2020年3月20日金曜日

映画 「うるさい女たち」

1987年 アメリカ。






明日のスターを夢見る『ローレン・エームス』(シェリー・ロング)は、何事にも全力投球。


フェンシングでも、バレエでも、ありとあらゆるレッスンは自ら進んで受けまくり。


夢は大舞台でシェークスピアの『ハムレット』を演じる事だ。





そんな時、有名な舞台演出家『コゼノフスキー』が主催する演劇塾のニュースを耳にする。


(これはチャンス!どうしても、この塾に入らなくては!)


「パパ、ママ、お願いよ~!」

渋る両親を説得して、やっと授業料を工面したローレンは、オーディション会場に急いで駆けつけた。




そこで出会った、まるで場違いな女。




「ここコゼノフスキーのオーディション会場?」




見るからに下品そうな『サンディー』(ベット・ミドラー)の登場に眉をつりあげるローレン。


「あなたもオーディション受けるの?私もよ。私の夢はシェークスピアの『ハムレット』に出演することなのよ」


得意気に言うローレンにサンディーはポカ~ン。

「何それ?シェークスピアって?」って答え。


(この女、シェークスピアも知らないで、ここに来るなんて …… アホなの?お門違いもいいところだわ)


そんなローレンの心の声が聞こえたのか、サンディーもカチン!


「何さ、お高くとまっちゃって!」ってツッケンドンに言い返してきた。


(感じ悪い~ …… )

(お互い様 ……… )

最初から第一印象なんて最悪の二人。




しかも、演劇の知識もないのに調子の良さだけで、コゼノフスキーに気に入られてしまったサンディーは、塾に合格してしまった。


(何で?あの女が?)


それからは毎度のようにレッスン場で顔を付き合わせるローレン。


イライラ …… ムシャクシャ ……… キィーッ!





でも、こんなイライラした気持ちも《あの人》に会いに行けば、すぐにおさまる。




愛しい、愛しい、マイケル ………


「あなたみたいな素敵な人が……今まで、どこに隠れていたの?あ~ん、マイケルゥ~」

ローレンは、偶然知り合った『マイケル』(ピーター・コヨーテ)に身も心もメロメロだった。




(恋だって演劇だって、必ず上手くいかせてみせるんだから ……… )




そして、今日もマイケルと待ち合わせの場所に、いそいそと向かったローレンだったが………なんと!


目の前で、店が突然、大爆発した!💥



「キャアアー!マイケルゥ~!」



ガス爆発で店どころか周辺は粉々で跡形もない有り様。






それから、しばらくして呆然自失のローレンは遺体安置所にいた。

目の前には布がかけられて、ベッドに寝かされたマイケルの無惨な遺体。


「残念ですが、顔は判別できないほどでして ……… 」

検死官の言葉に、ローレンは、「Oh!、マイケルゥ~!」と泣き叫ぶばかり。😭





そこへ、いきなりズカズカと、ドアを開けてやってきた、《 あの人物 》。


よもや、あの『サンディー』が現れたのだ!


そうして、サンディーは遺体に近寄ると、「あ~あたしの愛しいマイケルがぁ~!」と叫びだしたのだ。


「何を言ってるの?マイケルは私の彼氏よ!!」

「私が彼女よ!!」

なんと、マイケルは、ローレンとサンディーの二股をかけて付き合っていたのだ。



「嘘よ!!」、「何よ!この女!」


はなから嫌っていた二人は、マイケルへの愛しさも重なって、猛烈な取っ組みあいの大喧嘩を始めた。


掴み合い、殴りあい ……… やがて、ベッドに横たわるマイケルにかけられたシーツが、床にスルリと落ちる。


すると、マイケルの裸にされた下腹部があらわになった。





しばし、喧嘩を中断して、マイケルのイチモツに、ジーッ、と目がとまる二人。




「何これ?こんなのマイケルじゃないわ!」

「マイケルのは、もっと立派よ!こんな粗チ●じゃないわよ!」(コイツら、本当言いたい放題だな(笑))



と、いうことは別人!


