2019年12月26日木曜日

ドラマ 「ガラスの仮面」

《1期》1997年 7月~9月、《2期》1998年 4月~6月、《スペシャル》1999年 9月。





その昔、アニメ『キャッツ・アイ』が終わった後に、『ガラスの仮面』のアニメが突如、始まった。


漫画は完結していなかったが、単行本が出れば読んでいたし知ってもいた。


読みながらも感心しきり。


『演劇』なんて知らない素人にも分かりやすく描いてあるし、『演じる』って事が、こんなにも苛酷なのかぁ~とも思った。



で、始まった『ガラスの仮面』。

オープニング、レオタード姿で踊る主人公のマヤ。


何でやねん?(まぁ、単にキャッツ・アイの流れだったんだろうとは思うのだが)、でも作画は丁寧に描けているし。



これは期待できるかも……。


でも、本編が始まると作画はガタガタ、総崩れ。(オープニングと全然違うやんけ)

話も駆け足で、削られて削られて、たったの22話で終わってしまった。(コミックス12巻分で)



中途半端のアニメ化にはガックリさせられたが、こうも思った。

「この漫画の映像化は無理かも……」と。




それから10数年が経ち、時代も昭和から平成へと変わった頃、今度はドラマ化の話が持ちあがる。


(またか……どうせ、似ても似つかないんだろう)と、思っていたら、野際陽子さんのビジュアルを見てビックリ!


ゲゲッ!


まんま、マヤの恩師、《月影千草》そのものじゃないか!!


まるで漫画の世界から飛び出してきたように、瓜二つ。


全身黒ずくめのロングスカートに、顔を半分隠した長くカールした髪。(でも、真夏の土手でこんな姿の人物が、急に現れたら、自分なら警察呼ぶけどね(笑))



主人公の《北島マヤ》役には、既に子役から活躍していた『安達祐実』(当時15歳くらい)。


こちらも中々ハマっていて、けっこう良い感じ。


後年、本人も『家なき子』でブレイクした後に悩んでいた時期があったらしく、原作者自らの指名で『ガラスの仮面』のオファーを頂いた時には嬉しかったと語っていた。



「忘れかけていた『演じる』という事の楽しさを再確認し、また役者として向き合えるようになれた」、そんな風に語っているのを以前テレビで見たことがある。





中華料理屋で、母ひとり子ひとりの北島マヤ。



母親からは「何の取り柄もない子だねぇ~」と言われ放題。


でも、ドラマや芝居には目の色が変わるマヤ。


たった1度でも観た芝居は一言一句、完璧に暗記してしまう。

それを公園で近所の子供たち相手に実演するマヤ。



たまたま通りがかった往年の大女優・月影千草は驚愕する。


「とうとう見つけたわ!私の宝を!」(恐いよ~野際陽子さん(笑))



やがて、学校の演劇発表会に選ばれたマヤ。


でも担任の先生が割りふった役は、村一番の馬鹿で間抜けで皆に笑われる娘・ビビの役。(これってあからさまな差別なんじゃねぇの?)


「あ~、この役は北島にやってもらおう。衣装も特に凝らなくていいからな。ボロキレでも何でもいいから……」(この担任も酷すぎる)


(先生が私にこんな役を振ったのは、うちが貧乏なせい?……… )



落ち込むマヤに、あの月影千草がたまたま現れた。


「見せてごらんなさい、その台本を」


パラパラと台本をめくって読んだ月影千草は、またもや「ハッ!」とした驚愕した顔。


そして、このビビ役を「この芝居の中で、とても、とても難しい役だわ………」とつぶやく。


そして、マヤを激励するように、

「いいこと?、北島マヤの素顔を隠して、『ビビ』という役の仮面を被るのよ!!」とアドバイスして去っていくのだった …………





これは原作の一番最初の、マヤと月影千草のやり取り。


それをドラマの安達祐実と野際陽子で観た時、「あ~、これは、まぁ成功した部類かも……」と思った。



『ガラスの仮面』の世界観をよく分かってらっしゃる。(でも、少しだけドラマ演出の粗が見え隠れしてる。当時はコレが精一杯の出来だったんだろうけども)




他にも、マヤを陰で支える『紫のバラの人』なる足長おじさん(ロリコン?)、速水真澄に田辺誠一。(今じゃ、すっかりヘタウマの絵で有名な田辺画伯)



マヤのライバルで、有名監督と有名女優を両親にもつサラブレッド、お嬢様の姫川亜弓に松本莉緒(当時、松本恵)。


新人のこの子、ちょっと演技の方は ……(ムム…)、マヤのライバルにしてはちょっとヘタだったかな。(まぁ、後に演った『エースをねらえ!』のお蝶夫人役は、なかなかハマっていて良かったけどね)




第1期が、マヤがスターに登り詰めて、身近な人に裏切られたり、母親の死で自暴自棄になったりするが、最後に演劇に対する本能が目覚めて、再起を誓うまでを描いている。(原作17巻くらいまで)



第2期が、再起のチャンスをつかんで演劇賞をつかむまで(33巻くらい?)


スペシャルが、マヤと亜弓が、いよいよ月影千草の当たり役だった伝説の演目・『紅天女』に挑戦するところで《幕》となる。



原作自体が中途半端でダラダラと終わっていないのに対して、ドラマの方はそれなりに決着をつけてくれてるので、この点は好感がもてるかな。


星☆☆☆である。



※それにしても安達祐実って人は変わらないなぁ~。


近年、内藤剛志の警視庁捜査一課長で、過去の10代を演じるために見せたセーラー服姿。

何の違和感もない。驚愕!


知らない人には、本当に10代でとおるほど。


今でもリメイクで北島マヤ役をサラリと出来そうな気もするのだが ………