2019年2月10日日曜日

映画 「超高層プロフェッショナル」

1979年 アメリカ。






ニューヨーク郊外に建設中の超高層ビル。

その鉄骨組立工事を請け負う『ルー・キャシディ』(ジョージ・ケネディ)は、違反で免停になった運転手を後部座席に乗せて、代わりにハンドルを操り、今日も現場へと向かっていた。(どんな運転手だ)



見上げるビルは、地上から、何百メートルの高さだろうか…56階建ての州一高いビル建設に、ルーの意気もあがる。



年をとったが、

「まだまだ、若い者だけに任せておけるか!」

と先陣を切って進んでいくのだ。



ヘルメットをかぶり、いざ現場に行くと、ボスとして若い荒くれ者たちのいざこざを、簡単におさめてしまうルー。



そんな時、ルーの弟『エディ』が、ノコノコとやって来た。


鉄骨の資材運搬の仕事をしているのだが、この不肖すぎる弟は、隙あらば兄のルーの会社を乗っ取ろうとしているのだ。


雑な仕事ぶりで、以前、粗悪な資材で事故をおこしたりと、ルーには頭の痛い弟である。



「あんまり邪険にすんなよ、兄貴。俺も今じゃ兄貴のパートナーみたいなもんなんだぜ」


エディが馴れ馴れしくいい放つと、

「調子にのるんじゃねぇぞ!、エディ!!」

ルーが、相手にせずに一喝して追い払った。


エディはブツクサと悪態をついている。




ルーは、工事用エレベーターで最上階まで一気に上がると、作業員たちに指示をだし、自ら鉄骨によじ登って鉄骨の溶接作業を手伝い始めた。



長い鉄骨の幅は30~40cmくらいしかない。


『納期は3週間しかない、それまでに何とか最上階まで組み上げなければ……』


ルーの作業を下で、昔馴染みで相棒のモーランが、ヒヤヒヤしながら見ている。



その時、溶接用の酸素ボンベが突然、爆発した。



爆発からの業火は、たちまち黒い煙を放ちはじめる。

突然の爆発に、鉄骨の最上で作業をしている若いトミーは、ガタガタ震えだし、身動きできない。



ルーは幅の狭い鉄骨を、なんとかつたいながら(このシーンだけで恐ろしい事)、トミーのところまでたどり着くと、

「大丈夫だ、トミー!今、助けるぞ。安心しろ!」

と慰める。


だが、ボンベの爆発は、タンクに引火し、ものすごい爆風が、ルーを鉄骨から吹き飛ばした。



高層から真っ逆さまに落下していくルー……。




それは、スローモーションのように見えたが一瞬だった。ルーは地面に叩きつけられ絶命した。



次の日、ルーの葬儀が行われた。


一人娘の『キャス』(ジェニファー・オニール)が喪主をつとめる中、叔父のエディがニヤニヤしながら、

「俺が力になってやる!」

と近づいてきた。



父の生前から聞かされていた悪評を知るキャスは、「結構よ」と撥ね付けた。


「私が父の夢を受け継ぐ…」


決心したキャスは、父の親友『モーラン』に助言を求めた。


「まず、現場監督がいる。、それにうってつけの男がいる」モーランは以前知っていた、伝説の鉄骨職人『マイク・キャット』(リー・メジャーズ)の名をあげた。



今は、引退して長距離トラックの運転をしているマイク。

キャスは、現場監督になってもらえるようマイクを説得に、みずから出向いて行くが……。





やっと観る事が叶った映画。

名前だけは知っていて、いつか観たいと思ってました。



SFでもない、ピストルをぶっぱなすアクション映画でもない、異色の映画。



この映画は、怖い怖い…。

生理的に訴える恐さだ。



自分も高所恐怖症ではないが、幅30~40cmの鉄骨の上を、サーカスの綱渡りのように、風に揺られながら、進み、作業する様子にガクガク、ブルブル鳥肌がたった。



ましてや50階に近い建物の高さのビル。


CGなどない時代の映画で、この撮影は、相当命がけだったろうと思うのだ。



カメラが、ビルの頂上から下界を映す時、クラクラとしためまいに似た感覚を、観ている我々も体感するくらいである。



俳優の方々もほんとうに凄いし、尊敬する。



主演のリー・メジャーズはTVシリーズ「600万ドルの男」で有名になり、「チャーリーズ・エンジェル」ファラ・フォーセットの元旦那さま。


