2019年8月18日日曜日

映画 「ペティコート作戦」

1959年 アメリカ。







第二次世界対戦の真っ只中、1941年。


潜水艦《シー・タイガー号》は、まだ1度も参戦したこともないのに、いきなりフィリピン沖の港に停泊中、敵の日本軍の戦闘機の奇襲攻撃をうけてしまう。


その結果、『シー・タイガー号』は、あちこち、やられまくってズタボロ。


煙まみれ、穴まみれの《シー・タイガー号》の有り様を見て、艦長の『シャーマン』(ケーリー・グラント)は、頭を抱える。



でも、すぐに立ち直るシャーマン。(だって楽天家のケーリー・グラントですもん(笑))


「必ず修理しますから、お願いします。2週間の猶予をください」と上官に懇願するシャーマン。


「よし、分かった」

上官もシャーマンの熱意に返事だけはしてくれた。



だが、軍から支援物資は、申請書をいくら出しても却下されたりして、なかなか届かない。



そんな時、ひとりの男が《シー・タイガー号》に移動してきた。



潜水艦軍務には、まるで場違いな身なりで現れた『ホールデン大尉』。(トニー・カーティス



「君、海軍や空軍の経験は?」


「ありません!軍では企画係でパレードやパーティーの準備をしてました!」


パレードやパーティーって……



やれやれ、何でこんな男を上は寄越すんだ……

シャーマン艦長の心の嘆きが聞こえたのか、ホールデンが、いきなり言い出した。


「でも、自分なら、この潜水艦に必要な物資を、直ぐに調達してみせます!」


はぁ?


何を言い出すと思ったら……まぁ、いいだろう。


「よし!君を物資調達係に任命する!」


「はい!ありがとうございます!」




だが、ホールデンの物資調達は、まるで合法的なものじゃなかった。


シャーマンの部下をひきいて、軍の本部に、夜半忍びこんで、勝手に持ってくる。




そう、《泥棒》と一緒。



ワイヤーから、銅線から、配管から、はたまたトイレット・ペーパーまで。潜水艦に必要なもの全てを、だまって盗んでくる。


果ては、本部の上官室の壁までをくり貫いてまで……。



呆れるシャーマンだったが、何とか、かんとか潜水艦が動くところまで修理はできた。


「よし!出航だ!」シャーマンの呼びかけに、エンジンルームでは、スイッチを入れたが、ブスッ!ブスッ!の音と共にエンスト気味。



そこへ、


「待ってください!」

とホールデンが、今度は、変な格好の男たちを伴って連れてきた。


「この島の祈祷師たちです。これでこの潜水艦に憑いている悪霊を祓ってもらいます」


ば、バカバカしい!……


シャーマン艦長の思いなどよそに、勝手に祈祷師たちは、《シータイガー号》を槍でつつきながら、「……ナンタラ、カンタラ……」と呪文を唱え始めた。



(こんなので潜水艦が動くなら、誰も苦労しないさ……)


「艦長!エンジンがかかりました!」


な、何ぃ~?!(笑)



かくして、潜水艦《シー・タイガー号》は、まだ完全とはいえずとも、何とか港をはなれ、出航したのであった……。






この時期、絶好調のケーリー・グラント主演の潜水艦コメディー。


名前こそ、知っていたこの映画を初めて観た。
チョー面白かった。



『お熱いのがお好き』のトニー・カーティスもチョーおかしくて笑わせてくれる。


トニー・カーティスにとって、ケーリー・グラントは、伝説であり憧れの人。

オファーがあった時、「ぜひ、ぜひ、出演させてほしい!」だったとか……。




このトニー・カーティス演じるホールデンが、物資だけでなく、色々なものを調達してくる。




しまいには、男だらけの潜水艦に、女たちの集団を連れてくるのだ。




「彼女たち、島に置き去りにされたんです、どうかお願いします。艦長!」


「う、うむ……」『シャーマン』(ケーリー・グラント)も仕方なく乗船許可をだす。



でも、狭い潜水艦の中はたちまちパニック。

機管室で、洗濯物を干す女たちやら、勝手にあちこちほっつき歩く女たち。



そして、そんな女性たちに、たちまち色気づいた男どもは、介抱してほしいと、次々仮病をつかって医務室へ。


「俺、具合がわるくなった」

「俺も!」

「俺も!」


「いいかげんにしろよ、お前ら!!」シャーマンの血圧は上がりっぱなし。




そんなドタバタの時、事件はおきた。


「艦長、見てください!あの島に敵の戦闘機の姿が!」


「何だって?」さっそく潜望鏡でのぞくシャーマン。


そこへ、ミス・クランドルが近づいてきて、

「艦長、お薬持ってきましたわ」なんて呑気に言うもんだから、気が立っているシャーマンも、

「あっちへ行ってろ!」と容赦ない。



怒鳴り声に驚いたミス・クランドルは、後ろのレバーを、うっかり引いてしまう。



………それは、なんと!魚雷発射のレバー!!(ゲゲッ( ゚ロ゚)!!)


魚雷は水中を猛スピードで進んで、島のトラックに命中、そして大爆発した!!




敵は気づいて、直ちに潜水艦に向けて砲撃してくる。


逃げろや、逃げろー!(ハァ~コイツら何やっとんねん(笑))





はてさて、今度は別の島で、物資調達をするホールデン。


通りがかった農家で、豚を勝手に盗んだホールデン。(みんなのご馳走になると思って)


潜水艦に無事帰りついたホールデンだったが、島の農家は、車のタイヤ後を、ずっと追ってきて、軍の者も連れて乗り込んできた。


「ここに、私の豚がいるはずなんだ!」農家が現地の言葉でわめき散らす。


知らぬ顔を決め込むホールデンだったが、シャーマンがトイレのドアを開けると、豚が「ブー!ブー!」と挨拶する。



………そっとドアを閉めるシャーマン。



そして、

「あ~、豚はここにはいないが、代わりのものを差し上げよう。どんどん持っていってくれ!」

と、ホールデンの部屋の、隠し持ってるゴルフバックやら、テニスラケット、洋服、靴、香水やら、純金やらをホイホイ、農家に渡す。(豚の体重は90㎏あって、その分だけ)



農家は大喜び。

「あぁ、それは………えぇ?それも?………あぁ、それもですか?……」(トホホ顔のホールデン(トニー・カーティス))


「何か文句があるかね?」ジロリと睨むシャーマンだったが、楽しそうである。



農家は喜んで帰って行ったとさ、チャンチャン!(笑)。




終始こんな感じでトントン話が進んでいく『ペティコート作戦』である。


もう、オカシイったらありゃしない。

これ、大傑作じゃないですか!



この後も、戦争映画なのに、クスクス笑いが絶えない。(「戦争映画なのに、こんなに不謹慎に笑っていいのだろうか?」と逆に後ろめたくなってしまった)




それにしても、何て贅沢なコメディーを撮ったのだろう。



冒頭の《シー・タイガー》が、本物の戦闘機に攻撃されて爆発するところとか、

本当に魚雷が発射されるところとか、どれだけ巨額な制作費がかかっているのか。



それに、この潜水艦《シー・タイガー号》にしても、莫大な費用を考えるとそら恐ろしくなってくる。(CGなどない時代ですぞ)



そして、これをコメディーでやるのだから……もう信じられない。



これは文句なしに、

星☆☆☆☆☆。


※こりゃ、日本、戦争に負けるわ。

笑いのセンスといい、当時のアメリカの凄さや格の違いを見せつけられた映画である。