2021年6月9日水曜日

映画 「誰かが見ている」または、「ニューヨーク25時・少女誘拐」または、「恐怖の地下密室!レイプ殺人が招く二重犯罪」

1982年 アメリカ。





またもや長~いタイトルでごめんなさい (笑)。


この映画、その昔、日曜洋画劇場では、確か『ニューヨーク25時・少女誘拐』のタイトルだったと思う。(『恐怖の地下密室!レイプ殺人が招く二重犯罪』の時は知らない。なんだか昔の土曜ワイド劇場のタイトルみたいだ (笑) )


その後に、ビデオレンタルの時代には『誰かが見ている』のタイトルでVHSになっていて、これは、偶然に観ることができました。(このタイトルの方がずいぶんマシ)



以前、このblogでも取り上げた『フリー・ウェイ・クラッシュ』(これも色々なタイトルがある)も、そうだけど、今更ながら、あの当時の日曜洋画劇場のセレクトする映画には、ほとほと感心してしまう。



有名なメジャー作品ばかりではない……膨大な映画の数々から、淀川長治先生がホテルに缶詰めになりながら、それらを見て、マイナーな映画さえも、こうやって救い上げて放送してくれていたので、全く知らない映画を自分たちは知りえる事が出来たのだ。(本当に大感謝である)



この映画には、一応原作があって、同名『誰かが見ている』のタイトルで、小説も刊行されている。


作者は80年代に、サスペンス小説の女王として、日本でも馬鹿売れしていたメアリー・ヒギンズ・クラーク


新潮文庫から、次から次に出ていたクラークの小説も、今じゃ知る人も少ないかもね。(絶版になってますし)



こんなサスペンスの女王クラークのデビュー作の映画化だったのだけど、例により映画は、ずいぶんと改変されていて別物になっております。(スタローンの『コブラ』にしてもそうだけど、80年代は原作無視O.K! 全くおおらかな時代である (笑) )


ただ、この改変がよかったのかどうか……この映画のストーリー自体はたいした事なくても、いまだに妙に忘れられない一編として、自分の中では、ずっと残っているのである。




2年前に、自宅で母親を殺された女の子『ジュリー』。


そんな殺害現場に運悪く居合わせた19歳の配達員の青年は、幼いジュリーに勘違いされて、「あの人が犯人よ!」と言われてしまった。(アラアラ、無実なのに)


そして2年後、その青年の死刑が決定して、今、まさに裁かれようとしているのだ。



この事件を追い続けていた女性キャスターの『シャロン』(ケイト・マルグルー)は、青年の無実を信じていて、テレビで懸命になって無実を訴えかけている。



だが、このシャロン、こともあろうか、この事件の当事者で、母親を殺されたジュリーの父親『スティーヴ』とも、もっか恋愛中だったのである。(また手近なところで)



こんなシャロンとスティーヴの娘ジュリーの間が上手くいくはずもなく………どうにも、こうにもギクシャクした関係が続いている。



そんなある日、ジュリーをつけ狙う異様な目付きの男が現れた。


この男こそ、本当の真犯人(リップ・トーン)なのだ。


真犯人は、ジュリーを誘拐しようと、隙をうかがっていたのである。



そんな場面に、たまたま居合わせたシャロン。



犯人は、「こうなりゃ、二人まとめて…」とシャロンとジュリーの二人ともを一緒に誘拐してしまった。



そして、二人が連れてこられたのは、ニューヨークは、グランド・セントラル駅の地下……工事途中で断念したのか、廃墟のような地中深い、光さえ届かないようなトンネルの中。


やっと目が覚めたジュリーと、シャロンは監禁されながらも、結託して脱出を試みようとする。


そんな暗闇で、もがく二人の遥か頭上では、無実の青年の死刑執行の時間が、刻々と迫っているのだった…………




確か、こんな話だったと思う。(なんせ遠い記憶で書いてるので。あんまり自信がない)



話の方は至って凡庸なんだけど、なぜか、この《地下トンネル》のくだりが、とても印象深く残っているのだ。


まるで迷宮のような地下のトンネルの中……



大都会の中心ニューヨーク、人で溢れかえっている場所で、「こんなに人気(ひとけ)がない場所があったのか…」と、当時、驚いた覚えがある。



主演のシャロン役のケイト・マルグルー(ビデオではケイト・マルグロウ)は、たぶんこれが映画デビュー作。


その後には、映画『レモ / 第1の挑戦』にも出演しております。(レモが後半に助け出すヒロイン、フレミング少佐役)



ただ、こんな若い時でも、ヒロインと呼ぶには、少しばかり躊躇してしまいそうな中堅オーラを放つケイト・マルグルーなんだけど( 失礼 (笑) )。



今、少し調べてみると、この映画の監督は、超有名な方で、あの!『13日の金曜日』の第1作目を作ったという、ショーン・S・カニンガムさんて方でした。(ホラー映画の神様みたいな方?ホラーに疎い自分は全く知らないけど)



そんな自分でも、『13日の金曜日』くらいは観たことありますし、残酷な描写やラストの恐怖は、当時、戦慄がはしるほどでございました。



へ~え、ほぉぉ~、そんな有名な監督だったとはねぇ~。(まぁ、それ以外では、あんまりパッとしないような気もするけど)



この『13日の金曜日』の後に作られたのが、ちょうど、この『誰かが見ている』だったらしい。


当時のフアンだった人達は、『13日の金曜日』並の恐怖を期待しすぎていて、肩透かしをくらった感じだったのかな。



比べれば、ごく地味なサイコ・キラー・サスペンスですもんね。


日本ではBlu-rayやDVDにもならずに、今に至っておりますし。(本国では、ちゃんとディスク化されております)



今、観ると面白いのか、どうなのか、多少自信はないのですが、DVDになればなったで記憶保管の為に、一度は観かえしてみたい作品だと思っております。


取り合えず星☆☆☆。


※それにしても、マイナーな映画やドラマの紹介に、このblogもどんどん変わってきてるなぁ~。(こんなの読む人いるのか?)


まぁ、『誰かが見てくれている』と信じて、ヘタクソな文章でも、ボチボチと書いていきますかね。