃しようとして逆に返り討ちになったくせに)



ベットの上で、ヴァネッサを抱いているエドガー。

オロオロしたり、慌てたりなんて決してしない。



悠然と構えながら、一言。


「俺が調査する!」だけである。


しだいに、ヘイゼルの方が、目の前の光景を目にして恥ずかしくなり、いたたまれず飛び出していく。




漢の男は、どんな時も慌てず騒がず。(たとえ、あの最中を見られてもである(笑))




リー・マーヴィンがかなり役得だなぁ~。




まぁ、チャールズ・ブロンソンの渋さも光っているのだが。


それにエド・ローターのクズっぷりがピカイチで最高!(クズ野郎を演じさせれば天下一品)


星☆☆☆☆である。


《追記》そうそう、『リー・マーヴィンの息子たち』っていう冗談めいた秘密結社があるらしい。

なんでも会員条件は、「リー・マーヴィンに似ている事」ですって。(とにかく牛顔って事なのか?)



普段はどんな広報活動している結社なんだろ …… 興味津々である。(笑)

2019年1月13日日曜日

映画「狼よさらば」

1974年 アメリカ。








設計士『ポール・カージー』(チャールズ・ブロンソン)は、愛する妻『ジョアンナ』とハワイで休暇をとっていた。


海辺でイチャイチャしながら、笑いあう中年夫婦。


「ずっとここに居たいわ …… 」ジョアンナがつぶやいた。





―  そうして、場所は変わってニューヨーク。

犯罪事件が後を経たない治安の悪さを連日ニュースは流している。



ハワイから帰省したジョアンナと、娘の『キャロル』は、近くのスーパーマーケットに買い物に行っていた。

気味の悪い3人組につけられているとも知らずに ……




二人が家に帰りつくと、すぐに鳴り出すインターホーン。


「スイマセン、お届け物です」

何の気なしにドアを開けると悪党どもがいきなり乗り込んできた。


ジョアンナはメチャメチャに殴られて、娘のキャロルにはレイプ魔が襲いかかる。



「やめてー!」キャロルの叫びも虚しく、悪党たちは力ずくで服を裂き、事が済むと笑いながら出て行った。(ケダモノ三人衆)




そんな事になっているとは、つゆ知らないポールは会社で黙々と仕事中。

娘婿のジャックから電話が掛かってくる。


「お義父さん、大変です!お義母さんとキャロルが …… !!」

「なんだとーー?!」

慌てて病院に駆け付けると、妻は酷い有様で既に亡くなっていた。


娘のキャロルも、レイプのショックで精神はボロボロ。


「ど、どうして?どうしてこんな事に …… 」




―  後日、大雪が降りつけるニューヨークの墓地で妻はひっそりと埋葬された。



その後、娘のキャロルは退院したが、レイプの後遺症は続いている。


娘婿のジャックが献身的に介護するものの回復の兆しは見られない状態だった。



ポールの絶望は、時間と共に怒りに変わったが、そんな気持ちをどこへぶつけてよいのやら、それをもてあます毎日 ………




そんな折、上司の粋な計らいで、アリゾナの田舎町ツーソンへの出張を命じられるポール。



《ツーソン》……自然に囲まれて犯罪も殆んどない町 ……


空港に着くと、ジェインチル不動産のオーナー・『エイムズ』(スチュアート・マーゴリン)が快く出迎えてくれた。



広大な敷地に、人が心穏やかに住めるようなニュー・タウン計画の設計をポールは依頼されたのだ。



ひと目でポールを気に入ったエイムズは、町の西部劇のショーに連れて行く。


「ここじゃ、昔の開拓時代のように皆が拳銃を携帯している。だが不思議に犯罪事件も少ないんだ」エイムズは言う。



夜間、ポールが事務所で設計をしていると、エイムズが、またもやぶらりと現れた。


「どうだい?気分転換にガン・クラブに行ってみないか?」

と誘い出したのだ。



朝鮮戦争の時、医療部にいたポールだが、死んだ父親がガンマニアという事もあって、それなりの手ほどきを受けていた。


エイムズに渡された銃を受け取ると、標的の的を射ぬくように狙うポールの目。


見事に一発で命中させると、エイムズはしこたまビックリする。


「今度はコルトを貸してくれないか?」

とポールが進んで言い出した。




次々に正確無比な射撃をみせるポール。


それは、いつしか快感に変わり、拳銃の魔力にとり憑かれた瞬間でもあったのだ …………





チャールズ・ブロンソンの傑作と言われている『狼よさらば』、久し振りに観ました。



原題は「Death Wish」。

デス・ウィッシュ=死を願う、だ。



ブロンソンの当たり役になったポール・カージーのシリーズは、その後も作られ続けて全部で5作。



近年は、ブルース・ウィリス主演でリメイクされてもいる。(こちらは設計士から外科医に変更されているが)


