2024年4月14日日曜日

映画 「燃える勇者」

 1981年  日本。





アフリカで育った野生児・『ジョー』(真田広之)は、死んだ両親の遺骨を日本に納めるためにやって来た。(お金が全くないので、取りあえず密航で)


「アフリカの動物たちが俺を待っているんだ!」


すぐにでもアフリカに戻りたいジョーは、神戸から出る船(もちろん密航)に乗りこみたくて、神戸行きの列車(もちろん無賃乗車)に忍び込んだ …… 

のだが! 


列車はまるっきり反対方向の東北に辿り着いてしまう。


(困ったなぁ~。さて、これから飯のタネを探さなくちゃ …… )←(一文無しでも全然困った様子でもないジョー)


そんな折、町中を全速力で通り過ぎていく暴れ馬に遭遇。


(これこそ俺の出番!)とばかりに、簡単に馬に飛び移り静めたジョー。


この馬の持ち主で年老いた『坂本和平(かへい)』(佐野浅夫)は、ジョーにおおいに感謝した。


あっさり、坂本の牧場で厄介になる事が決まったジョーは超ラッキー。

和平と一緒に住んでいる孫の『和代(かよ)』(伊藤かずえ)も、とても嬉しそうである。


《↑『不良少女と呼ばれる』前のまだ初々しい伊藤かずえ。この時14歳》



《↑『3代目水戸黄門』様になる前の佐野浅夫さん。いかにも善人って感じ》




そうして、その夜は、たまたま和代の15歳の誕生日。

3人でささやかながら誕生日祝いをしていると、ジャーナリストをしている和代の兄・文男が、ぶらりと現れた。

「和代、コレ、誕生日のプレゼントだ!」


包み紙を開いてみるとオシャレな鏡が出てきた。

「ありがとう、兄さん!」


だが、兄を見たのはそれが最期。

翌朝、和代の兄・文男は泥酔した状態で、そのまま車で海に飛び込み、水死体として発見されたのだった。



「こんな …… 兄さんが泥酔して自殺なんかするはずがないわ!」

和代の嘆きを、ただ側で聞いてあげるしかできないジョー。


そこへ文男の昔からの友人で、同じジャーナリストの『西条』(勝野洋)がやって来た。


「和代ちゃん、兄さんから何か預かったモノはないか?! 文男はどうやら町一番の権力者・大矢グループの会長や《大矢建設》の事を独自に調べていたらしいんだが …… 」


かねてから、きな臭い噂がある《大矢グループ》。

この事件の裏には、きっと大矢グループが関わっているはずだ!


西条は相当自信がある様子で、 そんな風に断言するのだが ………




真田広之主演の映画第3弾。(第1弾『忍者武芸帖 百地三太夫』、第2弾『吠えろ鉄拳』は既に、このブログでも取り上げてあります)


で、たまたま観れたこの映画なんだけど ……



まぁ、ハッキリ言って、ど~でもいいような場面ばかりが続いて、本当に イライラさせること!💢(笑)



原因は分かってる。


冒頭にも書いたように、【悪の組織《大矢グループ》の証拠が、妹・和代(伊藤かずえ)の誕生日プレゼントの鏡の中に隠している】事は、観ている人なら誰でも察しがついて、ピーンとくるはずなのだ。


この映画は尺が90分しかないのに、映画の半分以上を使って、そこまでを、まぁ、引っ張ること!引っ張ること!


後半近くになって、和代が腹立ち紛れに鏡に八つ当たりして、割れた鏡の裏から《毒ガス製造法》の科学式を収めたフィルムを見つけるのだが ……「あぁ、やっぱりね」って感じで、既にゲンナリ気分。


それと同時に、こんなのに誰も気づけないなんて、「登場人物たちは皆、 アホ か!」って即座に思ってしまった。(この映画自体、脚本がとにかくお粗末。今の小学生でもこれよりマシな話が書けるはずである)



この映画は、他にも有名人たちがゾロゾロ出演しているのだが、まるで本筋には関係ない人物ばかりなので、ただ、映画の尺を埋めるためだけのような ……


当時『ダンシング・オール・ザ・ナイト』が大ヒットしたもんたよしのりやら、もんた&ブラザーの面々たちが、金で雇われた《不良バイカー》の役で登場するのだが、けっこうなポンコツ具合。(何度か登場しては真田広之一人に、簡単にボコられております)


