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2020年11月1日日曜日

映画 「アンナ (1951)」

1951年 イタリア、フランス合作。




『シスター・アンナ』(シルヴァーナ・マンガーノ)は、大病院で患者たちの為に看護師として懸命に働いていた。(※イタリアでは、修道院でお祈りを捧げるだけじゃなく、実際にこんな病院で、プロの看護師なみの役割を果たすシスターたちがいる事に、まず驚く(*゚Д゚*))


子供から年寄りまで、笑顔で接するアンナに、ドクターや他の看護師たちの信頼も厚い。



一刻も早く、本物のシスターになれるように、本部への修道誓願を希望するアンナ。(なんだ、まだシスター見習いか)


だが、修道院長からは厳しい言葉が、チクリとアンナの心を突き刺す。


「あなたの行動は、まだ、どこか世俗的すぎる。人間愛が、あまりにも強すぎるのよ。試練だと思って、当分はこの病院で患者の為に尽くしなさい!」


「分かりました…」

ガックリ気味のアンナである。



そんなアンナが病室を巡回していると、けたたましい救急車のサイレンの音が……。


(こんな夜半に急患……?)


血だらけで担架で運ばれてきたのは、車を猛スピードでとばしてきて、相手にぶつかって大怪我という、とんでもない(マヌケ)男。


(どれ、どんな様子か……)とアンナが顔を覗いてみると……


「アンドレア!!」


そう、昔、アンナが愛していた『アンドレア』(ラフ・ヴァローネ)なのだった。(なんか、この場面で竹内まりやの曲が、自然に頭に流れてしまう私 (笑) )



アンドレアの緊急手術が始まると、アンナは手術室の側で祈った。


「神様、アンドレアをお救いください!……」と。


そして、祈りながらも、アンナの意識は、数ヵ月前の苦い過去を回想していくのであった……(ポワ、ポワ、ポワァ~ン?ってな感じ)




以前、ここで挙げた『にがい米』で、すっかりシルヴァーナ・マンガーノ様の虜になってしまった私。


シルヴァーナ様の出演した映画を探してみると、日本で観れるような映画が、あまりDVD化されてないのだ。(頼みますよ、メーカー様!)


比較的、『にがい米』に近い年代の、この『アンナ』を観る事が、やっと出来た次第である。


で、観ていると、シルヴァーナ様はいきなりシスター姿。


充分、美しい尼僧姿のシルヴァーナ様なんだけど……地味過ぎて、ちとガックリ。


と、思っていたら、アンナの過去の回想シーンに場面が切り替わると、(デター!!)狂ったように歌い踊るシルヴァーナ様の姿が!!



腰を自在にひねり、華麗なステップをふみながら、歌い踊る『アンナ』(シルヴァーナ・マンガーノ)は、ナイトクラブの歌手兼ダンサー。


観客たちは見惚れていて、拍手喝采だ。(だろうな~)



そんなアンナに、これまたベタ惚れの、田舎に広大な住宅を構える金持ち紳士『アンドレア』(ラフ・ヴァローネ)は、「結婚しよう!結婚しよう!」と毎夜アンナを口説いていた。


「無理よ…」


アンナのツレない言葉にもアンドレアの気持ちは変わらず。


ナイトクラブからアンナの家までの送迎を、ひたすら続けるアンドレアなのである。(なんて健気な)




だが、アンドレアに送ってもらってアパートのベッドに入ると、アンナの何かが疼きはじめる。


フラフラ~と夜のアパートを抜け出すと、どこかに向かい出すアンナ。


合鍵で、ある部屋のドアを開けると、そこにはシャワーを浴びている一人の男の姿が。


そう、それは同じナイトクラブで働くウェイターの『ヴィットリオ』(ヴィットリオ・ガスマン)。




アンナはアンドレアに口説かれながらも、ヴィットリオとも関係を続けていたのだ!



気持ちはアンドレアに傾いても、身体はヴィットリオに溺れているアンナなのである。(なんかレディース・コミックの世界、そのまんま (笑) )



こんな事が、毎夜毎夜、繰り返されて、さすがに自分自身に嫌気がさしてくるアンナ。


そして、とうとう決心する。


「アンドレアと結婚して、田舎に行くんだ!そして真人間になろう!」


ヴィットリオのアパートの合鍵を道路の排水溝に捨てると、アンナはアンドレアの故郷に向かった。



そして、明日は結婚式という時、窓から外を見ると、あのヴィットリオがやってきたのだ!(ゲゲッ!)


