2014~2015年。
《エジプト カイロの風景》
そして、いよいよ、第3部「スターダスト・クルセイダース」である。(全48話)
なんだ、これは?!
凄い!
カッコいい!
痺れた!!
そう、そう、こんな「ジョジョ」を自分は見たかったのだ!待っていたのだ!!
第3部からは、『スタンド』が登場する。
『スタンド』とは、特別な力を持ったヴィジョンであり、その力を持った者のそばに現れる守護霊みたいな存在。
個人の特性により、様々な能力をもち、その形も人間に近いものから、動物のような形、無機質なものまでと千差万別。
第1部で、石仮面により吸血鬼となったディオはジョナサンとの対決で敗れはしたものの、頭部だけの存在になっていたが、それでも死なず生きつづけていた。
そして100年後、復活したディオは、ジョナサンの首から下の肉体を乗っ取った。
そして、エジプトに渡ると、エンヤという老婆から貰った『弓』と『矢』でスタンド能力を手に入れる。(『矢』に射ぬかれるとスタンド能力が表れるのだ)
首から上はディオでも、肉体はジョナサン・ジョースター。
当然、ジョナサンの子孫たちにも、その影響が出始めた。
ジョナサンの孫で、年老いたジョセフ。
その娘ホリー。
そして、そのホリーが日本で結婚して産まれた高校生の空条承太郎にも、次々と『スタンド能力』が表れる。
だが、『スタンド』を操るには強い精神力が伴い、制御できなければ、『スタンド』が自らの肉体を滅ぼすこともある。
もともと、穏やかな性格のホリーには、『スタンド能力』は仇となり、高熱を発して倒れこんでしまう。
このままだと、次第に衰弱して死を待つばかり。
ホリーを救うには、元凶のディオを探しだし倒さなければならない!
かくして、ジョセフと承太郎は、同じスタンド使いで仲間になった、アヴドゥル、花京院と共に、遥か彼方エジプトにいるディオを倒すために旅立つのだった。
…………って、いうのが第3部のストーリーなのだが……
最初、これを見たとき、よくこんな事を思いついたものだ!とひたすら感心した覚えがある。
『スタンド』なんてのを思いついただけでも、コロンブスの卵を見つけたような発見と同じじゃないだろうか。
この形は、その後、色々なメディアに影響を与え、『ポケモン』なんてのも、形さえ違えど、この「ジョジョ」の『スタンド』に影響を受けているのはあきらかである。
この魅力的な『スタンド』とメインの登場人物だけでも、ここに少しばかり記しておきたいと思う。
●空条承太郎…主人公で高校生の『スタンド』使い。
長い丈の学ランに鎖をつけたり、バッジを色々つけてみたりと、不良だが、人一倍、こだわりのお洒落に気を使う高校生である。(まぁ、どんどんシリーズごとに凄い格好の人物たちが、次々出てくると、こんな格好でも、後半、地味に見えてくるのだが)
髪の毛と学帽の境が分からないのが、これまた特徴的。
スタンドは、人のかたちをしていて、強烈な連打を放つ近距離パワー型で、スタンド名は『スタープラチナ』。
「オラ!、オラ!、オラ!………」の掛け声と共に、くりだされる鉄拳のスピードは凄まじく、どんな敵もそれに捕まれば防ぎようもないくらいである。
やがて、そのスピードは時間さえも越えて、数秒なら時を止める事さえ可能となっていく。
後、指だけが鋭利に伸びて切り裂く『スターフィンガー』なんて技も兼ね備えている。(便利な技だけど、なんだかAV男優のフィンガー・テクニックを想像させてしまう。妙にエロい技 (笑) )
●ジョセフ・ジョースター……60代のアメリカ人で、ジョナサンの孫、承太郎の祖父。
そして第2部の主人公。
アメリカ人らしく、ノーテンキで大雑把な性格だが、イカサマも得意中の得意。
『波紋』も使えれば、『スタンド』も使えるという、ある意味便利なお方である。
スタンドは、茨のツルのような形を腕から出す、『ハーミット・パープル』。
最初は、それをポラロイドカメラに巻き付けて念写をするくらいだったが、TVに接続して、予言映像なんてのも映し出せるようになってくる。
