2019年3月11日月曜日

映画 「わたしは目撃者」

1971年 イタリア、フランス合作。






元新聞記者で、現在は盲目の老人『アルノ』(カール・マルデン)は、孫娘の幼い『ローリー』と二人暮らしだ。


まだ、7、8歳くらいだろうか……それでもローリーは、目の見えないアルノを介助して、あれこれと気づかいのできる優しい女の子である。


アルノも、盲目とはいえ他の感覚は研ぎ澄まされていて、大抵の事は自分でもできるし。




そんな二人はある夜、散歩に出かけた。(子供を夜に連れ出してはいけません (笑) )



二人がしばらく歩くと、アルノは近くの車の中で、誰かが言い争う声を耳にする。


ローリーに「ちょっと見てきなさい」というアルノ老人。(危ないんじゃねぇ?)



ローリーは、車のそばを通ると、即座に戻ってきた。


「一人は男の人だったけど、もう一人は分からなかったわ」


(なんて事はない、ただの痴話喧嘩かもしれないな……)


アルノの好奇心が一旦おさまると、二人はその場所を立ち去っていった。




その後、その側の研究所には、強盗が入り込んで、警備員を襲うという、ちょっとした事件が起こった。


《人の染色体を研究している》という特殊な、この施設では、責任者の『テルジ博士』が警察の職務質問をうけていた。


「特に取られたものはないようだが……」


他の研究員たちも、やっぱり同じ返事。(この辺り、誰が誰だか区別しにくい)



だが、その中で、研究員の一人『カラブレジ博士』だけが、なにやら様子がおかしいそうだ。




次の日、そのカラブレジは、恋人に会った後、他の誰かと待ち合わせなのか、駅のホームへとやってきた。



お目当ての人物がいないのか……ホームの人混みをキョロキョロと見渡している。



そんなホームへ、列車が入ってきた。


その時、誰かの手が、カラブレジを線路へ突き飛ばした。


そこへ偶然居合わせた新聞社のカメラマン。(ホント、偶然すぎやしないか?)



カラブレジが線路に落ちて、列車に轢かれる、まさに!決定的な瞬間を、カメラは連続でシャッターにおさめたのだった。(なんて悪趣味な)



あわれ、カラブレジは無惨な姿で轢死体なのだが、カメラマンは《特ダネ》をおさえて、嬉々としている。





翌朝には、その事件の記事が、大きな見出しで、写真と供に、ドドーン!と新聞に掲載されていたのだった。



その新聞を、あの幼い女の子『ローリー』が盲人の『アルノ』に読み聴かせている。



すると、ローリーが突然、叫んだのだ。


「あの男の人だわ!」

「昨日、車の中で言い争っていた人よ!」


「えっ?」


(偶然だろうか?昨日の男が無惨な死をとげたのは……)


元新聞記者だったアルノの好奇心が、ムクムクとアタマをもちあげはじめたのだった。





早速、アルノは幼いローリーを伴って、記事が書かれたという新聞社へとやってきた。


人の良さそうな担当者『ジョルダーニ』(ジェームズ・フランシスカス)は、アルノの話を聞くと、がぜん興味をもったようである。


「もしかすると…」

ジョルダーニは、新聞に掲載するときに、写真をサイズカットする事に気づいて、「ネガの中に《何か》が写りこんでいるかもしれない!」と言い出したのだ。



早速、カメラマンに電話してネガを確認してもらうと、


「写ってるぞ、確かに誰かの手がハッキリと!犯人が突き落としたんだ!」の好返事。


してやったり!



「今から、そこへ取りにいくから待っててくれ!」



だが、その時、自宅の現像室でカメラマンが、ネガを写真にやいているのを、不気味な目が、淡々と覗いていた。


そして、背後から近づくと、いきなり首を絞めあげて、鋭利なモノで切りつけてきたのだった。



そうして去っていく犯人。(まったく、どうやって犯人はカメラマンの住所まで調べあげたのかね……謎である)



ジョルダーニがやってくると、案の定、カメラマンは殺されていて、肝心のネガは奪われていた。


「やられたー!」

だが、もはや諦めきれないジョルダーニは、アルノ&ローリーと供に、真犯人を探そうとして行動はじめる。


(殺されたのは研究員の博士だ……あの研究所には何かあるのかも………)


どんどん事件の深みへとはまっていくのだが……






ダリオ・アルジェントの監督作品2作目である。



『サスペリアPART2』でも書いたが、皆様、お願いだからハードルを下げて、温かい目で観てやってほしい。(「何でやねん!」とツッコミをいれながら、観るのがアルジェント映画なのだから)



