2018年12月5日水曜日

映画 「サイコ」

1960年 アメリカ。







アリゾナ州フェニックス、金曜日。


午後の昼休みに、ホテルの一室で情事を楽しんだ男女がいる。


女は不動産会社で働く『マリオン』(ジャネット・リー)、男はカリフォルニアで金物店をしている『サム』(ジョン・ギャヴィン)だ。



二人は一緒になりたいのだが、サムは前妻への慰謝料などで四苦八苦。

金銭的にも余裕がないので、こんな安ホテルで、たまに会って過ごすだけなのだ。


こんな風に、ホテルで会うのも、最近では、少々嫌気がさしているマリオンなのである。


(お金さえあれば、全てが上手くいくのに…)




そんなマリオンが勤める不動産会社に、社長が取引相手の金持ち『キャシディ』を伴ってやってくる。


キャシディは、物件を買うための現金4万ドルを「ポン!」と、目の前に置いたのだ。


それを見た社長は、おったまげて、即座にマリオンに命令した。

「こんな大金をここに置いておけない。すぐ銀行に預けておいてくれ!」


「分かりました」

4万ドルを預かると、そのまま会社を出ていくマリオン。


だが、銀行には行かずに、そのまま自分の自宅に戻って、マリオンは、しばし考えはじめる。


(このお金さえあればサムが助かる! サムと結婚できるわ!!)



まさに、魔が差した瞬間だった!!



荷物をまとめると、4万ドルを車につめこんで、ものすごい勢いで、家をでていくマリオン。



その顔は、まるで、何かに、憑りつかれたようである。



こうして、後ろめたさの良心に蓋をして、マリオンの逃亡がはじまった。



「カリフォルニアへ、早く!急ぐのよ!!」

アリゾナ州フェニックスからカリフォルニア州のロサンゼルスまでは、600キロの長い距離………道は、果てしなく遠い。



それでも血眼な表情のマリオンは、何時間も車を走らせていた。


だが、とうとう集中力が途切れるほど、疲れてしまい、マリオンは、一旦路肩に車を停めた。


すると、マリオンは、そのまま深い眠りについてしまったのだった。





そうして、次の朝、だれかが窓を叩いている、コン!コン!。


(誰よ、誰なの?)



眠気も吹っ飛び、ゾッとするマリオン。


パトロール中の警官だったのだ。


「免許証を見せてください」


途端に、あわてふためくマリオン。



警官の簡単な質問にも、バックの中の4万ドルが、気になって、もう冷や汗が止まらない。


やっとのことで開放されると、すぐに車をスタートさせた。


だが、(ゲゲッ!)バックミラーを見ると、あの警官のパトカーが、ずっと後ろから付いてくるではないか。



「どうしよう……どうすればいいの……」


焦るマリオンが車を走らせていると、目の前に中古車販売の店が見えてきた。




車を乗り入れ、すぐ様、ディーラーのところにいくと、

「あの車を売ってほしいのよ」と、カリフォルニア・ナンバーの車を指差した。


「あの~、まずは試乗を…」

「試乗はいいから、すぐに売ってほしいのよ。代金なら現金で、即払うから!!」



「えっ?」もう、呆気に取られるディーラー。




離れた路肩では、さっきの警官がずっとこちらを伺っている。

「これでいいかしら?」現金をディーラーに押し付けると、すぐ様、新しい車にマリオンは乗り込んで、発進させた。



バックミラーに映るのは、何かをコソコソと話している警官とディーラーの姿。



『おかしいんですよ、試乗もなしに現金でお支払いなんて』


『確かに変だな……』


こんな会話を、二人はしてるかもしれない……

幻聴がマリオンの頭の中を、グルグルと駆け巡る。



もう休んでなんかいられないわ!急がなくちゃ!!