大御所・若山富三郎なんて、大矢建設の雇われ運転手役で、不良バイカーとジョーたちのいざこざに、要らぬお世話でトラックで割って入ってくるだけ。(その後、留置所送り。これにて出番は終了である)


《↑必要?》


そうして、当時、jacの次世代スターとして期待されていた黒崎輝が『吠えろ鉄拳』に続いて、またもや(バーターで)登場する。



白いギターを抱えて町から町へ。

いつしか、この事件に自ら首を突っ込んでしまい、狙撃までされて痛手を負う『三浦勝』(黒崎輝)。


それでもジョーや西条にくっついて敵の本拠地に乗り込んでいこうとするのだが。(↓行く前からこんなんですもん。悲劇的な末路は、な〜んとなく想像できる)





とにかく、ここまで(1時間過ぎ)が異様に長く感じてしまい、「ハァ〜」なんて溜め息で、視聴を何度か中断したくらい。


それにしても、この映画『燃える勇者』に、他の人は(どんな評価をつけているんだろう? …… )と調べてみると、けっこうな✨高評価✨である。



えっ?なんでぇーーー?!



その疑問は最後まで、この映画を辛抱強く観た者にだけ分かる。



山の上、広大な土地を切り開き、創り上げられた、まるで要塞のような敵の本拠地。


秘密裏に毒ガスを製造して、外国に輸出しようとしている【大矢鉱山】がそこにある。








こんな場所をよくぞ探してきたよ。


こんなトンデモない場所でのアクション・シーンなら、ハラハラ、ドキドキしないはずがない!


映画は、もう、ラストまで、アクションにつぐアクション 怒涛の快進撃💥💥💥!(「今までのつまらなさは何だったのー?!」と思っていたら、アクション監督として千葉真一の名前が。流石である)



敵にさらわれた和代を救い出せ!

列車で運び出される毒ガスを守るのだ!


立て!立つんだー!ジョー!(いつの間にか作品が変わってる?(笑))



私の評価は、前半(マイナス)と後半(プラス)で、星☆☆☆でございます。






※尚、この舞台となった場所は、秋田県鹿角市(かづのし)にある【尾去沢鉱山】である。




大昔から砂金✨が取れたことで有名で、持ち主を変えては拡張していき、ご覧のように巨大化していったらしい。(1978年に閉山。映画は、そのタイミングで即、撮影されているのだ)


今(2024年)でも、その形は何とか残されていて、史跡扱いになっている。(拝観料を払えば見学もできるのかな?)


今じゃ、こんな撮影許可も簡単にはおりないだろうし、そういう意味では、この映画は希少な記録映画でもあるのだ。





実際に見にいってみるのもいいかもね。(「あ〜、ここで真田広之が撮影したんだなぁ~」って感慨深くなったりして)


お粗末さま。

2024年2月24日土曜日

ドラマ 「凄絶!嫁姑戦争 羅刹の家」

 1998年4月〜6月。





『戸越杳子(とごし ようこ)』(加藤紀子)は、明るいけど少々ノーテンキな娘。

友人の結婚式に参列して、ブーケトス👰を受け取った杳子は、すっかり浮かれて舞い上がっている。


「杳子、次はあなたの番よ!」


そう、杳子も《結婚》が決まっている。

お相手は大手商社で働くエリートサラリーマン『小椋貴史(おぐら たかし)』(保阪尚輝)だ。


そうして、とうとう貴史の実家で、両親との初顔合わせの日。

貴史に伴われてやって来た杳子は、とても緊張していた。


(まさか、こんな大きなお屋敷だったなんて …… )

小椋家は、100年以上も続いているという茶道の家元だったのだ。


そこで紹介されたのが、貴史の両親・『小椋孝夫』(田村亮)と『小椋綾乃』(山本陽子)。

妹の『紗江子』(佐藤仁美)である。(この面子が揃うだけでヤバい空気がムンムンしている!)





