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2025年12月4日木曜日

ドラマ 「とし子さん」

 1966年4月〜10月。(全13話)





名優・樹木希林が、最初、『悠木千帆』という芸名だったのを知っている人って、今どれくらい残っているのかしらん?(もちろん、どちらも芸名である。本名は内田啓子(けいこ)。内田裕也と結婚して、最後の最後まで離婚に応じなかったんですもんね)


本人、『内田啓子』の名前には強いこだわりがあっても、『悠木千帆』の名には、ひと欠片の愛情もなかったみたい。


あっさり、テレビ番組で『悠木千帆』の芸名をオークションに出し、高値がつくと、ソレを売ってしまったのだった!(本人いわく「売るモノが何もなかった」からなのだそうで)


周りはあたふた大慌てでも、本人はケロリとした様子。


私の記憶が確かなら『寺内貫太郎一家』の頃までは悠木千帆を名乗っていて、郷ひろみ共演の『ムー』では樹木希林になってたはず。(その間に芸名を変えたってことか)


お化けのロック』や『林檎殺人事件』を大ヒットさせて郷ひろみと歌番組に出たり、『樹木希林』なんて司会者に紹介されても、うちの親なんか「変な芸名をつけやがって …… 」と、最初のうちは全然馴染めない様子だった。(私は途中から慣れたけどね)



そんな樹木希林が、悠木千帆だった頃、初主演をしたというのが伝説のドラマ『とし子さん』である。(YouTubeで配信。最近初めて知った)


このドラマ、1966年(昭和41年)に放送されたそうだが、もちろん1968年生まれの自分は生まれてないので知りませんでした。(この頃のドラマが令和の世に残っているのも驚きだが …… なんでも、この『とし子さん』、当時としては珍しく映画と同じフィルム撮影だったのだ。それで辛うじて残存していたそうな)


ドラマ自体は全13話と短いのにもかかわらず、半年もかけて放送されたのは、《隔週》放送だった為。

つまり一回放送されたら、次の週はお休みというノンビリペースである。(昔の視聴者は随分気長だったみたい)



『野山とし子』(悠木千帆)は、大学の助教授となった夫『野山広一郎』(滝田裕介)、幼い小学生の息子二人、それに加えて広一郎の妹である女子大生『恵子』(嘉手納(かてな)清美)という大所帯で、狭い長屋暮らしをしていた。のだが ……

夫への来客が増えるにつれて狭い長屋での暮らしも段々窮屈になってきた。


ならば、「この際、都心に近い一軒家に引っ越そうじゃないか!(借家)」という事で、一家はそろって引っ越しすることとなったのだ。


新しい引っ越し先には、ちょっと口うるさいが根は優しい大家『大村ソメ』(北林谷栄)が何かと世話をしてくれてる。




こうして、新しい土地で新生活を始めた野山一家だったが、来客たちが訪ねてきても、東北訛りのズーズー弁、田舎まるだしの『とし子』を誰一人として《大学助教授夫人》とは思わない。

いつもいつも《女中》と間違われる日々の始まりでもあったのだった ………




こんなのが、ドラマ『とし子さん』の基本設定。


当日、内田裕也と再婚する前、岸田森さんと結婚していても(1964年〜68年)、まだまだ若い23歳の悠木千帆(樹木希林)。

もちろん現実世界では子供も産んでないのに、このドラマでは26歳の設定で二人の小学生がいる役とは ………


昔から進んで老け役をしていた彼女も、初主演作には歓喜しただろうか?

それとも子持ち役にガッカリした?


なんにせよ、ドラマの中だけでも、優しい夫に溺愛される《とし子さん》に、視聴する側も優しい気持ちになってしまうのである。(後の、破天荒な内田裕也との修羅場生活を知っている者としてはね(笑))




2025年7月19日土曜日

ドラマ 「ちょっとマイウェイ」

 1979年10月〜1980年3月(全25話)。





代官山にあるレストラン《ひまわり亭》は、今や存続の危機。

従業員は近くのレストラン《スター》に次々と引き抜かれて、残ったのはヤル気のないウェイトレス『野村和子』(左時枝)だけ。


とうとう、浅井家の次女で実家兼レストランに住んでいる『大石伸江』(結城美栄子)(既婚)は、この場所に見切りをつけて、「売ってしまおう!」と言い出した。


そこへ、

「あたしは反対ですよ!」

二度の結婚に失敗して出戻りの長女『浅井朋子』(八千草薫)が声を荒げる。(ノンビリ屋でほとんど無能な長女のくせに)


