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2023年7月5日水曜日

ドラマ 「《密会の宿》シリーズ 」

 1984年〜1993年。(土曜ワイド劇場より〜 全8作)




東京は新宿某所にあるという、連れ込み旅館《くわの》。


亡夫が残してくれた遺産ともいうべき、この旅館を一生懸命切り盛りするのが、美人女将・『桑野厚子』(松尾嘉代)である。


そんな《くわの》に居候を決めこんでいるのが亡夫の会社の後輩だった『久保隆』(森本レオ)だ。


目下、ノンフィクション大賞を目指し、コツコツ小説を書いてる日々なのだが …… この小説、いつになったら完成するのやら ……


暇さえあれば、旅館に泊まりにきた男女の営みを、秘密の隠し穴からこっそり覗き見👁️して楽しんでいるのだ。(亡夫もとんでもない仕掛けを作ったものよ)


「また覗いてる!」

厚子に咎められて、そそくさと小説を書くふりをはじめる隆。

そんな隆に呆れながらも、あまり怒ってはない様子の厚子。


この二人、いわば事実婚のようなもの。

ようするに、デキちゃってるのだ!


むしろベタ惚れなのは厚子の方である。(こんな男の、一体どこが良いのやら)


他人から見れば、ヒモ男を養ってるような、ただの都合の良い女である。(「余計なお世話!」とは厚子の弁明)


そんな《奇異》な関係の二人が住む、旅館《くわの》には、今日も曰く付きの男女がやって来て ……


原作はミステリー作家の重鎮・佐野洋(さの よう)さん。(徳間文庫から出ておりました)


ドラマ一作目は、『密会の宿 殺人事件』で(画質の悪さはあれど)今回、久しぶりに観れました。


そうして、(ああ、こんな感じ … )と段々思い出してきた。


このドラマの中の、森本レオの自堕落な《ヒモ生活》に憧れた時期もあったのだ。(いけないことだけど)


なんせ働かなくても、美人の『厚子』(松尾嘉代)が全て面倒みてくれる。

住まいを与えて、三度三度食事まで作ってくれて、お小遣いまでもらえちゃうのだ。


オマケに別の特別な欲求も厚子が満たしてくれて ……


世の男にとっては、まさに《パラダイス生活》じゃないか!


そういう所ばかりに感心していたので、肝心のドラマの内容なんてのはすっかり忘れておりました。


この第一作目は、旅館《くわの》の近所にある大手美容室が舞台となっている。(主人公・厚子も、ここの常連客)



美容サロン『ベル』を取り仕切るのは『牧村芳江』(吉行和子)。(夫・健介は病気の為、只今入院中)

そこで働くのが健介の実弟である『秀之』(荻島真一)と、その妻『絹子』(平淑恵)である。


この夫婦、借金まみれであちこちを逃げ回ったあげく、東京にいる兄・健介のところに転がり込んできたのだ。


温情ある健介は、借金を肩代わりしてくれて、それ以来、二人を住み込みで働かせてやっている。

「一生懸命、心を入れ替えて働きます!」


そんな宣言をしてから5年の歳月が経ち、店はなんとか繁盛してるものの ……


『秀之』(荻島真一)の方はというと、生粋の女ったらしで、今日も女性客とイチャイチャしてる。


仕事の合間にも(隙あらば … )と客の車の中で《やりだしたり》するのだからたまらない。(ちゃんと仕事せえよ(笑))



それに慌てて駆けつけてくる妻・『絹子』(平淑恵)。


そんな二人に、

「またやってるわ!全く、もうしょうがないわねぇ~ …… 」と義姉『芳江』(吉行和子)は、常連客の『厚子』(松尾嘉代)相手に愚痴がとまらない様子。



でも、数日後、

こんな芳江が義弟の秀之に誘われて、旅館《くわの》に客としてやって来たのだから、厚子はもうビックリ!仰天!!(⁠´⁠⊙⁠ω⁠⊙⁠`⁠)⁠!