例によって突っ込みどころ満載の犯人の行動や殺し方に、怖さなんて微塵も感じないし、笑いさえ浮かんでくるのは不謹慎だろうか?(笑)



1作目の『歓びの毒牙』が上手くいって、「よし!2作目も!」と勢いこんで取り組んだアルジェント。


本格ミステリー映画を、本人は撮りたかったはずなのだ。



でも、どうしてこうなってしまうのか。



出だしは快調でも、この映画はドンドンおかしな方向へと流れてしまうのである。



本筋をそれて、どうでもいいようなシーンに時間をさいてしまうアルジェントの悪いクセが、モロに出てしまっているのだ。




その結果、真犯人が最後に現れても、


「誰だっけ?この人?!」になってしまったのである。(ありゃりゃ~、最悪)



(しまった!色々入れすぎて、犯人の描写を描くのを、すっかり忘れてしまっていた!)


完成した試写を観て、本人も即座に思ったのじゃないのかな?



ジョルダーニ役のジェームズ・フランシスカスが、研究施設のテルジ博士の養女『アンナ』(カトリーヌ・スパーク)と恋仲になったり、ベッドシーンがあったり。(これはこれで必要かも。カトリーヌの●●●●が拝めますし)


そんなシーンの連続で、映画は凸凹道を進んでしまって、肝心かなめの犯人描写を忘れてしまっていたアルジェントさん。(この映画、ちゃんと脚本はあったのだろうか? 何だか撮りながら、その場その場のノリで撮影したようにも思えてしまうのだけど)




ジェームズ・フランシスカス(新・猿の惑星)、

カール・マルデン(欲望という名の電車、助演男優賞受賞)、

カトリーヌ・スパーク(狂ったバカンス)


せっかく名優たちを集めたのに、ちと残念な仕上がりかもしれない。





だが、これがアルジェントでもあるしなぁ~。


やはり、自分は、こんな映画でも見捨てられないのだ。(分かってくだされ)


極甘の評価で、星☆☆。


けなす人が大多数だろうと思われる、この映画も《アルジェント・フアン》には、たまらなく愛しく思えるのだから、本当に稀な監督さんである。(かくいうワタクシも、その一人なのだ)


《謎解き》や《意外な犯人》なんていうミステリー映画の定石は、お願いだから期待しないでね。

2019年3月8日金曜日

映画 「スカイクレイパー」

2018年 アメリカ。







《スカイクレイパー》とは、摩天楼の意味だ。



その意味のように、香港中心部にそびえ立つ《ザ・パール》は、世界最長の長さ(約1キロ以上)を誇る超高層ビルである。


240階建てで、最上部には龍がうねったような奇抜なデザイン。

その龍が、象徴のパールを囲むようになっている。



外装は12万枚の耐火ガラス、銅製パネルで覆われ、耐風性、耐震性にも優れ、マグニチュード8にまで耐えられる設計となっているそうな。(とても頑丈そうには見えない。何かあればポキンッ!と折れそう)




10階ごとに防火避難室を用意して、警備も300人体勢。


最新のセキュリティー、このビルは《絶対の安全》の謳い文句を掲げているのである。




この建物を建てたのが大富豪で建築家の『ジャオ』(チン・ハン)なる人物。


いまや、世界一の資本大国になった中国には、不可能の文字はないのだ。


アメリカからも優秀な人材を引き抜く事だって楽勝なのである。





元FBIの部隊にいた『ウィル・ソーヤー』(ドウェイン・ジョンソン)は事故で左足を失い、義足となったが、今でも屈強なガタイをしている。(ハンデがあるとは、とても見えない)


その後、《危険防止管理システム》のエキスパートとなって、昔の同僚である『ベン』の口利きで、家族総出で、この香港にやってきたのだった。


仕事は、もちろん《ザ・パール》の危険防止管理の責任者。



ウィルは、見た目の屈強さと頭の良さを、一目で大富豪ジャオに気に入られる。


顔認証・声帯認証で《本人しか扱えない》という防災システムにアクセスするための特別なタブレットなんてのを与えられる。



完全なビル、完全な防災システム、完全な警備、それを扱うエキスパートたち……


全てが完璧のはずだった………………が、




やっぱり、そこは中国のビル!


