2019年8月4日日曜日

映画 「地獄のバスターズ」

1978年 イタリア。






原題は『イングロリアス・バスターズ』。


2009年にタランティーノ監督が、同名の映画を公開しているが、着想だけを借りてきたもので、本編の内容とは全く別物、無関係である。




……… 時は1944年のフランス駐屯地。



激しい第二次世界対戦の真っ只中、戦争とは、別の問題で、手錠をかけられた男たちが、次々と、幌がかけられたトラックに連れて行かれようとしていた。


それらは、いずれも問題児たちばかり。




「おい、俺たちいったいどうなるんだ?!」

脱走兵だが、オドオドした気の弱そうな白人バールが、隣の黒人キャンフィールドに聞くと、「心配するな、俺にくっついてろ」と耳打ちした。


そんなキャンフィールド自身も、口のわるい上官を殺してしまい、軍法会議にかけられて、刑務所か、銃殺の運命。




そこへ、チャラチャラして、スキップでもするように手錠をはめられたトニーがやってくる。



遠くのほうから仲間たちの響く声。

「トニー!お前、今度は何やったんだ?!」



振り向きながら、笑顔でトニーが答えた。

「殺人よ、殺人!100%銃殺だね!」

そう言いながらも、トニーの足どりは軽く、水溜まりを蹴ると、それは、これから護送する上官の足にひっかかった。(上官イラッ!)




トラックに乗り込むと、トニーの隣には、コソ泥で手くせの悪い、タワシのような口髭をはやしたニックが隣に鎮座している。

「これで全員か?!」

「後、もう一人いるぞ!」



最後に、長身で金髪、そしてサングラスをした男が連れて来られた。

その男だけが、集められた、ならず者たちとは、違う雰囲気を醸し出している。



空軍のパイロット、『ロバート・イェーガー中尉』(ボー・スヴェンソン)である。



立派な経歴があるのに、この男、恋人に会うためだけに、勝手に軍の飛行機を乗り回した罪で、軍法会議にかけられるのだ。


「おや、おや、中尉。ようこそ御越しを。」

護送官の嫌味な言葉に、イェーガーは知らん顔をして、トラックに乗り込んだ。



ならず者たちを乗せたトラックと、何台かのジープは、本部を目指して、出発した。


しばらくは、足場のわるい、山のガタガタ道を進むトラックとジープ。


横付けにして走っているジープから、トラックに向けて、護送官の声が響いた。

「おい!俺の時計が無いぞ!誰が盗みやがった?!」



トラックの荷台で、シレ~として、その時計を取り出すコソ泥のニック。

隣のトニーもニヤニヤしながら、その時計を奪うと足下で、粉々に踏みつけた。



割れて粉々になった時計を、走るジープに放り込むトニー。

「あったぜ!ほらよ!!」


「お前ら、本部に着いたら覚えてろよ!!」護送官は、カンカンに怒りながら、ジープから拳を振り上げていた。



そんな時、トラックのタイヤが、パンクして、ストップしてしまう。

場所は見晴らしのいい、岩場の山道。


「お前とお前!トラックから降りて、タイヤを交換しろ!」

気の弱そうなバールは素直に降りたが、命じられた黒人キャンフィールドは知らん顔をして、
「俺は今、休憩中よ」と、のたまう。



だが、護送官に引きずりだされ、蹴りあげられると渋々、バールとタイヤ交換をしはじめた。


「さっさとするんだ!こんなところを、もし、ドイツの空軍に攻撃されたら………」

そこへ、本当にドイツの空軍の飛行機がやってきた。


次々とトラックやジープに向けて爆撃してくる。

ジープは炎上し、機関銃で応戦する護送官たちも、撃ち殺されたり、爆撃によって吹っ飛ばされていく。


辺り一面は、たちまち業煙に包まれた。


「この隙に逃げるんだ!」

イェーガー中尉の呼びかけに、トニーとニックも、「こりゃ、たまらん!」と、トラックを降りて、雑木林に逃げ込んだ。

それに、バールとキャンフィールドも続いて追いかけた。



遠くには、炎上して轟音をあげるトラックとジープが見えて、フランス兵たちの死体が散乱している。



こうして、5人の訳ありのならず者たちは、『脱走兵』となったのだった………。





戦争映画ゆえ、銃撃、爆撃も多い、この映画。


でも、それだけじゃないのが、この映画の魅力。



雰囲気が、全体的にカル~イくて、話の流れがトントン拍子に進んでいくのだ。


これが、日本映画なら、戦争の悲惨さや、平和の大切さなどを主題に、戦争の愚かさを訴える映画になると思うのだが、決して、そうならないのがイタリア映画(笑)。




逃亡中の5人は、ひとまず空き家を見つけだした。



そこで、缶詰めやら、何やらを調達してくる、コソ泥のニック(便利な男よ)。

気弱なバールは、それをおとなしく食べているが、

調子のいいトニーと黒人のキャンフィールドは、馬があうはずもなく口を開けば大喧嘩。


「いい加減にしな!」

イェーガー中尉が天井に向けて盗んできた機関銃をぶっぱなすと、やっと沈静化する。



そこから突然現れたドイツ人の脱走兵。



相手も驚いているが、5人も敵との遭遇にビックリしている。

「ドイツ語なんて分からん!何て言ってるんだ、ぶっ殺そうぜ!」


「待てっ!」

血の気の多いキャンフィールドを制して、イェーガーはドイツ人と流暢なドイツ語で会話しはじめた。(さすが博識な中尉、俄然、主人公として、リーダーシップを発揮する)


ドイツ人を道案内人にすると、安全なルートを探しながら進む5人たち。



それでも、戦争中ゆえ、行く手には、様々な危険や爆撃があるものの、たま~には良いこともある。



山の中の湖で、数十人の全裸の女性たちが、オッパイまるだしで、キャッ!キャッ!と水浴び中に出くわしたり。(なんて無防備な女たちよ)


「こりゃ、たまらんわい!」トニーやバール、ニックも、久しぶりの女の姿に興奮を抑えられない。


「お~い、俺たちも仲間に入れてくれぇ~!」

と湖に飛び込んだ。



そして、後から、

「俺も、俺も仲間に入れてくれよ!」と黒人のキャンフィールドが近づくと、全裸の女性たちの顔色が、突然、変わった。



全裸で機関銃をぶっぱなしはじめたのだ。(全裸の機関銃とは………まったく意味が分からないが、これはイタリア映画だしね。とりあえずはお色気シーンは必要不可欠なのだ)


5人の珍道中は、こんな調子で続いていくのだった……。






主演のボー・スヴェンソンは、この後も中堅俳優として、順調に活躍して現在78歳。


日本映画にも出演しているらしい。(『復活の日』や『ユキエ』など。)


193㎝の長身は、あのジョジョの空条承太郎に近い身長。(承太郎は195㎝)


この映画のスヴェンソンが、クールなリーダーで、見た目こそ違えど、何となく自分は、ジョジョの空条承太郎と重ねて、観ていました。



素っ裸の女性たちに興奮している四人を呆れ顔で見ながら、「やれやれだぜ……」と言うスヴェンソン演じるイェーガー中尉などは、承太郎を思い出させてしまう。(なんか、何を見ても、最近ジョジョと結びつけて考えてしまい、ジョジョから離れられないなぁ~(笑))




ストーリー自体は、陳腐なれど、なぜか、いつまでも印象に残るB級戦争映画なので、たま~に観たくなるのであ~る。

星☆☆☆