「なんでやって来たのよ?!」


「田舎で結婚だって?お前は俺が忘れられないはずだ!!思い出させてやる!!」


「やめてー!!」

近くの暗い石堂?で、アンナを押し倒すヴィットリオは、まるで獣。(「イヤよ!イヤよ!も好きのうちさ!」を地でいくようなヴィットリオさん)



そこへ通りかかったのは、あのアンドレア。



アンドレアとヴィットリオは激しい殴り合いになる。


「やめてー!!やめてー!!」(ここでも、なぜか?竹内まりやの曲が頭に浮かんでくる私。♪けんかをやめて~二人をとめて~♪)



ヴィットリオが取り出した銃の弾がアンナの肩をかすめる。



それを取り上げようとするアンドレアは揉み合いになるうちに、ついに……バキューン!!



銃口がヴィットリオの腹を向いた瞬間、それが発射されてしまったのだ。



腹から血を流して絶命するヴィットリオ。(アラアラ…)



呆然自失になっているアンドレアをおいて、アンナはフラフラと外に出て歩きだした。



(何もかも自分が蒔いたタネ……すべて私が悪いんだ………)



あてどもなく、さ迷い歩くアンナは、いつの間にか行き倒れて、親切な人に介抱されて、今いる病院に連れてこられたのだった。



そうして、傷が治ると、シスターへの道へ。

今に至るアンナなのである。



だが、運命は皮肉にも、またもやアンナをアンドレアと引き合わせた。


手術がすみ、傷が癒えてくるとアンドレアは再度求婚してくる。


「もう一度やり直したい!アンナ、結婚してくれ!!」


はてさて、アンナは尼僧の立場でどうするのか………




ここまで長々と書いたのは、ちゃんと理由がある。



この映画『アンナ』と『にがい米』を両方観た自分。


監督は違えど、どちらも、出演者はシルヴァーナ・マンガーノ、ラフ・ヴァローネ、ヴィットリオ・ガスマンが揃っている。(『にがい米』のドリス・ダウンリングがいないだけだ)


そして、『にがい米』、『アンナ』で演じている、それぞれの役の性格が、とても似かよっている事に、自分同様、両方を観ている人は、とっくに気づいたはずである。



シルヴァーナは踊りが好きで、後先をまるで考えていない、ただ欲望の為に突き進んでしまうような性格。


ラフ・ヴァローネは誠実で無骨な男。


ヴィットリオ・ガスマンは、女を虜にはしても、根っからのゲスなクズ男。(銃で死んでしまうのも、まるで一緒だ)



もう、役の名前と、話が違うだけで、同じ役者が同じキャラクターで、それぞれに存在しているのである。



なんだか不思議な感じ……


ジョジョのように、まるで世界が一巡して、同じ人間が、同じように再び出会ってしまったような……そんな錯覚さえ覚えてしまう。



あるいは、『にがい米』と、この『アンナ』は、同じような時間で、ソックリな人間たちが、決して交わる事のない、並行しているような世界を一緒に進んでいるのか?……そんな、まるでSFモドキの発想にまで、とんでしまうのだ。


もちろん、『にがい米』と『アンナ』では結末は違う。


『にがい米』では、ヴィットリオ・ガスマンに、たぶらかされて、騙されて、ガスマンを撃ち殺してしまい、自らも自害してしまうシルヴァーナ。


『アンナ』のシルヴァーナは生き残る。



それにしても……



分かれ道が二通りあるなら、右に進んで、死んでしまったのが『にがい米』のシルヴァーナ。


左に進んで、生き残ったのが、この『アンナ』のシルヴァーナ?(どっちでも死んでしまうヴィットリオ・ガスマンは憐れだが (笑) )



この、まるで《双子》のような対比の2本の映画、自分のように両方を観る事を、是非オススメしたいと思うのである。


とりあえず、『アンナ』、星☆☆☆☆。



それと、シルヴァーナ様の適職は、尼僧よりも、やっぱりダンサーだと思いますよ♪

2020年9月2日水曜日

映画 「華やかな魔女たち」

1967年 イタリア。





全5話のオムニバス映画。


ごく最近、ここに取り上げた『にがい米』のシルヴァーナ・マンガーノ様が全ての話で主演なされているという。



………なされているという、なんて書き方、変に思うだろう。




そう、私、この映画、全く観たことないです。(だってビデオにもDVDにもBlu-rayにもなってないんですもん、今だに)



