2021年10月16日土曜日

ドラマ 「メイド刑事」

 2009年6月〜9月。




元レディース暴走族の総番長が、お屋敷につかえる柔順なメイドへ大変身。


彼女の名は『若槻葵(わかつきあおい)』(福田沙紀)。


だが、ただのメイドではない!


メイドの姿で潜入して、その家に巣食う悪党たちをあぶり出して打ち負かす。



またの名を《メイド刑事》。


悪の汚れ、お掃除させて頂きます!!




なんか色々なモノがインスパイアされてるなぁ〜(『家政婦は見た』とか)


もっとも、『スケバン刑事』によるところが、とっても多いのは、誰が観ても明らかなんだけどね。(コレ、原作漫画があるらしい。たぶん原作者が『スケバン刑事』のコアなフアンなんだろう)


既成のメイド服が戦闘服だったり、どこにでもあるモノを武器に使用したり(掃除用のクィックル・ワイパーが武器。一応、戦闘用に改良されてる特殊合金製)、決めセリフもあったりと……



もう、ほとんど『スケバン刑事』じゃないのか、コレ!


主演の福田沙紀の名前からして、親が猛烈な『スケバン刑事』フアンだったらしく、生まれた娘に『麻宮サキ』の『サキ』を頂いて『沙紀』にしたのだとか。



7歳から、ダンスや芝居、歌のレッスンに明け暮れた福田沙紀……親は娘を芸能界へ入れようと、猛烈な期待をかけていたんだろうな。


そのかいあってか、娘は美少女コンテストで受賞して、あの大手オスカー・プロモーションに入り、仕事はトントン拍子。


この運命的な作品『メイド刑事』の主演がまわってきたのも、妙に納得してしまった。




このドラマ、新聞のラテ欄で、たまたま見つけて観ていたのだけど面白かったです。


福田沙紀も可愛いと思って観ていたのだけれど……それにしても、この子は当時、もの凄く叩かれまくっていたなぁ〜。(ちょっと可哀想なくらいに)



「実力も人気もないくせに、なんであの女が櫻井翔 (嵐) 君の相手役なのよ!」(映画『ヤッターマン』)


「なんで、あの女が主役に抜擢されるんだ?視聴率もとれないのに!」


「スタッフに対する生意気な態度、ありゃ何だ?!」


………もう、出るわ!出るわ!バッシング記事の数々。


そのうち、オスカーから剛力彩芽武井咲が出てきて猛プッシュされはじめると、福田沙紀には、またもや追い討ちをかけるような悪意のある記事が、後ろ砂をかけるように飛び出してくる。


「『福田沙紀』干された!」とか、「オスカーに見捨てられた女」などなど……。


もっとも、後進の剛力彩芽や武井咲も叩かれまくりだったけれども。(「オスカーのゴリ押し」とか散々に言われておりました)



このオスカーって会社、タレントの売り出し方や育て方、マスコミの印象操作なんかも、てんでダメな会社である。(タレントたちが一斉に独立した現在をみても、充分お分かりだと思う)



だが、福田沙紀がオスカーに所属していなかったら、この『メイド刑事』に抜擢されなかったわけだし。(う〜ん、『メイド刑事』は今観ても面白いし、コレはコレで良かったのかな)



ところで、この福田沙紀もご多分に漏れず、去年(2020年)にオスカーを独立した。


現在、フリーの形。


《フリー》って言い方、一見、格好良い響きに聞こえるが、どこにも所属してない……要するに無職である。


大丈夫か?と思いきや、今年(2021年)8月にミニシアターで主演映画が公開されたそうな。


1からオーディションを受けての大抜擢。



映画のタイトルは『シュシュシュの娘』。



何じゃ?この「シュシュシュ」ってのは?


市役所に務める地味なOLが、寝たきりの祖父を介護しながら、毒入りの矢をつかった吹き矢で世直しをするという、そんなトンデモないお話だという。


吹き矢が放つ音?「シュシュシュ」って?


なんだか『メイド刑事』にも似た世直し感に、再び「面白そう」なんて気もするが、それでも福田沙紀も31歳。



ちゃんとした大人の女性の役柄を演じた方がいい気もするのだけどね。(大丈夫なのかな〜、オジサンはちょっと心配である)




ところで、肝心のメイド刑事だが、第5話と第6話は秀逸の出来。


第5話では、岩佐真悠子柏原収史が映画『生きていた男』のパロディーを嬉々として演じております。(それに山村美紗に似たキャラを絡めていて、変な可笑しみがある)



第6話では、あの南野陽子(ナンノ)が満を持して登場!


極道の妻役でありながらも、やっぱり武器はヨーヨーで(何で?)、「《〇〇刑事》とはこうあるべき!」とばかりに、メイド刑事にその実力を見せつけてくれまする。



そうして最終話(11話)では、本田博太郎さんが、『警視庁捜査一課長』ばりの不気味な怪演をここでもしてくれている。(国生さゆり須藤元気なんて顔も続々登場)


マジメな原田龍二には、現在と比べてみて苦笑いをこらえてしまうし、ヤンキー刑事の的場浩司には、「あ〜適役だ」と納得する。


これは、オスカー時代に残した福田沙紀の貴重な青春の記録。


これからも、ちょくちょく観させて楽しませて頂きますね。


ガンバレー!福田沙紀さんに幸多かれ。


星☆☆☆☆。