2019年9月9日月曜日

映画 「トプカピ」

1964年 アメリカ。






女盗賊『エリザベス』(メリナ・メルクーリ)が、いきなり派手に登場して、自己紹介やら、トプカピ宮殿にある秘宝《スルタンの短剣》の説明ではじまる、珍しいオープニング。





宝石を散りばめられた短剣も見事だが、別の事が気になって気になって、しょうがなかった記憶がある。


メリナ・メルクーリを観たのは、この映画が初めてだったのだが ……… 





「この人って女性?なんだよな?!」(失礼!)ってのが第1印象。




デカイ目に、角ばった顎、大きな口元。



さらに喋り出せば、普通の男が喋るよりも低音のダミ声で、しゃがれ声。

「ダーハハハァーーッ!」(ダミ声の笑い声)




メリナ・メルクーリが映画の案内ガイドで、動き喋る様子を見ながら、

(決して男の人じゃないんだよな …… 取りあえず女の人なんだよな ……うん!)

ってな疑問が、ずっと頭の片隅に残っていて、それは、最後の最後まで続いていた記憶がある。



スッゴク失礼なのだが、若い時に観た自分には、そう思えてしまったのだ。

しかも、この映画では彼女が紅一点で、他には女性らしい女性が全く登場しない。




こんなエリザベス(メリナ・メルクーリ)が、この映画では特別な 美女扱い




トプカピ宮殿から、《スルタンの短剣》を盗み出そうとすると、エリザベスの誘い文句に負けて、仲間たちが続々集まってくる。



でも、それに誘われてくる男たちって ……(笑)



愛人で頭脳明晰な『ウォルター』(マクシミリアン・シェル)や見世物小屋の『ジョセフ』(ジョー・ダッサン)。


発明家の『セドリック』、力持ちの『ハンス』、軽業師の『ジュリオ』なんてのが、声をかけられて、ホイホイ集まってくるのだ。(分からん …… 何で、この人の為に …… これが絶世の美女だったのだろうか?当時は)


そして、そして、素人の『シンプソン』(ピーター・ユスチノフ)も。



男たちは、全員、こんなエリザベス(メリナ・メルクーリ)にメロメロ状態♥️なのだ。




そうして集まった集団は、難攻不落の『トプカピ宮殿』から、華麗な盗みのテクニックで、スルタンの短剣を盗み出す。



この盗み方が、特別凝っている。



後年、この映画が、いつまでもカルト的な人気を誇っているのは、その場面が優れている為だからである。


自分も、この盗み出すテクニックに感心して観ていた記憶がある。


《スルタンの短剣》が展示されている床には、少しの振動や音でも感知する警報装置あり。


華麗に鮮やかに、そうしてチームプレーで作戦は行われていくのだ。




それでも、この映画が終わって時間がたつと、いつまでも印象に残るのは、やはりメリナ・メルクーリ。(笑)



性別不詳に見える彼女の魅力って何?



仲間の男たちに、盗みの仕事をさせて、終わってみれば、結局何もしていない。

たいして役にたってない彼女。(計画も愛人のウォルターがたてるし)



ただ、高みの見物の彼女は美女扱いされて、

「ダーハハハァーーッ!」とダミ声で笑うだけ。


(何で、こんなに優遇されているのか?)と思っていたら、監督ジュールズ・ダッシンの奥方様なのでした。(納得)


世界は広い。

美の基準は分からんねぇ~


星☆☆☆。