2019年7月3日水曜日

映画 「007 ユア・アイズ・オンリー」

1981年 イギリス。






英国のスパイ船《セント・ジョージ》が何者かに沈没させられた。


その船とともに、ミサイル誘導装置《AーTAC》も、深い海の底へと沈んでいく。



イギリス政府に、《AーTAC》引き揚げを依頼されたハブロック博士は、《セント・ジョージ》か沈んだ海域で調査をはじめた。


そこへ、陣中見舞いにやってきたハブロック博士のひとり娘『メリナ』(キャロル・ブーケ)。

久しぶりの再会に親子は喜ぶ。



メリナが引き揚げ船の船室に入った瞬間、船の甲板では、激しい銃撃の音が響き渡った。

音が鳴り止み、出てみると甲板はメチャクチャ。



メリナの頭上を飛び去っていく飛行機。


その攻撃をうけたのだろう……甲板には、船員たちの死体が、いくつも転がっていた。


もちろん父親ハブロック博士の死体も……。


博士の遺体を抱きかかえるメリナ。


メリナの瞳には、メラメラと復讐を決意した炎が揺らいでいたのだった……。






この映画に限り、どうしても、ここから書きたかった。




この映画のオープニングは、どうしようもない出来なのだが(後々、語ります)、シーナ・イーストンの主題歌が流れて、この本筋に入ってからは最高だからだ。




特に、このメリナ役のキャロル・ブーケ



何て綺麗な人なんでしょ!!😍




はじめて、この映画を観た時の率直な感想が、それだった。




おそらく歴代のボンドガールでは、1、2位を争う美しさだと思う。


ブルーネットでストレートの長い髪は、風にサラサラとなびき、海中でもに、ユラユラと、その存在を主張する。


妖しく煌めくグリーン・アイズの瞳が、正面を向くと、スクリーンのこちら側で観ている自分なんて、それだけでドギマギしてしまう。


一見、冷たさを感じるようなクール・ビューティー風の顔立ちなのだが、笑うとイメージが、ガラリと変わる。


それは、途端に親しみやすさの笑顔に変わるのだ。(か、可愛い!)


ここまで、べた褒めするのも、ボンドガールの中では、自分が一番好きな女優さんだからである。





そして、キャロル・ブーケ演じるメリナの武器が、《棒ガン》


スペインの広大な邸宅で、女たちをはべらせながらプールではしゃいでいた殺人の実行犯ゴンザレスを見つけ出したメリナ。



(父の仇よ!)とばかりに、見事、棒ガンを放ってゴンザレスに命中させる。



そこに、偶然、居合わせたのが、政府の任でやってきた、お馴染み『ジェームス・ボンド』(ロジャー・ムーア)。



腹をたてたゴンザレスの部下たちが追ってくると、ボンドとメリナは二人揃ってメリナの小型ワゴンカーで逃避行となる。(ボンド・カーは、たちまちぶっ壊されてしまうので)



スペインのガタガタの山道を、敵の追撃をかわしながら二人は逃げろや逃げろ!





こんな風に、この後も怒濤の展開が待っている。



新しい監督ジョン・グレンが目指したボンドは、あまり発明品に頼らないような生身のアクションを目指したモノ。



山に、雪原に、海中にと、舞台を変えながら、観る者たちを引きこんでいく。





特に、雪山をボンドがスキーを使って、追っ手のバイク集団から逃げる場面は、バックに流れる音楽と相まって、スピード感満載!(ちと合成が下手で、そこはご愛嬌だが)



敵の追っ手から《逃げるアクション》は、それだけでワクワクさせてくれるのだ。





ロジャー・ムーア版としては、これを1位に押す人も多いし、星☆☆☆☆である。




※ただ、このオープニングだけはいただけなかった。


ボンドの死んだ奥さんの墓参りや、プロフェルドもどきが登場しても、それまでで、何の接点もなかったロジャー・ムーアには、『何を今更……』って感じしかないのだ。


このオープニングさえなければ……と思わずにはいられないのである。