「まぁ、貴史のお嫁さんに、こんなに可愛らしい人が来てくれるなんて …… 母さん、とっても嬉しいわ」

綾乃は、にこやかに笑いかける。



「杳子さん、私達仲良くなりましょうね!私も近々結婚が決まっているのよ」

妹の紗江子も杳子には好意的だ。(こんなのが、いずれ真逆になるとは …… この時の杳子は、まだ知らない)


広い庭で、やっと一人きりになった杳子は、茂みの奥に隠れて食べ物をむさぼっている、奇妙な老婆(三條美紀)に遭遇する。



「許しておくれ〜!お腹が空いていたんだよぉ~!!」


(なんなの?!この人は …… !!)


それと平行して杳子の所にかかってくる謎の電話。


「あなたが見た、あの《餓鬼(がき)》のような老婆は貴史の祖母よ。離れの方に一人だけ幽閉されているのよ。小椋家ではあの薄汚い老婆の下の世話をあなたにさせたいだけ。よ〜く覚えておくことね」


(↑ま~た、よけいな事を ……それにしても懐かしい公衆電話)


電話をかけてきたのは、昔から貴史に恋していた従兄妹の『涼香』(伊藤かずえ)だったのだ。(当然、杳子と貴史が結婚するのはクソ面白くない)


どんどん、不穏な空気に変わっていく杳子の周辺 ……


そんな折も折、杳子の実家では《ガン》で闘病中だった父親が亡くなってしまう。


お通夜の晩、人の言い争う声で目覚めた杳子は、目の前で取っ組み合いをしている自分の祖母と母親・『静江』(赤座美代子)を見て愕然とする。



「この 鬼嫁 め!お前がろくなモノしか食べさせなかったから息子は死んだんだぁーー!」


「何を言うかー?!この 鬼婆 が!あたしが今までどれほど我慢してきたことか …… 謝れ!謝りなさいぃー!!


今まで仲がよかったと思っていた祖母と母親の殴り合い、凄絶な修羅場。


包丁を取り出して襲ってきた祖母を、なんとか力でねじ伏せた静江は、髪を振り乱した姿で、側にいる杳子に熱を帯びた感じで語りかけた。


「杳子、覚えておきなさい。女が間違った結婚をすると、女を醜い羅刹(らせつ)》に変えてしまうのよ」


「《羅刹》 …… ???」(ノーテンキな杳子はメジャーでもない、まるで聞いたこともない言葉にポカ〜ンとする←当時視聴してた自分も初めて知った)


《羅刹》とは、「人の心に住み着き、惑わし、人を喰らうという恐ろしい魔物、悪鬼👹」の事なのだという。


こんな光景を見せられて、近づいている結婚式にも不安な暗い影がのしかかる杳子。


(でも、私は貴史さんを愛してるんだもの …… )


その一点だけで強行に結婚式を行うも ……


出たぁーー!あの餓鬼のような老婆三條美紀が、結婚式に呼ばれてもいないのに参上!!(ダジャレかよ(笑))




杳子の指輪に噛み付いたり、ウェディング・ケーキはなぎ倒すわで、結婚式場は大パニック。

当然だが、メチャクチャな状態になってしまう。(↑この笑顔で誰が企んだか一目で分かるはず。)


溺愛する息子の結婚式を台無しにされた『綾乃』(山本陽子)は、顔を真っ赤にして怒り心頭。


「許せませんわね …… 」




いつの間にか結婚式場から祖母(三條美紀)を連れ出すと、自宅の離れでは凄絶な折檻が始まっていた。


ああ、恐ろしや《羅刹の家》……


こんな家に嫁いでしまった杳子に、安息の日はやってくるのか ……




つい先日(2024年2月20日)、女優の山本陽子さんがお亡くなりになった。享年81歳だった。


よく俳優さんや女優さんが亡くなれば、これまでの代表作がいくつか挙がって、メディアでもチラリと、その映像が流れたりするものだが、この『羅刹の家』に限っては全く無し。(まぁ、こんな内容だし、「やっぱりな …… 」とは思っていたけど)


でも、自分にとって山本陽子さんといえば、やっぱり『羅刹の家』なのだ!(貼り付けた場面が、画質の悪いのばかりでごめんなさい。.⁠·⁠´⁠¯⁠`⁠(⁠>⁠▂⁠<⁠)⁠´⁠¯⁠`⁠·⁠.)