だが、マリオンの行く手を阻むように、雨がものすごい勢いで降りはじめた。


ワイパーを最大に回しても、視界すら遮ってしまう。



「これ以上、車を走らせるのは無理だわ」




その時、かすかに、視界の暗闇の先に、ホテルの看板らしきものが見えてきた。



『ベイツ・モーテル』


何か見えないものに、手招きされるようにマリオンの車は、そこを目指して走っていくのだった…………。






あまりにも有名な名作。


ヒッチコックと言えば『サイコ』言われるぐらい、代名詞になってしまった。



冒頭に書いたあらすじを見ても、お分かりように、物語は、ずっとマリオンの主観で進んでいく。



キャシディに後ろめたさを感じ、尋問する警官にビクビクして、中古車のディーラーにも、イライラするマリオン。



観る側は、ヒッチコックの策略によって、まんまと、マリオンの気持ちに同化していくのである。





それなのに、そのマリオンが、いきなり《殺されてしまう》



モーテルでシャワー浴びているときに。


いきなりシャワーカーテンを開けられ、刃物を持った黒い影の人物に!




もう、すっかりマリオンに同化している『こちら側』は、それに驚いて、刺されば、マリオンと同じ痛みを感じてしまうのだ。




マリオンが、浴室に倒れこんで、排水口に渦を巻きながら、流れていく血が、マリオンの見開き死んだ目に重なっていく時、観客の意識や感情も、ここで、一旦《 殺されてしまう》のである。



だが、観ている観客はホントに死んだわけではないので(当たり前だが)、もって行き場のない感情をもて余して、只、成り行きを呆然と見つめるだけ。



ホテルマンの『ノーマン』(アンソニー・パーキンス)がマリオンを発見しては、遺体を処理したり、風呂場を掃除したりするのを、ただ、ポカーンと眺めているだけなのだ。





後半になり、マリオンの妹『ライラ』(ヴェラ・マイルズ)が登場すると、やっと「ホッ!」。



行方不明の姉を探すライラの出現は、

「やっと感情移入できる人が現れてくれた~」

と、ひと安心させてくれるのである。




でも、それまでの数分間が、なんて宙ぶらりんで、長い時間なのだろうか。



この宙ぶらりんな時間は、観る側を、言い様のない不安にさせてしまうのである。



こんな特別な仕掛けが、映画『サイコ』を、色褪せぬ傑作にしているのだ。




そうして、驚愕のラストで、またまた鳥肌モノのどんでん返し。


初めて観る人は、「ぎゃああーーー!」の雄叫びをあげるでしょうよ。




こんなに観ている人の感情を、あっちこっちに揺さぶり続ける映画も珍しい。



それも、最後の最後まで、全く手を抜かずに。



ヒッチコックはやはり凄い!

これは文句無しの星☆☆☆☆☆なのであ~る。

2018年12月2日日曜日

映画 「必殺 THE HISSSATSU」

1984年 日本。







テレビドラマ『必殺仕事人Ⅳ』放送時につくられた劇場版。





八丁堀同心『中村主水(もんど)』(藤田まこと)。



昼間は、姑の『せん』(菅井きん)と嫁の『りつ』(白木万理)に毎度イビられる日々。


※なぜ?『せん』と『りつ』だと思います?
続けて読めば『せんりつ』=『戦慄』になるからなのだ。(豆知識)





北町奉行所でも、上司の筆頭同心『田中』(山内としお)に嫌味タラタラ。


「中村さん、しっかりしてくださいね!」(妙にヒステリックオカマ調)



だが、夜になれば、刀さばきは超一流の、闇の《仕事人》。


頼み料をもらって、晴らせぬ恨みを代わりに晴らしてくれるのだ。





そうして、こんな主水と組んで、闇の仕事をするのが、




   『三味線屋の勇次』(中条きよし)… 三味線の糸を首に巻きつけて吊るして殺す。





   その母、『おりく』(山田五十鈴)… 三味線の撥(ばち)で悪人の喉元を往復で、切りつける。





   『飾り職人の秀』(三田村邦彦)…… 髪飾りを敵の後ろに回り込んで、首もとに突き刺す。




 
 『 何でも屋の加代』(鮎川いずみ)と学生の『順之助』(ひかる一平)……… 順之助が開発した投石器が武器である。(時代考証なんて全く無視)




