2016~2017年。
《杜王町のモデルになった宮城県仙台市》
そして、4部である。
まさか、始まった当初は、ここまでのアニメ化は、まったく視野には入っていなかったんじゃないだろうか。
それくらい3部の成功は大きかったのだ。
3部の成功は、はずみをつけて、すぐさま、トントン拍子で4部の制作が決定する。
それでも、多少、制作期間が足りなかったのか……作画が……。
私自身は、観ていてそれほどとは、思わなかったのだが、原作フアンや3部のクオリティと同じものを求めていた人々からは、この4部のアニメ化の出来栄えには厳しい意見もあったらしい。
特に、スタンド『キラー・クイーン』の初登場シーンでは、あまりの大雑把な作画に、『作画崩壊』とまで叩かれて、ネットでは大荒れした。(まぁ、言いたい事も分かるけど……。見た目、全然怖くない『キラー・クイーン』だもんね)
昨今のアニメの制作事情からすれば、これもやむを得ないかもしれない。
年間に制作される膨大なアニメの本数に対して、制作スタッフの数が圧倒的に足りないのだ。
薄給のスタッフたちは、他のアニメとの掛け持ちは当たり前。
長時間で働かせられて、人が倒れるような過酷すぎる現場を知れば、それも仕方のない事かもしれない。(むしろ3部の出来が驚異すぎたのかも)
そんな色々あった4部であるが、自分は、これはこれとして楽しんで観てました。
4部の舞台は、日本の架空の町、杜王町。
エジプトのディオとの壮絶な闘いから10年が経ち、ジョセフも79歳、孫の承太郎も28歳になっていた。
28歳になれば、『オラ!、オラ!』とオラついてばかりもいられない。
格好は相変わらずの奇抜なファッションだが、アメリカで海洋学者になり、それ相応の落ち着きと経験を身につけていた。
そんな承太郎だが、数年ぶりに、再び日本へと来ることになる。
しかも、まったく来た事もゆかりもない、この『杜王町』に。
それは、その昔、ジョセフが日本人女性と浮気をして、産まれた隠し子『東方仗助』に会う為だった。
丈助への遺産相続の話を伝える用件もあったが、理由はそればかりではない。
ジョセフの念写で、不吉な黒い影を、この『杜王町』に見たのだった。
もう、さすがにヨレヨレのジョセフを来させるわけにもいかず、孫の承太郎に白羽の矢が立ったのだが……。
それでも、承太郎の言葉を借りれば「やれやれだぜ…」っと言ったところか。
そして、偶然見つけ出し、出会った『仗助』とは…………。
この4部では、この『東方仗助』が主人公。
そして、全部は無理だが(なにしろ4部はその数が多い)、その仲間たちの事を、いつものように、チョコチョコ書いてみたいと思う。
●東方仗助……ハンバーグを頭に乗せているような、巨大なリーゼントヘアと、学ランの前をおもいっきり開けて、車輪のような形やハートのバッジで留めている。(こんな高校生、昔も今も見たことない!ジョジョの世界観だからこそ、通用するファッションである。)
こんな独特な身なりをしていても、根は人好きのする優しい不良。
その証拠に、杜王町で闘ったり、知り合ったスタンド使いたちとは、一部の凶悪な犯罪者を除いて、ほとんどが『ダチ』になる。(※岸辺露伴を除いて)
中でも、虹村億泰とは、何もかも、よっぽど気が合うのか大親友といっていいほどの仲になった。
こんな仗助の性質ゆえか、スタンドは、人の形をしていて拳の連打で、物を治す事ができる『クレイジー・ダイヤモンド』。
ただ、仗助の感情や気持ちしだいによっては、変異的、異物的な形へと『治す』。(これを『治す』といってよいのかどうか?)
