2020年4月6日月曜日

映画 「フリーウェイ・クラッシュ!」または、「ハイウェイ・パニック´82」または、「恐怖の100重衝突 史上最大の渋滞」

1980年 アメリカ。






何て長~いタイトルかと思ってる方もいるだろうが、この作品に限っては、日本ではそうなのだから、しゃ~ない。



原題は『THE GREAT AMERICAN TRAFFIC JAM』。



翻訳すれば、『素晴らしいアメリカの交通渋滞』。




このタイトルでも充分良いと思うのだけど、なぜか?日本では、放送やメディアが変わる度に、タイトルをコロコロ変えている、ちょっと不遇な扱いのテレビ映画である。




私が観た時は、確か、日曜洋画劇場の放送で、『パニック・ハイウェイ´82』のタイトルだったはずだ。






砂漠?のハイウェイで事故が起きて、未曾有の大渋滞が発生する。


後から、後から、何百台も並ぶ車の列。




人々はイライラしだして、あちこちでクラクションを鳴らしては、

「さっさと進めよ!」の大声や罵声。



でも、渋滞はいっこうに解消せず、1時間、2時間、3時間………と、どんどん時間だけが過ぎていく。





最初は罵声やクラクションの音も鳴っていたが、それも段々と静まりはじめ、もはや、そんなものさえも諦めた感じの人々。




こんな状況になると人は、どうなっていくのか?



「もう、こうなったらなるようになるさ! この『渋滞』を楽しもうじゃないか!!」(「こんな発想、当時のアメリカ人ならではだわ!」と、テレビを観ていて感心しきりだった)




道路の道端に、大きなビーチ・パラソルを立てて、屋台をはじめたり、日光浴をしたりする。



その内、ツアー中で機材を運んでいたロック・バンドは、その場で路上コンサートなんてものまで始めてしまう始末。




「いいぞぉ~!ヤレヤレ!ピーピーッ!(口笛)」



ヘリで仮設トイレを運んだり、この渋滞は全国ニュースにまでなってしまい、政府もてんやわんや。







でも、皆が、この渋滞の時間を楽しみだしたのだ。



そんな中、タクシーの中で、産気付いた一人の妊婦。


「産まれる~!産まれるわ~!!」



そんな妊婦を、渋滞で居合わせた大勢の人々が励ます。



「頑張れ~!頑張れ~!」と、皆で大合唱の応援。


そして、無事に産まれた赤ん坊が、

「オギャアー!オギャアー!」の声をあげると、周り中で大喝采になる。




それから、しばらくして、やっとこさ渋滞は解消されて、動き出す車の列。



車はゆっくりと走りだし、ハイウェイの道を右へ、左へと別れていく。



渋滞で出会った見知らぬ人達も、それぞれ帰路へと続く道を走っていく。




もう、2度と会うこともない、ほんの偶然が招いた出会い………そんな余韻を残して映画は終わるのである。







もはや、俳優の名前も、役名さえも忘れてしまった映画だが、こんなあらすじじゃなかったかな?





こうして、何十年経った今も、時折、思い出されるような映画で、なぜか印象に残っている。



この放送を、たまたま観ていた自分は、「あ~録画しとけば良かった~」と、見終わった時に後悔した。




でも、「いつか、また放送されるでしょ」とも安易に思っていた。




でも、そんな日は2度と来なかった………。




それから何年かして、ビデオテープが普及しだすと、「この映画もビデオ化されているやもしれぬ」と思い、探し求めるも見つからなかった。





それから、さらに数十年が経ち、ネット社会になった今、再び検索してみたのだ。





そして、やっと見付けた!



あった!!



しかも、ビデオ・テープが発売されていたのだ!それもタイトルを変えて。



それが、『フリーウェイ・クラッシュ』。(こんなの当時、探し出せるかよ~!)




やれやれ、もはやビデオデッキすら廃れた時代に、これをやっと探し当てるとは………。




監督はジェームズ・フローリーなる人で、さらに調べてみると、あの有名なテレビ・シリーズ『コロンボ』に関わっていたとか。



同じようなコメディーで、監督した、『弾丸特急ジェット・バス』も面白そう。(こちらはDVD化されてる)




でも、私が観たいのは、『フリーウェイ・クラッシュ、または、ハイウェイ・パニック´82 または、恐怖の100重衝突 史上最大の渋滞』なのだ。(長い~)




どんなタイトルでも、この際いい。




今まで変更されてきたタイトルは、ご覧のように覚えたし。




この中のどれかのタイトルで、DVD化してほしい。



私以外にも、待っている人が、きっといるはずである。

星☆☆☆☆。