昔から水と油の姉妹は喧嘩ばかり。


こうなりゃ「三女・『なつみ』(桃井かおり)の意見を聴きましょうよ!」と近くに住んでいるなつみのアパートに乗り込んだ。


最初は、「あのレストランを売る?いいんじゃないの〜」と軽く言っていた『なつみ』だが、実際、実家に戻ってみると妙な想い出が次から次へと押し寄せてきて ……


しまいには

「アタシがこの《ひまわり亭》を立て直してみせるわよ!」と奮起しはじめていた。(朋子は大喜び、伸江は反対。でも後に渋々了承する)


こうして、従業員を募集すると、早速、腕は立つ料理人・『堀田康吉』(緒形拳)が現れた。(気性が荒いシングル・ファーザー。ゆえに小学生の息子を連れては、あちこちの店を転々としている)


伸江の夫『大石定夫』(犬塚弘)の弟で近くのアパートに住んでいる『大石常夫』(赤塚真人)もコック見習いとしてやってくる。(ちとギャンブル狂い)


『米沢誠』(秋野太作)と『牧野真弓』(岸本加世子)は、ちょっとお間抜けなカップルで、これまた住み込みでコック見習い、ウェイトレスとして雇われた。


大石家の三男・『満』(神田正輝)は信用金庫に勤めていて、経営難である《ひまわり亭》の経営アドバイザーとして加勢する事になる。


そこへ、『なつみ』の親友である『川村かつ子』(研ナオコ)も乗り込んでくるのだから、もう大変。


毎回毎回スッタモンダがある度に、『なつみ』が半笑いで、今日も声をはりあげる。


んもぉぉ〜、やんなっちゃうぅ〜」(または、「んもぉ〜、やだぁぁ〜



だいたいが、こんな設定で、この中の所要キャラに毎回、問題が起こる度に、みんなして気をもんだり、主人公の『なつみ』(桃井かおり)が奔走する話である。


このドラマ、放映当時も何度か観たはずだが内容は完全に忘れていた。

記憶に残っているのがオープニングのPAL(パル)が歌う《夜明けのマイウェイ》って曲と、少女漫画家・倉多江美のイラストだけというお粗末なモノ。


今回、改めて観る機会があったのだが、感想は(オヨヨ …… 案外、面白いんじゃねーの!)だった。(それだけ自分も大人になったってことか … )




放映当時は小学生だった事もあるが、桃井かおり研ナオコは、ともかく、正直言うと他の出演者たちが、私、あまり好きじゃなかったのだ。


緒形拳は、得体のしれない怖さばかりが先行して、子供心に嫌いだった。(映画『鬼畜』を観よ!トラウマもの😱


八千草薫百恵ちゃん主演のドラマ『赤い疑惑』を降板してからは当時、大嫌いになっていた。(その理由も今なら納得するが、当時は熱狂的な百恵フアン)


結城美栄子も、どのドラマに出ていてもヒステリックに怒っている役ばかり。(まぁ、このドラマでもそうだが)


赤塚真人にしても秋野太作にしても、子供が憧れるような二枚目でもなければ、振り切った笑いをとるような三枚目でもない。万人ウケじゃないんだよなぁ〜、と思っていた。(大人になってやっと良さが分かる)


私がこのドラマを「面白い!」とか「あ〜、なんとなく分かる」なんて思うまでには40年以上かかって当然なのかも。


このドラマの主題歌『夜明けのマイウェイ』の歌詞の中でこんなフレーズがある。


 ♪ 悲しみをいくつか乗り越えてきました〜

 ♪ ふり返るあなたの後ろに、ほら虹がゆれてるでしょう


《↑PALの四人組》



長い人生良いことばかりじゃない。

悲しい別れや苦しさを経験しないと分からない事もあるのだ。そうして、ちょっとした人の気遣いや優しさに救われる事もある。



このドラマの出演者たちは皆んな仲が良かったそうな。(だろうな、今回観直してみて、それは実感した)


主演の桃井かおりは、あまりにも仲が良すぎて、このドラマが終わった後、しばらく出演者たちと連絡をとるのを断ったそうである。


「そうでもしないと次の作品に進むことが出来ない!」と案外、真面目な桃井かおりは思っていたそう。(本当に俳優のお仕事も大変よ)


