2022年5月18日水曜日

ドラマ 「ザ・カゲスター」

 1976年  4月〜11月(全34話)





「影よ …… 影よ …… ゆけぇーーー!!」


影!、影!、影!、ギュッギューン!カゲスターー!!(唄 : 水木一郎



知ってる人は知っている。

そうでない人は、この珍妙なデザインに「何じゃ、コリャ!」と戸惑うかも。


頭やベルトの渦巻きは、ジッと見てると目眩がしてくるし、マントのド派手な星マークは、目がチカチカしてくる(*﹏*;)。


難儀なヒーロー『カゲスター』。


でも、こんなカゲスターには、一応仲間がいて、それが相棒となる『ベルスター』である。(コチラも渦巻きと星マークに彩られている)


激しい戦闘シーンがあれば、ミニスカートがまくれ上がり、白いパンツが丸見えになるほどのサービスっぷり。(子供番組とは思えない過剰サービス)


こんな『ザ・カゲスター』を、当時は夢中で観ておりました。(別にパンチラ目的じゃないぞ(笑))


なんせ、この『ザ・カゲスター』、他の戦隊ヒーローとは違っていて、そもそもの設定から異色だったのだ。



主人公が《風村コンツェルン》という財閥令嬢の秘書『姿 影夫』(立花直樹)。


そうして、その美しき令嬢が『風村 鈴子』(早川絵美)である。


この二人が、前述の『カゲスター』と『ベルスター』に変身するのだ! ……… と思いきや、コレを《変身》と言ってよいのやら ……



悪の軍団《白蝋魔人》に誘拐された鈴子と影夫。

なんとか敵のアジトから脱出した二人だったが、途中で運悪く崖から転落。


さらに、偶然、高圧電線に触れてしまった二人。(ビリ、ビリ、ビリィー⚡)

(そりゃ、当然こうなるわな。でも感電しても命があっただけめっけもん)



その後、トンデモない奇跡が、二人に起きた!


それぞれ、影夫と鈴子の人影から、ムクムクと突然起き上がる謎の生物。


そう、それが正義の味方『カゲスター』&『ベルスター』の、摩訶不思議な誕生だったのである!!


何気に格好いいカゲスターとベルスターの専用バイク)



冒頭のセリフ「影よ、影よ、ゆけー!」のかけ声で、二人の影から生まれ出てくる『カゲスター』と『ベルスター』。


影夫と鈴子の意識は『カゲスター』と『ベルスター』に乗り移り、敵と闘いはじめるのだが、その間、人間体の方はというと …… 


朦朧とした意識の中、邪魔にならないよう、どっか隅っこの方で、フラフラ、ユラユラとゾンビのように彷徨っている(笑)。


コレが普通の変身ヒーローモノとは、一線を引いている『カゲスター』の特殊設定なのだ。


颯爽とキメポーズで登場するカゲスターとベルスターに、白蝋魔人(薄気味悪い青白メイクのロン毛男)が、「この化け物めー!」と叫ぶ。(お前に言われと〜ないわ(笑))



こんな『ザ・カゲスター』も、東映特撮モノとしては、お馴染みの顔ぶれや見知った者たちがしっかりと脇を固めている。




東映特撮といえば小林昭二さん。(ここでは丸眼鏡をかけた少々ぬけてる『屯田警部』役である)


その部下で後ろにいるのが『業平刑事』(星純夫)。(あら、この人『燃えろ!アタック』に出てた、小鹿酒店の三枚目配達員じゃないの)


そうして写真の中央に陣取っているのか、皆さんご存知の小松政夫さんだ。(風村コンツェルンで働く、飄々とした部長さん役)


まぁ〜、ご覧のように、皆さん間が抜けてるんで、その分、影夫と鈴子が正義の味方然として頑張ってるんだけどさ(笑)。



こんなカゲスターの最大の武器は、カゲスターの影を超巨大化させて、どこまでも追いかけたり、簡単にやっつけちゃうこと。(何でもありか!それにしても影から、またもや影が生まれるのか?)



こんな、他の特撮モノには見られないような特殊能力は、当時、中々のインパクトでございました。



こんな『カゲスター』なんだけど、当時の評判は少々悪かったみたい。


おどろおどろしいオカルト的な怖さは、普通の子供には残念ながらウケなかったようだ。(全34話は当時としては短命)


私は昔も面白かったし(まぁ、子供の頃から変人だし)、今、観ても充分に面白いんだけどさ。



こうして何十年経っても覚えているのは、水木一郎さんの歌う主題歌のお蔭かもしれない。(芋づる式に記憶が蘇ってくる)


オープニングと同じようにエンディング曲でもタイトルの『カゲスター』を何度も連呼して熱唱している水木一郎さん。


やっぱり主題歌に番組名が入っているのは強みなのだ。(それが何度も繰り返し入っていれば尚更)


エンディングでも、「カゲスター!カゲスター!カゲスター!」…… もう、「これでもか!」っていうくらい念押しで歌ってる。


これなら洗脳のごとく脳内に深く刷り込まれるし、忘れようたって忘れられませんがな。



最近の特撮モノで、訳の分からんJポップもどきの主題歌の番組なんぞを、数十年後にはどれだけの人が覚えているかねぇ~。


よけいな理屈は要らないのに。



番組名を主題歌に折り込んで、ただ、ただ連呼すればご覧のとおり。


そうすれば、こんな『ザ・カゲスター』のように伝説として、いつか語られる日がやって来るはずである。


星☆☆☆☆。(マントの星☆の数は、こんなもんじゃね~ぞ(笑))