1987年 アメリカ。
明日のスターを夢見る『ローレン・エームス』(シェリー・ロング)は、何事にも全力投球。
フェンシングでも、バレエでも、ありとあらゆるレッスンは自ら進んで受けまくり。
夢は大舞台でシェークスピアの『ハムレット』を演じる事だ。
そんな時、有名な舞台演出家『コゼノフスキー』が主催する演劇塾のニュースを耳にする。
(これはチャンス!どうしても、この塾に入らなくては!)
「パパ、ママ、お願いよ~!」
渋る両親を説得して、やっと授業料を工面したローレンは、オーディション会場に急いで駆けつけた。
そこで出会った、まるで場違いな女。
「ここコゼノフスキーのオーディション会場?」
見るからに下品そうな『サンディー』(ベット・ミドラー)の登場に眉をつりあげるローレン。
「あなたもオーディション受けるの?私もよ。私の夢はシェークスピアの『ハムレット』に出演することなのよ」
得意気に言うローレンにサンディーはポカ~ン。
「何それ?シェークスピアって?」って答え。
(この女、シェークスピアも知らないで、ここに来るなんて …… アホなの?お門違いもいいところだわ)
そんなローレンの心の声が聞こえたのか、サンディーもカチン!
「何さ、お高くとまっちゃって!」ってツッケンドンに言い返してきた。
(感じ悪い~ …… )
(お互い様 ……… )
最初から第一印象なんて最悪の二人。
しかも、演劇の知識もないのに調子の良さだけで、コゼノフスキーに気に入られてしまったサンディーは、塾に合格してしまった。
(何で?あの女が?)
それからは毎度のようにレッスン場で顔を付き合わせるローレン。
イライラ …… ムシャクシャ ……… キィーッ!
でも、こんなイライラした気持ちも《あの人》に会いに行けば、すぐにおさまる。
愛しい、愛しい、マイケル ………
「あなたみたいな素敵な人が……今まで、どこに隠れていたの?あ~ん、マイケルゥ~」
ローレンは、偶然知り合った『マイケル』(ピーター・コヨーテ)に身も心もメロメロだった。
(恋だって演劇だって、必ず上手くいかせてみせるんだから ……… )
そして、今日もマイケルと待ち合わせの場所に、いそいそと向かったローレンだったが………なんと!
目の前で、店が突然、大爆発した!💥
「キャアアー!マイケルゥ~!」
ガス爆発で店どころか周辺は粉々で跡形もない有り様。
それから、しばらくして呆然自失のローレンは遺体安置所にいた。
目の前には布がかけられて、ベッドに寝かされたマイケルの無惨な遺体。
「残念ですが、顔は判別できないほどでして ……… 」
検死官の言葉に、ローレンは、「Oh!、マイケルゥ~!」と泣き叫ぶばかり。😭
そこへ、いきなりズカズカと、ドアを開けてやってきた、《 あの人物 》。
よもや、あの『サンディー』が現れたのだ!
そうして、サンディーは遺体に近寄ると、「あ~あたしの愛しいマイケルがぁ~!」と叫びだしたのだ。
「何を言ってるの?マイケルは私の彼氏よ!!」
「私が彼女よ!!」
なんと、マイケルは、ローレンとサンディーの二股をかけて付き合っていたのだ。
「嘘よ!!」、「何よ!この女!」
はなから嫌っていた二人は、マイケルへの愛しさも重なって、猛烈な取っ組みあいの大喧嘩を始めた。
掴み合い、殴りあい ……… やがて、ベッドに横たわるマイケルにかけられたシーツが、床にスルリと落ちる。
すると、マイケルの裸にされた下腹部があらわになった。
しばし、喧嘩を中断して、マイケルのイチモツに、ジーッ、と目がとまる二人。
「何これ?こんなのマイケルじゃないわ!」
「マイケルのは、もっと立派よ!こんな粗チ●じゃないわよ!」(コイツら、本当言いたい放題だな(笑))
と、いうことは別人!
「マイケルは生きてるわ~!」
先程の喧嘩なんて忘れて、キャッ、キャッ、と喜びあう二人。😄
でも、それも束の間、「ハッ!」として離れると、ローレンが言い出した。
「こうなったらマイケルを見つけ出して、どちらが彼女にふさわしいか、決めてもらいましょう!」
「いいわよ!のぞむところよ。そのかわりズルはなしよ!」
変なところで意気投合した二人は、早速マイケルの手がかりを探して動き出す。
だが、そんな二人の後をつけ狙う怪しい人影が …………
シェリー・ロングとベット・ミドラーのハチャメチャ珍道中コメディー。
これ、いまだ、DVDになってないのだ。
VHSの時代に観た記憶だけ。
遠い記憶をフル回転しながら書いていると、やはり長~くなってしまう。(それにしても、良く覚えているなぁ~、と我ながら感心してしまうのだが)
これも最近、よくblogであげている男女の三角関係のお話なのだが、全然シリアスなんてもんじゃないし、逆に笑いどころだらけ。
愛しのマイケル探してどこまでも ……
マイケルが飛行機に乗って、行ってしまった。
すぐに後を追わなければ …… でも、
「あいにく、次の便は満席でございます」と受付のオバサンからは、けんもほろろ。
そこで二人は変装して、得意の演技力を発揮する。
「アノ、ワタシ、ドウシテモ飛行機にノリタイよ。コレ、姉さん。英語話せない ……… 飛行機に乗ってパパに、アイタイよ!パパ~!」
片言の英語で、異国人に成りきり、同情をひくために、チラチラ受付を見ながら、泣き落としにかかる。
それにウンザリした受付のオバサンも、
「こんな猿芝居、久しぶりに見たわ。もういいわよ。とっとと乗りなさいよ」と、呆れた風で、とうとう根負け。(よ~やるよ)
ヘタクソな演技でも、
「とにかくやってみれば、どうにかなるさ!」
のクソ度胸だけで、シェリー・ロングとベット・ミドラーが、次々と、ヘンテコな演技をしていくのが、超オカシイのだ。
こんな痴情のもつれの珍道中は、やがて、国家を巻き込んだ《スパイ合戦?》へと変わっていく。
最初、無駄と思われた演技のレッスンも、フェンシングやバレエの練習なんかも、ラストに向けられた伏線回収になっているのには、かなり感心する。
たま~に、この映画も思い出して、「あ~、もう1度観てみたいなぁ~」と思うのだが ………
やっぱりDVDやBlu-rayになってない。(権利がそんなに難しいのか?)
出せば、必ず需要があるはずですよ。(自分だったら買いますね)
「うるさい!」となんと言われようと、これからも、このblogでは、そんな作品を取り上げてみては、ここで訴えていこうと思うのである。
是非、是非、ご賛同を!
星☆☆☆☆。