「マイケルは生きてるわ~!」

先程の喧嘩なんて忘れて、キャッ、キャッ、と喜びあう二人。😄



でも、それも束の間、「ハッ!」として離れると、ローレンが言い出した。


「こうなったらマイケルを見つけ出して、どちらが彼女にふさわしいか、決めてもらいましょう!」

「いいわよ!のぞむところよ。そのかわりズルはなしよ!」





変なところで意気投合した二人は、早速マイケルの手がかりを探して動き出す。


だが、そんな二人の後をつけ狙う怪しい人影が …………






シェリー・ロングベット・ミドラーのハチャメチャ珍道中コメディー。



これ、いまだ、DVDになってないのだ。

VHSの時代に観た記憶だけ。



遠い記憶をフル回転しながら書いていると、やはり長~くなってしまう。(それにしても、良く覚えているなぁ~、と我ながら感心してしまうのだが)



これも最近、よくblogであげている男女の三角関係のお話なのだが、全然シリアスなんてもんじゃないし、逆に笑いどころだらけ。




愛しのマイケル探してどこまでも ……



マイケルが飛行機に乗って、行ってしまった。



すぐに後を追わなければ …… でも、

「あいにく、次の便は満席でございます」と受付のオバサンからは、けんもほろろ。





そこで二人は変装して、得意の演技力を発揮する。


「アノ、ワタシ、ドウシテモ飛行機にノリタイよ。コレ、姉さん。英語話せない ……… 飛行機に乗ってパパに、アイタイよ!パパ~!」


片言の英語で、異国人に成りきり、同情をひくために、チラチラ受付を見ながら、泣き落としにかかる。



それにウンザリした受付のオバサンも、

「こんな猿芝居、久しぶりに見たわ。もういいわよ。とっとと乗りなさいよ」と、呆れた風で、とうとう根負け。(よ~やるよ)



ヘタクソな演技でも、


「とにかくやってみれば、どうにかなるさ!」


のクソ度胸だけで、シェリー・ロングベット・ミドラーが、次々と、ヘンテコな演技をしていくのが、超オカシイのだ。




こんな痴情のもつれの珍道中は、やがて、国家を巻き込んだ《スパイ合戦?》へと変わっていく。



最初、無駄と思われた演技のレッスンも、フェンシングやバレエの練習なんかも、ラストに向けられた伏線回収になっているのには、かなり感心する。



たま~に、この映画も思い出して、「あ~、もう1度観てみたいなぁ~」と思うのだが ………



やっぱりDVDやBlu-rayになってない。(権利がそんなに難しいのか?)


出せば、必ず需要があるはずですよ。(自分だったら買いますね)



「うるさい!」となんと言われようと、これからも、このblogでは、そんな作品を取り上げてみては、ここで訴えていこうと思うのである。


是非、是非、ご賛同を!

星☆☆☆☆。



2020年3月17日火曜日

映画 「ナイル殺人事件」

1978年 イギリス。







「リネット、私、結婚したい人がいるのよ!」



旧知の親友『ジャクリーン』(ミア・ファロー)は、訪ねてくると藪から棒に切り出した。



(可哀想なジャクリーン……実家は破産して落ちぶれてしまって………)


いまや、アメリカ一の大富豪で、巨額の遺産相続人となった『リネット』(ロイス・チャイルズ)は、憐れみの表情で、「まぁ、おめでとう」と言うのが精一杯だった。




「でも彼も私も文無しなの。そこで彼を雇ってくれないかしら?お願いよ!」


(ジャクリーンの彼氏を雇う?………まぁ、それくらいは慈悲の心で手助けしてやってもいいかもね)