でも、「何となく観たいなぁ~」と思って、とりあえずは、ここに挙げてみた次第。(なぜか? ここに書いてみて願いが叶ったモノもあるので)




そして、色々調べてみると、この映画、何気に有名どころの監督を集めている。



第1話『疲れきった魔女』監督ルキノ・ヴィスコンティ(『ベニスに死す』など超有名)


第2話『市民気質』 監督マウロ・ボロニーニ


第3話『月から見た地球』 監督ピエル・パオロ・パゾリーニ(『ソドムの市』)


第4話『シシリア娘』 監督フランコ・ロッシ


第5話『またもやいつもの通りの夜』 監督ヴィットリオ・デ・シーカ(『ひまわり』など超有名)




2話と4話の監督は全く知らないが、後の3人はいずれも、イタリア映画界を牽引した巨匠たちばかりで、無知な自分でも知ってるほどである。




そして、この第5話には、なんと!先程書いたばかりの『クリント・イーストウッド』が出演しているのである。



当時、アメリカでは、まだまだ芽が出なくて、イタリアに渡り『夕陽のガンマン』などで頑張っていた頃のイーストウッド。(「俺はこんなにカッコイイのに何故だぁぁ~?!」なんて悔しい想いが、後に大爆発するのだが……)




しかも、イーストウッドの役が、上司にペコペコする眼鏡をかけたサラリーマン役。



家に帰れば、クッタクタに疲れて眠ってばかりのイーストウッド。

そんな夫に、妻のシルヴァーナ・マンガーノが欲求不満でイライラするってお話らしい。(コメディー?)




なんか、後のイーストウッドのイメージとは、真逆な感じで面白そうなのである。


それにしても、セクシー・ダイナマイトの代表格、シルヴァーナ様を妻にしながらも、寝てばかりなんて許せん!イーストウッド(笑)。


今回は観ていないので、評価はご勘弁を。

いつか、ディスク化される事を願って。

2020年8月7日金曜日

映画 「にがい米」

1949年 イタリア。






まだまだ戦後で、トラクターもなかった時代……。



北イタリアでは、5月になると大勢の女たちが米作りの為に集まる。

労働手帳を持って、女たちは広大な水田地帯で一定期間、出稼ぎ労働者となるのだ。



「こんな過酷な労働は、女性たちにしか出来ません」ニュース中継のアナウンサーが、集まった女性たちを撮しながら誉め称える。(よく言うよ)




駅には、その為の、専用の《稲作列車》なるモノまで待機していた。


そんな、列車が出発待ちの間、人混みの中に怪しいカップルの姿が………。


男の名は『ワルテル』(ヴィットリオ・ガスマン)、女は『フランチェスカ』(ドリス・ダウンリング)。


グランド・ホテルから高価な宝石を盗んだばかりだった。


「いいか、この宝石を守るんだ!」ワルテルは、そう言うとフランチェスカに渡した。




列車の側では、退屈しのぎに持参した蓄音機の音楽に、狂ったように踊る『シルヴァーナ』(シルヴァーナ・マンガーノ)がいる。


それを外野が取り囲んで大騒ぎしてると、ワルテルはニヤニヤ顔で、シルヴァーナとダンスに興じ始めた。


「へ~え、上手いじゃないの!」

シルヴァーナもノリノリだ。




ブスっとした顔でそれを見ているフランチェスカ。

踊りながら回転しているシルヴァーナの手が、ワルテルの麦わら帽子を払いのけて落ちた。(わざと)



焦るワルテル、そこへ「いたぞー!この泥棒ー!!」の声。


騒然とした中、ワルテルは一目散に逃げ出した。



しばらくして列車が出発すると、浮かない顔でフランチェスカが、ひとりきり乗車している。



次の客車に移ろうとドアを開けると、目の前には、あのシルヴァーナの姿が。


明らかに不審な様子でフランチェスカを見つめるシルヴァーナ。



「あんたの彼氏、あれからどうしたのさ?いい男じゃないの」

「私には関係ないわ。それより仕事が欲しいのよ」



(なんか怪しいわ……あの彼氏も、この女も………)


