2025年5月6日火曜日

ドラマ 「宇宙刑事ギャバン」

 1982年3月〜1983年2月。





80年代初頭は、まさに《特撮番組》の危機だった。 


この時期、長年続いていた『仮面ライダー・シリーズ』が一旦終了し(『仮面ライダー スーパー1』が1981年に終了)、他の特撮番組も続々と無くなっていった。(原点回帰として再び『仮面ライダーBLACK』が始まるのが1987年である)


特撮番組といえば、今も続く『戦隊ヒーローモノ』だけが、辛うじて一本残っている状態。


(この状況を打開するにはどうしたら良いのか?!いまや御家芸となっている日本の《特撮》をこのまま廃(すた)れさせていいのだろうか …… )


東映では会議が開かれ、試行錯誤の末、内容は《宇宙》+《刑事》モノ。


タイトルを『宇宙刑事ギャバン』として、この作品で再起をはかる事になった。(主人公《ギャバン》の名前が、フランスの俳優 ジャン・ギャバンからきているのは有名な話である)


そうして、主人公ギャバン役には大葉健二さんが抜擢される。 




千葉真一に憧れ、《J・A・C(ジャパン・アクション・クラブ)》に入り、数々のスーツアクターやら脇役やらをこなしてきた彼も、この時、既に芸歴10年を超えていた。

ここへきて、ようやく念願の《主役》である。


大葉健二さんは燃えた🔥


どんなに危険なスタントだって、これまでの下積みや経験を活かして、どんどん挑んでいく。(おかげで後に続く後輩たちが苦労するんだけど(笑))



それに続けとばかりに、制作サイドも次々と新しいアイデアを実践していく。




このギャバンへの変身シーンなんてのは、当時、画期的だった。


天空に右手を上げて「蒸着(じょうちゃく)!」と叫ぶと、あら不思議!



一瞬でメタル塗装をほどこした『ギャバン』の姿になってしまうのだ。(大気圏外で待機している宇宙船から、粒子状のレーザーを照射して、それが外形を覆うような《コンバットスーツ》になるのだ)





シルバーメタリックのギャバンは、ひと際格好良い。




それに加えて、ギャバンの相棒になる『ミミー』役に叶和貴子さんを抜擢したのには、さすがに驚いた。




なんせ、この叶和貴子さん、いくら同じテレビ朝日系列とはいえ、一年間のヒーロー番組『ギャバン』に出演しながらも、同時期に、江戸川乱歩の美女シリーズでは、何度も大胆な濡れ場やフルヌードを披露するんですもんね。


両方観ていた私なんかは、(あの『ミミー』が、こんなあられもない姿をお見せしちゃって良いのかしら …… )と、ハラハラ、ドキドキやら …… (今じゃ絶対に有り得ない話だ)


そりゃ、当時も口うるさい連中の投書もあっただろうが、《東映》という会社は一切動じず。


それどころか、東映では、ギャバンも最後までしっかり務めさせて、次作『シャリバン』、『シャイダー』にも出演させるのだから、


「さすが!天下の東映さんは肝が据わっているなぁ~!」と、変に感心した思い出がある。



とにかく思春期の私などを巻き込んで『宇宙刑事ギャバン』は大ヒットし、『メタルヒーロー・シリーズ』は当分の間、続く事になる。



こうして《特撮番組の危機》は、無事に回避されたのでした。



もちろん、串田アキラさんの歌うドスの効いた主題歌や、必殺技《ギャバン・ダイナミック》の迫力もあるだろうが、私にとっては《スケベ心》を充分に刺激した、やっぱり『ミミー』の存在が大きかったかもね。



でも、案外こんな人、多かったんじゃないの?(笑)


《おしまい》