2021年11月5日金曜日

人物 「松尾嘉代」

 活動期間1959年〜1997年。




いつの頃から、パッタリ!その姿を見かけなくなってしまった 松尾嘉代(まつおかよ)さん。(昭和生まれしか知らんだろうな)


完全に女優を引退しちゃったんだろうか。


俳優、女優の引退って、なんか素っ気ない。


主役級の大物俳優なら「次の作品で最後にする!」なんて大見得を切れても、その下に位置するような俳優たちには、そんな機会も与えられず、人知れず静かにフェード・アウトしていく感じがする。



歌手のようにフアンの前で《サヨナラ・コンサート》も出来ない。


精一杯、映画やブラウン管で演技をして楽しませてくれても、そんなフアンの感謝の言葉なんてのも、中々、本人たちには伝わりにくいものなんじゃないかな。


インター・ネットも存在しないような大昔なんて特にそう思う。


俳優や女優さんにとっては、演技する事も、孤独な作業の繰り返しで、時には堪らない気持ちを、ずっと抱えていたんじゃないのかな……なんて、自分なんか勝手に想像してしまうのだ。



だが、こんな松尾嘉代さんが出演した数々の作品たちは、ちゃんと、この世に存在していて、残してくれてるのだから、少しは救いもあるか……。



とにかく、よく観ていた《土曜ワイド劇場》には、主役級から脇役まで幅広く、松尾嘉代さんが出ずっぱりの時期があった。



片平なぎさを『サスペンスの女王』なんて呼称で呼んでいたものだが、《真》の女王は、この人をおいて、後にも先にも存在しないと思っている。



悪女役から汚れ役、時には裸身さえいとわない妖艶な美女。

かと思えば、ケタケタと笑うような明るい主人公まで……なんせ幅が広いのだ。


そんな松尾嘉代さんの演技に魅了されて、土曜ワイド劇場に出ていれば、いつしか釘付けになって観ていたものである。



《土曜ワイド劇場》からは『整形復顔サスペンス』なんて4話入ったBOXが出ていて、その内の2篇に松尾嘉代さんは出演している。


『整形復顔未亡人』

『整形復顔 女流デザイナー殺人事件』。(『整形復顔』なんて今考えれば、スゲ~!タイトル)


でも、まだまだ、こんなもんじゃないはず。



森本レオとコンビをくんだ『密会の宿』シリーズ(全8作)もあるし、『女たちの華麗な闘い斗い)』シリーズだってあるはずなのだ。


特に『女たちの華麗な闘い(斗い)』のタイトルがつけられたモノは、今でも、たまにウズウズと観たくなってしまう。



●『女相続人の華やかな斗い! 看護婦が仕組んだ注射殺人 “婚姻届は知っている…”』(1985年)



●『アスレチッククラブ華麗な女の斗い スイミング・エアロビクス…女の園に紅い血が散る!』(1986年)



●『テニススクール 女たちの華麗な斗い!! 東京~南紀勝浦 豪華フェリー殺意の旅』(1989年)



●『マリンスポーツクラブ 女たちの華麗な闘い! 沖縄・久米島、さんご礁に殺意の罠』(1992年)


※コレ、ごく最近観ることが出来ました。

ラストに石田ゆり子と北詰友樹がモーターボートで去って行った後、松尾嘉代さんが一人残された砂浜で「チクショー!、チクショー!」と砂を握りしめながら叫び続けている。

そのまま海にズカズカ入ってくのが、なんとも印象的なドラマでした。(流石〜!)



●『ゴルフスクール 女たちの華麗な斗い 湯けむり山代温泉ツアーに殺意の影が忍びよる』(1993年)



病院、アスレチック・クラブ、テニス・スクール、マリン・スポーツ・クラブ(こんなクラブ、今もあるのか?)、ゴルフ・スクール………


このラインナップを見ただけで、まぁ楽しそうである。



女同士の戦いは、欲望を絡めた本音を隠して『裏の顔』で微笑みながら、陰で牙をむく……血みどろの戦い。(何となくニュアンス的には伝わるかしらん?土曜ワイド劇場的に言うなら、こんな感じである)



