2019年9月1日日曜日

映画 「シャザム」

2019年 アメリカ。






久しぶりの近年映画である。




この映画、子供が魔術の力で、大人の体格とスーパーパワーを手に入れる予告だけを見ていたので、

「あぁ~、また、その手の映画ね」くらいの軽い気持ちで観てました。(この手の映画には、あまり期待してはいけません)



それでも『アクアマン』が珍しく良かったし、同じDCユニバースが公開したのなら、と思ったのだが、……………… やっぱり残念でした。


映画の出来は『アクアマン』よりも、ものすご〜く劣っている。




最初、敵となる『サデウス』の子供時代からこの映画ははじまる。



なぜに?

敵の子供時代や、大人になっても引きずるような過去のトラウマを延々観させられなきゃならんのだろうか。(このあたりが、長くて、退屈すぎて、よっぽどスルーしようかと思ったくらいだ)





逆に、主人公である『ビリー・バットソン』の過去はアッサリしたもの。


母親とはぐれて、迷子になって、そのまま見つからなくて、14歳になるまで里親暮らし。

たったこれだけである。



どっちに感情移入せぇ、と言ってるんだろう?この映画は!




しばらくして、それぞれ成長した二人。



『サデウス』(マーク・ストロング)は、よい中年になっても、中身は子供のまんま。

歪んだ精神は、まさにアダルト・チルドレン。



父親と兄を、いつまでも怨み続けていて、魔物の力を得ると、

「あの日、兄さんはこう言った!」とか、

「あの日、父さんはこう言った!」とか言いながら、魔物を使ってなぶり殺しにする。(そんなくだらない事に縛られて、何十年も無駄に過ごしてきたのか、と思うと哀れ ……… 思春期も、青年期も……… )




ビリーは、ビリーでこの描き方はないだろう?というくらい酷い脚本と雑な演出である。


14歳のビリー少年は、いくつもの里親暮らしを経験してきて、簡単には人に心を開かないくらいな、シャイな性格なのに。




なのに!


『シャザム』の力を得て、大人になった『ビリー』(ザッカリー・リーヴァイ)は、いきなり、よく喋る!喋る!




馬鹿な事はするし、平気でジョークまで、とばしてしまう。

まるで人格までも変わってしまったかのようだ。





でも、そう………それが大問題なのである。




姿形だけでなく、中身までも、まるで別人になってしまったのなら、折角のこの設定

中身は少年、見た目は大人は、まるで台無しなのだ。




大人の姿の『シャザム』でも、ザッカリーは、中身はシャイな少年のビリーの性格を、ちゃんと演じるべきだったのだ。


私には、ノリの軽い馬鹿な大人が、スーパー・スーツを着せられて、ただ、はしゃいでいるだけに見えてしまったのである。



そんな別物といえる違和感が、映画を観ている間中もずっと続いていたのでした。




それにしても、この映画は、本国でヒットしたのかな?




そして、またしても続編が作られるのかな?


続編の制作には、何年かかるんでしょうか。(2~3年?4年?5年??)




その間に子役が成長して、立派な体格の青年になったらどうするんでしょうねぇ~?



多分、この制作スタッフたちは、その先の事までは、全く考えてなさそうである。




全てが見切り発車で制作された感じ。


残念ながら、私は全くノレませんでした。(菅田将暉のヘタクソな吹き替えにも唖然)


こんなのに予算をかけるよりも、早く『アクアマン2』を作ってくれぇ~!とお願いしたい。


星☆☆。