こんな面々が、毎度毎度、八面六臂の大活躍をする。





劇場版では、江戸の町に興業公演にやってきた有名な人形使いの『朝之助』(当時、片岡孝夫)が絡んでくる。




大スター朝之助の来演に、中村家でも、『せん』と『りつ』は大興奮。もう夢中である。


「キャ~朝之助さまぁ〜!」ってなものである。(ミーハーなオバサマ方)




そんな賑わいとは別に、不審な殺人も連続して続いていた。


口に《六文銭》をくわえさせられて殺される死体が、続々と現れだしたのだ。




その六文銭の事件になぜか?心当たりがあるのか……


『おりく』は、「あたしは、ちょっと上州へ行って調べてくるよ」

と言って、こっそり江戸を離れた。




そうして、江戸に残された主水と他の仲間たち。



江戸の町は祭りに浮かれていた。

次々とお神輿が担がれて、あちこちで、

「ワッショイ!ワッショイ!」の掛け声。



だが、町中で、主水や勇次、秀、加代、順之助たちの顔は晴れない様子。




それぞれに、とうとう《六文銭》の文が投げ込まれたのだ。



(今度、狙われるのは我々の誰かかもしれない ……… )



警戒する主水たちの前に、異様な御輿を担いだ仮面を被った集団が現れた。



そんな主水たちの目の前で、次々と御輿に興じて、別の仕事人たちが無惨に殺されていく様を見せられるのだ。



「何て野郎たちだ……」(他の町民たちは、そんな殺しに全く気づきません)




しばらくして川のそばに行くと、黒い御輿が流されていて、『六文銭』を加えさせられた死体が、いくつも転がっていた。


「ギャアー!」と叫び驚く『かよ』。

その側で、『順之助』が、

「まだ一人息があります!」皆に叫ぶ。




仕事人の『政』(芦屋雁之助 by 裸の大将)が、かろうじて生きていたのだ。(「ぼ、ぼ、ぼ、ボクはまだ死んでないんだなぁ~」(笑))




『おりく』が、上州から戻って来ると、六文銭たちの企みが分かった。


『庄兵衛』という男を筆頭にして、江戸の『仕事』全てを請け負う為に、邪魔な他の仕事人たちを陰で始末していたのだ。



主水たち仲間は、命懸けで戦う決意を固める………






もう、この後は、華麗な仕事人たちの闘いを楽しむだけである。



主水の剣が、バッサ、バッサと敵を切り裂き、勇次の三味線の糸が狙った獲物を縛り上げ、秀が水中から、屋根の上からと縦横無尽に駆けめぐるのだから。



「悪い奴らは許しちゃおけねぇー!」


単純な事に映るかもしれないが、これがどんなにスカッ!とするものか。






でも、コレも、平凡な日常もあって、その裏で嘆き哀しむ人々を、ちゃんと描いているからこそ。



それらが絶妙なバランスで成り立ち、怒涛のクライマックス、《殺し》のシーンを最大限に盛り上げるのだ。



本当に奇跡のようなドラマなのである。




これをタイムリーに観れた自分たちは、「本当に幸運だったんだな〜」と、今更ながらに思うのだ。





この『必殺!』シリーズ、夜間のシーンになれば、まるでフィルム・ノワールでも観ているような錯覚をおこすほど、白黒の陰影がハッキリと浮かび上がるような稀な撮影方法をとっている。



また、それが綺麗だし、特に格好いいんだよなぁ~



オススメしとく。

星☆☆☆☆☆。



※ちなみに、近年のジャニズに乗っ取られた『必殺シリーズ』は全くダメダメ。


本家と比べれば、まるでお遊戯会を観せられてるようなもんである。(容赦なし!ぶった斬っておく)


2018年12月1日土曜日

映画 「バートン・フィンク」

1991年 アメリカ。






監督・製作・脚本 / ジョエル&イーサン・コーエン。


コーエン兄弟の映画でも、一番好きな映画である。



カンヌ国際映画祭でパルム・ドール監督賞、主演男優賞を授賞しています。



1941年の世界大戦前、NYの新人作家『バートン・フィンク』(ジョン・タトゥーロ)が、ハリウッドに招かれて専属契約を結ぶのだが、プロレス映画(なんでプロレス??)の脚本を書くように強要される。