土曜ワイド劇場は、こんな功労者である松尾嘉代さんの為にも、

松尾嘉代  土曜ワイド劇場傑作選 DVD-BOX》を発売するべきである。


今だに出ていないのが不思議なくらいなんだから。


こんな私のようなマニアックな変わり者は、大勢いて、かならず需要はあるはずだなのだ。(言い切る)



最後に「あの頃の土曜ワイド劇場、カムバ〜ック!!」と、叫んで終わりたいと思う。(まぁ、無理か (笑) )


2021年11月4日木曜日

映画 「サバイバル・アイランド」

 2005年  アメリカ、イギリス、ルクセンブルク合作。





彼女こそ美の女神✨。


彼女こそ神が21世紀に創りだした最高傑作✨。


君はケリー・ブルックを見たか?!



…………のっけからゴメンなさい。


ここ最近、その存在を初めて知ったわけでして……(何事にも大袈裟になってしまうのがオッサンの悪い癖)


一目見て、その美貌とプロポーションに心臓バクバク。

B99 W63 H91……これぞ、まさにボン!キュッ!ボン!の完璧なスタイル。


顔も自分好みで、私なんかひと目で「惚れてもうたぁ~!♥️」次第である。(ああ単純)


こんな美の化身ケリー嬢を世の男たちが素通りできるはずもない。


なんと!彼女、あのジェイソン・ステイサムの元カノだったのである。


当時、ステイサムの方が彼女に首ったけでメロメロ状態。(だろうな~、分かる気がする)


でも、こんな人を彼女にしたなら、終始気が気じゃないだろうなぁ~。


案の定、悪い予感は当たって、二人はお別れすることになる💔


その原因が、この映画『サバイバル・アイランド』だったんじゃないのかぁ~?と、素人ながら推察してしまうのだ。




実業家の『ジャック』(ビリー・ゼイン)と妻の『ジェニファー』(ケリー・ブルック)は、船長や船員たちを従えた豪華ヨットで海原の上。クルージングで楽しんでいた。


だが、ヨットがちょいとした船員のボヤから大火事になり、大炎上。


命からがら、船員の『マニュエル』(ファン・パブロ・ディ・ペイス)とジェニファーは近くの無人島へと辿り着く。


しばらくして、夫のジャックも何とか無人島へ辿り着き、マニュアルの助けもあって無事に救助された。



「ありがとう……」最初こそ感謝の言葉をマニュエルに投げかけるジャックだが……この男のジェニファーを見る目つき……




(コイツは妻を狙っているんじゃないか?……)と疑心暗鬼になってくる。


もちろん、ジャックのその勘は当たっていて、ヨットの中でジャックとジェニファーが愛を営んでいる最中の《あの声》に聞き耳たてていたマニュエル。(「もう、辛抱たまらん!」って感じ)


無人島に漂着して、目の前には、眩しい肢体をさらけ出しているジェニファーが間近にいるのだ。


そうしてジャックが海にもぐって狩りをしている間に、マニュエルとジェニファーはとうとう………




こんな感じのサバイバル感なんて、全く薄〜い、エロティック全開のサスペンス映画が『サバイバル・アイランド』である。


冒頭に書いたように、ダダ漏れるセクシー感満載のケリー・ブルック嬢ゆえ、男二人が取り合いになるのも充分に分かる。


それにしても、「ここまでやっちゃっていいの?」って心配になるくらい、ケリー・ブルック嬢は大胆不敵。


ヨットの中では、ビリー・ゼインとの激しいシーン。


無人島についてからも、ファン・パブロ・ディ・ペイスと、波打ち際での大胆な濡れ場。(これぞ濡れ場って感じ)




この映画は、そんなケリー・ブルック嬢を愛でるためだけのモノなのでB級感アリアリでも、そんなモノは完全に無視しましょうね (笑)。



で、この映画がキッカケなのか、ケリー嬢は、なんと!ジェイソン・ステイサムを捨てて、ビリー・ゼインに乗り換えちゃうのだ。(エエーッ!)



ジェイソン・ステイサムを振るなんて……


それにしても、ハゲからハゲに乗り換えるなんて《ハゲ》た男がよっぽど好きなのかしらん?(笑)。(失礼!)


