2018年11月20日火曜日

映画 「バグダッド・カフェ」

1987年 西ドイツ。







♪ア~   ア~ ア~  アイム、コォ~リング、ユゥ~♪



ジュベッタ・スティールの声が、モハーヴェ砂漠に、響きわたる。




この映画、お話自体は、何て事ないのだ。




ドイツ人の太った女性ヤスミンが、砂漠の真ん中で、旦那と喧嘩して、たまたま立ち寄った、モーテル兼、ガソリン・スタンド兼、カフェの『バグダッド・カフェ』に居着いてしまうお話。



そんなカフェには、グータラな旦那を怒鳴りつけて、子供を抱えながら孤軍奮闘している黒人女性『ブレンダ』(CCH・パウンダー)がいる。(髪の毛、バッサバサ)



毎日、イライラしているブレンダ。


そんなブレンダにとって、変な客ヤスミンは、格好の標的となった。



勝手にカフェを掃除してしまったり、子供たちと打ち解けてしまったり、ヤスミンのやる事、する事が、いちいちブレンダの癇にさわるのだから。



そして、ついに、勝手に孫をあやしている姿に癇癪が爆発する!


「自分の子供と遊びな!!」と。


怒鳴りつけるブレンダに、ヤスミンは「子供はいないの……」とションボリ。



そうして、しばらくして戻ってくるブレンダ。

「ごめん……言いすぎたよ、アタマがどうかしてたんだ……」(あら、素直)



少しずつ打ち解け始めたブレンダとヤスミン。


寂れていた『バグダッド・カフェ』は、ヤスミンの力で活気を取り戻していくのでした。





てのが、このお話の流れである。
本当に何て事ない話なのだ。




この映画の監督は、誰だったっけ……。

そう、そう、パーシー・アドロンって人だったが、この映画以降は全くパッとしなくて、いつの間にか消えていった感じである。




でも、この映画はヒットした。



口コミで、徐々に火がついて、評判になっていった。



何が良かったかって、それは、もちろん曲の力である。



うら寂しい砂漠に響きわたる、この主題歌『calling you』。



劇中で何度もかかるたびに、なんともいえない気持ちにさせられる不思議なメロディー。



ヤスミンが一人歩く砂漠、夕陽の沈みかけた砂漠に、この曲が流れはじめると、まるで心の中の孤独感をえぐられるような……そんな気持ちにさせられるのだ。



本当に不思議な曲である。


まるで、催眠術にかけられているような錯覚さえ思わせる。



この、ジュベッタ・スティールの『calling you』が入っているアルバムを、なぜか買い求めた自分。


まさに、魔法(マジック)にかけられたように。



♪ア~ ア~ ア~ アイム、コォ~リングユゥ~♪


聴いてほしいし、観てほしい。



星☆☆☆☆

※《 後記  》なんて事だ!!


この映画には、あの名優『ジャック・パランス』が出ているではないか!


「シェーン」や「攻撃」などで名をはせた名優中の名優である。


全く気がつかなかった。



あの若い時の強面の顔が、歳をとって、こんなに柔和になっているんですもん。


これが重なるはずもない。


往年の『ジャック・パランス』フアンは、絶対に観る価値ありである。

たいした話だなんてとんでもない!(汗)

これだから映画は恐ろしい。ヒーッ!失礼しました~。