ジャクリーンは嬉々として、彼氏の『サイモン・ドイル』(サイモン・マッコーキンデール)を連れてきた。




スラリとした、それでいて逞しい体。

顔は二枚目の超ハンサム。



「これなら安心して任せられそうね」

リネットは、そう言いながらも心では、もう決断していた。



(ジャクリーン、この人は貴女には勿体ないわ。私が頂くわよ)と………。




美人で若くて大富豪のリネットに不可能はないのだ。

欲しいモノなら何だって手に入るんだから。



そうして、サイモンを略奪して数ヶ月後には、とうとう結婚までこぎつけたリネット。



「新婚旅行はどこがいい?」

いまや、リネットに骨抜きにされたサイモンが聞くと、リネットは答えた。



「もちろん、『エジプト』よ!」と。




ご存知、アガサ・クリスティーの名作の映画化である。



クリスティーの小説を、若い時に熱心に読んでいた自分には、今、この歳になってみて、やっと分かった事がある。


クリスティーが、いつまでも『愛される理由(わけ)』が………。



誰にだって、自然のように発している言葉や行動の裏には、ひた隠しに隠したい《理由》や《本音》があるのだ。



それは誰にも知られたくないデリケートな部分。



でも、人間ゆえ、何気に発した言葉や行動の端々に、それを垣間見せるようなモノが、時として、「ヒョイ!」と顔を出してしまう瞬間がある。



それは、まさにスリリング。


大抵の人は、それにも気づかずにやり過ごすだけなのだが、《 ある誰か 》にとっては、それは、時として、とんでもない化学反応を、起こす事もあるのだ。


そんなものを、クリスティーは上手くすくいあげて、小説にしてしまうのである。



だから、クリスティーの小説は繰り返し読んでも面白いし、いつまでも色褪せないのだ。





冒頭に書いた、リネット、ジャクリーン、サイモンも、それは、しかりで、複雑な《本音》や、その《理由》を抱えていて、まんま単純な人間たちじゃない。



そして、それは他の登場人物たちにしても。



エジプト旅行でやってきたリネットとサイモンが出会う人々も、また、それぞれが複雑な《本音》を隠している。



リネットの付き添いメイド、『ルイーズ』(ジェーン・バーキン)は、彼氏と結婚するのに高額な持参金目当で、高圧的なリネットに我慢する日々。

でも、心の中では「畜生!あの女~!」なのだ。(分かるよ、その気持ち)





弁護士でリネットの財産管理人の『ペニントン』(ジョージ・ケネディ)は、裏で勝手に、リネットの財産を私物化した事がバレやしないかとヒヤヒヤ。






富豪のワガママな老婦人『ヴァン・スカイラー』(ベティ・デイヴィス)は、自身の盗癖に悩まされているが、リネットが首にかけている真珠のネックレスを目の当たりにすると、ヨダレを垂らしそうなくらいだ。






そんなヴァン・スカイラー婦人に仕えている付き添いの『ヴァワーズ』(マギー・スミス)は、今の現状にイライラ。


「リネット………あの女の父親がうちを破産させたもんだから、私があんなクソババァ(ヴァン・スカイラー婦人)に顎でこき使われる日々なのよ。こんな惨めな暮らしも全部アイツらのせいなのよ!」



リネットを見つめる目は、憎悪にみち溢れている。






『ミセス・オッタボーン婦人』(アンジェラ・ランズベリー)は恋愛小説家だが、リネットに「低俗なエロ小説!」とけなされて、ヤケクソになり、毎日が酒浸り。


そんな母親が心配な娘『ロザリー』(オリビア・ハッセー)は、終始目が離せなくて、精神的に、もうクタクタだ。





「どれも、これも全てリネットのせい………」



誰もかれもが、様々な《理由》で、リネットを恨む《本音》を隠しているのだ。




そして、恋人サイモンを奪われたジャクリーンも ……… 。




クリスティーの小説には、無駄な脇役たちなんて一人も存在しない。




こんな気持ちを隠しながら演じられる楽しさは、たとえ脇役でも役者冥利に尽きるのだ。

だからこそ、有名俳優たちは、こぞって出演をO.K!するのである。




そんな一癖も二癖もあるような人物たちの《本音》を暴いてゆくのが名探偵『ポアロ』(ピーター・ユスチノフ)。



当時、ピーター・ユスチノフが大好きな淀川長治先生の身贔屓(みびいき)で、なぜか?ユスチノフのポアロ・シリーズは、繰り返し定期的に日曜洋画劇場で放送されていたものである。(淀川先生は太った男の人が好み)



たまにテレビをつけると、「ありゃ、また、やってるわ」ってな感じで観ていた記憶。

まぁ、あればあるで、のめり込んで観てしまうんだけどね。




壮大な景色が大パノラマで広がるエジプトのロケーション。

ピラミッド、スフィンクス、ナイル川 ………



映画を観るだけでも、その土地に行っているような観光気分も味わえるし。

特に、今のコロナ騒ぎで、どこにも行けない現状に辟易している人には、まさにうってつけ。



一時でも、人間ドラマと観光気分の両方を、満足させてくれるなら、これこそ、この機会に是非にと、オススメしたい1本なのであ~る。


星☆☆☆☆。

2020年3月16日月曜日

映画 「水の中のナイフ」

1962年 ポーランド。






綺麗な邦題に惹かれて。

後、あのロマン・ポランスキー監督のデビュー作という事もあって観たんだけど………



ん~ …………この映画が大好きな人には申し訳ないけど、あんまり自分の好みじゃなかったかも。




60年代で、綺麗な陰影のモノクロ映画。

構図やカメラ・ワークも、なかなか凝っていて良い感じなんだけども、なんせ、肝心のストーリーが…………



自分のように、映画にドラマ性を求める人間には、これは、ただ苦痛でした。





始終イライラしている夫と、それに無関心な妻。

二人は定例のヨットでクルージングに行こうと車を走らせているんだけど、一人のヒッチハイクをしている青年を乗せる。


ヨットに乗って、いざ出発という時、何を思ったのか?夫が、「お前もヨットに乗れ!」と青年を誘い、3人は海原へ。



ヨットでは食事をしたり、ゲームをしたり、退屈な会話が流れて、青年は手持ち無沙汰で、大切にしているナイフを取り出しては、ひとり遊びを始める。(指を広げて、指の間をナイフで突く遊び)



それを見ている夫は、やめときゃいいのに、変なイタズラ心で青年のナイフを海へドボン!