この映画では、大型トラックを乗り回したり、大型ショベルを操ったり、高い鉄骨の溶接作業をしたりと、「これぞ、男の中の男」というくらい縦横無尽に大活躍する。



それに、重機を操る男って、ヤッパリ男から見ても、超格好いい~!のだ。



他の作業員役の俳優たちも格好よく見えてくる。



こんなに男たちが、痺れるくらい格好いい映画も、そうそうないと思うのだけど。



エディたちの数々の妨害や悪天候に負けず、納期に間に合わせる為、最後に徹夜で働く男たち。



最後の鉄骨をなんとか溶接し、アメリカ国旗を、頭上に掲げる作業員たちに素直に感動してしまった。



星☆☆☆☆です。


額に汗して働く男たちは素晴らしい。

2019年2月6日水曜日

映画 「白い家の少女」

1976年 カナダ、フランス、アメリカ合作。






丘の上に建つ白い家で、13歳の少女リンが、たった独り、自分の生活を守る為に、周囲の大人たちを向こうにまわして闘うサスペンス映画。




リンを演じたのが、当時、13歳~14歳くらいのジョディ・フォスターだった。


この、子供の時の顔と、『羊たちの沈黙』のジョディ・フォスターが、自分の中では、全然合致しなくて、「あ~、あれ同一人物だったんだ…」と、だいぶ経ってから知るという。(なんせ女性は変わりますからね (笑) )




この映画も、昔、日曜洋画劇場などで、よく放送されていた。


近年、その時の吹き替えが収録されたDVDが発売され、再見する事ができたのだが、リンの吹き替えをしていたのが、あの女優の、仙道敦子(せんどうのぶこ)だと知って、また驚いた。


放送当時、中学生でリンに近い歳だった自分は、大人相手に一歩もひるまず立ち向かう姿に、

「やっぱりアメリカ人は強い。幼い日本人に比べて、精神的にも大人なんだ」

と素直に感動した記憶がある。






リンの母親は、リンが幼い頃に、よその男と駆け落ちして家を出ていった。

その後、作家の父親と二人で暮らしていたが、その父親も、とうとう癌になる。



死期が近づいた父親は、ニューイングランドの閑散とした、丘の上に建つ白い家を、3年契約(前払い)で借りると、リンと共に引っ越してきた。



父親は、同年代と比べて早熟で聡明に育った娘を見て、「この子は、世間の狭苦しい型にはめては、とても生きていけない。」と思い、「自分が死んだ後、どうすればいいか……」と計画を練り始める。



リンにそれを、徹底的にレクチャーした後、いよいよ死を予感した父親は、自分の遺体が簡単に砂浜にうちあげられないよう、満ち潮を計算して海に身投げをした。




もしも母親が訪ねてきたら、「この白い粉をコーヒーに入れなさい」と言い残して…。



父親の予言どおり、しばらくすると母親がやってきた。



奔放で好き勝手してきた母親は、昔とちっとも変わってなかった。



リンは父親の遺言に従い、コーヒーに白い粉を入れて、母親にふるまった。



母親は、「アーモンドの味がする」と言うと、即、息絶えた。リンも知らなかった白い粉の正体は《青酸カリ》だったのだ。


そして遺体を地下の貯蔵室に隠すと、その上にマットを敷き、テーブルを置いて、リンの平穏な隠匿生活が始まったのだった……。





だが、これだけ念入りに練った計画だったのだが、父親の唯一の誤算は家主の素性を調べなかった事。




それくらい、この家主は酷すぎる。(もっとマシな家主の家もあっただろうに……)





●フランク・ハレット(マーティン・シーン)……家主ハレット夫人の息子。


結婚して子供がいるのに、13歳のリンに欲情して近づいてくる変態小児愛者。


残酷さも持ち合わせていて、リンのペットのハムスターを籠から取り出すと、煙草を押しつけて、なぶり殺す救いようのない根っからのイカれ野郎。





●コーラ・ハレット(アレクシス・スミス)……変態フランクの母親で、鬼のような形相をしたクソババア。


勝手にやって来て、庭の果物をもいで、どんどん籠の中に詰め込んだかと思えば、ノックもせずにズカズカ家に上がりこんできて、やりたい放題する。(こんな家ヤダ。絶対に借り手がつかないだろう)