このドラマでは、数多くのアクの強い俳優陣たちが揃って出演しているが、そんなのの向こうを張って、やっぱり山本陽子さんは最強のボスキャラ!(ノーテンキな芝居では、別次元で加藤紀子も最強クラスかも)


とにかく、羅刹の家ならぬ、この家の周辺は淀(よど)んだ 負のオーラ😰で満ち溢れている。


なにせ、呪いの藁人形🔨で、人を呪い殺す丑の刻参りが、ブームになっているような町なのだ!



最初は近所の主婦(いしのようこ)が、姑憎さに《丑の刻参り》をしているが、満願成就(願いが叶う)前に、その姿を杳子見られてしまい願いは叶わない。(残念!)


お次が、あの杳子。

祖母(三條美紀)が死んだ後、綾乃のいじめのターゲットが嫁の杳子に移り、その結果、ストレスで初めての子供を流産してしまう。


すると、杳子も綾乃を激しく憎むようになってくる。


(いつか見た《丑の刻参り》…… アレを利用して、お義母様を呪い殺してやろう …… )と。(結局、行き着く先は、こうなってしまうのでした(笑))



だが、杳子もまた、生来の人の良さが邪魔して、あともう一歩のところで断念。

満願成就は叶わないのでした。



そうして、綾乃は《丑の刻参り》の効き目を存分に知っているので、最初からやる気満々。


夫の『小椋孝夫』(田村亮)が、若い愛人・史子(ふみこ)を孕(はら)ませると、その子を呪い殺してしまおうと《丑の刻参り》を躊躇なく決行する。



こちらは無事、満願成就を達成した。(愛人の子は流産したのだ)


強い意志と精神力がなければ、《丑の刻参り》は、簡単には成功しないのである。



恐ろしい羅刹よりも、さらに恐ろしい『綾乃』(山本陽子)は、やっぱり最強。


でも、こんな家や近所には住みたくないよねぇ~


いつまでも忘れられない思い出のドラマである。(なんせ、あちこちの木には、呪いの藁人形を打ち込んだ釘跡だらけ(笑))


おしまい。

星☆☆☆☆☆。


2024年2月15日木曜日

映画 「自由学校」

 1951年  日本。





中年サラリーマン『南村五百助(みなみむら いおすけ)』(佐分利信)は、家への道すがら、誰に聞かせる風でもなくポツリとつぶやいた。

「自由 …… 自由か …… 」


海が見渡せる砂浜、松林の奥に建てられた小ぢんまりとした平屋の一軒家が《南村家》。

少々ボロい感じに見えるけど、終戦後まもない頃の家としては充分に上等だ。


妻の『駒子』(高峰三枝子)は、朝も早くから足踏みミシン(若い人は知らんだろうな~)を動かしながら、せっせと洋服の仕立ての内職に勤(いそ)しんでる。

オマケに近所の子供たちに英語まで教えている駒子は、中々の才女だ。


頭が良くて、働き者。

気が効いてて、器量良しの妻。


そんな完璧な妻・駒子が、なぜ?こんな愚鈍そうな男・五百助(いおすけ)と結婚したのか??? …… 



忙しそうに働いている駒子の横で、五百助はパジャマ姿で寝転んで、いつまでもグータラしてる。

「あなた!いったい、いつまでグータラしてるの?!もう会社に行く時間でしょ!!」

何度目かの駒子の激に、ようやっと起き上がると、五百助はポツリと「会社は辞めたんだ …… 」と呟いた。


「なんですってーー?!💢」


聞き捨てならない、その言葉に駒子が詳しく問いただすと、五百助は一週間も前に働いている通信会社をとっくに辞めて、仕事に行くふりをして毎日彷徨い歩いていたのだという。

「自由 …… 自由が欲しいんだ …… 」


(ハァ〜?何を言ってるんだ?!この男は?!こっちは朝から晩まで懸命に働いて、五百助の少ないサラリーで、何とかやり繰りしているのに …… そんな人の苦労も知らないで …… )


最初は呆れて笑っていた駒子も、段々と頭に血が昇ってきて、いつしか、こんな言葉を叫んでいた。


出てけーー!この家から出てけぇーーー!!💢」(言われて当たり前だ)


