2014年 ニュージーランド。
ニュージーランドの首都ウェリントンにシェアハウスをしているヴァンパイアたちがいる。
我々、撮影班は十字架をつけて特別に取材させて頂きました(変な導入部だ、ドキュメンタリー風?)
夜6時に起床。
几帳面で明るいヴァンパイアのヴィアゴ(379歳)が一番に起きて一人一人起こしていく。
反抗期のディーコン(183歳)は、5年間血だらけの皿を片付けないで、みんなに責められる。
拷問マニアのヴラド(862歳)は、中世の時代から生きていて、ちと時代錯誤だ。
最年長のピーター(8000歳)は、スキンヘッドにMr.スポックのような耳をもつ。
この四人が仲良く?一軒家でシェアハウスをしているのだ。
ピーター以外の3人は夜になれば町へとくり出す。
店に行き獲物を探してまわる。(ヴァンパイアは招待されないと店に入れない、結局ヴァンパイアの経営している店に入るのだが)
ディーコンの使いパシリ、ジャッキー(中年の人間の女性)が彼らの獲物を調達することもある。
ヴァンパイアになりたい彼女は、けなげに、せっせと血だらけの床を掃除をしたり、彼らの血だらけの服をクリーニングに出したりもする。
ある夜、ジャッキーが、ニック(男)とジョセフィン(女)を獲物として連れてきた。(あんまり思い入れない人物なので死んでもいいや、くらいの気持ち?)
ジョセフィンは獲物になったが、ニックは、みんなに追い回され、逃げる途中で地下のピーターに噛まれて吸血鬼になってしまった。
かくして、新入りをいれてのシェアハウスがはじまるのだが………。
なにからなにまで馬鹿馬鹿しい、ニュージーランド映画のホラーコメディー。
ヴァンパイアたちも現代で生きてくのは大変です。
おしゃれをするにも鏡に映らないので、互いに互いの姿をスケッチして、教えあったり。
自慢の部屋のソファーを血だらけにしたくないので、獲物に噛みつく前には、ちゃんと、新聞紙をひくのだが、動脈を誤って噛めば、血が噴き出しすぎて、苦労も水の泡。
町に出れば狼男たちの集団とメンチをきりあったりと(あんたら登下校中の不良か?)
全然怖くないヴァンパイアの、面白おかしい日常を、映画は描いていきます。
新入りのニックは、やがて昔からの人間の親友スチューを、シェアハウスに連れてきます。
スチューは、ニックがヴァンパイアになってもこれまでどおりに接してくれる、本当に良い性格の持ち主だ。
他のヴァンパイアたちにも、スチューは、好かれるのだ。
でも血色のいいスチューは、一方では、ヴァンパイアたちには(あ~おいしそー!)にみえるのだが。
イヤ!!イヤ!!ヴァンパイアは、
「絶対にスチューは、噛まない」
と全員一致で言わせるほど気に入られてしまった。
スチューはヴァンパイアたちに、パソコンを教え、ネットワークや、現代の情報を教えたりしていく。(ヴァンパイアたちには、ちょっとしたカルチャーショックだろう)
スチューが、好かれる一方で、ニックの調子よさは、どんどんエスカレートしてきた。
誰彼構わず、「俺はヴァンパイアだぞ!」と風潮しはじめた。
みんなもハラハラしだす。
そんなニックを反抗期のディーコンまでもが、「止めろ!」と制するのだから、よっぽどだ。
そして、ある朝、事件は起きた。
地下でピーターの叫び声がするのだ。
几帳面なヴィアゴが地下の扉を開けると、陽が射していて丸焼けでのたうちまわるピーターがいた。
ヴィアゴは地下に降りていけない。
ディーコンもヴラドも起きてきて地下に向けて水をかけるが、間に合わなかった。
陽が沈み、やっと地下に降りていくと、地下の窓が割られ、石板の下敷きになって死んでいるヴァンパイアハンターの死体と、丸焦げになったピーターの死体があった。
ニックが、しゃべってまわったので、ハンターがヴァンパイア退治にきたのだ。(ピーターに返り討ちにあったが)
だが、日光はふせげなくてピーターは焼け死んだのだ。
怒りのディーコンはニックに、とびかかり、大喧嘩が始まる。
押さえつけるヴラド。
あまりの大騒ぎに近所から苦情がでていると、警官がやってきた。
ふたりの警官に慌てて催眠術をかけるヴィアゴ。
ふたりの警官には石板の下で死んでいる死体が、布団をかぶった酔っぱらいに見えるらしい。
火災報知器がないとか、チンプンカンプンな事を言って帰っていった。(ホッ…)
警官が、帰ったあと、ニックのヴァンパイア裁判が始まった。
ニックは、この家から無期限の追放、恥辱まみれの行進(?)。
「恥を知れ!恥を知れ!」
3人がニックのまわりを指差しながら、クルクルまわる(?これが恥辱まみれの行進??)
ニックとスチューは、家を出ていく。
「スチューまた、来てね、じゃあね!」3人が手を振ってる。(なんじゃ、こいつらは)
なんかズレてるヴァンパイアたちなのだった。
映画はまだまだ続くのだが、こんな調子で、ヴァンパイアたちの生活が続いていく。
ニュージーランドの映画なんて初めてみたが、うん!適度にバカバカしくて気に入った。
多分アダムスファミリーが好きな人には、気に入る映画じゃないでしょうか?
役者たちもアドリブ全開で楽しそう(だいぶ映画のために縮めたらしいが)
肩の力を抜いて観てくださいませ。
星☆☆☆