案の定、簡単に、メンテナンス・スタッフに変装したテロリストたちの侵入を許してしまう。(どこが完璧? セキュリティーも警備もユルユル、ガバガバやんけ)


そうして大火災となるビル。(自動防火設備もないの?)



たまたま、ビルにやって来て、閉じ込められたウィルの妻『サラ』(ネーヴ・キャンベル)や二人の子供たち。



テロリストの包囲をぬけて、ゴリラ(失礼!)ウィルは、単身、家族を助け出す為に、燃え盛る《パール》に乗り込んでいくのだが……






すっかり超売れっ子になってしまったドウェイン・ジョンソン


ノリにノってるドウェイン様の映画は、次から次に公開されております。(「いったい、いつの間に、こんなに多く撮影してるの?」ってくらいバンバン出てくるドウェイン・ジョンソン映画。完全にお祭り状態である)


まぁ、どの映画も、筋肉モリモリのマッチョなドウェインが、なりふり構わず奮闘するアクションなんだけどさ。



この映画も、ご想像どおりの仕上がりになっております。



義足のハンデなんて、なんのその!


傷だらけになってもへっちゃらさ。

ガムテープをグルグル巻いて、パールの隣に建つ高い鉄柱を、スルスルよじ登っていくドウェイン。(キングコングかよ (笑))


その鉄柱にある巨大クレーンから《パール》めがけて、(ピョーン!)簡単に翔び移ったりする。(ヒェー!凄い身体能力である)




これで障害者なの? 健常者以上か、もしくはサイボーグだろ、これじゃ!(この義足の設定、本当に必要だったんだろうか)



この人間ばなれしたアクションは、まるで全盛期のシュワルツェネッガーを観るようである。(次のターミネーター、この人でいいんじゃないか?)


とにかく、この映画も、ドウェインが人間ばなれした荒業で、この苦難を簡単に乗り切って、敵をバッサバッサとやっつけるという、お馴染みのストーリーである。




『ワイルド・シングス』でネーヴ・キャンベルをこんな映画で久しぶりに見かけたのは、ちょっと嬉しかった。(こんな映画って失礼だけど)


45歳になり、薄化粧で美人さんになっているネーヴ・キャンベル。(自分にはそう見えた。若い時よりいいんじゃないの?)


二人の子供の母親役が案外似合っている。


うれしい再会、この調子で良い波にのって、今後も活躍してほしいものです。





それにしても最近のハリウッド映画、中国の参入が目立つなぁ。


『MEGザ・モンスター』もだが、中国の参入や資本がなければ、もはや大作映画を作れないほど、アメリカも困窮しているのかねぇ。


自分たちが選んだ、T大頭領の外交下手が、よもや、自国の経済不振を招き、その余波が映画界にまで及ぶとは。(日本も同じようなものであるのだが)



映画界も、しばらくは中国に歩みよりながら、やっていくしか生き残る道はないようである。




なんにせよ、お話自体は、重苦しくなく、サクサクと進んで、気分をリフレッシュするには、ちょうど良い映画なのは間違いないです。(なんせ、ドウェイン印の映画なので)

星☆☆☆。

2019年3月5日火曜日

ドラマ 「名探偵ポワロ」

1989年~2013年。







海外の本格派といわれる推理小説に、ものすごく凝っていて、片っ端から読んでいた時期があった。



ジョン・ディクスン・カー、

エラリー・クイーン、

クリスチアナ・ブランド、

A・A・ミルン、

イーデン・フィルポッツ、

ヘレン・マクロイ、

ヴァンダイン、

パット・マガーなどなど…。


気がつけば書棚には、そんな小説たちが、びっしり占領していた。


中でもアガサ・クリスティーの小説は長編、短編集全てを読破して持っていたと思う。


魅力ある登場人物たちの人物造形や、読みやすい文体、最後に散りばめられた複線を、見事!全て回収して行われる驚くべき謎解きに、心惹かれたものである。





『エルキュール・ポワロ』は33の長編と54の短編に登場する。


『オリエント急行殺人事件』でアルバート・フィニーが演じたポワロは、首をかしげていて、一見クールそうに見える。

早口でまくし立てて、矢継ぎ早に、自分の推理を展開する。



『ナイル殺人事件』、『地中海殺人事件』、『死海殺人事件』で、ピーター・ユスチノフが演じたポワロは、のんびりしていてユーモラスだが、ポワロってイメージからはだいぶ離れているような気もする。(映画は、それぞれ楽しかったけど)



原作から入った自分には、やはり少々、違和感もあり、「やはり、原作と実写は別物なのだ」なんて思いながら、自分を納得させたものだった。





だが、そこに、この『名探偵ポワロ』が現れた。



テレビシリーズとして、最初はポワロの短編から映像化するらしい。



本国イギリスの制作。

それ以前のジェレミー・ブレッドが演じたシャーロック・ホームズが素晴らしかった事を思うと俄然期待しないわけにはいかない。



そうして第1回から観はじめたのだが ……






これぞポワロ!