まぁ、現在じゃ、そのビリー・ゼインとも、とっくに別れて、他の男に鞍替えしてるらしいけど……。



美しき蝶は1箇所の花に留まっていられないのだ。


花から花へと渡り歩いていく。(決してハゲからハゲへじゃございませんよ (笑) )


映画は大甘で星☆☆☆。

男なら、1度はケリー・ブルック嬢の美貌や肢体をご覧あれ。(オススメ!)


2021年11月3日水曜日

映画 「夢の中の恐怖」

 1945年  イギリス。





建築家の『ウォルター・クレイグ』(マーヴィン・ジョンズ)は、ある屋敷の改装工事を頼まれた。


そして打ち合わせを兼ねて、初めて訪れた屋敷は、どこか見覚えのある場所。


さらに、出迎えてくれたフォークナー家の子息に案内されて屋敷の中に入って行くと、大広間に集まっている客たちにも全て見覚えがあるのだ。


「思い出した!私は夢の中で、この屋敷や貴方たち全員に会っているのです!」


「そんな馬鹿な!」


何人かは口々にそんな言葉を吐いたが、一人が「そういえば……私もクレイグさんのような不思議な体験をした事ありますよ」と言い出した。


「私もあるわ」と更に次の声も。


客の精神科医は、そんな話をまるで一介にしないのだが、他の者たちは、クレイグの夢の話に刺激されてか、それぞれ自分の身に起きた《不思議体験》を語りだすのだった………





こんな感じで始まる『夢の中の恐怖』である。


客たちの話が全部で5本……そう、コレも5話を繋げたオムニバス・ホラー映画となっております。


オムニバス自体、苦手なジャンルなので、当然つまづきながら観るだろうな、と思っていたら、1話1話が数分で終わる小話なので、思いの外サクサクっと観終われました。(ホッ)


第1話『死の運転手』。

負傷したレーサーの命拾いした不気味な体験談。(ラストは当時としては、けっこう大掛かり)


第2話『クリスマス・パーティー』。

ある広い屋敷のパーティーで、大勢集まった子供たちが隠れんぼして遊んでいると……隠れた部屋には見知らぬ男の子の姿が……。


第3話『お化け鏡』。

骨董品店で見つけた中古だが立派な鏡。女性は愛する恋人にプレゼントするのだが、……その鏡には見知らぬ情景が映し出される。

やがて、恋人の様子もドンドン変わっていき……いわく付きの鏡には御用心ってお話。



そうして、ジャジャアァ〜ン!




第4話『ゴルフ狂物語』。


あの『バルカン超特急』や『ミュンヘンへの夜行列車』で活躍した凸凹コンビ、ノーントン・ウェインベイジル・ラドフォードが、満を持して登場する。(このコンビ、私、大好きである。それにしても↑写真右のベイジルは、オッサンのくせに、なんか乙女チックで、この画像だけでも笑えてくる)


『ジョージ・パラット』(ベイジル)と『ラリー・ポッター』(ノーントン)は、二人とも美女の『メアリー・リー』にメロメロ。


メアリーの方も、どちらにも好意を持っていて一人に決められない様子だ。


「こうなりゃ、《ゴルフ》で決着をつけようじゃないか!勝った方がメアリーと結婚する!恨みっこなしだ!」


お互い同意して、結婚を賭けたゴルフ対決が始まるのだが………さて、軍配はどちらに挙がったのか?


勝ったのは『ジョージ』(ベイジル)の方。(ズルをして)


それを知らない『ラリー』(ノーントン)の方は(ガ~ン)大ショック!

ゴルフ場の沼に、そのまま入水自殺する。(ちょっと可哀想過ぎる)



さぁ、これで邪魔者はいなくなった。


晴れてジョージはメアリーと付き合いはじめ、ウキウキ気分だが………そこへ、なんと!幽霊の姿でラリーが、ひょっこり現れたのだ。(ゲゲッ!)