こうして、時間が経つと、大昔の評価とガラリと変わってみえる作品もある。

高額なDVDーBOXも出ているらしいので、懐に余裕がある人は求めてみるのも良いかも。(今の自分にはその余裕が無いが)


あ〜、常夫(赤塚真人)のように、ここは大勝負に出てみようかなぁ〜(これはあんまり、皆さんにオススメできませんけどね(笑))


お粗末さま。



2025年5月11日日曜日

ドラマ 「宇宙刑事シャイダー」

 1984年3月〜1985年3月。





宇宙刑事シリーズ』の3作目『宇宙刑事シャイダー』は青のコンバットスーツ。

全身青かと思いきや、手足はシルバーである。(これは全身青にしてしまうと、青色が暗闇で沈んで分かりにくくなる為だそうだ)

『シャイダー』の名前は、アメリカの俳優 ロイ・シャイダーから取られている。


でも、白状すると、この『シャイダー』に至っては、あまり観ていない。


『シャイダー』役の人が(んん~ …… )な感じで、何となく視聴が遠のいてしまったのだ。



なんせ、この80年代でも、現在でも流行らないようなダサい、73分けの髪形ですもん!(ヒーローというよりサラリーマン?こんな髪形、中井貴一だけで沢山である(笑))


オマケに、この人は《J・A・C》出身じゃない。

この『円谷 浩(つぶらや ひろし)』さんは、特撮の名門《円谷プロ》の御曹司なのだ。


突然「俳優になりたい!」と思いたち、シャイダーのオーディションに合格したのだという。


それゆえに、下地の無い、この人のアクション・シーンは、(頑張ってはいるんだろうけど)なぜか物足りなさを感じてしまった。(まぁ、前任の二人が、あまりにも凄すぎたんだけどね)



代わりに凄かったのが相棒のヒロイン『アニー』(森永奈緒美)の パンチラ😍 アクション!





偶然とも思えない、まるで確信犯的にやっているような ……




こんなアングルなんて、絶対に狙っているだろ!(笑)



たまにテレビをつけてみれば、やっぱり演ってる《アニーのパンチラ・アクション》…… 『宇宙刑事シャイダー』の印象は、ほぼ、これしか頭に残っていない。(内容なんて覚えているものですか)


この森永奈緒美さんは《J・A・C》出身で、当時パンチラばかりに気をとられていたが、さすがにアクションは、様(さま)になっていた。(野暮ったい主人公とは大違い)



それにしても、(『シャリバン』の渡 洋史(わたり ひろし)さんと、この『シャイダー』の森永奈緒美さんがペアを組んでいたら良かったのに …… )



そう思っていたら、5作目の『スピルバン』で、二人はとっくに共演していたのでした。(私、この『シャイダー』以降のシリーズ、離脱していて、全く観ていないのだ)



なんにせよ、こんな『アニー』(森永奈緒美)の頑張りと、最終回は、キャバン大葉健二、シャリバン渡 洋史)まで駆けつけてくれて、数年続いた《宇宙刑事シリーズ》は、ひとまず大団円を迎える。(この後もメタルヒーロー・シリーズは続いてゆくのだが …… )



終わり良ければ全て良し!である。




※《蛇足》…… この後、シャイダー役の円谷浩さんは、37歳の若さでお亡くなりになっていた。


シャイダー終了後、彼は現代劇に出演しながらも《時代劇》に活路を見いだそうとしていたのだそうだ。


暴れん坊将軍》、《水戸黄門》、《遠山の金さん》などなど ……


なにかで聞いた事があるが《時代劇》の現場は出演者もスタッフたちも《酒豪》の猛者(もさ)だらけ。(特に松方弘樹さんなんてのは、今でも語り草になるくらい凄かったらしいのだ)


真冬で夜間の時代劇撮影なんてのは地獄。

ドラム缶に火🔥を炊いて暖をとりながらも、皆がガタガタ震えながら長時間の拘束に耐えている。

そんな時は合間合間で皆が呑んでる。


若手の彼は、それを上手く断れなかったのかもしれない。(呑みたくなくても先輩たちに勧められれば断れまい)


まだ若かった円谷浩さんの死因は、肝機能障害からの《肝不全》だった。



芸能人を続けていくのも難しい …… 生真面目過ぎてもダメ!でも、努力もせず不真面目なのもダメ!


