2019年11月16日土曜日

映画 「クリフハンガー」

1993年 アメリカ、フランス、日本合作。






元々は、冬の寒い時期に公開されるべき映画だった『クリフハンガー』である。



だが、日本での扱いは酷くて、公開は真夏の8月。



映画ポスターさえも、スタローンの顔写真は雪山の下に小さいサイズで写っているだけだった。(これには本人も当時ショックだったようだ)




70年代にデビューしたシルベスター・スタローン



生まれつきの障害がありながらも、それを克服し(産科医の失敗で顎、舌、唇を傷つけられて言語障害が残るという酷い障害。酷いヤブ医者である)、下積みと苦労を重ねながら、自ら脚本を書いて主演した『ロッキー』で、見事アメリカン・ドリームを我々に体感させてくれた。



『ロッキー』はシリーズ化され、もうひとつの代表作『ランボー』もヒットする。



そんな時に、突然、あの男が現れる。


アーノルド・シュワルツェネッガー……



同じように、筋骨隆々の肉体を武器にして『コマンドー』やら『ターミネーター』などで次々とヒット作を打ち出してくる。



同じ時期に、同じように肉体を売りにする俳優…… 二人は当然、世間に比べられた。


「どっちが好きか?」とか、「どっちの作品が良かったか?」なんてのを、メディアは連日比べて騒ぎ、一般人たちも、そんな会話で始終、盛り上がっていた。(かくいう自分もそうでした)



だが、やがて、その対決はシュワルツェネッガーの方へと風向きが変わってくる。



全くハズレがないのだ。



出る作品、出る作品、ことごとく大ヒットする。(※その主な理由は『トータル・リコール』に少し書いているのでご参照下さい)





一方、スタローンは立て続けに興行的にも失敗続き。




『ロッキー4』、『ランボー3』は興行的にも失敗し、酷評される。




ならばと、アーノルド・シュワルツェネッガーの『ツインズ』のようにコメディーに活路を見いだそう!としたスタローン。



『刑事ジョー ママにお手上げ(1992)』、これがとどめの大惨敗だった。(やっちまったなぁ~)




世間の風当たりも、しだいに強くなり、

「もはや、ダメなんじゃないか?スタローンも……」なんて声があちこちから囁かれはじめた。




そんな翌年に公開されたのが、この『クリフハンガー』。



日本も合作として参加しているが、ポスターの扱いを見ても、(どうせ…ダメだろうさ……)なんて声が、ありありと聴こえてくるようである。



だが、そんな声を裏目に映画は大ヒットした!



不屈の男シルベスター・スタローンは、どんな時でも「あきらめない!」のだ。




雪山の山岳救助隊に成りきるために、ロッククライミングが出来るよう、徹底的に肉体改造を行った。


映画は、ロッキー山脈に不時着した強盗団と、そこで山岳救助隊として働く『ゲイブ』(シルベスター・スタローン)との命がけの死闘である。(体力勝負だけでなく、この雪原の寒さ …… もう凍傷になりそうである)



たまたま映画館で鑑賞したこの映画だったが、当時は大興奮したものだ。



「やったー!スタローン復活!」


この映画がシルベスター・スタローンを見事、再起させたのだった。



興行的にも大成功をおさめ、皆が手のひらを返したように誉め称えた。(もちろん酷い扱いをした日本の興業会社も)




アーノルド・シュワルツェネッガーが、自分の資質だけで突き進む人なら、シルベスター・スタローンは『努力の人』。



自分で脚本を書き、主演し、常に模索しながらも前向き。決して向上心を失わない。



ダメダメな自分は見習いたいものである。



もちろん、ワタクシめは、どちらかというとシルベスター・スタローン派。




もちろん、映画は星☆☆☆☆である。



男なら、スタローンの映画を1度は観るべき。

オススメしときますね。