自分が思い描いたままのポワロが目の前に現れたのだ!




デヴィッド・スーシェ演じるポワロは、まさに原作から抜け出てきたようなポワロの姿だったのである。




頭部は少し薄いが、ピッチリ撫で付けられて少しの乱れもない。


太い弓なりの眉、キラリと光る目は、愛敬を見せながらも、隠れている知性を感じさせてくれる。



口髭は、カモメの羽のような形で先端がクルンとカールしている。



そして身に付けているものは上質なオーダーメイドのスーツ、ネクタイ、靴、金時計などなど …… どれも超一流の高級品。(ポワロはオシャレさんなのだ)




性格は、少しの歪みも気になる几帳面。それゆえ優れた観察力がある。


でもチャーミングなユーモアもほどほどにある。




祖国ベルギーを愛し、ベルギーを馬鹿にされると怒りまくる。


そして、


「ノンノン、モナミ(君)、ポワロは動き回りません。それは警察の仕事です。ポワロが使うのは《ココ》ですよ。」


と言って頭を指すと、


「灰色の脳細胞を働かせるのだよ、ヘイスティングス。」


なんて言いながら、相棒ヘイスティングスに微笑み語りかけるのだ。



まさにポワロらしいポワロじゃないだろうか。




このポワロに絡む人物に、気のいい友人のヘイスティングスはもとより、秘書のミス・レモン、警視庁のジャップ警部と、これまた魅力的な配役人たち。





1920~30年の時代背景、アールデコの雰囲気、街並み。




シーズン1が終わる頃には、その世界観にすっかりハマってしまいました。(個人的には長編小説よりも短編をドラマ化したモノは、全て良作揃いだと思っております)


中でも短編『スペイン櫃の秘密』は良く出来た映像化。ポワロ危機一髪!》





そうして、24年をかけて、全原作を映像するまでに、このシリーズは続いていった。




最後の作品、『カーテン』が放映された時は感無量。

よもや、ここまで映像化できるとは、始まった当初は、まったく想像できなかった。



何しろ、クリスティーが、旅行好きでもあった事があり、原作もイラクやエジプト、イスタンブールなど様々な国をまたがるのだ。(こんなドラマ化、莫大な制作費がかかり、日本では絶対に不可能だろう)



デヴィッド・スーシェも、それに合わせた体調管理など大変だっただろうが、それを支え、この聖典を完成させたスタッフたちにも脱帽する。


吹き替えの熊倉一雄さんも、高齢ながら、なんとか完走し、最後の『カーテン』を終えると、ホッとしたようにあの世へ旅立たれた。(ありがとう、熊倉一雄先生、素晴らしい遺産をありがとう!)



ジェレミー・ブレッドが無念にも途中、鬼籍となり、ホームズの聖典を完成できなかった事を考えると、デヴィッド・スーシェと吹き替えの熊倉一雄さんが成し遂げた偉業は、驚異的であり、これからも後世に伝えていきたいものである。




この後、どんな人がポワロを演じようと、

自分の中では、これから先も『名探偵ポワロ』こそ、「これぞポワロ!」なのである。


星☆☆☆☆☆。


2019年3月2日土曜日

ドラマ 「ダメージ」

2007年~2012年。






海外ドラマでも、珍しく途中打ちきりにもならず、ストーリーも破綻もせずに無事に着地、完結した作品。(こういう事が、本当に多いので海外ドラマ自体に、手をだすことが、ここ最近は、めっきり減ってしまった。)