「何だ?お前は死んだはずだろう!今頃何の用なんだ?!」


「うるさい!天国に行って分かったんだ!お前ズルして勝っただろう?メアリーの事は諦めろ!じゃないと、こうやってお前の周りで一生まとわりついてやる!!」


「冗談じゃない!さっさと消えてくれ!!」


幽霊と人間の押し問答は延々続き、とうとうジョージも根負けしてきた。


「分かったよ、メアリーの事は諦める。だから、さっさと目の前から消えてくれ」


「最初から、そう素直ならいいんだ。じゃあな!」

ラリーは、後ろを向くと腕で十字をきったり、なんやかんや、妙なジェスチャーをしはじめた。


そして、「おっかしいなぁ~、こうだったっけか?」とブツブツ独り言を言っている。


「お前何をブツクサ言ってるんだ?」


「ヤバい!天国で教えてもらった《消え方》のジェスチャーを忘れてもうたぁーー!」


ぬあぁ〜にぃ〜?!


かくしてメアリーにこんな状況を説明できないジョージであるからして、結婚話はあれよあれよという間に、トントン拍子で進んでいく。


そうして、ジョージの横には、ジョージにしか見えない幽霊のラリーが、消える事もできず、常にチョロチョロしているのだった………。



ある意味、この4話が一番の異色作かも。


ノーントン・ウェインベイジル・ラドフォードの力もあるだろうが、笑える幽霊話なんてのを、ぶっこんでくるのも、また珍しい。(他の話が全部「怖がらせよう!怖がらせよう!」とするモノばかりなんですもん。俄然目立ってしまう)


贔屓かもしれないが、5話の内で私は一番コレが好きである。



そして、この映画『夢の中の恐怖』で、1番評価が高いのが、次の5話目。



第5話『腹話術の腹話術』。


『フレル』(マイケル・レッドグレーヴ)は、大人気の腹話術師。

人形『ヒューゴ』を操って、その人形のあまりにも巧みな話術は、連夜、観客たちを賑わせていた。


そんな同業者である『キー』が、たまたま舞台を観ていると、人形の『ヒューゴ』に気に入られて楽屋を訪ねる事に。


だが、操っていた『フレル』の方はというと、完全に無愛想な態度。


どっちも同じフレルの意志のはずなのに、訳のわからないキーは、とっとと追い出されてしまう。


フレルは二重人格なのか?


だが、操る人形の部分がしまいには肥大化していくと、最後には………



マイケル・レッドグレーヴの名演技で、とっても不気味な印象を残す一編である。


同じような腹話術師の映画『マジック』(1978年 / 主演アンソニー・ホプキンス)の方を先に観ていたせいか、何となく結末も予想していたら、やっぱりその通りでした。(こっちの方が年代的には先なので、『マジック』の方が、だいぶ影響をうけてるはずである)



こんな風に、客たちが奇妙な話を全て語り終えると、舞台はフォークナー家の広間に戻る。


だが、突然に広間は暗闇に包まれて、とんでもない結末へと流れこんでいく。


まるでメビウスの迷宮にのまれていくような……(けっこうインパクトのある結末なので、ここはボカしておこうと思う)



それにしても、それぞれ監督が違うのに、よくまとめてあるよ。


脚本がしっかりしているのか……まるで最後までブレる事もないんだから。(『ワンダとダイヤと優しい奴ら』で有名なチャールズ・クライトン監督も参加しておりますよ)



見た目で驚かすアメリカ映画とは、やっぱりひと味違う。


ホラー映画にしても、イギリス映画は、緻密な脚本、緻密な構成、緻密な計算で成り立っているのだ。(完璧で、少しのスキもない)


日本人も充分に几帳面なんだけど、ともすれば目移りして流されやすいのが日本人。


イギリス映画を観る時は、やはり襟を正せねば!ウン!


星☆☆☆☆。


2021年11月1日月曜日

ドラマ 「ガーゴイルズ 生きていた怪獣」

 1972年  アメリカ。




頭から突き出た鋭い角を持ち、鋭利な牙をたくわえた、この顔。


顔だけ見れば充分に怖そうだが、全身像になれば、(アララ……)途端にオマヌケさんに見えてしまう (笑) 。



この、《ガーゴイルズ》とは何ぞや???