その、さじ加減が上手い人だけが残ってゆく過酷な世界なのだ。



当時、パンチラしか観てなかった私。

機会があれば『シャイダー』もちゃんと観てみようかな~。(合掌)

《おしまい》




2025年5月9日金曜日

ドラマ 「宇宙刑事シャリバン」

 1983年3月〜1984年2月。





実は『宇宙刑事シリーズ』では『シャリバン』が一番好き!(串田アキラさんが歌いあげるOP、EDも最高!)


それにしても(『シャリバン』なんて名前の俳優いたっけ?)と思ってたら、太陽の『(サン)シャイン』とギャバンの『バン』を掛け合わせた、単なる造語でございました。


ゆえにシャリバンの姿は真っ赤なメタルのコンバットスーツ。

変身の掛け声は『赤射!(せきしゃ)』である。



主演に選ばれたのは、全く無名でいて、この当時19歳くらいだった『渡 洋史(わたり ひろし)』さん。

この人も、千葉真一に憧れて《J・A・C》で、付き人や下積み修行をしていた人だった。


第二弾『シャリバン』は、早い段階から企画が進められていた。


『ギャバン』終了間際、森林パトロール隊員『伊賀 電(いが でん)』(渡 洋史)は、顔見せとして、もう登場している。


あまりにも自然や動物を愛するがゆえに、カッ!となったら手が付けられない性格。

森でたまたま出会った『ギャバン』(大葉健二)を《森林荒らし》だと思い込んだ『伊賀 電』は突如、襲いかかってくる。(もちろん大いなる勘違い)


その後はギャバンに平謝りし、「俺を代わりに殴ってくれ!」なんて懇願するも、ギャバンが一般人の電を殴れるはずもなく、ならば!と、自分で自分をボコボコに殴る始末。(なんて激しい気性なんだ!と、ギャバンを呆れさせる)


そんな場所へ、マクーの怪人が現れて、やっぱり電は、無謀にも立ち向っていくが返り討ち。瀕死の重傷を負う。



取り敢えず、亜空間で待機させているギャバンの母船『ドルギラン』で治療を試みるも、とても治せず、電を乗せたドルギランは『バード星』へと直行。


次に『伊賀 電』が現れるのは、ギャバンの最終回である。


『ギャバン』と宇宙犯罪組織《マクー》の首領である『ドン・ホラー』と最終決戦!


『ギャバン』ピンチの時に、突然現れたる赤い閃光。


バード星の科学力で見事、回復し、その身体能力、勇猛果敢さ(無鉄砲さ)を銀河警察『コム長官』(西沢利明)に認められた『伊賀 電』は『宇宙刑事シャリバン』に任命されていたのだった。



なんとかドン・ホラーを倒した『ギャバン』は、相棒の『ミミー』(叶和貴子)、『コム長官』(西沢利明)、コム長官の秘書『マリーン』たちと共にバード星へ帰っていく。


「地球の平和はまかせたぞ!シャリバン!!」(でも、ギャバンもミミーも、様子伺いにチョコチョコ、シャリバンに登場するんだけど)




そうして、次週から『宇宙刑事シャリバン』がスタートするんだけど …… シャリバンの相棒役『リリィ』(降矢由美子)を観て、ひどくガッカリした記憶がある。


(何やねん!全く似合ってない、この変な髪形の女は?!)





今観ても(ごめんなさい)全然美人には見えない降矢由美子嬢。(実際、渡 洋史さんより、5歳くらい年上で、この髪形のせいで相当老けてみえる。まるで水商売の女みたい)


この髪形、『チャーリーズ・エンジェル』のファラ・フォーセットを真似したらしいが、本人気に入っていたのだろうか。



それでも主演の渡 洋史さんが二枚目でカッコいいし、生身のアクションも凄いしで、最後まで視聴しておりました。


愛車ジムニーから他の車に飛び移ってみたり、高い吊り橋からぶら下がってみたり、今観ればヒヤヒヤもののアクションばかりのシャリバン。


でも、これにはちゃんとした理由があって、『伊賀 電』は普通の地球人ではなく、《宇宙犯罪組織マドー》に、かつて故郷イガ星を滅ぼされたイガ星人の末裔(まつえい)だったのだ。(ゆえに人間ばなれした能力があるらしい)