駒子の剣幕に気圧されて、スゴスゴと出ていった夫の五百助。

(なぁ~に、すぐに私に詫びを入れて帰ってくるでしょうよ …… )と、高をくくっていた駒子。



だが、夫は帰って来なかったのだ。


行く宛もなくブラブラ街を彷徨っていた五百助は、バタ屋(道幅のゴミくずや金物を拾って生活する人)の『金次』(東野英治郎)に気に入られて、意気投合。


金次が住んでいる橋の下のバラック小屋で、一緒に生活しはじめる。(まるでホームレスだ)





一方、駒子の方は、さすがに一週間も戻ってこない夫の事で、伯父の『羽根田力』(三津田健)と妻『銀子』(田村秋子)のところへ相談に行くのだが ……




その昔、映画評論家・中野翠(みどり)さんのエッセイ本を読んでいると、戦前戦後に活躍したという、松竹の映画監督【渋谷実】を紹介していた。


その中では渋谷実監督の代表作として『自由学校』や『本日休診』なんて映画を取り上げていて、中野翠女史、自らのイラストなども交えたりして大絶賛していた。


『自由学校』…… 自由な校風の学校の話なのかしらん?


まぁ、観てみると《学校》なんてのは全然関係なくて、家を追い出された世間知らずの五百助と、亭主がいなくなった駒子の、いわば大人の《社会勉強》を《学校》に見立ててるって感じなのかも。



五百助が金次と一緒に気ままなルンペン暮らしを楽しんでいる頃、妻の駒子の方も

「そっちがその気なら、こっちも好き勝手させてもらうわ!」と、やや捨て鉢な行動に出る。



でも、世の中、そう上手くはいかない。


伯父夫婦の家で知り合った『辺見』という男に言い寄られて、中々良い感じになりそうなものの、肝心の辺見の方が、土壇場で腰砕けになってしまう。(『駒子』(高峰三枝子)の方は「寝たふりしてる間に襲ってくれ」ってな具合で堂々したものだけど)



(↑辺見がモーションに失敗する度、寝たふりしながら近くのスケッチブックに《✗マーク》をつけていく、この駒子の余裕よ(笑))


オマケに伯父夫婦の家で久しぶりに再会した『堀夫人』(杉村春子)の息子『隆文』(佐田啓二)に一目惚れされて、執拗に追いかけまわされる始末。(いくら男でも「歳下過ぎる!」と駒子の方は歯牙にもかけないのだが …… )


それにしても、この『隆文』って男は、始終ナヨナヨしていて 気持ち悪すぎる!(若くして亡くなった中井貴一のお父さん。絶世の美男子と言われて、当時は大人気だったらしいが)


「ねぇ~、オバサマ。ぼくオバサマの事、好きになっちゃったんですうぅ~♥」(ずっと、こんな調子だ)


自分には、ちゃんとした許嫁がいるのに、他の女性に目移りして追いかけまわすなんて、ある意味トンデモない野郎である。


そうして、その許嫁が、これまた変わり者の、当時としてはイケイケ・ガールな『藤村ユリ』(淡島千景)。(自分の事は外人風に『ユーリ』と呼んでくれなきゃ、「ヤ〜よ!」とかほざいている)



この、ユーリはユーリで、フィアンセが年上の駒子を追いかけまわしているのに嫉妬もせず、逆に恋の応援をしたりする??


「フフッ、私はオジサマ(五百助)の方にいってみようかしら?」なんて、終いには、本気かどうか分からない言いようである。(ある意味、お似合いのチャラいカップル)


本当に皆んなが皆んなで、《自由気まま》。


だが、そんな日々も、いつか終わりがやってくるもので ………



ある日、駒子は暴漢に襲われそうになった。(旦那がいなくなって一人になった駒子に暴漢も日頃から目をつけていたのだろう)


ナヨナヨした隆文がそばにいたものの、駒子一人を放り出して、「イヤァーー!助けてぇぇーー!」と自分だけスタコラ逃げていく。(コイツ、本当にダメだ(笑))