そもそも『ガーゴイルズ』とは悪魔の末裔らしいのだが、はるか遠い昔に、神との闘いに敗れて、暗い地底へと逃れて細々と生活していた種族らしい。


やがて、地上には神に創られた人間たちが繁栄を築き始める。



だが、ガーゴイルズも黙っていない。


600年に1度の孵化(ふか)のタイミングで仲間が一挙に増えた時、地上を侵略しようとする…………のだけど、産まれたばかりのガーゴイルズに、『戦術』なんて知恵があるはずも無く、人間たちに、ことごとく粉砕されてしまう。(お馬鹿さん?(笑) )


ああ、憐れ、ガーゴイルズよ。


生き残った何匹かは、またもや地底の穴ぐらへ帰って隠匿生活。


不気味なビジュアルのインパクトで、地上では、その伝説だけが細々と語り継がれていく。


「チクショー!今にみておれよ!今度こそ侵略してやるぅーーー!」(by ガーゴイルズ怒りの決意)



………そうして、またもや長い時は流れて………



地上では20世紀をむかえた頃、ある親子がニューメキシコの砂漠を何時間もかけて、車をとばしていた。


運転しているのは『マーサー・ポリー博士』(コーネル・ワイルド)で、隣に座るのはピチピチギャルの一人娘『ダイアナ』(ジェニファー・ソルト)である。



ポリー博士は、悪魔研究で有名な著名人。


離婚した妻と暮らしている娘が、久しぶりに訪ねてくると、その娘を連れて取材先へと向かっているのだ。


悪魔に関する有力情報あり!』の手紙は、即座にポリーの好奇心を揺り動かしたようである。(こんな不気味な仕事じゃ離婚されてもしょうがないかも。それにしても若い娘がよく嫌がらないなぁ~)



そんな親子は、なんとか砂漠のド真ん中にある目的地『ウイリーおじさんの博物館』なるオンボロ小屋にたどり着いた。


「今まで誰にも見せた事がない……それをお見せしよう。その代わり、本が出版されればワシも権利を頂く」(がめついジジイ)


ウイリー老人は、二人を離れの納屋に連れていくと、厳重に中から鍵をする。


「陽が沈むと、この辺りは危ないんでね」


納屋の奥には天井から何かが吊られていて、布がかけられていた。


それを捲(めく)ると、そこに表れたのは……奇怪な角と翼がある《悪魔》のような骸骨標本。


「ハハ、素人が作ったにしては良く出来ているが………コレが見せたかったモノ? からかうのもいい加減にしてくれ!帰る!」


ポリー博士はプンプンしてドアに向かおうとする。


「待ってくれ!コレは本物なんだ!!この辺りには昔から妙な伝説があるんだ!」


ウイリー老人の懸命な叫びに、娘ダイアナも「話だけでも聞いてみれば?」と助太刀する。


ポリー博士も「ヤレヤレ……」と言いながら、なんとか思い直してとどまってくれた。



暗い納屋の中で、ダイアナが録音テープをセットすると、老人の口からは、ある言葉が流れ始めた。



ナカテカチンコ………」




ププッ。


老人が英語で何度もその言葉を連呼する度に、日本人の私なんかは、勝手に脳内変換されてしまい、妙に笑ってしまう。


ナカテカチンコ……ナカテカチンコ……』


決して卑猥な言葉ではないのでご勘弁を (笑) 。

コレ、この土地の先住民が悪魔につけた名前らしいのだ。



そんなウイリー老人が『ナカテカチンコ』を連呼していると突然納屋全体が揺れだし、悪魔の爪のようなモノが窓ガラスを打ち破って覗かせた。




ギャアアアーーーーッ、ギャアアーーーーーッ!!


納屋の外にまで広がるダイアナの絶叫。(こんな腹から声を出して力いっぱい叫ぶ大絶叫、久しぶりに聞いたわ (笑) )


柱は倒れて老人は下敷きになり、ランプの火はたちまち納屋全体に燃え広がる。


ポリー博士は、悪魔の骸骨標本の頭部だけを抱えて、娘ダイアナと命からがら納屋を脱出した。

それと同時に納屋は崩れ落ち、燃え盛る豪炎が包み込む。



二人は車に乗ると猛ダッシュで、暗闇の砂漠の道を走らせた。


だが、安心したのも束の間、走っている車の天井に、あの『ナカテカチンコ』が飛び移ってくる。


ギャアアアーーーーッ、ギャアアアーーーーッ!!(by ダイアナの絶叫芸)


ポリー博士は車を左右に振り回し、なんとか『ナカテカチンコ』を振り落とした。



そうして、しばらく車を走らせると、ようやっと見えてきたガソリンスタンドの灯り。


「車の修理を頼む!それと、この近くに泊まる所はあるかね?」


スタンドの従業員は無惨な車の状態に驚いたが、「隣りにモーテルがありますが……」と親切に教えてくれた。


親子はなんとか、未亡人が一人で経営しているモーテルの1室に落ち着いた。



二人は無事に『ナカテカチンコ』から逃げ延びる事ができたのか?