バツの悪そうな芳江は厚子の顔をまともに見れやしない。

いつの間にか、芳江は義弟・秀之の手練手管ですっかり秀之の《情婦》になり下がっていたのだった。


最初は顔なじみの厚子に遠慮していたものの、一旦部屋に入ればこんなものである。(女は怖いねぇ~(笑))


そこへ、しばらくしてから、妻の絹子が怒鳴りこんできたから、またもや厚子は2度びっくり!



絹子は厚子の制止をふりきって、一目散に二階へと駆け上がっていった。


そこでは、たちまち修羅場!

絹子は、ポケットに忍ばせていたシザーズ(美容ハサミ)を、芳江めがけて思いっきり突き立てたのだ!



「ギャアアアーーーッ!!」

旅館中に鳴り響く大絶叫。


腰の抜けた秀之が降りてきて、旅館《くわの》はてんやわんや。

警察がすぐさまやって来て、絹子を逮捕していくと、今度は、噂を聴きつけたマスコミが大勢でやって来る。


こうして、普段ひっそりした《くわの》の静寂はやぶられたのだった。



だが、元来、人のよい厚子は逮捕された絹子にも同情的だ。

普段から真面目で仕事熱心だった絹子を信用しているのだ。


知り合いの弁護士を紹介してやったり、少しでも絹子の刑が軽くなるようにと、近所でも嘆願書を集めたりする。




「私が馬鹿だったんですぅー!許してくれ、絹子ぉぉーー!」

夫の秀之は、涙ながらに裁判で答弁したりする。(どうも演技過剰過ぎるが)




夫に裏切られた可哀想な妻 …… 

加害者・絹子には、世間もしだいに同情ムードになってきた。


…… そうして1年後の判決 ……

「主文、牧村絹子には懲役3年、執行猶予5年の刑を言い渡す」

裁判でも、服役しなくてすむような温情判決が出たのだ。



誰もが喜ぶ中、どうもスッキリしない顔をしている者が一人。

『久保隆』(森本レオ)である。


「どうして、《あの時》、秀之は内側からしっかり部屋の鍵をかけなかったんだろうか? …… 普通なら事におよぶ前に鍵をかけるはずなのに …… 」

「そういえば …… 」厚子も隆に諭(さと)されて、疑惑がモヤモヤと湧き上がってくる。


オマケに、この裁判中に病気で長い間入院していた兄の健介までもが亡くなっているのだ。


新宿の美容サロンのビルや遺産は、ざっと見積っても2億円 以上になるらしい。


芳江が殺されて、健介が亡くなり、それを相続するのは、ただ一人、不肖の弟 秀之なのだ!


これは最初から秀之・絹子夫婦が、旅館《くわの》を利用して企んだ 計画殺人じゃなかったのか?!


こんな結論に達した二人。



「それが本当だったら、とても許せないわ!」

この推理をぶつけるため、憤慨した厚子は釈放されたばかりの絹子を訪ねていくのだが ……




第一作目でコレなんだから、二作目、三作目以降はどうなっていくんだろう、このシリーズ!(全8作あります。早く配信でも、BOXでもいいから出してほしいわ)


面白かった。


この第一作目に関しては、松尾嘉代さんも、森本レオさんも、平淑恵さんにしても、皆さん充分に印象深いのだけど、やっぱ殊勲賞はこの方に差し上げたい。


👑荻島真一さん👑


スケコマシ顔から〜みっともない泣き顔、

オマケに、こんなヘナチョコ顔まで、よくもまぁ〜、自在に豹変できるわ!


この秀之役にしても、「ナンなんだ!コイツ!!」っていうような本当にクズ男の役である。


24時間 暴走・下半身男》とでも命名したいくらいだ。(大笑🤣)


この後も、秀之の下半身の暴走は、当然おさまらず ……


若手の女優と知り合っては、簡単に、こんな風になっております。


そうして、莫大な遺産を手に入れた秀之のセリフが、また凄い。


「美容師?あんな仕事もう、やりたくないねぇ~。あの仕事やってると、ずっと立ったまんまで腰が痛くなっちゃってさ~」


笑わせる。こんな秀之には逆に、こうツッコんでやりたい。


オマエは女と見れば、ずっと、おっ勃ったまんまで、腰はいつも動きっぱなしじゃないか!と。←お下品なツッコミ(笑)