たまたま近所の『平さん』(笠智衆)が通りかかって暴漢をフルボッコ👊💥



なんとか駒子は助かったのだが、実は、この平さんも駒子にかねてから横恋慕♥していたのだ。


駒子に突然告白するも(タイプじゃないのか?)断固  拒絶 されて、南村家で破壊活動、カッとして大暴れする!(あの!温厚そうな優しいおじいさんのイメージしかなかった笠智衆が …… ある意味、コイツが一番ヤバいかも)


命からがら近所の家に逃げおおせた駒子は、自分の家がメチャクチャに荒らされて、ガラス窓が割れる音に耳を塞ぎながら、「もう、男なんてコリゴリだ!」と思うのだった。



一方の五百助も散々で、金次の掘っ立て小屋の側に住んでいる怪しい男に上手くのせられて、あれよあれよのうちに妙な《思想家》の代表に祀り上げられてしまう。


オマケに、密売の立ち会い人にまで駆り出されてしまい、そこを張り込んでいた警察たちに一斉御用。

逮捕されて、留置所送りになってしまうのだ。


五百助の逮捕の知らせは、当然、妻・駒子の元へ。


伯父の羽根田は警察関係に古い知り合いがいて、羽根田と駒子の監視の元、【二度と《放浪生活》をさせない!】を条件に、五百助は駒子に連れられて、なんとか釈放されたのである。


自宅に帰ってきて、勝ち誇った顔の駒子。


「いいわね?分かったわね?!これだけ迷惑をかけたんですもの。これからは私には絶対服従よ!!」(ヤナ女だなぁ~)


そんな駒子に背を向けて、しょんぼりしながらも、またもや出ていこうとする五百助。


「僕には橋の下の生活がお似合いなんだ」

それを慌てて引き止めて、五百助に強烈ビンタかました駒子は、すかさず五百助にすがりついて、途端に泣きじゃくる。


待って!負けたわ!出て行かないで!お願い、家に居てーー!家に居てちょうだい!!



まるで見た事もない妻の一面に((⁠´⁠⊙⁠ω⁠⊙⁠`⁠)⁠!)呆気にとられて驚く五百助。(急に180°反転し、可愛く思えてきた高峰三枝子さんに、私自身もビックリ)


駒子の涙ながらの叫びは五百助にも届いたのか …… こうして二人は元の鞘へと落ち着いたのである。(まぁ、駒子の方も夫がいない間、色々なタイプの男を見てきて、良い勉強になったんでしょうね)


めでたしめでたし。(あっ、そうそう、隆文とユーリもよりを戻したそうな)



それにしても、戦後間もない、この頃に《自由》を求めた主題の、こんな映画が出来たのも分かる気がする。

戦時中、人々は散々《不自由》な暮らしを強いられてきたんですもん。


暮らしは、まだまだ貧しくても自由を謳歌したいよね~。


ただ!

そんな《自由》も、多少の《モラル》があってこそ。

笑いを挟みながらも、この映画は風刺を上手く取り入れて、説教くさくなく描かれていると思う。


初めて観た渋谷実監督の日本映画『自由学校』は、中々どうして、かなりの傑作だと思った。(後年を、かろうじて知っている東野英治郎笠智衆淡島千景などは、かなり真逆のイメージ配役である)


渋谷実監督、侮るべからず。


いつかディスク化される事を祈りつつ、星☆☆☆☆としておきまする。(面白かったんで、ついつい最後まで語り過ぎたわい)


オススメしとく。



2023年12月19日火曜日

創作 「映画 キャリー(1976)」のその後を勝手に想像しちゃおう!その名も【キャリー 怒りの逆襲】

 




キャリー・ホワイト』は、生きていた!


