2020年7月5日日曜日

映画 「マリブ・エクスプレス」

1985年 アメリカ。




監督は、アンディ・シダリスという人。



B級セクシー・アクションというジャンルだけに、徹底してこだわった人でした。(2007年他界)



「芸術性なんてクソくらえだー!」と、堂々公言していた。




とにかく、どの映画でも、ヘリコプターが飛び、バズーカが発射されて、破壊、爆発の合間合間に、セクシーな金髪のお姉さんたちが登場する。




ストーリーなんて、いずれも有って無いようなモノばかり。


物事を深~く考えた事もなかったんだろうなぁ~。

ノーテンキなシダリス監督……。



観客も最初のうちこそ、物珍しさで食いついても、90年代になると、すっかり飽きられてしまいました。(作る映画、どれもこれも毎回同じようなのじゃねぇ~まぁ、しょうがないか)




でも、こんな監督たちの撮る映画に、巨額の制作費を、簡単に「ポン!」と、つぎ込む事が出来たのだから、80~90年代の映画界が、どれだけ潤っていたんだろう~、と逆に、今更ながら驚いてしまう。




そして、こんな底辺の映画が数多く連発される中で、同じ1985年には、あの名作、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『ランボー 怒りの脱出』などは公開されているのだ。




まるで、天と地のような雲泥の差………。

これが、当時のアメリカ映画界の層の厚さなら………恐るべしである。





この映画に関しては、マジメ~に語るつもりもない。


スリルや物語性を求めちゃ、絶対にダメ!



この映画は、ただ、《アレ》だけを楽しむモノである。(断言する)


射撃が下手くそな探偵、『コーディー』(ダービー・ヒントン)が、事件を依頼されて調査するのだが、出会う女たちは、皆、コーディーを目の前にすると、


「あ〜ん、コーディー!!」

と言って、着ているモノを全て脱ぎたくなってしまうという、トンデモない世界のお話。(こんな夢のような世界、本当にあれば、まるで楽園である(笑))




もう、どこに行っても、モテモテの色男コーディー。



コーディーを演じるダービー・ヒントンにしても、そんな女性たちの要望に、いつでもO.K!。


「ヨッシャ~!!」とばかりである。



そして、たま~にある《銃撃戦》。(まったく相手に当たらないけど (笑) )





死体の側でも、コーディーとセクシー女は、抱きあってキスしてる。(本当に何なの?コイツら?!(笑))





ろくな調査もしないで、ほぼ、女たちと遊んでばかりいるし、射撃は超下手くそだし、こんな探偵に依頼するのもどうなんだろう?(これなら『シティハンター』の冴羽リョウの方が、何百倍マシである)



とにもかくにも、映画は最後まで、お色気シーンの連続で、たまにある銃撃シーンはさみながら、ノホホ〜ンとした空気で終わる。(一応、最後に探偵コーディーの謎解きもあるのだが、全く頭に入ってこなかったし、別にど~でもいい(笑))





こんなんで、1本の映画を撮っちゃっていいのかな?




おおらかだった当時のアメリカ人たち。(*゚Д゚*)。




これも、アメリカ映画界の、長い歴史を支えている1本としては、今となっては貴重かもね。


映画のタイトル『マリブ・エクスプレス』は、コーディーの住んでいる船の名前。(船にエクスプレス(列車)って………列車、全然関係ないやんけ!(笑) )


ツッコミどころ満載の、この映画は「何でやねん!」って、いちいちツッコミを入れながら観るのが、一番良い観方かもね。



でも、この時代のアメリカが、なんだか一番自由で良いなぁ〜、って感じ。



あ〜自由の国アメリカよ、カムバック!

星☆☆☆。