でも、こんな秀之は、ある意味、世の男にとっては羨ましい存在なのかもしれない。


そうして、ココにも秀之に嫉妬する輩が一人いる。


「オタクの旦那さん、女優●●の家で、こっそり逢い引きしてますよ」

こんな要らぬ電話を妻の『絹子』(平淑恵)に、してしまう『久保隆』(森本レオ)。


こんなくだらない事してないで、アンタは家に帰って、とっとと小説を完成させなよ!(笑)


こんな余計な電話のせいで、またもや修羅場が待ち構えているのは、もはやお約束である。


酒を呑みながら、こんなドラマをツマミにして、大笑いする夜。


ん〜、やっぱり昭和のドラマは《格別》だわ〜。


感心したところで、星☆☆☆☆であ〜る。


※尚、この《密会の宿 シリーズ》は、配役を変えた岡江久美子東幹久版もあるのだが、私としては、ん〜、なんか違うんだよなぁ~。

淫靡(いんび)さや毒っ気を楽しむのなら、やっぱ、松尾嘉代森本レオ版に肩入れしてオススメしときます。

2022年6月11日土曜日

ドラマ 「エアロビクス殺人事件 女の変身美容教室 “シェイプアップ!”」

 1983年  11月。




時空を歪めて …… 時間を超えて …… 


※世にも奇妙なインタビューを、ワタクシ、『ジェミニ(以下: 《 J 》 とする)』がしてみたいと思う。



《 J 》:「本日はお忙しい中、お越しくださいましてありがとうございます。 『花岡 愛 先生』(松尾嘉代)といえば美のカリスマで、まさに今や《時の人》。 ご自身が考案なされた《セックス体操》で世に出て、《エアロビクス》の第一人者となり、最近(1983年)では全国に40もの店舗をお構えになったとか …… 」


《花岡 愛》:「まぁ、そうね。 でも、たいした事ございません事よ、オーホホホー!」


《 J 》:「それにしても、凄いネーミング・センスですね。《セックス体操》なんて!」


《花岡 愛》:「あの〜、勘違いしてる人もいるかもしれないけど、別に《セックスしながら体操する》わけではないんですのよ(笑)。 いわば、女性たちの健康的な身体作りと申しますか ……… それを、ただ単に《セックス体操》と命名してるだけなんですから。 そして、そんなのを、さらに発展していったのが、今の《花岡流エアロビクス》ってところかしらね」


《 J 》:「その日々の研究や鍛錬が、今のような花岡さんの美しさを創り上げたんですね」


《花岡 愛》:「おだてるのが上手い方ね。 あなたみたいなタイプ、嫌いじゃないわ。フフッ。今晩、お暇かしら?」


《 J 》:(顔真っ赤)


《花岡 愛》:「冗談よ(笑)(ガクッ↷) アメリカでは女優のジェーン・フォンダが火付け役になってエアロビクスが一大ブームになったけれど、過剰なアップテンポのリズムに合わせて、激しく踊る《エアロビクス》は、逆に疲労骨折の原因になったりして、今や大きな社会問題になっているわ。 それを改良して、ジワジワと美しいボディー・ラインに仕上げていくのが《花岡流》ってところね」


《 J 》:「やっぱり、そんなエアロビクス教室の発展も、現在のマネージャーである『西木さん』(荻島真一)の手腕や、一番弟子の『柚原千晶(ゆずはら ちあき)さん』(佳那晃子)の助力が大きいんでしょうか?」




《花岡 愛》:「フフン、そうね~、二人とも、まぁまぁ良くやってくれてるわね。 でも、私あってこその《エアロビクス教室》だけどね」


《 J 》:「今度、横浜にボディー・メイクのビルを建てるとか …… 」


《花岡 愛》:「よくご存知ね。 そうよ!この《花岡愛》が、とうとう、大々的に飛躍するチャンスがやって来たのよ!!」


《 J 》:「そんな中、北川っていうお弟子さんが勝手に独立しようとするのを邪魔だてしたとかいう、噂もチラホラ …… 」



《花岡 愛》:「あれは ……… 誰がそんな事を言いふらしているのか知らないけど、根も葉もないただの噂話だわ!! あの子は単に実力不足でクビにしただけ。 妙な言いがかりをつけないで頂きたいわね!!💢