「このテーブルは、ここなの!!」



「これは、ここから動かさないでちょうだい!!」



ちゃんと家賃を払っているのに、少しのズレも許さず、高圧的な凄い剣幕でがなりたてるクソババア。



「ここは私の家よ!」リンが叫ぶと、

「生意気な子ね!あなた学校は?!今度の教育委員会で問題にしなくてはいけないわね!」


「一体何の御用ですか?」

「あたしが、用事もなしにノコノコやってきたと思ってるの!!地下の瓶を取りにきたのよ!」



瓶が置いてある地下室の蓋に、マットとテーブルを置いてあるのを見ると、剣幕はエスカレートして、さらにヒートアップ。


「邪魔なこのテーブルをどかしなさいよ!!」




リンが黙っていると、

「何て子なんだろう!この子は!覚えておきなさい!!」ドアをバタン!と閉めて出ていった。




だが、これで終わらない。




次の日も、このクソババアは、やって来た。(呼ばれもしないのに)



初めは下手にでていたリンも、あまりの傍若無人のクソババアの振舞いに、いい加減、頭にきていた。



「ここへ私の息子が来たらしいわね!なんて言ってたの?!」


「息子さん、私の髪がキレイって褒めてくれたわ」


「他にはなんて言ってたの?!」


「警察が、『あの男に注意するように』言ってたわ」




「あの警察官はなんにも、分かってないのよ。あんたの生意気なその言い方は、何なの?!」


「息子さんが、そんなに心配なら紐でも縛って監禁しておくべきなんだわ」


バチンッ!とハレット夫人の平手打ちが、リンの顔面に炸裂する。だが、泣きもしないリンに、クソババアの頭から湯気が出る。




「出ていけー!この家から出ていけー!!」



「ここは私の家よ!」リンも負けずに応戦するが、クソババアは、馬鹿力でテーブルとマットを、勝手に持ち上げだした。


「やめてー、やめて!」リンの制止も聞かず、勝手に地下室の蓋を持ち上げて、支え棒を咬ませると、地下に入っていく。



そして、地下から、「ギャアーッ!」の金切り声の悲鳴がきこえた。


クソババアは地下で何を見たのか、慌てて階段を上がってくるが、その時、支え棒が外れて、重い蓋が頭に、ガツンと直撃。




しばらくして、リンが蓋を開けて地下を、そーっと覗いて見ると、血まみれで、カッ!と目を見開いて死んでいるクソババァの姿が、そこにはあったのだった……。






こんな家主と変態息子の家を借家だろうが、家賃が安かろうが、自分なら絶対に借りない。




それくらい、この二人のインパクトが、強すぎて、この映画といえば……クソババアと変態息子ってイメージだった。




もちろん、リンの味方の警官や、手助けをしてくれる優しいマリオもいるにはいるのだけど…。




「白い綺麗な家」には、「邪悪な黒い家主」が付きものなのか。


もし引っ越しする場合は下調べは念入りに。そしてご注意を。

星☆☆☆☆。

映画 「ゴーストワールド」

2001年 アメリカ。






高校を卒業したばかりの、『イーニド』(ソーラ・バーチ)と『レベッカ』(スカーレット・ヨハンソン)の全然、熱くならない青春映画である。




だれかれを、見つけては、それを馬鹿にして楽しんでいる悪趣味な二人組。


他の卒業生たちを、

「アホの大群じゃん!」

と切り捨てるのは、黒メガネでデコッパチの『イーニド』。(欲目にも美人といえない。見た目もブス。中身もブス。最悪である)





「ほんと、あのヒス女、よくあんなスピーチできるよね」

と、卒業生代表のスピーチをケチョン、ケチョンに扱き下ろすのは親友の『レベッカ』。(見た目は金髪で、超美人なのにね)




辛辣で毒舌、10年来の親友同士の二人の会話は、いつもこんな感じ。


だが、卒業しても、イーニドだけが、美術の落第点をとり、サマー・スクールの補習を受けなければならない。


「最悪~」

イーニドが、ブツクサ言う側で、レベッカが笑っている。


しばらくは、街中をブラブラしては、コンビニでバイトをしている『ジョシュ』(ブラッド・レンフロ)をからかう日々。

だが、一日一日は、二人の見えないところで、着実に溝を広げていくのだった……。






人を馬鹿にしながらも、まるで先行きを考えていないイーニド。


イーニドは、馬鹿にするターゲットとして、出会い系広告の番号に電話して、中年の『シーモア』(スティーヴ・ブシェミ)を呼び出したりする。(ここでも、スティーヴ・ブシェミ。気がつけばブシェミの出演する映画ばかりを選んでいる自分に驚く!)