果たして、観ていないのでリメイクの方は成功したのかどうか ……(最近、やや落ち目のブルース・ウィリス)




70年代のニューヨークは治安の悪さが社会問題になっていた。


強盗、殺人、レイプなどは日常茶飯事。


路地裏や地下鉄では、それが毎日繰り返されていた。(近年は至るところに監視カメラができて少しは減少してきたが …… それでも【ニューヨークの地下鉄】=【恐ろしい】のイメージは今でも残っている)



そんな時代背景があったからこそ、警察ではなく、普通の人ポール・カージーが自ら悪を裁くスタイルはすんなりと大衆に受け入れられたのかな?と推察する。


「悪党は俺が裁く!狼よさらばだ!」


なるほど、ブロンソンの全盛期では、中々カッコいい台詞を吐いている。





でも、この映画にはおおいに不満もある。




てっきり銃を手にとったポール・カージーが、妻を殺して、娘をレイプした犯人3人組を探し出して、血祭りにする【復讐劇】になるかと思いきや、全くそんな展開にはならないのだ!(アレレ? …… この冒頭の「これでもか?これでもか?」の悲劇はいったい何だったの?)



ただ、自ら世直しの為に、夜にたむろするような別のチンピラたちを無差別に殺すだけなのである。(???)



コレじゃ、ダメでしょ!




今、観れば、拳銃を撃つ快感を覚えたポールがストレス解消に、ただ殺しを楽しんでいるようにも見えてしまう。




悪党たちを殺すのも、普通の人ポール・カージーなら、ちゃんとした《復讐》という理由づけがほしいところ。



でも、日本では、当時のブロンソン人気と、上手い邦題のつけ方で今まで奇跡的に残っているような稀な映画なのである。


まぁ、その後も脈々と続いてゆくシリーズの第一作目として見るなら、大負けに負けて及第点。

星☆☆☆ってとこにしとくかな。(甘いか?)


2018年11月25日日曜日

映画 「肉の蝋人形」

1953年 アメリカ。






1920年代の、雨降る夜のロンドン。


2階建の広い屋敷の工房で、『ジャロッド教授』(ヴィンセント・プライス)が、今日も、せっせと蝋人形を造っている。




それらは、いくつもの歴史上の有名な人物たちばかり。

クレオパトラ、リンカーン、ジャンヌダルク、そしてマリー・アントアネット……。



精巧にできたそれらは、まるで本物のように息をして、今に動きだしそうだ。





そこへ、不機嫌な顔で、出資者『バーク』がやってきた。


蝋人形館は、ガッポガッポ儲かると思って、せっかく出資したのに、逆に山ほど経費がかかってばかりで、全く黒字になりゃしない。



「こんな仕事とは、早く手を切りたい! マダムタッソーのように恐怖の館にして早く利益を上げろ!」と守銭奴のバークは、ジャロッドを追いたてた。


だが、歴史上の人物にこだわるジャロッドは首を縦にふらない。



と、そこへ、金持ちで美術評論家の『ウォーレス』がやって来た。


突然の来訪者にバツが悪いのか、バークは、そそくさと2階に上がっていった。


評論家ウォーレスは、ジャロッドの蝋人形を感心して見て回っている。ジャロッドも得意気だ。



「とても素晴らしい作品ばかりだ!! あなたはきっと成功するでしょう! 仕事で3ヶ月ばかりエジプトに行きますが、帰ってきたら、きっとお力になりますよ。」


ウォーレスは、そう約束すると、ジャロッドと、かたい握手をして帰っていった。


ウォーレスが帰ると、バークが2階から、すぐさま降りてきて、ジャロッドはウォーレスの申し出を伝えた。


「なぁにぃ~3ヶ月後だって?! そんなに待てるか!  俺は今すぐ金が欲しいんだ!!」


守銭奴のバークは、そう言うと、何をトチ狂ったのか?マッチを擦って蝋人形に《火を付けだした》。



「何をするんだ!?」


「ヘヘッ!ここには、蝋人形がたくさんある。よく燃えるぜ。火事になれば、てっとり早く保険金2万5千ドル下りるのさ」(ゲゲッ、最低!)