馬鹿にしていたクラスメートたちを超能力で血祭りにして、校舎ごと燃やしてしまったキャリー。


帰宅後、狂信的な毒親マーガレットに背中を刺されて、瀕死の状態だったものの、マーガレットを《磔の刑》で倒した後、渾身のテレキネシス能力で自身の傷の出血をふさいで、からくも生き延びていたのだった。



だが、もうアメリカには住めない。


(超能力を開放させて、あれだけの人々を業火で焼き殺してしまったんですもんね …… )←(事が終わってしまえば、やや冷静さを取り戻すキャリー)


しばらく隠遁生活を送っていたキャリーだが、ある朗報が舞い込んでくる。


日本で【きゃりー・ぱみゅぱみゅ】なるタレントが人気らしいのだ。

(私も日本に行けば優しくしてもらえるかも …… だって同じ【キャリー】って名前だし)


日本語を一生懸命習得し、日本に渡ったキャリーは、こうして第2の人生を歩みだした。


そうして時は過ぎて、日本では元号も変わった頃 ……

キャリーは、ある日本の政治団体のパーティーに呼ばれるまでになっていたのだった。(←どんな職業についたのか …… そこは御想像にお任せしとく)


元来お人好しなキャリーは、高額な数万円もするパーティー券を無理矢理買わされた。


大勢が集まる会場に来てみると、偉ぶっている政治家ばかり。

テーブルに並べられているのは、人数分にも足りないお粗末な料理と、その品数。


ガッカリするキャリー。


(何にも食うような料理ないやんけ!)

それもそのはず、このパーティー券は、派閥からの指示で、多くの政治家たちが大量に売りさばき、料理代などケチって浮かせては、多くの売り上げを派閥に譲渡する。


収支報告書には、なるべく少ない金額で明記したり、しなかったり。


そうして、その見返りとして、貢献してくれた政治家たちへキックバック。

自分たちの懐を潤すような裏金作りの温床になっていたのだった!


「許せないわ …… 」(腹も減ってるのに(笑))


キャリーの怒りに再び火がついた!


こうして、自党をはじめ、悪徳政治家たちのパーティー会場は、次々と業火の炎🔥🔥🔥で火の海となってゆき ……




年末に書いてみた、アホのような創作話。


だが、現在、怒りまくりの日本国民は、こんな話でも、喜び、賛同してくれるんじゃないだろうか。(だって、今や内閣支持率が1割くらいだし)


それにしても、次から次に、よくも、まぁ出てくるわ!

この年末になっても、胸くそ悪い《自党問題》が。


不倫や脱税から始まって、副大臣たち3人が辞任。


各派閥、パーティー券の【裏金問題】。(現在、地検が捜査中)


オマケに《政治団体への寄付ならば、非課税(税金かからない)の対象になる!》を逆手にとっての、政治家たちの親や子ども、配偶者などへの億単位の金の流れ。(特に、政治家でもない安倍恵さんを、自党支部の代表に据え置いての、【2億円以上】の寄付献金は酷すぎる。しかも非課税で。)←コレもいずれ地検に捜査してほしいわ。


最近では、企業のお偉方や医会などが、

「法人税を上げてもらわない代わりに、寄付という名の《ワイロ》を送っていた!」なんて証拠も出てきたとか …… (それでいて「近々消費税を上げるつもりだ」なんて、どの口が言うのか?)


こういうのを国会で野党が追求しても、

「ワタクシからはお答えできません。ただいま派閥の方で精査中でございまして …… 」の逃げの一手ばかり。(下を向いて原稿を読み上げるだけの、M野氏は特に酷かった)


《増税クソメネ》なんて渾名までつけられた、K田氏に至っては、

「あ〜、うう~、これからはワタクシが《火の玉》となって、自党の信頼回復に務めて …… 」

なんていう、もはや訳の分からない会見までしてる。(←当然ネット民からは「【火だるま】やんけ!」っていう的確なツッコミも)



それにしても、この人の目 ……



どこの異世界に住んでいて、何を見つめているのやら。

日本中のバッシングも、この御方には、まるで自分への励ましや、叱咤激励に聴こえているようだ。(だからこそ、こんな状況でも【どこ吹く風】でいられるのかも。相当にヤバい奴!)



もう、お分かりになると思うが、最近のこんな現状が、とうとう、私にこんなアホな話を書かせてしまったのである。



とにかく、

今年の《膿(うみ)》は今年の内に出し切る!

そうして、それに関わった者たちは全員逮捕。


晴れやかな気持ちで新年を迎えたいものである。


あ、その前にクリスマスがあるか。


メリー・クリスマス&ファイヤァーー🔥と叫んでおいて、この文章を締めくくっておく。(自分でもナンノコッチャ訳わからんけど(笑))


おしまい。