土曜のマーケットで、マニアックな曲のレコードを売る冴えないシーモア。

馬鹿にしながらもイーニドは、世間からはみ出し者扱いのシーモアに、自分を重ねて惹かれていく。



自分は、この先、どうしたらいいのか分からない。


大学に行く気もない、何の仕事をしたらいいのか分からない。




する事といえば、髪を緑に染めたり、キャットウーマンのマスクを被って歩き回ったりする事だけ。(人の事を馬鹿にできるのか?)



まるで、逃げ道を探しているようなイーニドに対して、親友レベッカは現実を、ちゃんと見据えている。

バイトを始めて、アパートを借りて、一人暮らしをするために着々と動き出すのだ。




そんな二人が合うはずもなく ……


微妙な距離感は広がり、やがてレベッカの方から「サヨナラ」を告げて、一人去っていくのだ。



残されたイーニドは、結局、シーモアとも別れて、一人、暗い町をさ迷うのである。






口が悪くて、ただ粋がっているイーニドの不安や焦りは分かる。

分かるのだが、あまり同情はできないかも。




イーニドもバイトをはじめてみるのだが、客にも先輩にも、ふてくされて終始タメ口。

当然、バイトは首になる。(当たり前だ)




こんな態度でイーニドが、金を稼いで自立できるのか?



無理!無理!(人生そんなに甘くない)


謙虚さの欠片もないイーニドに出来る仕事などありません。


これじゃ、どこに行っても長続きしないでしょうね〜。




レベッカが去っていった後、イーニドも夜半、鞄一つを持ってバスに乗りこみ、この町を出ていくのだが………



目的もなしに、いったいどこへ行こうというのか?

彼女にまともな幸せは訪れるのか。




行き着く先は天国なのか、はたまた地獄なのか ……… 不安なエンディングで映画は幕を閉じる。




これから社会人になる前に、この映画は観てほしいかも。


ノリのよい音楽、フワフワした夢見ごこちの日常の中で、《現実の厳しさ》を真正面から突き付けてくる …… ある意味、これは怖い映画なのかもしれない。

星☆☆☆。

2019年2月5日火曜日

映画 「100イヤーズ」

『2115年』 フランス。






年代は、間違いではない。



この映画は、2015年に製作されて、100年後の2115年に公開される。



完成されたフィルムは、それまで、厳重に、フランスの防弾ガラスの特殊金庫に保管され、2115年に自動的に解錠されるのだ。




監督がロバート・ロドリゲスで、主演がジョン・マルコビッチ、100年後を描いた未来のSFだというのだが……。



さすがに、もう、自分も、その頃には生きてない。



現代人が決して観ることが叶わない幻の映画なのである。




彼らの子孫たちの為に残した映画らしいが、よくも、まぁ、こんな事を思いついて製作したものだ。(元手もかかってるだろうに)



ただ、ジョン・マルコビッチが主演という事で、普通のSFじゃないような気がする。(『マルコビッチの穴』という奇抜な映画もあるので)



監督がロバート・ロドリゲスなら、ぶっとんだ常識はずれな映画?のイメージなのかな?




この映画、すでに3パターンの予告編があるのだが、いずれも変わっている。



緑の自然に覆われた世界で、トンネルのような穴を進んでいくマルコビッチと中国人女性。


穴の先には、金庫があり、中には、納められた赤いコニャックの瓶。


マルコビッチと中国人女性が、それを覗きこんでいる。(意味不明)




数秒の、この予告を観たが、これだけじゃチンプンカンプン。




他にも人型ロボットに支配された世界、超テクノロジーに支配された世界があるらしいのだが(未見)



ますます分からない??



どうせ、生きてるうちに見られないので、あれやこれや空想してみるのも楽しいかもしれない。