《 J 》:「すみません、それにこれも小耳に挟んだんですが、奥さんのいる運送会社の戸村社長とも、何やら親密なご関係だとか ……… この事、西木さんや柚原さんは知ってるでしょうかねぇ~ …… 」



《花岡愛》:「なんて失礼な!! いい加減にしてちょうだい!💢  褒めてくれるかと思えばゲスな質問ばかり。 も〜う、これ以上、こんな馬鹿馬鹿しいインタビューなんてうけてられないわ! とっとと帰らせてもらうわ!💢💢



プンプン怒り心頭で出ていく『花岡 愛』(松尾嘉代)。(あらあら …… )



だが、その1ヶ月後 ……… 

横浜のビルにある更衣室のロッカールームから、花岡 愛の《遺体》が出てきたのだ。



あちこちで怨みをかっていた花岡 愛。


『いったい、誰が《花岡 愛》を殺害したのだろうか?!』





たまたま観ることが叶った、松尾嘉代さんの傑作ミステリー『エアロビクス殺人事件』の感動が、誇大妄想狂の自分に、こんな世迷い言のような創作インタビューを書かせてしまった。(もちろん、全て私の勝手な創作です。本気にしないでくださいね(笑))



このドラマは珍しく変わった骨格をしていて、冒頭しばらくすると、いきなり主人公である『花岡 愛』(松尾嘉代)が、ご覧のような様相で殺されてしまうのだ。(ゲゲッ!)


『誰がいったい、何の為に《花岡 愛》を殺したのか?


その謎を残して、ドラマは殺される1か月前まで、過去にさかのぼり、そこから話が繰り広げられていく仕掛けになっている。(この方式はビリー・ワイルダー監督の『深夜の告白』に似ているかな〜)



そんな謎を追いかけながら視聴者は興味深く観ていくのだけど ………



それにしても、松尾嘉代さまの表情のひとつひとつがキラキラしていることよ


強欲で、ワンマンで、鼻持ちならない性格を演じさせたら天下一品である。



おまけに、尻軽でいて、色気ムンムン。

そんなのに、我々男どもは妙に惹きつけられてしまうのだ。(コレ、褒め言葉か?(笑))


こんなトンデモない性格は、現実なら厄介でも、松尾嘉代さまに限っては、ソレも《アリ》なのかもしれない。


だからこそ、こんな突飛な創作インタビューなんてのを書いてしまいました。(^∇^)←お許しを〜


これを、観られた幸運に感謝!

星☆☆☆☆。(面白かったです)



《※蛇足》

………… それにしても、なぜ?80年代に《エアロビクス》が、突然大ブームになったんだろう?


女性がレオタードを着て、楽しく踊る姿は目の保養になるし、充分に理解できる。


でも、アメリカでは、あろうことか筋骨隆々の男たちがピッチピチのレオタード着て、歯をむき出しにして笑いながら踊っている様子は、今観ても一種異様。


クェスチョン・マークが頭の中に、ズラズラズラ〜と並んでしまう。(????)



楽しいのか?

そうなのか?


まぁ、本人たちが楽しければ、これ以上何も言うまい。

世の中、自分の理解を超えたモノにも、寛容的な気持ちを持たなければね(笑)


どうもお粗末さま。


2021年11月5日金曜日

人物 「松尾嘉代」

 活動期間1959年〜1997年。




いつの頃から、パッタリ!その姿を見かけなくなってしまった 松尾嘉代(まつおかよ)さん。(昭和生まれしか知らんだろうな)


完全に女優を引退しちゃったんだろうか。


俳優、女優の引退って、なんか素っ気ない。


主役級の大物俳優なら「次の作品で最後にする!」なんて大見得を切れても、その下に位置するような俳優たちには、そんな機会も与えられず、人知れず静かにフェード・アウトしていく感じがする。