シャリバン後半からは、次々出てくるイガ星人の末裔たち。


中でもイガクリスタル親衛隊の少女『みゆき』(柿崎澄子)は、電のお気に入りである。(透明ドリちゃん




ギャバンの力を借りて、宿敵マドーを倒した『伊賀 電』は、自身に与えられた宇宙船グランドバースでイガ星を目指して旅立っていく。


イガ星人の少女たちを、ハーレムのようにはべらせながら、イガ星再興のために ……



《↑こんな時でも一番ナイスな場所を陣取る『みゆき』嬢はさすが!》



一方、相棒のリリィはというと、一人地球に取り残されていた。

「私も《イガ星》に行きたかったな …… 」と、空を見上げながら、寂しそうにつぶやくリリィ。



《↑どう見てもファラ・フォーセットというより、福田和子に見えてしまうリリィさん(笑)》




相棒でも私情は持ち込まない。

それに「ブサクな女には興味無し!」とハッキリ拒絶してる『伊賀 電』を観ながら、男の非情さを垣間見た私なのでございました。(実際は二人、仲良かったらしいけど)


ゆえに『宇宙刑事シャリバン』は名作(?)なのであ〜る(笑)


《おしまい》




2025年5月6日火曜日

ドラマ 「宇宙刑事ギャバン」

 1982年3月〜1983年2月。





80年代初頭は、まさに《特撮番組》の危機だった。 


この時期、長年続いていた『仮面ライダー・シリーズ』が一旦終了し(『仮面ライダー スーパー1』が1981年に終了)、他の特撮番組も続々と無くなっていった。(原点回帰として再び『仮面ライダーBLACK』が始まるのが1987年である)


特撮番組といえば、今も続く『戦隊ヒーローモノ』だけが、辛うじて一本残っている状態。


(この状況を打開するにはどうしたら良いのか?!いまや御家芸となっている日本の《特撮》をこのまま廃(すた)れさせていいのだろうか …… )


東映では会議が開かれ、試行錯誤の末、内容は《宇宙》+《刑事》モノ。


タイトルを『宇宙刑事ギャバン』として、この作品で再起をはかる事になった。(主人公《ギャバン》の名前が、フランスの俳優 ジャン・ギャバンからきているのは有名な話である)


そうして、主人公ギャバン役には大葉健二さんが抜擢される。 




千葉真一に憧れ、《J・A・C(ジャパン・アクション・クラブ)》に入り、数々のスーツアクターやら脇役やらをこなしてきた彼も、この時、既に芸歴10年を超えていた。

ここへきて、ようやく念願の《主役》である。


大葉健二さんは燃えた🔥


どんなに危険なスタントだって、これまでの下積みや経験を活かして、どんどん挑んでいく。(おかげで後に続く後輩たちが苦労するんだけど(笑))



それに続けとばかりに、制作サイドも次々と新しいアイデアを実践していく。




このギャバンへの変身シーンなんてのは、当時、画期的だった。


天空に右手を上げて「蒸着(じょうちゃく)!」と叫ぶと、あら不思議!



一瞬でメタル塗装をほどこした『ギャバン』の姿になってしまうのだ。(大気圏外で待機している宇宙船から、粒子状のレーザーを照射して、それが外形を覆うような《コンバットスーツ》になるのだ)





シルバーメタリックのギャバンは、ひと際格好良い。




それに加えて、ギャバンの相棒になる『ミミー』役に叶和貴子さんを抜擢したのには、さすがに驚いた。




なんせ、この叶和貴子さん、いくら同じテレビ朝日系列とはいえ、一年間のヒーロー番組『ギャバン』に出演しながらも、同時期に、江戸川乱歩の美女シリーズでは、何度も大胆な濡れ場やフルヌードを披露するんですもんね。


両方観ていた私なんかは、(あの『ミミー』が、こんなあられもない姿をお見せしちゃって良いのかしら …… )と、ハラハラ、ドキドキやら …… (今じゃ絶対に有り得ない話だ)


そりゃ、当時も口うるさい連中の投書もあっただろうが、《東映》という会社は一切動じず。


それどころか、東映では、ギャバンも最後までしっかり務めさせて、次作『シャリバン』、『シャイダー』にも出演させるのだから、


「さすが!天下の東映さんは肝が据わっているなぁ~!」と、変に感心した思い出がある。



とにかく思春期の私などを巻き込んで『宇宙刑事ギャバン』は大ヒットし、『メタルヒーロー・シリーズ』は当分の間、続く事になる。



こうして《特撮番組の危機》は、無事に回避されたのでした。



もちろん、串田アキラさんの歌うドスの効いた主題歌や、必殺技《ギャバン・ダイナミック》の迫力もあるだろうが、私にとっては《スケベ心》を充分に刺激した、やっぱり『ミミー』の存在が大きかったかもね。