ホテルに缶詰めにされるのだが、全く書けないフィンクが、ある事件に巻き込まれて………ってなのが、大まかなストーリー。




この映画に関しては、あらすじをこまごま書く気はない。

出演者や雰囲気を、楽しむ映画だから。




順を追って個性的な出演者たちを紹介していきたいと思う。



●ジョン・タトゥーロ……主人公バートン・フィンク役。

セサミストリートのアーニーみたいな髪形をして、丸メガネに動物のバクのような鼻をもつ、インパクト大なお姿。

映画会社の社長にも、書きたくないプロレス映画の脚本を断れずに、気弱さゆえに押し付けられて、オドオド、ビクビクしてる。


脚本を書く為のホテルの部屋は、6階にあり、あまり陽も射さずに、薄暗く閑散としていて、壁には、女性が砂浜に座り海を眺めている絵が掛けられているだけ。

ハリウッドには、知り合いもいないし、ベットに寝転がれば、薄気味悪い天井の染みが、なおさら、バートンの気持ちを心細くするのだ。




●ジョン・グッドマン……バートンの部屋のそばに間借りして住んでる保険外交員のチャーリー。

でっぷりした巨漢で明るいチャーリーは、話好きで、脚本が進まないバートンをなにかと気にかけてくれる。

そんなチャーリーに、バートンも心を許し頼りにしていくのだが……。




●マイケル・ラーナー……映画会社の社長ジャック。

理不尽で立て板に水のように、喋り倒す。バートンなどは、その迫力に気圧されて何一つ言い返す事さえ、できない。


マイケル・ラーナーはこの『バートン・フィンク』でアカデミー賞の助演男優賞にノミネートされた。




●スティーヴ・ブシェミ……ホテルマンのチェイト。

コーエン兄弟の作品の常連さんで、独特な印章を残す。

顔がホント独特で、蒼白な皮膚に頭蓋骨の骨がはっきり浮かぶし、デカイ目の周りやデカイ口周りの赤みが、不気味で、一度みたら忘れられない顔立ち。

出番は少ないが、いい味だしてますよ。




他にもアル中の先輩脚本家メイヒュー、その秘書兼愛人のオードリーなどクセ者たちが、揃う。




あと舞台のホテルが、とにかく不気味。

全然他の宿泊客見ないし、昼間も薄暗いし、突然、壁紙がベロ~ンと剥げ落ちるし。


バートンを巻き込んで、やがて残酷な事件もおこるのだが、なぜなのか?それほど残酷にみえない。


それどころか、変な可笑しみさえ感じるのは、出演者たちの個性なのか、このホテルの雰囲気なのか………。



なんだか幻想的にも見えてくるので、ホントに事件があったのか?と思えるくらいなのだ。



独特なこの映画は、批評家たちには受けたが、興収は赤字をだしてしまった。


でも、その後の『ファーゴ』や『オー!ブラザー』に続く片鱗を垣間見させてくれる。


それにしても、何年かぶりに観ても、やはり強烈な出演者と雰囲気を漂わせている。


不思議な余韻を残す映画だ。

星☆☆☆です。

映画 「タイム・リミット」

2003年 アメリカ。







フロリダ州の小島 バニアンキー。


自然豊かな原生林に囲まれた田舎町の警察署。
夜、一人で署長の『マット』(デンゼル・ワシントン)は足を放り出して呑んでいる。


そこへ突然電話が鳴った。

「助けて!強盗が入ったの!」

「すぐに向かいます」ひとり現場にかけつけるマット。


目的の家にたどり着くと、女が出てきて迎えてくれた。


『アン』という女性に質問するマット。

「どんな強盗でした?」

「背丈はあなたくらいよ、肉付きもあなたくらい」


そのまま寝室にいくふたり。(?)