「俺の大事なナイフ!」

青年と夫は喧嘩をしはじめ、夫は青年を海に突き落とした。


「ハハッ、ざまぁみろ!」

しかし、しばらくしても上がってくる気配さえない。



夫は、だんだん冷や汗。


(俺が殺してしまったのか………)


「人殺し!野蛮人!」そんな夫に向けて、妻は罵りまくり。


「黙れ!アバズレ!」

妻をヨットに残すと、夫はどこかへ泳いで行ってしまった。



しばらくすると青年がヨットにあがってきた。(海に浮かぶブイにつかまって隠れていたみたい)



上がってきた青年と妻は、夫がいない事を、これ幸いにと情事にいそしむ。(アララ)



やがてヨットが岸に向かう途中で青年は無事降りて、桟橋に来ると夫が海パン一丁で待っていた。


「警察を呼びに行こうも車のキーもないし、この格好じゃ……」


そんな夫に妻は「青年は生きていてヨットで浮気したわ」と言う。


夫は「嘘だ」と信じない。




で、映画は終わるのだ(チャンチャン!)。






こうして文章におこしてみても、さっぱり、この話の要点が掴めないのだ。



ヨットを操る時だけは気が合うのに、それ以外は、ギスギスしている夫婦。


そんな変な夫婦に、ヒッチハイクの青年が巻き込まれただけの、たわいのない話である。





これ、一応、ミステリーのジャンルになってるわけなんだけど、どうなんだろう……これがミステリー?




本当にこの話から何を感じとればいいのか………

最後まで「それがいったいどうしたの?」ってな感じで、ポカ〜ン!なのである。



でも、他の人の評価を見れば、この映画を褒め称えているものがほとんど。



「傑作!」、「最高!」etc…………などなど。


ロマン・ポランスキーが弱冠29歳の若さで撮った映画だから好評価なんだろうか?




分からん。

どうも、この手の映画を楽しむような素養が、元々、自分には欠如しているらしいのだ。




だから、今回、評価はご勘弁を。



これを好きで楽しめる人には、それで良いと思う。




たまに、こんな感想のモノにもぶち当たるが、それも良しとするか。


とにかく見続けて、探していれば、「これは!!」と思うモノにも、きっと出会うはず。


それを期待して、私は映画を見続けるのであ~る。

2020年3月11日水曜日

映画 「プラダを着た悪魔」

2006年 アメリカ。






ニューヨークに、そびえ立つ超高層ビルの最上階。

そこに、女性たちが憧れるファッション雑誌《 ランウェイ 》のオフィスがある。



田舎から出てきた『アンドレア・サックス』(アン・ハサウェイ)は、まるで、おのぼりさんのようにワクワクしながら、1階のホールから、エレベーターに乗り込んで最上階のボタンを押した。



そして、………


「あの~今日、面接予定のアンドレア・サックスですが………」


受付にいる第1アシスタントの『エミリー・チャールトン』(エミリー・ブラント)は、アンドレアの姿を頭から爪先まで、ジロジロ見ると、

「あなたが?いったい何の冗談かしら?」と無遠慮に言い放った。



そんな時、1本の電話が鳴り響き、エミリーの顔色が変わった。


「大変よ!今すぐ準備して!彼女が来るぅー!!」

エミリーの声にスタッフや周り中が、バタバタ大騒ぎ。


(いったい何が始まったの?………)アンドレアは、まるで分からずにポカ~ン顔。




そんな時に目の前のエレベーターが開き、一人の女性が降り立った。

その場の空気が一瞬で変わる。


まるで人を寄せ付けないようなオーラを纏(まと)った女性、『ミランダ・プリーストリー』(メリル・ストリープ)の登場に。




ミランダはツカツカと進み、オフィスの椅子に腰掛けた。

すると、アシスタントのエミリーは、直ぐ様とんで行き、次々と繰り出す的確なミランダの指示を、「ハイ!ハイ!」と固唾をのんで聞いている。




その光景をぼんやりと見ているアンドレアにミランダも、ようやっと気づいたようだ。


「誰よ?あの娘?」


「第2アシスタントとして、人事部が面接で寄越したんです。でも、あんな娘を連れてくるなんて………何を考えてるのやら。」


「いいわ、私が面接する」ミランダは、そう言うとエミリーを下がらせた。



アンドレアを一目見ると、「ファッションセンスもゼロ。《ランウェイ》も読んだことない。私を知ってる?知らない? それで、何でうちにきたの?」


「あの………ジャーナリスト志望だったんですけど、おたくの人事部に電話したら面接を進められて………でも採用されれば、きっとお役にたてます、私なら!」



「あっそ!じゃ、もういいわ。帰って。」

ミランダは、もう興味なしとばかりに、(あっちへ行け!)と、手で払いのける仕草。


(私、もしかして落ちたの?………)