でも、案外こんな人、多かったんじゃないの?(笑)


《おしまい》





2024年10月14日月曜日

ドラマ 「台所の聖女」

 1988年 3月。





大正時代、高級官僚の娘として何不自由なく育った『杉田久女(ひさじょ)(本名:久子)』(樹木希林)は、画家志望だった『杉田宇内(うだい)』(高橋幸治)と結婚して二人の娘に恵まれた。

それと同時に宇内は画家の夢を諦めて、教師の定職に就く。


慎ましい生活でも、文句も言わずに、宇内を支える為、台所仕事に勤しむ久女。


だが、久女はやっぱり(これでも?)《お嬢様》育ちなのだ。

常に鬱屈した気持ちを抱えては、悶々とした日々を送っている。


そんな久女の元へ、あちこちで放蕩生活を送っている実兄(石橋蓮司)が、やって来た。(ダメ兄貴)

この兄、才能も無いのに、どうやら東京で《俳句》に凝ってるらしいのだ。


こんな兄の自慢話を聞かされてるうちに、沈んでいた久女の目は段々と生気を取り戻していく。


いつしか口からは、

「私もやってみようかしら … 」の言葉がポロリと飛び出していた。


こうして、上流階級のサロンに出入りしたり、名だたる俳人を紹介された久女は、元来の頭の良さや鋭い感性から、メキメキと俳句の才能を伸ばしては頭角を現していく。


だが、《俳句》にのめり込めば、のめり込むほど、家の事は段々とお留守がち。

いつしか放ったらかしになり、寛容だった夫の宇内もイライラを募らせていくのだ。


そうして、《俳句》の道を極めようと決断した久女は、夫や二人の娘たちを捨てて、一人、東京の実家に身を寄せながら、鎌倉にいる俳人:高浜虚子の元へ、足しげく通うようになるのだが ……




激しい情熱で激動の時代を生きた俳人『杉田久女』の半生を、名優:樹木希林が《鬼気》として演じた名作ドラマである。(ダジャレかよ(笑))


この単発ドラマがNHKで放送されたのが、斉藤由貴と共演した朝ドラ『はね駒』の翌年くらいの頃。


それまで『寺内貫太郎一家』や『ムー』などで可笑しみのある役柄ばかりを演じてきた樹木希林(旧芸名:悠木千帆)だったが、ここにきて、やっと《演技派》としての再評価が決まった気がする。(この人も若い頃から婆さん役やブスキャラばかりしてきた苦労人。よく我慢してたよ)


でも、このドラマでは念願叶って、単発とはいえ、堂々の 主演 なのだ。(意気込みも違うというもの)



その後、実家にまで連れ戻しにやってきた夫の宇内が「帰ってこなければ死んでやるぅー!」と、久女の目の前で砂浜の砂を口に頬張るという暴挙にでたので(ゲゲッ!)、久女も泣く泣く家出を断念する。(この夫は夫なりに久女を愛しているのである)


それでも、家に帰ってからも、俳句の情熱は増すばかり。(度を過ぎるほどに)

毎日のように高浜虚子宛に俳句を送りつけ続けては、(まるでストーカー!)嫌がられて(そりゃ、そうだ)とうとう破門されてしまう。



そうして時は流れて …… 

久女の娘たちも嫁いでいき、しばらくすると昭和の、あの《戦争》の時代がやってくる。


もちろん、久女の娘たちにも《暗い戦争の影》は降りかかり、次女夫婦たちは一家で満州へ。

長女:『晶子(まさこ)』(檀ふみ)は、夫が出征していった後、幼い娘と二人で暮らしている。



そこへ、今では年老いた久女が、重い食料を担いで、えっちら、一人やってきた。


久しぶりの母親との再会に嬉しいはずの晶子だったが、会話は全く噛み合わない。


それどころか母親:久女の様子はどうにもおかしいのだ。


急に、

久女は日本一です!!なんて雄叫びを上げたりするのだから、晶子の方は驚いて ビクッ!としたりする。(大丈夫かよ、オイ)


話すことといえば、俳句でチヤホヤされていた昔の栄光のことばかりで、さすがの晶子も「あんまり思いつめないで …… 」なんていう風に、声をかけずにいられない。


その言葉に反応したのか、久女の目つきは途端に厳しくなり、

何を言うのよ!思いつめるからこそ、良い句が生まれるんじゃないの!!と逆ギレする。(ヒーッ!)