「私が寝室で寝てたら迫ってきたのよ」

「こんな風に……?」

二人は、そのままベットに転がり込んだ。(なんじゃ、この二人の小芝居は…)



アンには、暴力夫のクリスがいて、マットも8ヶ月別居している妻がいる。



流行りのW不倫である。(流行りなのか?(笑) )



次の日、署に妻の『アレックス』(エヴァ・メンデス)が、「荷物を運び出したいから、家の鍵を貸してちょうだい」とやってきた。


アレックスは、上昇志向のエリート。主に刑事事件を扱う捜査官である。


「早く鍵をちょうだい!」


マットは、不倫でアンと付き合いながらも、美人妻アレックスにも未練タラタラなので、鍵を出し渋る。(おいおい、調子が良すぎだろ)



そばで、お節介な検視官の『チェイ』(見た目マイケルムーアみたいなコメディリリーフ)が、
「机の上だよ」というと、すかさず鍵をとって、さっさと出ていくアレックス。



「この野郎…」マットはチェイにブツクサ悪態をついた。




それから、しばらくして、不倫相手アンにガンがみつかる。



マットは一緒に病院に付き添って(兄だと偽って)主治医に会うと、どうも相当悪い末期ガンらしい。


スイスに行って手術し治療するには、莫大な費用がかかるとか、なんとか。



アンは高い生命保険をかけていて、ある会社に、生前買取り(そんな事ができるのか?)をして、治療費にあてようと試みるが、断られてしまう。



だが、保険金の受取人を夫のクリスからマットに変えるつもりだと言う。



同情して、みかねたマットは、署に麻薬からみで押収し、管理していた48万ドルの現金を当座の治療費にあててほしいとアンに渡した。
(おいおい、犯罪じゃねぇか)




「控訴審までは何年もかかるし、所轄の署が預かる金だ、大丈夫。 それから荷物をまとめて俺のところに、夜11時に来るんだ!」(もはやアンに対する愛情で、モラルもへったくれもないマットである)




だが、夜になってもアンは、マットが待つ署にやって来なかった。



我慢できずに、とうとうアンの家まで車を走らせるマット。



だが誰の気配がない。

家の周辺をうろつくマット。



近所の婆さんが、そんなマットを不審そうに窓からみているので、堪らず、マットはそこを引き揚げた。





だが、それから数時間後、クリスとアンの住むコテージの家が、火事で燃えていると通報がはいる。




次の日、全焼の煤けたコテージの前で愕然とするマット。


焼け落ちた家の中には、焼死体が2つ転がっていた。クリスとアンだろうか……。


警察官のアレックスも駆けつけてきた。

放火殺人の疑いもあるので捜査に乗り出してきたのだ。




不倫や横領にハラハラするマットは署長として、別居中の妻アレックスの捜査に、当然協力しなければならなくなり……。





デンゼル・ワシントンが、最高にダメダメ署長に扮して、面白かったです。



つい最近の映画のつもりでも15年も前だったのか。

デンゼルワシントンも、この時48歳、若い若い。


不倫相手と密会しては色男ぶりを発揮してる(笑)。(さすがに最近は歳をとったなぁ~と思うが)


エヴァ・メンデスという美人妻がいるのにね。





でも、この後、次から次へとマットを災難が襲い続ける。



目撃者の婆さんには、

「近所をうろついていたのは、あの男よ」、と名指しされるが(ドキッ!)、


「婆ちゃん、あの人は署長さんよ」となだめられて、婆さんは完全に痴呆扱い。(可哀想に)



麻薬取締り官が、48万ドルを返却するように言ってくれば、(ドキッ!ドキッ!)アタフタ冷や汗が…(心の中ではどうしよう、どうしよう。焦りまくりのマット)。



それに妻のアレックスの目を盗んで、先回りして、次々隠ぺいしなければならないので、もう落ちつく暇さえない。



《タイム・リミット》は、刻々と近づいてマットを焦らせて追いつめていくのである。




この映画も、前回のように擬装死を取り扱っているが、笑いとアクションのさじ加減がうまいので、あまり粗が目立たないし、うまく消化していると思います。



監督のカール・フランクリンは、それ以前も『青いドレスの女』でもデンゼル・ワシントンと組んでるし、息もピッタリ。(この映画も良いです傑作)



親友の検視官チェイの協力を得て(コメディリリーフは重要で必要です)、なんとか最後はハッピーエンドです。



完璧で正義感の役が多いデンゼル・ワシントンですが、たまにはこんなおバカな役の映画もいいですよね。

星☆☆☆☆です。