1200人を乗せた大型豪華客船『ブリタニック号』が、揚々と出港した。
乗客たちは、豪華客船の中で、食事を楽しみ、ゲームをして、催し物を楽しむ。
だが、次第に海は荒れはじめ、悪天候の様相。
船長の『アレックス・ブルネル』(オマー・シャリフ)に機関室から連絡が入った。
「なんだか訳の分からないドラム缶が、置いてあります」
ブルネルは、何の気なしに命令した。
「片付けておけ!」と。
同じ時刻、ロンドンで家族と過ごしていたブリタニック号の船主『ニコラス・ポーター』(イアン・ホルム)の自宅に電話がかかってきた。
「わたしは《ジャガーノート》。ブリタニック号に7つの混合爆薬を仕掛けた。精密な仕掛けの爆薬はタイマー式で、翌朝に爆発するようにセットされている。無理に解除しようとすれば1200人は、木っ端微塵だ! 爆弾解除はこの私しか出来ない」
「いったい何が目的なんだ!」
ニコラスが言うと、《ジャガーノート》は、解除方法を教える見返りとして50万ポンドの金額を要求してきた。(結局、金目的かよ)
ニコラスは、このいきなりの電話を本当かどうか疑った。
それが電話の向こうの《ジャガーノート》にも伝わったのか、《ジャガーノート》は続けてこう言う。
「今から、その証拠に一つの爆弾を爆発させる。死人が出ない事を願うよ」
《ジャガーノート》はそれだけ言うと電話は突然ブツリときれた。
同じ時刻、ブリタニック号の甲板では、ドガーーン!爆発が起きた。
船員が、その爆風に吹き飛ばされて怪我をおう。
犯人は本気なのだ!
ニコラスは警察に連絡した。
この事件は、政府、イギリス海軍、警察の三つ巴の連携であたる事になった。
「決して、我々はテロには屈しない!」
政府関係者の意見は、これに全員一致して、断固としてテロリストに立ち向かう姿勢である。
早速、政府は爆弾処理のエキスパート『ファロン』(リチャード・ハリス)率いるチームに、爆弾処理を依頼した。
ファロンたちチームは、荒れ狂う海に漂う《ブリタニック号》に向けて、ヘリで出発する。
一方、スコットランドヤードの警視、『マクロード』(アンソニー・ホプキンス)は、特別捜査班を率いて、爆弾設計のプロを何人かリストアップして、容疑者を絞り出すよう動きだした。
時は刻々と進んでいく………。
《爆弾魔》モノってジャンルがあるなら、この映画は、その元祖にあたるんじゃないかな。
かくいう私、この映画の事は、昔から大体の筋書は知っていたのだが、観たのは今回初めて。
あまりにも、この映画のラストが、あちこちのメディアでパクられていたり、パロディー化されていたりして、観る気を削がれてしまった感もあり、今日までに至ったわけである。
前回の『ジェット・ローラー・コースター』に少し失望してしまって、ならば、このジャンルのメジャーな作品を!と手にとったのだが……。
観た感想、まぁ、面白かったです。
でも今、観ると、ちと古さも感じるかな。
勘違いしていた部分もあって、映画のタイトルの『ジャガーノート』がてっきり船の名前だと思っていたのに、犯人の名称だったとは…。
《ジャガーノート》の意味は、止めることの出来ない巨大な力、圧倒的な破壊力。
自分の爆弾技術に絶対の自信を持つ犯人が、名乗るのも分かるような気がする。
後、この映画も、けっこう有名どころの俳優さんたちが出ていて、それについてもチョコチョコ書いてみたいと思う。
リチャード・ハリスといえば、ハリーポッターの初代ダンブルドア校長が、有名だが、この『ジャガーノート』を観て思ったのだが……
…………ふ、老けてる。(この人って、昔からお爺さん顔だったんですね)
多分、この時で44歳くらいのはずだが、……額は皺が何重にも重なり、法令線も深く刻まれていて、この時から、もうお爺さん。
この映画では、その老けた顔に反比例して、ビートルズのようなオカッパ頭をしているが、全然似合ってない!!
まるで修道士みたいにしか見えない!(ちょっと!主人公なんだからさ、ちゃんとしたスタイリストはいなかったのかなぁ~)
と、いちいち突っ込みたくなるような風貌である。
アラブ人らしく、このお方も1度見たら忘れられないくらい濃い顔の持ち主。
太い眉、デカイ目、デカイ鼻、デカイ口髭、デカイ口、そしてとどめにデカイ歯はスキッ歯。(顔が画面から迫ってくるように思えるほどインパクト大!)
この人が出てくると、お正月の獅子舞を思い出すのは、何故なんだろう…(笑)
イアン・ホルムは『フィフス・エレメント』の神父役が有名か……。
前述の二人の顔インパクトが強すぎて、この映画では、ごくごく普通の中年のオジサンに見えてくる。
さすがに若い!若いホプキンスの姿なんて新鮮だ!
だが、この映画では同系統の顔で似ているデヴィッド・ヘミングスも出ていて区別しにくかった。
若い分、まだまだ眠れる個性を隠しているっていったところか。
前途有望な筈なのに、犯人の仕掛けたブービー・トラップにまんまと引っ掛かり、あえなく爆死してしまう。合掌!(ホプキンスと顔が似ているから、早々に殺されてしまったのかな?)
と、まぁ、色々、言いたい放題書いてみたが(ほとんどが顔の事ばかりだが…)俳優たちは、いずれも名優と言われる方々ばかりを揃えていて、緊張感の引っ張り方は最後まで、流石である。
例のラストシーン、爆弾に仕掛けられたトラップ。
「赤か?青か? どちらの導線を切れば助かる?!」
なんてのは、どんだけ、いろんなところで模倣されただろうか……。
自分が覚えているのでも、『古畑任三郎』、『キャッツ・アイ』、『パトレイバー』等々……枚挙にない。
とすれば、この映画の与えた影響って『ジャガーノート』って名前のごとく、圧倒的な破壊力だったんだろうな、当時は。
さまざまなネタ元として、観る価値あり。
星☆☆☆。
※それにしても、野郎とオッサンばっかりの絵面は、あんまり美しいもんじゃないなぁ~ (笑)