列車は、様々な事情を抱えた女たちを乗せて、水田地帯を目指して走っていく。




駅に着くと、何台もの大型トラックの荷台に乗り込んだ女たち。

軍隊が兵舎として使っていた場所に向かって走り出す。

そして、そこは、40日間彼女たちの寝ぐらとなるのだ。



「ここを使うといい」

兵舎に着くと、『マルコ軍曹』(ラフ・ヴァローネ)が、フランチェスカとシルヴァーナの為に2段ベッドを空け渡してくれた。


《なぜか? いつでも、どこでも胸毛全開の『マルコ軍曹』(ラフ・ヴァローネ)さん》




2枚目でイキなマルコ軍曹にフランチェスカも微笑むが、シルヴァーナは「軽い男!」とばかりに歯牙にもかけない。





「みんなベッドを整えるんだ!」


ズタ袋に藁を押し込んでの寝床つくり。


だが、フランチェスカが目を離した隙に、ベッドの下に隠した宝石が、いつの間にかなくなってる!


「ない!ないわ!どこにも……!!」


その時、現場監督から、「契約をしてない者は帰ってもらうぞ!」の大声が。



(そんな………何としても雇ってもらわなくては………宝石を探せやしない………)

焦るフランチェスカ。



侮蔑の表情を浮かべたシルヴァーナが、それを遠くから見つめているのだった ………





《 原爆女優 》なんて酷いアダ名、いったい誰がつけたのか。



名前だけは知っていて、昔から気になっていた、『シルヴァーナ・マンガーノ』。


この度、やっとお目にしにました。(TSUTAYA発掘良品アリガトウ~)



このネーミング、「あんまりだろう…」と思っていたが、観てみて納得!



もう、この人を観てしまった後では、セクシーだと言われていた、ブリジッド・バルドーもマリリン・モンローも、全てのセクシー女優たちは霞んでしまう。



見よ!コレを!!



これは、まるで《 ロケット 》!!



今にも某アニメのようにミサイルでも発射しそうである(笑)。




腰も、太股も、ドド~ン!

これぞ、魅惑のダイナマイト・ボディー。



この迫力あるボディーに対して、お顔も何て可愛らしくて綺麗な事か。



もう、もう、いっぺんで好きになってしまった《 シルヴァーナ・マンガーノ 》様である。




この映画にしても、観る前は、(稲作だとか、米作りだとか、こんな地味な主題が映画になるの? 映画になっても、どうせ、つまらんシロモノでしょ?)と思っていたらとんでもなかった。



超面白い!



犯罪ドラマであり(無くなった宝石は何処へ?)、2組の男女のメロドラマであり、イタリアの過酷な米作りを知る事も出来るという、何とも形容しがたいような映画である。





腰が痛くても、雨に打たれても、女たちは懸命に働き続ける。



一粒の米が出来るのは、女たちの流した汗と涙から……。



これを観れば、毎度毎度頂くご飯なんて、農家の方々に感謝せずにはいられません。





そして、やっぱり、シルヴァーナ・マンガーノ。

この人が映ると、どうしても目はそちらを追ってしまう。





これを、この肢体を、当時の人たちは、どういう想いで見ていたのか……




まだまだ戦後で、食べる物にも事欠くような時代。

みんなお腹を空かせていては、ガリガリだったはずだ。




そんな中に、このシルヴァーナ・マンガーノが、ドドーン!と目の前に現れれば、そりゃ、見た目のビジュアルは相当な破壊力だっただろう。




《 原爆 》並の破壊力……酷いネーミング・センスだが、分かるような気もする。




スレンダーがトレンドの現代、女性たちは体重を気にしながら、こぞってダイエットにいそしんでいるが、男の自分からしたら少しふっくらしてる方が充分に可愛いと思う。



男は女性の《 丸み 》に安心感や安らぎを感じて、惚れてしまうのだ。



シルヴァーナ・マンガーノ様は、そういう意味でも、当時、世の男たちの女神(ミューズ)だったのだろう。



私も今更ながらフアンになってしまいました。(マンガーノ様の他の映画も探してみよう、っと!)

星☆☆☆☆。