2019年 アメリカ。
日本での公開は、来年の2020年だが、この『チャーリーズ・エンジェル 《2019年》』が、大爆死しているらしい、とネット上で挙がりはじめてきた。
前作から、15年以上経って、キャストや監督を全て変えての新作。
このblogでも以前に、テレビ『チャーリーズ・エンジェル』、映画『チャーリーズ・エンジェル』を紹介していて、この2019年版にも、少しだけ触れていたが、よもや、自分の予想どおりになろうとは……。
女優のエリザベス・バンクスが監督して、ボスレーを『女性』に変えて、自ら演じているが、失敗するんじゃないか、と思っていたら、アララ、案の定である。
本人曰く、「この『チャーリーズ・エンジェル』が成功しなければ、男性は女性が活躍するアクション映画を観に行かないというステレオタイプを、ハリウッド業界に強めてしまう」と言っているらしい。
まるで、この映画の失敗は、男性が観に行かないせいだ!と言うような言い方である。
これにはネット民たちも、大炎上。
「何でもかんでも男のせいにするな!」
「面白ければ観に行くんだ!」
「男だけじゃなく、誰も観に行かないからコケたんでしょう!」
こんな感じで大荒れ。
日本で公開する前に、これじゃあ、皆が観る気を削がれてしまう。
それにしても、なぜにボスレーを女性に変えてしまったのか?
この話を聞いたとき、
「この映画は100%失敗する!」と思っていた。
仲の良い3人の、それぞれ個性の違うエンジェルと、冴えないが愛嬌のある中年男ボスレーの図式あってこその『チャーリーズ・エンジェル』なのだから。
今更ながら、テレビシリーズで、『デヴィッド・ドイル』が演じた『ボスレー』の偉大さを再確認する結果となってしまった。
テレビシリーズでも、エンジェルたちの交代はあっても『ボスレー』は変わらなかった。(後、『ケリー・ギャレット』役のジャクリーン・スミスもだが)
この男が、ちょっぴりドジで、愛嬌があって、場を和ませて、3人のエンジェル達を笑わせていたからこそ、番組は最後まで、いい雰囲気が流れていたのだ。
そこのところを、この《2019年版》は、おざなりにしすぎているし、軽んじすぎている。
映画『チャーリーズ・エンジェル《2000年版》』では、『ビル・マーレイ』が、ちゃんと『デヴィッド・ドイル』のお鉢を次いで、面白おかしく演じてくれたので、テレビシリーズのフアンも安心して、ス~ッと違和感なく映画に入っていけたのだ。
仲良しの3人のエンジェルたちと中年男。
この図式は『チャーリーズ・エンジェル』においては不変的なのである。
何でもかんでも、リブートやリメイクをしても、決して変えてはいけないものもあるのだ。
そんな変革を、はなから観客たちは望んでいない。
『007』を黒人や女性が演じてもいいじゃないか!だって?
この頃、チラホラ、囁かれる変なハリウッドの改革話。
そんなものを観客たちは、全く望んでいない。(絶対にコケるに決まっている)
女性差別や人種差別を盾にして、揺さぶり、根本の図式さえも変えるやり方には、断固反対。
そんなものに振り回される限り、当分、ハリウッド映画は、観客が求めるものとの『ズレ』で、苦い失敗を味わい続けるに違いない。