歌手のようにフアンの前で《サヨナラ・コンサート》も出来ない。


精一杯、映画やブラウン管で演技をして楽しませてくれても、そんなフアンの感謝の言葉なんてのも、中々、本人たちには伝わりにくいものなんじゃないかな。


インター・ネットも存在しないような大昔なんて特にそう思う。


俳優や女優さんにとっては、演技する事も、孤独な作業の繰り返しで、時には堪らない気持ちを、ずっと抱えていたんじゃないのかな……なんて、自分なんか勝手に想像してしまうのだ。



だが、こんな松尾嘉代さんが出演した数々の作品たちは、ちゃんと、この世に存在していて、残してくれてるのだから、少しは救いもあるか……。



とにかく、よく観ていた《土曜ワイド劇場》には、主役級から脇役まで幅広く、松尾嘉代さんが出ずっぱりの時期があった。



片平なぎさを『サスペンスの女王』なんて呼称で呼んでいたものだが、《真》の女王は、この人をおいて、後にも先にも存在しないと思っている。



悪女役から汚れ役、時には裸身さえいとわない妖艶な美女。

かと思えば、ケタケタと笑うような明るい主人公まで……なんせ幅が広いのだ。


そんな松尾嘉代さんの演技に魅了されて、土曜ワイド劇場に出ていれば、いつしか釘付けになって観ていたものである。



《土曜ワイド劇場》からは『整形復顔サスペンス』なんて4話入ったBOXが出ていて、その内の2篇に松尾嘉代さんは出演している。


『整形復顔未亡人』

『整形復顔 女流デザイナー殺人事件』。(『整形復顔』なんて今考えれば、スゲ~!タイトル)


でも、まだまだ、こんなもんじゃないはず。



森本レオとコンビをくんだ『密会の宿』シリーズ(全8作)もあるし、『女たちの華麗な闘い斗い)』シリーズだってあるはずなのだ。


特に『女たちの華麗な闘い(斗い)』のタイトルがつけられたモノは、今でも、たまにウズウズと観たくなってしまう。



●『女相続人の華やかな斗い! 看護婦が仕組んだ注射殺人 “婚姻届は知っている…”』(1985年)



●『アスレチッククラブ華麗な女の斗い スイミング・エアロビクス…女の園に紅い血が散る!』(1986年)



●『テニススクール 女たちの華麗な斗い!! 東京~南紀勝浦 豪華フェリー殺意の旅』(1989年)



●『マリンスポーツクラブ 女たちの華麗な闘い! 沖縄・久米島、さんご礁に殺意の罠』(1992年)


※コレ、ごく最近観ることが出来ました。

ラストに石田ゆり子と北詰友樹がモーターボートで去って行った後、松尾嘉代さんが一人残された砂浜で「チクショー!、チクショー!」と砂を握りしめながら叫び続けている。

そのまま海にズカズカ入ってくのが、なんとも印象的なドラマでした。(流石〜!)



●『ゴルフスクール 女たちの華麗な斗い 湯けむり山代温泉ツアーに殺意の影が忍びよる』(1993年)



病院、アスレチック・クラブ、テニス・スクール、マリン・スポーツ・クラブ(こんなクラブ、今もあるのか?)、ゴルフ・スクール………


このラインナップを見ただけで、まぁ楽しそうである。



女同士の戦いは、欲望を絡めた本音を隠して『裏の顔』で微笑みながら、陰で牙をむく……血みどろの戦い。(何となくニュアンス的には伝わるかしらん?土曜ワイド劇場的に言うなら、こんな感じである)



土曜ワイド劇場は、こんな功労者である松尾嘉代さんの為にも、

松尾嘉代  土曜ワイド劇場傑作選 DVD-BOX》を発売するべきである。


今だに出ていないのが不思議なくらいなんだから。


こんな私のようなマニアックな変わり者は、大勢いて、かならず需要はあるはずだなのだ。(言い切る)



最後に「あの頃の土曜ワイド劇場、カムバ〜ック!!」と、叫んで終わりたいと思う。(まぁ、無理か (笑) )