変わったスタンドである。(ただし、自分の怪我は治せない)
●虹村億泰………『肉の芽』を埋め込まれていた父親が、ディオの死により、不死の醜い化け物となる。
兄の形兆は、そんな父親を憐れに思い、楽に殺してくれるスタンド使いを産み出そうとして、『弓』と『矢』を使って、杜王町にて、誰彼お構いなしにスタンド使いを増やしていった。(『矢』に刺さって、相手が死んでもお構いなしの非情な兄)
結果、兄は自業自得もあるが、自らが産み出したスタンド使いによって殺されてしまう。
そんな兄の言うなりに、ずっと行動していたが、仗助と出会い、助けられて改心した。
兄が死んだ後も、杜王町にとどまり、異形の父親と二人で暮らしている。
だが、こんなハードな境遇でも、本人には、まったく暗い影は見当たらない。
なにしろ「考えるのが苦手で、考えすぎると頭が痛くなる」らしい。
顔面一杯に『×』の傷跡がある。(まるで、念押しのようにダメダメの烙印をされているように見えるのだが)
仗助とよっぽど気が合うのか、毎日一緒に登校して、ほとんどの時間を一緒に過ごしている。
スタンドは『ザ・ハンド』というもので、何でも削り取る。
削り取ったものはどこへ行くのか本人も分からない。(なんせ考えると頭が痛くなるので)
●広瀬康一 ……仗助や億泰と同じ高校1年生………なのだが、とてもとても、そんな風には見えない低身長。
何しろ仗助や億泰たちの腰くらいしか身長がないので、そばにいればポケモンにしか見えない。
性格は穏やかで真面目、でも勉強はあんまり得意じゃない。身長以外は、ごくごく普通の高校生。
そんな低身長の見た目が、他の人にはマスコットのように見えるのか、皆がガードを緩めて愛されている。
仗助や億泰たちは、もちろんだが、あのハードボイルドを気取った承太郎にも「康一くん、康一くん」と目をかけられて、なぜか?可愛がられる。(トホホ……承太郎よ……)
偏屈な漫画家、岸辺露伴もイチコロで虜になってしまった。
同級生の由花子には、(殺したいほど?)狂信的な愛情で、愛されている。
形兆が放った『矢』で、『エコーズ』という、珍しくACT.1~3へと、徐々に進化していくスタンドを手に入れたが、スタンド能力よりも、この誰でも虜にしてしまい、愛される方が異常な能力なんじゃないだろうか。
エコーズ=「愛をください!」、って歌が、今にも聞こえてきそうである。
●岸辺露伴 ……売れっ子漫画家。漫画の鬼。下書きもせずに、超スピードでペン入れして原稿を、あっという間に完成させてしまう。(ある意味、漫画家の理想の形)
漫画のネタになるためならと、貪欲に資料集めもする。
そんな貪欲さが、『ヘブンズ・ドア』なる、人間を本にしてしまうスタンドを発現させた。
それまでの人間の過去を、ページをめくるように文章で見たり、書き加えたりする事ができる、異色のスタンドである。
初登場時には、鼻持ちならない性格ゆえに、仗助にコテンパンにボッコボコに殴られて、数ヶ月の漫画の休載にまで追いやられる。
それ以後も、仗助に、うまくカモにされては、大金をせしめられて、挙げ句は家まで燃やされてしまう。
一本気な性格ゆえに、周りが見えなくなるくらい熱くなりやすいのが仇となり、今、1歩のところで仗助には歯が立たない。
それゆえに仗助が大嫌い。
でも康一は好きなので、渋々、協力する。
と、まぁ、こんな面々がわんさと出てくる4部なのだ。
まだまだ、魅力的なキャラクターや仲間が、次々、登場してきては仗助たちの仲間になっていく。
そして、後半、仗助たちは、町で快楽殺人を繰り返す『吉良吉影』なる人物に行き着き、そして対戦する事になるのだが………。
でも、悲しいかな……。
多勢に無勢。
吉良がどんなに強い悪党でも、この集団に勝てる見込みは、途中から、ないような気がしてきてしまった。
あまりにも、仗助の仲間を増やしすぎたかもしれない。
そんな反省もあってか、5部では、その点を考えながら、だいぶ抑えられている。
それでも、この4部、日常の中で、「こんな便利なスタンドがあればなぁ~」と思わせるスタンドが盛りだくさん。
魅力的なスタンドの数に星☆☆☆☆をつけたくなる気持ち、分かってもらいたいと思います。