「やめろ!やめてくれ!!」


ジャロッドの制止も聞かず、次々、火をつけてまわるバーク。


二人は殴りあいになり、ジャロッドは気を失ってしまう。その隙に、バークはあちこちにアルコールを振りかけて逃げだした。



たちまち業火に包まれていく館。


蝋人形の顔は、無惨に溶けていく。


火に包まれた中で、意識をとりもどしたジャロッドは、唖然とし、火傷を負いながらも脱出した。


その瞬間、館は大爆発した。






それから数ヵ月後………



はれて保険金が下りたバーク。(まぁ、昔なんで保険調査員もたいして疑わず調査しない)

嬉しそうな顔のバークは、恋人『キャシー』とカフェでをデートを楽しんでいた。



旅行の約束なんぞして。(いい気なものだ)


ウキウキ気分で、自宅のアパートの2階のオフィスに帰るバーク。


だが、オフィスのソファの影には隠れた男の姿が……。


ユックリと立ち上がったその姿は、異様で、黒いマントとハットを被り、顔は無惨に焼けただれている。



男は素早くバークの後ろにまわりこんだかとおもうと、ロープを首にまわし、思いっきり引っ張りあげた。


あっという間に絶命するバーク。


そして、紐を手すりに結びつけると1階に突き落とした。


吊るされた死体が目の前にズドン!と落ちてきて、階下で掃除をしていた掃除婦が叫びだした。

「キャー!!キャー!!」





「あの人は、首を吊って死んだわ、でも今夜は新しい恋人とデートよ」

あるアパートの一室で、バークの恋人だったキャシーが別に悲しむそぶりもなく、ヌケヌケと言っている。(なんて女だ)




同じアパートの住人で、友達の『スー』(フィリス・カーク)は、キャシーのコルセットを締めてやっている。(そんなにギュウギュウ締めて大丈夫か?ってくらい、ウェストは40くらいになっていないか)


現在、無職で、家賃もためている貧乏なスーに、キャシーは50セントを渡した。


「ちゃんと食事してね。今度の恋人もお金持ちだから家賃もなんとかなるわよ」
、と言って出ていった。(アラ、優しいとこもある。ゴメンなさい)





そして、夜。


アパートに帰ってきたスーの顔は、ドンヨリ。(また面接落ちたのか)



そんなスーが、2階の自分の部屋にあがろうとすると家主が出てきて、

「今晩、ここで眠りたければ、さっさと家賃を払ってちょうだい!!、キャシーにでも、なんでも借りてでもいいから!!」

、と催促してきた。(渡る世間は鬼ばかりだ)




夜半、寝ているキャシーの部屋に、気が進まない訪問をするスー。


ベットに横たわっているキャシーに声をかける。

でも、おかしい………。息をしていない!!


「死んでいるわ!!」


そこへ壁の影から、あの焼けただれた顔の怪人が現れた。


「キャー!!キャー!!」

叫び声をあげるスー。



スーは叫ぶと、一目散に窓から飛び出し、屋根をつたって道路にストーン!と飛び降りた。(エッ?!まるで怪盗キャッツアイのような身軽さのスー!)



怪人も、ビックリして、慌てて後を追いかけようとする。


霧の深い夜の町を必死に逃げるスーは、いつしか恋人で彫刻家の『スコット』の家にたどり着いた。(無職なのに恋人いるのか(笑))


「助けてぇ~!!」

家には、スコットの母親とスコットがいて、なんとかスーは無事保護された。





その後、スーが脱け出したアパートには、警察がやってきて、テンヤワンヤの大騒ぎだ。




殺されたキャシーの遺体は、モルグの死体安置所に運ばれていった。

いくつものベッドが並ぶ暗い死体安置所。



死体には白い布がかけられて暗い静寂が漂う。



そこから、ムックリとひとつの死体が起き上がった。あの例の焼けただれた顔の怪人だ。

怪人はキャシーの死体を布で巻くと、それを担ぎ上げ、安置所から盗んでいった。





次の日、スコットと母親がスーに付き添い警察にやってきた。

警察はスーの証言を疑うが、安置所から、キャシーやバークの死体が盗まれている事を、はじめて知るのだった。





そのころ美術評論家のウォーレスが、帰国して戻ってきた。


ウォーレスはある屋敷を訪問する。

そこには、弟子の『イゴール』(売れる前のチャールズ・ブロンソン)に付き添われた、あの『ジャロッド教授』がいた。




車椅子に乗って両手を火傷しているが、昔の顔のままのジャロッドの姿である。(あの焼けただれた顔の怪人はジャロッドじゃないの?)