2020年2月3日月曜日

ドラマ 「赤い激突」

『赤い激突』1978年6月~12月。






バレエ一家の悲劇の物語である。


このドラマも『赤いシリーズ』の流れで観ていたのだが、子供心にとても怖かった印象が……。



主演は、『赤いシリーズ』といえばこの人といわれている宇津井健なのだが、この宇津井健が、なんてったって 怖い〜



この頃になると、宇津井健の芝居も最高潮にヒート・アップしていた。


瞳孔を開いて、汗をにじませて、台詞を言う度に、首を小刻みにふるわせながら、ワナワナ演技。


それも、めいいっぱい力を入れて、熱い芝居をするので、たった一時間のドラマでも、観ているこちら側もクッタクタ。



同じように力を入れて、りきむように観ていたんだと思う。




こんな宇津井健は、主人公の『大谷高(たかし)』。


元バレリーナで創設者の『大谷松子』(赤木春恵)が運営する大谷バレエスクールで、松子の娘、『大谷春子』(松尾嘉代)と結婚して婿養子となり、それなりに幸せな家庭を築いていた。(とても赤木春恵が、元バレリーナには見えないのだが……)



大谷夫妻には3人の娘たちがいて、

長女が、『さくら』(坂口良子)、

次女が、『夏子』(秋野暢子)、

三女が、『百合』(森下愛子)の三姉妹である。



三姉妹は子供の頃から、バレエに励み、共に憧れのプリマを目指していた。



三姉妹には別に、兄の『澄夫』(国広富之)もいるが、こちらは弁護士を目指していて、只今猛勉強中。




こんな一見、幸せそうな理想の家族。




だが、どこの家にも厄介者というのか、もて余し者がいて……。



それが春子の兄で、大谷家の恥さらしである長男の『一郎』(前田吟)なのだ。(もうひとり、春子には次男の兄がいるのだが、こちらは立派な脳外科医のお医者様の『次郎』(石立鉄男))



この一郎が最低のクズ野郎で、自分の父親の妾を殺したり(あきらかに父親もクズ野郎で一郎も、完全にその血をひいている)、強姦してみたりと、やりたい放題。




そんな一郎だが、どこをどう逃げ回っていたのか……無能な警察は結局、逮捕できずに25年も経ち……


一郎の犯罪も、とうとう時効の日をむかえたのだった。




一郎は時効になると知ると、大っぴらに、厚かましく、突然この大谷家に現れた。



「死んだオヤジの財産をもらう権利が俺にもあるはずだ!金を出せー!」(この、現在とは想像つかないくらい、憎たらしい前田吟の極悪顔よ)



恥知らずの一郎は暴れだし、一家はそれを押さえつけようとするのだが、一郎が払いのけた手は、春子を押しのけ、広いレッスン場の鏡めがけて、ガシャーン!


砕け散った鏡の欠片が地面に落ちて、頭から血を流して、倒れこむ春子。



春子ぉおーーー!


高(宇津井健)の絶叫が、レッスン場のホールに響き渡る。(ワナワナ)



すぐさま、次男の次郎のいる病院に救急搬送される春子。

「危険な状態だ!すぐにオペにかかる!」



手術室のランプが点り、待ち合いの廊下では高が、もういてもたってもいられない。


やがて高の足はバレエのリズムをきざみだした。(えっ?何でやねん?!)


そしてクルクル回り続ける高。(???)


病院の廊下で、高く手を振り上げてジャンプした高。(病院内では静かにしましょうね(笑))




そんな高の祈りの踊りが、神様に届いたのか?、春子は何とか一命をとりとめたのだった。



だが安堵したのも束の間、もう一度再手術をしなければならなくなった春子。


「このままでは死んでしまう。だが、再手術をすれば助かっても植物状態になってしまうかも………」


次郎の提案に、高は、「は、春子の命を、命を救ってくれぇーーー!」と、ただ、ひたすら懇願した。



そうして手術の結果、無情にも春子は人工呼吸器をつけられて植物状態。(この目を開いたままの松尾嘉代さんの姿が、子供心に、とても怖かった)


24時間、病院の特別室で、ただ呼吸し、生き続けているだけの春子。


高は、そんな春子でも「生きていてさえくれれば……」と思うのだが、他の者たちが、そう全員思うはずもなく……。


「こんな残酷な……ただ息をしているだけなんて……もう、安らかに眠らせてあげたい」と安楽死を希望する者もいれば、


金の亡者、一郎のように、

「このまま、莫大な治療費がかかれば大谷家の財産が、どんどん減っていく。何とかせねば……」と春子の死を願う者もいる。(もとはといえば、お前のせいだろー!)



