2018年10月21日日曜日

映画 「ローガン・ラッキー」

2017年 アメリカ。





『ジミー・ローガン』(チャニング・テイタム)はウェスト・バージニア州のオートレース場建設のため、ジミ~に、地下工事をしている。


若い頃は、アメフトで有望だったが、足のケガで夢やぶれ、今でも少し足を引きずって歩く生活。



別れた妻(別の男と再婚してる。高飛車でイヤな感じの女)との間に生まれた可愛い娘に、時たま会うのだけが、唯一の幸せだ。



だが、仕事は突然クビになり、元妻は今の旦那と、今いるウェスト・バージニアを出ていき引っ越すという。


引っ越してしまえば愛する娘には会えなくなるじゃないかー!!


落ち込んだジミーは、弟『クライド』(アダム・ドライバー)の働いてるバーに行った。


クライドの方も、イラク戦争で運悪く左手を失い、義手を着けている障害者だ。(兄弟そろって障害者なんてのも、また不幸な話)



兄弟は、これまで全くツイてなかった人生にどんよ~り暗くなるばかり。



クライドは、

「これはローガン家にかけられた呪いだ!」とまで言う。(そう言いたい気持ちも分かるけどね)



そんな時に、バーにやってきた通販会社社長のマックスが、クライドの腕を馬鹿にして絡んできた。



会社をクビになり、娘にも会えなくなる。

その上、弟までもが馬鹿にされて、さすがのジミーも(プチッ!)堪忍袋の緒が切れた。


たちまち店の外では大喧嘩になってしまう。



だが、ジミーは喧嘩の後に、なにかを決心したような顔つきになった。



次の日、ジミーは、クライドにきりだした。



「こうなりゃ、一発逆転。モーターショーで集められた金を奪うんだ!」


それは無謀にも思える強盗計画。


やや、乗り気じゃないクライドを強引に説き伏せると、妹の『メリー』も引き込んだ。(妹は「即、O.K..」ってなもので軽いノリ)



だが、これだけでは不十分。



ジミーは、刑務所に収監中で爆破のプロ、『ジョー・バンク』(ダニエル・クレイグ)までも仲間に引き込もうと面会にやってきた。


「俺の計画に参加してくれ!!」


ジョーを、難攻不落な刑務所から脱獄させて、一緒に強盗をして、そして、また刑務所に戻すという、なんとも破天荒な大作戦である。



「そ、そんな事が可能なのか?」

驚くジョー。



さらには、少しオツムの弱いジョーの弟2人も引きこんで、ジミーの計画はいよいよスタートする。




監督は、引退撤回したスティーヴン・ソダーバーグ。



チャニング・テイタムを初めて良いと思った映画でした。


この人、アメリカじゃ、イケメン扱いされてるけど、顔のパーツが中心寄りで、今まで少しもカッコいいと思った事なかった。


でも、やる役は、『ホワイトハウス・ダウン』や『マジック・マイク』など2枚目役ばかり。


それが髭面で、中年で、足を引きずっていて娘に甘い父親役で、それがなんとなくあってるのだ。



アダム・ドライバーは、新スターウォーズに出てるらしいが(あまり新スターウォーズに興味ないので観てない)、飄々とした暗い弟をよく演じてたと思う。




この映画で、一番良かったのがダニエル・クレイグなのにはビックリした。




縞の囚人服を着て、気楽な刑務所暮らしをしている厳つい顔のジョー(ダニエル・クレイグ)。



なんだか強面のダニエルが醸し出す可笑しみが、妙に笑えるのだ。(この人、以外にコメディーセンスがあるのかも)




007なんかの役より、イキイキしていて本人も楽しそうである。





それにしても、モーターショーで集められたお金が、様々なエアーの長~い配管を通って1ヶ所に流れていくのってスゴい絵面だな~、と変なところで感心してしまった。(配管がつまったらどうすんだろか?と要らぬ心配してしまう)




でも、この映画の登場人物たちって、モーターレースの関係者も刑務所も、全体的に、みんなお気楽すぎ。


全く警備管理も雑すぎて、こんな風じゃ、ローガン兄弟じゃなくても簡単に脱獄させたり、盗みに入ったりできるのも納得である。



今時、こんな、ユルユルで緊張感のない犯罪映画も珍しい。



それゆえ、このお気楽さを、のんびり楽しんでほしいと思う。

星☆☆☆。