もう一人の弟子レオンを従えて、地下に、グツグツ煮立った大釜を設置して、蝋を石膏に流す本格的な装置を作り上げていた。(どこにそんな資本金を隠し持っていたのかねぇ……)



ウォーレスは、以前とは違うジャロッドに違和感を感じながらも、協力を約束した。




だが、作り出された蝋人形は、以前とはまるで違う、恐怖と残酷なものばかり。


そして、そこには、首を吊って死んだバークの蝋人形も飾ってあったのだった。





しばらくして、ジャロッドの《蝋人形の館》が、華々しくオープンした。


本物そっくりの残酷な犯罪現場を再現した蝋人形館は、たちまち大評判になり、連日、大盛況。


ギロチンシーンなど、あまりのリアルさに失神する者もいるくらいだ。




そこへ、あのスーも、恋人スコットに連れられてやってきた。


彫刻家のスコットは、ウォーレスとも知り合いだったのである。




スーは、そこに展示されているジャンヌダルクの蝋人形に目を奪われる。


(まさか……)恐る恐る近づいていくスー。


磔にされ、焼かれながら、十字架を掲げるジャンヌダルクの顔………


「これはキャシー……キャシーにそっくりだわ。」

知らず知らずに、涙を流すスーだった。








肉の蝋人形は、1933年にも映画化され、これは2度目の映画化。


その後も、何度も映画化されているが、すべて登場人物や設定を、その都度変えてつくられているので、タイトルは同じようなモノがあっても、まるで別物としてお考えください。




私が好きなのは、この1953年版。




今の時代で観ると、怖さよりも次から次へのヘンテコリンな展開に、思わず「ププッ……」と笑ってしまいますが。(でも、そんなのが、また良いのですよ)


主演のヴィンセント・プライスは、190cmを越える身長でハンサムなんだけど、好んでオカルトチックな映画ばかりに出演していたらしい。



おかげで、クリストファー・リーやピーター・カッシング(吸血鬼ドラキュラなど………)と並び称されて、『三大怪奇スター』と言われていたほどである。



この映画も、おどろおどろしい雰囲気満載で、火傷をした顔の怪人の姿で、ヒロインのスーを襲い続ける。(でも、まるで恐くないんだけどね(笑))




クライマックス、ヒロインのスーが怪人に捉えられて、煮立った釜の蝋を流されて蝋人形にされそうになる特殊装置は、今観ても、「それなりに、お金がかかっているなぁ~!」と、少し感心。



ただ、蝋を流される寸前のスーが全裸なんだけど、肩から上だけしか見られないのは、ちと残念なのだけど(でも当時としては、これがギリギリのセクシー・ショットなんだろうなぁ~……)



話は反れましたが星☆☆☆☆。



昔は、これに、「ギャアアー!ギャアアー!」騒いでいたんだろうなぁ~

そんな観客なんかを想像してみると、なんか微笑ましい気がします(笑)。




2018年10月13日土曜日

映画 「夜の訪問者」

1970年 イタリア フランス合作。






監督はテレンス・ヤング。(007 ドクターノオ ロシアより愛をこめて サンダーボール……などなど)


そして主演は、みんな知ってるチャールズ・ブロンソンであ〜る。






マルセイユで釣り船のオーナーをしている『ジョー・マルタン』(チャールズ・ブロンソン)は、ジョーを溺愛する妻『ファビエンヌ』と、一人娘『ミシェル』に囲まれて平凡に暮らしていた。