人々の色々な思惑が渦巻きはじめた頃、ある夜……


春子の病室に近づく黒い影。


春子の命をつなぐ人工呼吸器のスイッチが、何者かの手によってきられた。



そして、結果、春子は亡くなった。



「春子ぉぉぉーーー!」(またもや宇津井健のワナワナ演技の絶叫よ)



いったい誰が春子を殺したのだろうか?






こんな感じの『赤い激突』だったはずである。
(長くなってスミマセン。何せ、当時10歳の頃の記憶だけを頼りに、思い出しながら書いているもので)


今でこそ、善人役がさまになっている前田吟だが、私世代には、この役の印象があまりにも強くて、当時大嫌いでした。


あまりにも極悪で非情で、人間味の欠片さえない、こんな役。(よくも、まぁ、こんな役を引き受けたもんだよ)



この『赤い激突』、後半は、「誰が春子を殺したのか?」の謎で進んでいくのだが……

このドラマが大映ドラマだからなのか、最終回で明かされる真犯人には、ガクッ!と肩透かしを喰らった気がした。



いきなり登場した、「あのひと」が真犯人だと言われてもねぇ~。(観たことない人には、何の事やらサッパリ分からないだろうが、この一点だけは、これから観る機会がある人の為にふせておこうと思う)




ただ、それまでのドラマをグイグイ引っ張っていく熱量は、今のノホホ~ンとしたドラマとは桁違い。


個性豊かな出演者たちもだが、それにも勝る、宇津井健の過剰すぎる演技は、充分見応えありである。


直立不動で、声を震わせて、ワナワナと、精一杯、力をこめて言う台詞の一言一言。


忘れようったって忘れられない、トラウマのような、これも子供時代の思い出なのである。


星☆☆☆☆。


観るときには、宇津井健に憑依して、力いっぱいにご覧あれ!(笑)

2019年4月15日月曜日

ドラマ 「加山雄三のブラックジャック」

1981年1月~4月。







今まで、真面目なブログだと思ってた方は、突然、こんなのが出てきて「えっ?」と思ったんじゃないだろうか。


でも、その昔、なぜか、観ていて凄い印象に残っていたのですよ。




なんだか、夜遅い時間に放映されていて、親とたまたま一緒に観ていた記憶がある。




もちろん、漫画のブラックジャックは、読んでいたが、ブラウン菅の奥から突然始まった、このドラマには、当時戦慄し、度肝を抜かれた。




OP、派手な音楽にのって、どぎついメイクをした踊り子のオネエさんたちが現れたと思ったら、前衛的な踊り。(まるで安いストリップ・ショー)



そして、その奥、ドライアイスの霧に包まれたブラックジャックがボンヤリと現れる。(「えっ?誰?」と一瞬思うくらい、ブラックジャックに扮した加山雄三



長いマントの後ろ姿。

斜に構えた傷痕の顔をチラリと見せて、


「この世に果たしてロマンはあるか?人生を彩る愛はあるのか?」


と問いかける。(??)



そして、マントをひるがえすと、タイトルが、ジャージャーン!と我々に迫ってくる。



加山雄三のブラックジャック



もう、これだけで掴みはO.K.!