「言葉がどんどん満ち溢れてくるのよ …… その中から、斬っては捨て!、斬っては捨て!…… 」まるで手刀でなぎ払うような仕草をみせる久女。


表情は夢見がちに変わると、両手を合わせて、それを蓮の花のように指を徐々に広げてゆく。

「そうして、やっと残った、ほんのひと欠片の言葉だけが、特別な輝きをみせるのよ✨」


正気なのか狂気なのか …… 娘の晶子(檀ふみ)は、そんな母親に圧倒されて、それ以上何も言えないのだった。



何十年経っても、この久女(樹木希林)の独白シーンはよ〜く覚えている。

そのくらい強烈だった。


これが《創作》という、まるで得体のしれないモノに取り憑かれた者の姿である。

そうして一生背負ってゆく《豪(ごう)》なのかもしれない。



そんなものを、まざまざと見せられた気がして、私はブラウン管ごしに身震いした。

そのぐらい樹木希林の演技力もずば抜けていたのだ。(怪演とは、まさにこの人のこと)



いつもとは違って、心底恐ろしい樹木希林😱である。



この、あまり知られていないドラマを当時観れたことは、とてもラッキーだったし、観た者は今でも再放送を望む声もあると聞く。


尚、このドラマに感化されて、あの木村多江が女優を志したというのは有名な話だ。(今じゃ、日本一《不幸せな役》が似合うという女優さん)


NHKさんも、このくらいの見ごたえあるドラマを観せてくれるなら、受信料にしてもド〜タラ、コ〜タラ文句も言われないだろうにね。


思い出のドラマとして記しておく。

星☆☆☆☆☆。


《↑ドラマ原作は、この田辺聖子さんの小説であ〜る》


2024年6月17日月曜日

ドラマ 「乱れからくり」

 1982年3月。(副題:ねじ屋敷連続殺人事件)





女探偵『宇内舞子(うだい まいこ)』(古城都(こしろ みやこ))と、その助手『勝敏夫(かつ としお)』(柴田恭兵)は、とっても仲の良い迷?コンビ。


元タカラジェンヌの舞子が起業した探偵事務所に、アルバイトで雇われている敏夫だが、プロボクサーになる夢も決して忘れていない。

暇を見つけては、トレーニングに励んでいる日々である。


そんな二人が《ギャングごっこ》(大のオトナが?(笑))をして遊んでいると、来客が現れた。


ひまわり工芸社(オモチャ会社)の制作部長、『馬割朋浩(まわり ともひろ)』である。


「実は妻の『真棹』(まさお)(新藤恵美)を尾行してもらいたいのだが …… 」



写真を一目見て、舞子も(な~るほど … )と納得した。


(こんな美人の奥さんじゃ、旦那も心配するはずだわ … )


次の日から舞子と敏夫は、真棹をさっそく尾行。


真棹の乗った車は、そろそろとラブホテルへと入っていく。


そうして、しばらくすると一人の男と出てきた。


いかにも好色そうな男、『馬割宗児』(中尾彬)である。

この宗児は、なんと!依頼人・朋浩の従兄弟でもあるのだ。


「これはビッグニュースだよ!、カッチン!!」


嬉々としている舞子の側で、敏夫の方は複雑な気持ち。


真棹が、昔好きだった初恋の人に、そっくりだからなのである。


まぁ、それでも、これは仕事だし割り切らなきゃ。


二人は報告する為、次の日、朋浩の自宅を訪ねたのだが …… ん?アレレ、朋浩が妻の真棹を車に乗せて、どこかへ出かけようとしているぞ。


車が出た後、すぐさま使用人に訊ねると、

「旦那様は奥さまと二人でロサンゼルスの方へ旅立ちましたが …… 」の返事。


「冗談じゃない!払うもの、ちゃんと払ってもらわなきゃ!カッチン、すぐにあの車を追うんだよ!!」

舞子の激に敏夫は車を急いでスタートさせた。


やっと二人の乗る車に追いついた舞子と敏夫。

でも、なんだか昼間なのに空が暗いような ……



その時、空に閃光が走ったかと思ったら、次の瞬間、朋浩と真棹の乗っている車が 大炎上💥した。


「な、なにが突然、起こったんだ?!」


二人は目の前の惨状を見てビックリする。


敏夫の機転で、なんとか真棹だけでも無事に助け出したが、病院に担ぎ込まれた朋浩の方は全身火傷で、すでに危篤状態。


そのまま、こと切れて、あっさり亡くなってしまうのであった。


しかも、朋浩と真棹の乗っていた車の側に落ちてきたのは、普通じゃあり得ないモノ。

宇宙から飛来してきた 隕石☄️だったのである!!(なんて運の悪い奴)



