2020年4月1日水曜日

ドラマ 「横溝正史シリーズ」②

《 ① の続き 》








すっかり、オドロオドロしい世界にドップリつかってしまったワタクシ。




それに追い討ちをかけるように、茶木みやこ嬢が歌う主題歌『幻の人』が、頭から離れなくなってしまったワ・タ・ク・シ。



こんな恐ろしい曲……いったい誰が作ったの?




初めて聞いた時、まるで《葬送曲》かと思ったくらい………暗い、暗い、暗〜い………救いのないような曲。




♪な~の~に~、この同じ空の下ぁ~♪

♪暗い思い出~の~残り火を~♪




歌っている『茶木みやこ』の声なんて、まるで黄泉の国から、「こっちへおいで~」と手招きしているサターンの調べのようである。(ゴメンナサイ。小学生には、そんな風に聴こえたんです(笑))




パートⅡの主題歌、『あざみの如く棘あれば』も、淡々とした旋律を奏でながらも、みやこ嬢の声が重なれば、アラ、不思議。



本編よりも怖い印象を残す『怪奇ソング』へと、早変わりしてしまうのです。





こんな余韻を残す主題歌が、最後に流れるんですもん。


そりゃ、来週も再来週も観てしまいますよ。(怖いモノ聴きたさで)







そして、①でも少し触れたが、俳優、女優陣も豪華だった『横溝正史シリーズ』。


その中で、特に印象に残った人物たちを、ここでツラツラ書いておこうと思う。




まず、『犬神家の一族』より、

京マチ子さん………



映画の方では、高峰三枝子さんが演じていた犬神松子役を、演じているのが京マチ子さんである。


切れ長の目に、しっとりとした和服が似合うこと。



それに何より、超ボリュームな大垂髪(おすべらかし)の髪型。(雛人形の髪型)


この見た目のインパクトは、映画版にもひけをとらないほどで、中々のド迫力でした。





『三つ首塔』より、

真野響子さん……


ヒロイン宮本音禰(おとね)役を演じているんだけど、まぁ~美しいこと!



こんな清純可憐そうな響子さんは、ここでは散々な目にあって、ちょっと可哀想なくらいだった。


謎の男(黒沢年男)に、ひっぱりまわされて、殺人事件に巻き込まれるわ、

変な小池朝雄のSMショーに連れて行かれるわ、(コロンボの名吹き替えの人にこんな役させるなんて……)


売春婦みたいな格好をさせられるわ………(こんなの現代では映像化なんて絶対ムリ!)




この『三つ首塔』に出ている人達の役柄が、どれもこれも、キワモノ過ぎるくらいキワモノなんだけどね。



そんな音禰を可愛がるおじいさま(佐分利信)のお怒りもごもっとも。


「音禰ぇ~、ワシの大事な、可愛い、可愛い音禰がぁ~!」(ワナワナ)





『悪魔の手毬唄』より、

佐藤友美さん……


亀の湯の女主人、青池リカを演じているんだけど……まぁ、この人も怖かった。



事件が起きる度に、リカ(佐藤友美)の形相が、どんどん変わっていくのだ。


心労?それとも演技なの?


とにかく、その、段々とやつれていくリカの風貌が怖いのなんのである。




池波志乃さん……


リカの娘で、生まれつき半身に赤黒い痣があるという里子(さとこ)役。


その見た目も、可哀想を通り越して、小学生の自分には、ただ、ただ不気味で怖かった。


普段は紫の頭巾を被っているのだけど、それがあらわになった時の強烈なインパクト。



そして、殺され方も、これまた強烈で忘れられないトラウマもの。





夏目雅子さん……


数年ぶりに村に帰省し、事件に巻き込まれるアイドル・スター、大空ゆかり役。




やっぱり、この頃の夏目雅子さんの輝きは、郡を抜いていて飛び抜けている。



アイドルって言われても、正直、納得の可愛さである。



夏目雅子さんが出演しているというだけで、このドラマ版の『悪魔の手毬唄』をおす人も多いと聞く。







まだまだ、紹介したい人物たちが目白押しだが、まぁこのくらいにしておこうか。(何せ膨大な数)




近年の全話DVD化は、素直に嬉しく、たま~に時間が空いた時には観て楽しんでいる。



もはや、現代においては、この頃に撮影された、場所場所も、すっかり様相を変えているだろう。



古い家屋は壊されて、近代化されている立派なビルや便利な建築物が並んでいるやもしれぬ。



今、現在に、再びロケ地を探すのも困難なはずだ。(そんな適した場所が残ってるだろうか)



あの頃の昭和の風景を切り取って、映像に納めた、このDVDは、もはや日本のお宝といっていいかもしれない。



星☆☆☆☆☆であ~る。


※金田一耕助(古谷一行)の気持ちになって摩訶不思議な事件を体験してみては?


オススメしておく。(やっぱ、カッコいいぜ!古谷一行)