子供心に、「なんだかトンデモないものが始まった!……そして、見てはいけないものを見てしまった!」と少年だった自分は目が釘づけになってしまった。




このブラックジャック、脚本家がジェームス三木だけあって、原作を大胆に(好き放題に)アレンジしている。




昼間は画廊を営む、平凡な板東次郎なる人物。

だが、夜になればブラックジャックに変身する。



なんていうぐあいに、複雑な二重生活をしているのだ。




原作ではピノコとの、たった二人暮らしの生活なのだが、その二重生活の設定ゆえに、自然に他の人物たちとの関わりも増えてくる。




昼間の画廊では、秘書のケイコ(秋吉久美子)を雇い、板東が留守や長期の出張の時(ブラックジャックになってる時)は、暇な画廊の接客、電話番をさせている。


「もぉー!社長ったら、いつもいつも肝心の時にいなくなるんだから!」とケイコは毎度ぶつくさ。(そりゃ、そうだろ。依頼人の手術をしてるんだから)



そんな画廊を、ちょくちょく訪ねて、ひまつぶしに遊びに来る警察庁の倉持警部(藤岡琢也)。


「ちょいとお邪魔するよ~」と言っては、板東の知り合いの特権で、ただのコーヒー飲みたさにやって来る。





ブラックジャック逮捕に燃えながらも、いつも尾行を撒かれたりしては、ケイコ相手に、こちらも愚痴をぶつくさ。(藤岡琢也の風貌からなのか、一目で漫画の中の手塚治虫のキャラクター『ヒゲオヤジ』を想像してしまった)





そして、もうひとつの生活、ブラックジャックの時には、山奥に建つ屋敷に暮らし、ピノコは勿論だが、二人の同居人が存在する。



子供の頃から知るという執事の爺や、遠藤(松村達雄)と助手のケン。



まぁ、この二人、手術の手伝いもするが、画廊に行っている間のピノコの世話係といったところか。(松村達雄の時折出るべらんめぇ調は、ここでも健在)




この改変、原作愛読者からは悪評だったらしいが、自分は特に気にしなかった。


漫画やアニメでは、違和感なくても、このブラックジャックの風貌は、実写になればメチャクチャ違和感だらけだからだ。



半分白髪で、顔には皮膚の色の違う肌、そして縫いあとの傷。

黒マントを羽織った姿は、どうみても異様である。



こんなのが、いきなり、都会や町中の雑踏に現れれば、大騒ぎになるに違いないし、どうみても不審者にしか見えないはずなのだ。


実写で、この姿で、そこら辺を歩き回れば、「あの~ちょっとよろしいでしょうか?」と警察につかまり、頻繁に職務質問されるに決まっている。


だからこそ、こんな仮の姿もアリかも、と納得してしまった。(他の実写もちょこちょこ観たことがあるが、こんな姿の人間、ハロウィンの日でもない限り、「ギョ!」として、とても素通りできるはずがない)




こんな改変して悪評だったブラックジャックだが、原作の有名エピソードを印象つけながら、無理なく消化していると思う。





全13話と短いが、自分が印象に残った回は、第4話「えらばれたマスク」、第10話「灰色の館」、第11話「鬼子母神の息子」、最終話「終電車」だろうか……。




「えらばれたマスク」には、今では、あんな風になってしまった坂上忍がブラックジャックの幼少期を演じている。(今じゃ憎たらしい坂上忍も、この時は別人みたいに可愛らしい)



「灰色の館」なんて、ジャネット八田が、火だるま🔥で焼かれるシーンがあり、今でも恐ろしいトラウマもの。(これ原作も相当に怖い話で読みながらブルブル震えた記憶がある。よく実写化したよ)





「鬼子母神の息子」の松尾嘉代の迫力ある演技と整形後の醜い姿はインパクト大。(これも稀にみる残酷なお話で、捻りのきいたオチに感心した)





「終電車」では、江波杏子のクールで非情なブラッククイーン役も良かった。(ブラッククイーンには、なんとなく優しいブラックジャック)





EDは、これまた、赤や黄色、白、緑とペンキが流れ落ちるインパクト画像に、ヒカシューの『ガラスのダンス』がかかる。(名曲!)





近年のDVD化は素直にありがたい。(第8話だけが大人の諸々の事情により欠番だが)




オドロオドロしいこの独特な雰囲気は、今のテレビではもう観れないし、出せることはないだろう。



興味ある方、怖いもの見たさの方は、どうぞ御覧あれ!


星☆☆☆☆。