夜は、港仲間と陽気にポーカーに繰り出す日々のジョー。




だが、ある日、妙な電話がかかってきはじめる。

咄嗟に顔色を変えるジョー。



そしてある夜、ジョーが家の2階にあがると、謎の男が待ち構えていて、いきなりジョーに襲いかかってきたのだ。


激しい物音に気づいて、2階に上がってきたファビエンヌは、倒れているジョーを見つけてビックリする。



「誰なの?!あなたは?!」

不審な侵入者『ベルモン』は、倒れているジョーの側で、ニヤニヤした表情だ。



幸い、幼い一人娘ミシェルはサマー・キャンプに出かけていて留守だったが………それにしても、この男は、いったい……




そんな不安そうなファビエンヌの横で、ジョーも意識を取り戻した。

そして、隙をみてジョーは逆にベルモンに襲いかかった。



激しい乱闘の末、勝ったのはジョー。

ベルモンはピクリとも動かなくなり、足元で死んでいた。



「この男が誰なのか、ちゃんと説明してちょうだい。」

ファビエンヌの問いかけに、ジョーも重い口を開いて、妻に内緒にしていた過去をポツリポツリと話しだす。




アルジェリアの戦時中、ジョーは将校に暴行して、2年の刑で刑務所にいたのだ。


そこで出会った、上官のロス大尉(ギャングに軍事物資を横流しして逮捕)、部下カタンガ、ファウスト、そしてベルモンの5人で競合して、脱走したのだ。



だが、逃げおおせたのはジョーだけで、他の4人は捕まって10年の刑をうけていた。




そうして、その10年が経ってやっと出所。

ジョーを逆恨みするベルモンは、今更ながら、復讐のために現れたのだった。




ジョーの説明に愛想を尽かすと思いきや、妻ファビエンヌは、それでもジョーへの気持ちは変わらず(ジョーの為に、そして娘ミシェルの為に、ここは何とかしなければ……)と考える。



ファビエンヌは、ジョーに協力して、取りあえず、死体を海のそばの崖まで運ぶことにした。



そして、夜の海の中に、ベルモンの死体を二人で投げ落としたのだった。(スゲ~嫁さん)




(何とか、これで一件落着……)

……なんて事になるはずもなく……



次の日、ベルモンの連絡がなくて不信に思った『ロス』(ジェームス・メイソン)は、残りの仲間『カタンガ』と『ファウスト』を引き連れて、ジョーとファビエンヌのいる家に、早速乗り込んできたのだった。



ピストルの銃口をつきつけながら……






こんな風にはじまる『夜の訪問者』。

チャールズ・ブロンソン全盛期の一本である。




その昔、日本人みんなが、ブロンソンを「男臭い魅力」、「タフガイ」などと褒めたたえて、絶賛している時期があった。



日本でもCMに起用されて、男性化粧品「う~ん、マンダム!」のフレーズはブームとなったり、手塚治虫の漫画ブラックジャックやサザエさんにまで登場したりと、どこでも見かけたり、聞いたりしていた《ブロンソン》の名前。



北斗の拳の原作者、ペンネーム武論尊なんてのは、もちろんブロンソンをもじったものである。




そんな70年代の大ブームに、子供だった自分は、


「なんで、こんな目の細い、特別ハンサムでもない、ヒゲの男が人気があるの?」ってな、感じしかなかったものである。



だが、年月が経ち、こうして自分も歳をとると、やっとブロンソンの魅力が、徐々に分かってきた気がする。




この渋い雰囲気……世のオッサンたちが憧れるはずだわ。(と、いうことは自分も、充分にオッサンになったということか(笑))




オッサンになってみて初めて分かる。

オッサンたちが憧れる男、それがチャールズ・ブロンソンなのである。




そして、この『夜の訪問者』。

あらためて観て、気づいたこともある。




ブロンソンのスタイルの良さに改めてビックリしたのだ。



この人、足が長〜い!


それに、とても身が軽いのだ。



2階に上がる階段なんて、3段ぐらいまとめて簡単に飛び越えて上がっていくし、船から降りるときも、ひょいとジャンプして陸に着地する。



全体のバランスや動きがいいので、映画じゃ、特に見栄えするのだ。



大人になって気づくこともある。






とにかくスクリーン一杯に映えるブロンソンを充分に楽しんでほしい。




そして、名優ジェームズ・メイソンの怪演にもね。(仲間に撃たれて、顔色がドンドン悪くなっていくメイソンは、可哀想に思いながらも(プッ!)不謹慎な笑いがこみ上げてくる)


星☆☆☆☆。