次の日、朋浩の葬儀が行われるのだが、妻・真棹の不幸は、ここで終わらない。


以前、真棹が薬局で買い求めていた 睡眠薬 を、幼い一人息子が、誤って過量服用して 死んでしまうのである。(どこまでもツイてない女・真棹)



もう、心身ともにボロボロ状態の『真棹』(新藤恵美)さん。


真棹は、自分を【悪魔に呪われた女】だと言う。(ちゃんと自覚してたのね)


そうして真棹は、3年前、横浜にあるという奇怪な館【ねじ屋敷】の【巨大迷路】で、『宗児』(中尾彬)に強姦された過去を、ポツリポツリと話しだすのだが ……







原作は、本格推理小説の巨匠:泡坂妻夫(あわさか つまお)さん。


自称推理小説愛好家の私としては、この『乱れからくり』は、とっておきの一冊。

なんせ、私の好きなモノばかりが贅沢に詰めこまれている。


《からくり屋敷》あり〜の、《からくり人形》あり〜の、《意外な真犯人》あり〜の …… 

もう、書き出せば枚挙がないくらいかも。



この『乱れからくり』が、当時、火曜サスペンス劇場でドラマ化された時、たまたま観ていた私は、

「よく、こんなのを映像化してくれたよ!」

と、両手(もろて)を挙げて大喝采をおくったものである。(『宇内舞子』役の古城都さんが、実際に元タカラジェンヌなので、役にもそれが付け加えられたが、そんなの気にならないくらい、ほぼ原作通りの映像化である)


近年、それを、また観られたことは、本当に至福の喜びでございました。


制作には、あの『ウルトラマン』などで御馴染みの円谷プロが関わっているので、冒頭に記した《隕石の落下シーン》や《巨大迷路》なんかも忠実に再現してくれている。



オマケに、こんな細かい仕掛けまで ……


死んだ朋浩が、《ひまわり工芸社》で作っていたお人形。


背中の赤いボタンを押すと、首がまわって ……


こんな恐ろしい顔に早変わりする。


《↑こんな化け物人形、誰が買うねん!会社も傾くはずだわ(笑)》

 


だが、横浜の【ねじ屋敷】には、まだまだ隠された謎がある。


「よかったら、私の住む【ねじ屋敷】に、お二人で遊びにきませんか?」


なにやら、一癖もありそうな宗児の誘い、そして不気味な【ねじ屋敷】。

それでも二人は、《野次馬根性》もとい《探偵根性ヨロシク》で乗り込んでゆくのである ……




この後、お話は、副題の通り凄惨な連続殺人事件へと発展していくのだが、推理ドラマのネタバレほど野暮なことはないので、ここで口をつぐんでおく。(あぁ、推理モノってもどかしい〜)


ドラマの出来は、もちろん、満点の星☆☆☆☆☆。

ドラマが観れない人には、原作の小説も合わせてオススメしときます。




※《くだらない補足①》


【ねじ屋敷】の当主、年老いた『馬割鉄馬』を演じているのは、岸田森(きしだ しん)さんである。


この方、映画版の『乱れからくり』でも、全く同じ役を演じているそうな。(どれだけ、この原作が好きやねん!って話)

もっとも映画版の方は、「んん〜??」な出来だったらしいが。(その事については改めて書くつもり)


尚、こんな年寄りメイクをしているが、実際は、とても若かったのだ。(43歳)

だが、このドラマが放映された年の末に(1982年12月)、残念ながらお亡くなりになったのでした。(永眠、合掌)


尚々、岸田森さんは、名優:樹木希林さんの最初の旦那さまである。(あのファンキーな方は、2度目の旦那さま)



※《くだらない補足②》

新藤恵美さんのお顔が、昔から、子ども心に(何かに似ているなぁ~)と思っていたら、ここ最近になって、ようやく分かった。



この顔を3つ持つという《阿修羅像》にそっくりなのだ。(眉や目が)

でも、本当に我ながら、くだらない補足である。



※《くだらない補足③》


なんとなく思ったこと。

(この《ねじ屋敷》を舞台にしたドラマに出て、中尾彬さんは有名な《ネジネジ》を思いついたんだろうか …… )←(最後は、くだらないダジャレかよ!(笑))


お後がヨロシイようで …… マル。