茨のツルは、伸ばしてロープがわりに使ったり、巻き付けて引き裂いたりと攻撃にも最適。
そして、そのツルに『波紋』を流す事も出来ちゃう。
2部と3部の橋渡し的な役割を、この人が担っているんじゃないだろうか。
●モハメド・アヴドゥル……ジョセフの友人でエジプトの占い師兼スタンド使い。
鳥の顔のスタンド『マジシャンズ・レッド』で炎を自在に扱うのだが、そんなものより、本人の方がインパクト大。
濃い顔にねじれたターバン、でかいコイン状の連なった耳飾り。
髪型は、頭に何十本もの『鉄火巻』が、刺さっているような奇抜なヘアスタイル。
その姿は、とても20代に見えず、大勢の群集の中でも、ひときわ目を引くこと、間違いないのである。
●花京院典明……ディオに『肉の芽』なる伸びる触手を脳髄に打ち込まれ、操り人形となり、刺客として承太郎を狙うが、呆気なく玉砕。
そして『肉の芽』が取り除かれると、人が変わったようになり、旅に同行する。
学ランはキチンと着こなしているが、赤い髪からは、特別に、異常に長いうねった髪の毛が伸びている。
後、変なブラブラするチェリーのような耳飾り?をしている。
スタンドは、『ハイエロファント・グリーン』。
人の形をしているが、自在に伸びたり、液体になったりできる緑色のスライムのような、つかみどころのないスタンド。
両手の平を合わせて、そこから、「エメラルド・スプラッシュ」なる液体なのか?宝石なのか?わけの分からない攻撃を繰り出すのが必殺技である。(本当に敵に対して効いているの?と思うのだが、なにしろ、どんな成分が混じっているのか分からないので……………とりあえずは効いているんだろう、と推測される)
●ジャン=ピエール・ポルナレフ………花京院のように、これまた、『肉の芽』により刺客として送り込まれたスタンド使い。
こちらも呆気なく、今度はアヴドゥルに玉砕されてしまう。
『肉の芽』が取り除かれると、途端にこちらはコメディーリリーフとなり、旅の盛り上げ役として承太郎たちに同行する。
『シルバー・チャリオッツ』なる甲冑を着こんで、剣を操るスタンドを繰り出すのだが、こちらもスタンドより本人の方がインパクト大。
長い銀髪を『トーテン・ポール』のように高く固めて切り揃えた髪型は特徴的。
ハートを割って、それぞれを紐で結んだ耳飾りを両方の耳にしている。(まぁ、全員イヤリングが大好きな一行である)
胸まで隠れる黒いシャツは半分だけ肩がけ。(だから敵に攻撃されると、いつも血だらけになりやすい)
と、まぁ、こんな個性豊かな面々たちが、そろい、集まり旅をしていくわけだ。
次々と放たれる刺客たちを、知恵と勇気で倒していき、仲間との友情を育みながら、宿敵ディオを倒すために、遥か遠いエジプトを目指して進んでいくのである。
この3部、魅力的なストーリー展開もさることながら、アニメの出来栄えはシリーズで今のところ一番。
最後の最後まで一定のレベルを保ち、作画が崩れる事もなく、ものすごいクオリティで描かれている。
観たときは、それにビックリしたし、感動すら覚えたくらいだった。
それくらい制作に関わったスタッフたちの情熱や『ジョジョ愛』が強い作品だったといえるのではないだろうか。
そして、この3部の出来栄えは、高く評価されて、瞬く間に世間へ知れ渡り、一躍、この『ジョジョ』という作品をメジャーなものへと押し上げていく。
そして、ジョジョへの関心は最高潮となり、それまで見たこともない一般の人々まで知る事となり、知名度も一気に増えたのだった。
やっと、やっと世間に認知されるようになったジョジョ。自分の事のように嬉しく思ったものである。
文句なしの星☆☆☆☆☆をつけさせて頂きます。
そして、
そして、
なにをかくそう、白状すると自分、原作者の荒木飛呂彦と同じ誕生日、6月7日生まれなのである。
それゆえ、近年の、このジョジョブームには、嬉しさは人一倍なのであった。
いずれ、4部の事も書くつもり。
長いダラダラした文章に、最後まで読んでくれた方、ありがとうございました。(あ〜エジプトに行ってみたいなぁ〜)
《ポルナレフが闘ったコム・オンボ神殿》