ロー・スクールを優秀な成績で卒業した新人弁護士の『エレン・パーソンズ』(ローズ・バーン)の前途は揚々としていた。


おまけに私生活でもインターンの医師『デーヴィド・コナー』(ノア・ビーン)とも婚約中。




ニューヨークでも大手の弁護士事務所にも誘われていた。



「おめでとう、エレン。君はきっと成功するよ」

弁護士事務所の協同責任者『ホリス・ナイ』(フィリップ・ボスコ)は、太鼓判を押すように褒め称えた。




だが、エレンが「スミマセンが、ご返事は後日でよろしいでしょうか…?」と言うと、怪訝な顔を隠さなかった。




「……実は、ヒューズ弁護士事務所からも誘われていまして…」


「パティ・ヒューズの?」



しばらく黙っていた面接官やナイは、


「なぜ早目に言ってくれなかったのかね、エレン?」

と言うと、この話はなかった事にでもするような様子で、履歴書をたたむと「おめでとう」とだけ言った。




ただナイの言った最後の言葉がエレンの印象に残った。


「エレン、君は優秀だ。パティは絶対に君を気に入るだろう。そして、
手にいれたら最後、決して君を手放さないだろう。」と……。



その言い方は丁寧で優しいが、何故か、裏に何があるのかと含みを持たせてもいて、エレンの心に、わけの分からない影をおとした。




『パティヒューズ』(グレン・クローズ)……決して妥協を許さず、「勝つ」ためには、犠牲さえもいとわない鋼の精神を持つ女性弁護士。




パティは、もっか大富豪『フロビシャー』(テッド・ダンソン)を相手に集団訴訟の真っ最中だった。


ヒューズ弁護士事務所では、パティの長年の部下『トム・シェイズ』(テイト・ドノヴァン)や皆が、訴訟の為の準備集めにピリピリしている。



そんな忙しさに追われながらトムが、

「そういえば、エレン・パーソンズですが、面接を断ってきました」

とパティに報告してきた。




「断った??」パティの顔色が一瞬で険しくなる。


「なんでもその日は、姉の結婚式があるとかで…」


厳しい顔のパティは、「……分かってない…」とつぶやいた。

「えっ?」


「全然分かってないのよ。人生で何を優先するべきかを…」

パティは、まるで愚か者の愚行でもあるように、冷たく言い放ったのだった。




そして姉の結婚式の日。



エレンは婚約者のデーヴィドや愛しい家族、友達に囲まれて幸せだった。




そこにパティ・ヒューズが、いきなり現れた。


有名弁護士で、もっか忙しいパティが…。




いきなりの来訪にバツが悪いエレンは、

「…あの、ヒューズさん、スミマセンでした。面接の事……」と、シドロモドロに言うしかなかった。


「いいのよ」パティが笑顔で応える。



そして、「採用よ」と続けた。


エレンは驚いているが、パティは気にせず、それだけを言うと帰っていった。




あまりの事に、夢心地のエレン。


エレンは知らない……パティ・ヒューズがどんな人間かを……自分の利益になるかならないか、頭の中で、素早く損得勘定のそろばんを弾いている事を……。






このドラマ、シーズン5まで続き、各シーズンごとに取り扱う事件が、それぞれ違うが、非情の弁護士パティ・ヒューズと、このエレン・パーソンズの関係が主軸になっている。




何事も「勝つ」為には揺るがない精神のパティ。


パティが通り抜けた道には草1本だって残らないんじゃないか、というくらい非情である。





エレン・パーソンズは、そんなパティと関わったばかりに、翻弄されて、大切な人をなくし、変わらざるおえなくなっていく。


弱気な素顔に強気の仮面をかぶり、パティに追いつき、欺き、対立したりする。




だが、こんな水と油のような二人だが、時には、共通の「悪」を倒す為なら共闘もしていく。



この二人の人間ドラマにまんまとドハマリして、シーズン5まで全59話は夢中で観たものだ。




それにしても流石グレン・クローズ。

このドラマでも色々な顔をみせてくれる。




この第1話でも、後半、長年のパートナーだったトム・シェイズを簡単に切り捨てる。




「クビよ」(怖~)




四の五の言うトムを、車から放り出す。




「さっさと出ていきなさい!! 出ていきなさい!!🔥🔥🔥」(怖い、怖い、怖い~)





このグレン・クローズの演じるパティ見たさにずっと続けて観ていたようなものだ。





アカデミー賞、いつかグレン・クローズにとらせてあげたいなぁ〜。


名女優だと思うのだが……


「危険な情事」、「白と黒のナイフ」、「ステップフォード・ワイフ」、「アルバート氏の人生」などなど…ほんとうに傑作多いんですけどね。


星☆☆☆☆☆をつけときますね。オススメ!




※それにしても、自分って、迫力のある怖い女性が好きなのだろうか?


自分の中のマゾ的な趣向に、ブログを書きながら気づくとは……御粗末。