いや、いや、そう簡単に終わらないのが、世の常、人の常。


すっかり『ダイアナ』(ジェニファー・ソルト)の絶叫に聞き惚れてしまった💕悪魔は、ダイアナ目的で、どこまでも執拗に追いかけてくるのであった…………





こんなのが、『ガーゴイルズ』の序盤なのだけど、コレ、どうもテレビ映画として作られたみたいです。(『殺人ブルドーザー』といい、この時代、アメリカでも1時間半や2時間ドラマが大流行だったようだ)


日本でも放送された事があるようだが、多分1回きりだったのじゃないのかな?


それゆえ、知る人ぞ知るという幻の作品となっていたとか。(自分なんかこんなのがあった事さえ、最近まで全く知らなかった)


そんなのが近年、ひょっこりDVD化されるんだから、うかうかしてられませんよね。


『裸のジャングル』のコーネル・ワイルドの他の作品見たさで、たまたま、コレにぶち当たったんだけど、この『ガーゴイルズ』で、初めてジェニファー・ソルトの存在を知った次第である。



可愛いじゃないですか~💕


調べてみると、このお方、ブライアン・デ・パルマの『悪魔のシスター』なんて映画にも出ているらしい。(デ・パルマ映画が苦手なんで観てないけど、多分、ヒッチコック映画をドギつくしたようなホラー・サスペンスだろうと思う。『スーパーマン』のマーゴット・ギターも出ているとか)


この『ガーゴイルズ』でも、これだけの絶叫を見せてくれる彼女ですもん。きっと『悪魔のシスター』でも、腹から声を出す叫び芸があったりして。


そんな彼女、近年は女優をキッパリ辞めて、どうやら脚本家に転身なさったようである。(叫び疲れた? (笑) )




とにかく、そんなジェニファー・ソルトの絶叫に一瞬で惚れてしまった『ガーゴイルズ』の『ナカテカチンコ』さんは、とうとう拉致に成功する!




『ダイアナ』(ジェニファー)を抱えて、洞窟の洞穴へと連れ去ってしまうのである。



「娘がさらわれた!どうか、協力してくれ!!」


馬鹿な悪魔研究なんてのに、うつつを抜かしていたポリー博士も、やっと目が覚めたようだ。



地元警官二人に(頼りない)、不良のバイカーたちを助っ人に、ポリー博士はダイアナ奪還を目指す。(アレレ……ここに知った顔が。不良バイカーの中には、あの有名なスコット・グレン羊たちの沈黙)がいるじゃないですか!)



さぁ、夜の渓谷を舞台にして、人間VSガーゴイルズ、最後の死闘がはじまってゆく………




………まぁ、死闘と言っても、なにぶん当時のテレビ映画(ドラマ)なんで、だいぶハードルを下げてご覧あれ。



それにしても、不気味な姿の『ガーゴイルズ』が、一生懸命勉強して英語を話しだすと、怖さなんて微塵も無くなってしまうのは、ちょっと面白いかも。(「人間に勝つ為には勉強しなくては!」と、努力するなんて、悪魔も必死である)



その後も勉強を続けて、自分が人間から『ナカテカチンコ』なんて呼ばれていて、日本語も習得したなら、彼はどう思っただろうか?



顔を真っ赤にして、また洞穴へと帰っていっただろうか?


イジワルだが、聞いてみたい質問でもある(笑)。


星☆☆☆。


※《補足》歳をとってロマンス・グレーになったコーネル・ワイルド。


それでも肉体だけはキチンと管理していて、ご立派でございました。(モーテルの未亡人も誘ってくるはずだわ (納得) )