活動期間1987年〜1990年。
《↑ 近藤智子(左)二階堂ゆかり(右)》
ここ最近、遠出をするようになって(ぶらり旅)、よく車中で聴いているのが、大昔、流行った《BaBe(ベイブ)》の曲だ。(昔、同名で『ベイブ』って豚🐷の映画もあったが)
《BaBe》は、親しみをこめて恋人に呼びかけるような愛称。『うぶで可愛いい僕の恋人』みたいな意味だそうな。(やっぱり《豚》関係なかった(笑))
当時もリアルタイムで観ていたし、聴いていたはずなのに、あまりにも他のアイドルたちの勢いが凄すぎて、この《BaBe》に至っては、自分自身、だいぶおざなりになっていた感じがする。(だって同じ時代に数々のスーパー・アイドルたちが存在していたんですもんね)
でも、こういうデュオやグループなどを売り出すのは、昔から、とても難しいことなのだ。(単体歌手と比べて)
単体歌手なら自分の名前だけを世間に覚えてもらえれば済むことだが、デュオやグループなら《グループ名》と同時に《個人名》を覚えてもらわなければならない。
手っ取り早いのが、短い《ニックネーム》をつけてお互いに呼び合い、それで、まずは世間に認知してもらうことだ。
そうして自己紹介が一番大事!
古くは「ランです、スーです、ミキです。3人合わせて《キャンディーズ》です」とか、
「ミーです、ケイです、2人合わせて《ピンク・レディー》です」など ……
ニックネームは短いほどよろしい。
「のっちです、あーちゃんです、かしゆかです、3人合わせて《Perfume(パフューム)》です」(ほれみろ。現代でもこの手法は活きているのだ!)
《モーニング娘。》の和田マネージャーは、コレを充分に分かっていて徹底させた人だ。(コンサートでも「一人一人が、絶対に印象に残るような挨拶をするんだ!」とダメ出しにつぐダメ出し)
それで、短いニックネームを必ず覚えてもらうこと。本名などは、後からフアンに調べてもらえれば、それでよろしい。(この考え方に私も大賛成である)
そうして、肝心の《BaBe》なのだけど ……
Michael Fortunati(マイケル・フォーチュナティ)のカヴァー曲『Give Me Up』で、華麗にデビュー。
さすがに、この曲は世界的にも有名だったし、斉藤由貴主演のドラマ『あまえないでヨ!』の主題歌タイアップもありヒットする。
でも、このジャケット写真は、新人のデビュー・シングルとしては ダメダメ!である。
どんなに《ダサい》と言われようとも、新人なんてのは、まず『顔を売ってナンボ!』。横顔のジャケ写なんて有り得ないのだ。
(こんな下手くそなプロデュースをするなんて、どこの会社だ?)と思っていたら、二人が所属していたのは《エスワン・カンパニー》。
南野陽子と同じで、あの!作曲家 都倉俊一が起こした会社なのでした。(エスワンの《エス》は俊一の《俊》の頭文字をとって《S》。《ワン》は《一》からきていて《エスワン》と読ませている)
だが、この《エスワン・カンパニー》、今でも伝説になってるくらい悪名高い会社なのである。(詳しく知りたい方はネットで調べてくださいね)
南野陽子なんて、音楽の企画会議には自ら乗り込んで意見をぶちまけていたそうな。(そうしないと、スケジュール管理から販売に至るまで無茶苦茶な事になるので。でも、それが後に《生意気だ!》なんて、陰口を叩かれる原因になるんだけど … )
それでもBaBeの二人は同じジャズダンス・スクールに通っていたし(ダンスの下地は充分)、幸い楽曲にも恵まれていた。オマケに歌唱力も抜群。
ただ、会社のプロデュースがねぇ~ … (最悪)
2曲目の『I Don't Know!』もドラマのタイアップもあり、大ヒット。(フジテレビの『アナウンサーぷっつん物語』のED曲)
こうして、テレビに出る機会は徐々に増えていく。(でも給料が安すぎて、アルバイトも掛け持ちしなけりゃ生活できなかったとか … って、どんだけブラックやねん!って話)
そのうち、世間的にニックネームを持たない二人には、変なあだ名がつけられてしまい、それが勝手に一人歩きしてしまう。(私なんて、つい最近まで本名も知らなかった)
誰がいつ、こう言い出したのか ……
近藤智子の方は『富田靖子のNG』。
二階堂ゆかりなんて、濃い顔立ちと肌の黒さだけで、当時プロ野球で活躍していた、あの黒人選手『クロマティ』である。(可哀想に、相手《男》よ!(笑))
他の有名人の個性を押し付けられるなんてのは最悪な展開だ。(これがデュオで、フアンからニックネームで呼ばれない者の悲劇である)
こうした状況になりつつも、二人は笑顔で「歌とダンスだけは一生懸命やろうね!」なんて支えあっていたのだろうか。
それでも、しだいに色モノ路線に変わっていく『BaBe』の周囲。
この事務所がやった事なんて二人の年齢詐称くらいである。(2歳のサバ読みとか)
ドラマ『花のあすか組』の主題歌、『Get a Chance!』のPVなんて、(何を考えているのか?)牧場にある牛舎🐄で撮影されている。(オマケにバックダンサーの中には、あのラッキー池田までいたりするのだから完全にお笑い路線だ)
《ミュージック・ステーション》に出れば、巨大迷路の中で走らせながら歌わせられたりするし。(まるで《ひょうきんベストテン》?)
普通に歌えば、こんなにカッコいい二人なのにね ……
(なんで?こんな事させられるの?!あたしたちは、ただ真面目に歌いたいだけなのに …… )
ドンドン噛み合わなくなってくる事務所との関係。
その後、二階堂ゆかりの結婚、出産でデュオは解散。近藤智子もその後、ひっそりと引退してしまった。
《エスワン・カンパニー》という会社もBaBeの引退や南野陽子が独立した後、即、倒産してしまう。(当たり前だっつーの)
出したシングル曲は、わずか8枚。アルバムに至っては4枚ほどである。
でも、この数曲が令和の時代に改めて聴くと、どれもこれも奇跡的に名曲ばかりなのだ。
私のお気に入りは、先に紹介した『Get a Chance !』、それに『She has a dream』、『ひとりぼっちのWarriors』など……
どれも繰り返し聴いている。
復活を望む声は多いようだが、多分、今後も無いだろうなぁ~(頑なに二人はメディアへの出演を拒否してるし、それくらい《芸能界》に対して嫌悪感があるのかもね)
芸能界は毎日が熾烈な闘い!
人の良さと実力だけではどうにもならない世界。
ある程度、自分の我を押し通すような気概も必要って事なのかな。
《おしまい》