ガッカリしてエレベーターを降りたアンドレアだったが、先程のエミリーが呼び止める声。



ゲゲッ!!まさかの『採用』!


「ヤッター!!」


喜んだアンドレアだったが、それもつかの間。

明日から始まる地獄の日々を、まだアンドレアは知らない………。






アン・ハサウェイ観たさに選んだ1本である。(すっかりフアンになっちゃいましたので。)


前回、顔がどうとか、こうとか書いていたのに、フアンになると、途端に、それも味のあるような、逆に大好きな顔に思えてくるのだから、自分でも訳がわからない。


どこまで調子の良い男なんでろうと思ってしまう。(エイ!この!自分の馬鹿野郎!!こんなところで許してくださいませ)




前回の『マイ・インターン』とは違い、アン・ハサウェイは、ここでは雇われる立場。


上司には、あのメリル・ストリープである。

似たような設定でも、配役が変われば雰囲気も、何もかもが全く違ってしまう。




前回の『マイ・インターン』のように「あ~、こんな会社で働きたいなぁ~」なんてものは、微塵もない。



ここで、求められるのは、仕事に対する《厳しさ》と《プロフェッショナルさ》だけだ。





雑誌の為に、モデルに着せる洋服選びの為に、ミランダがスタイリスト達を怒鳴っていると、アンドレアが思わず、「クスッ」と笑ってしまう。


すると、即座に反応したミランダが、血相を変える。

「何がおかしいの?」

「だって、そのベルトなんて、どれもこれも同じに見えるんですもの」(アチャー、余計な事を)



「あなたが着ているブルーのセーター、それはセルリアンよ!同じブルーでも違いはあるのよ。そんなセルリアンでも、私達がブームを築きあげて市場に流れ、長い年月をかけて、廃れていき、安っぽいカジュアル服として、一般のあなたたちが今、着ている。」


プロヘッショナルとして生きてきた、ミランダの言葉は重い。


「ファッションとは関係ないと思って着ている、あなたの服も、今、こうして選んでいる山の中から、私たちが選んだものなのよ!」



そんなミランダの言葉の重みなんて、分からないアンドレアは、家に帰れば、

「キーッ!何よ!あの女!ムカつくー!!」

会社の愚痴を恋人に叫ばずにはいられない。





でも本音は……(ミランダの言ってる事を少しでも理解したい!ミランダに寄り添い、追い付きたい!この世界で成功したい!)なのだ。



同僚の『ナイジェル』(スタンリー・トウッチ)にも叱咤されて、アンドレアは、やっと「自分を変えねば!」と、動きはじめる。



面白かった。



面白かったけど、この『ミランダ』と『アンドレア』の関係、あのドラマを、やっぱり思い出してしまった。





『ダメージ』の『パティ・ヒューズ』(グレン・クローズ)と『エレン・パーソンズ』(ローズ・バーン)に、すっごく似ている。




ミランダもパティも、仕事に厳しく、プライベートで離婚しようが、どうしようが、とにかく仕事第一主義。



仕事で成功する事が、人生の全てなのだ。



この広大なアメリカで成功するためには、女性は皆、ミランダか、パティ・ヒューズのようにならなければ生き残れないのだろうか。



だとすれば、女性がトップで居続ける為の闘いとは、何と殺伐としていて、非情なんだろう。




根が甘ちゃんの自分なんて、身の毛がよだって震え上がってしまう。





そして、グレン・クローズとメリル・ストリープは大の仲良し。

女優としての意識の高さも同じで、乗り越える事も困難なくらいな、刑務所の高い塀くらいなものだろうか。


このアン・ハサウェイは、その塀を乗り越える為に、今、やっとへばりついている感じかな?





でも、こんな風には、あまりなってほしくないなぁ~。



アン・ハサウェイには、いつまでも優雅でエレガントで、そしてにこやかに。

どこまでも、甘ちゃんの自分はそう願わずにはいられないのであ~る。

星☆☆☆☆。