2016年 フランス。
タイトルの《ボン・ボヤージュ》とはフランス語で《「よい旅を!」という挨拶》の意味。
映画の内容はというと 、 全然《よい旅》とはかけ離れているが ………
美容整形医の『トム』、臨月で精神科医の妻『ジュリア』、小学生の娘『リゾン』、その弟『ノエ』は、どこにでもいる普通の四人家族。
2週間の休暇旅行をドライブしようと、最新式コンピューター制御の新車《メドゥーサ》を、太っ腹で購入した。
フランスはパリから南仏までの長い距離をドライブするのである。(身重の妻がいるのにねぇ~、飛行機の方がいいんじゃねぇの?)
だが、そこへ妻ジュリアが大嫌いなトムの父親ベン(やる事なす事ダメダメなオヤジ)が、ノコノコやってくる。
(え〜、あの義父も来るのぉ~)
ジュリアの機嫌はあからさまに悪そう。
そんなジュリアをなだめながら、ベンを加えた5人は車に乗って、いざ出発。
だが、ジュリアの勘は当たり、次から次にベンは揉め事の火種を持ちこむのである………
出発前に、トイレの便器に大量のトイレットペーパーをつまらせて壊してしまうベン。(溢れかえる水に「知〜らねっと」)
途中、給油所で、親に置き去りにされた緑の髪のパンク少女メロディーを、皆に内緒でこっそりと車に乗り込ませたりするベン。
そうして車は高速道路にはいり、しばらく走っていると、ブレーキが効かない!!
130キロのスピードで走ってる車の中で、パニックになり慌てふためく家族たち。
「よし、じゃあ、ためしにアクセルを踏み込んでみろ!」
ベンのいう通りに、アクセルを踏み込んでみるトム。
車は一気に160キロに加速されて、ペダルさえも戻らない!!
かくして、暴走車はノンストップで車と車の間を、すり抜けて、命懸けのドライブ旅行が始まるのだ。(この車の故障も、お察しのとおり、ベンの仕業なのである)
全ては、このじいさま、ベンが元凶。
本当の疫病神で、クソジジイである。(トムの妻が嫌うのも分かる、分かる)
しかもちょっとボケてて、本人に悪気がないだけに尚更たちが悪い。
トムの顧客の整形に使うボトックスを、単価の安い中国製の粗悪品に変えたり(その分差額をネコババ)
客は整形を失敗し、クチビルお化けになり、携帯に苦情の電話をかけてくる。
車のワイパーぶっこわしたり、水でショートさせたり、さんざんな迷惑なじいさまだ。
BMBを運転する車のドアをぶち壊し、相手を怒らせ、延々追いかけさせたり、やる事なす事、裏目裏目である。
こんな、はた迷惑な、じいさまが家族にいれば自分なら神経持たないっす。
日本なら、とっくに施設行きを薦めるが、ホント、フランス人は我慢強いし、「心が広いや~」と変なところに感心してしまった。
パトカーに追われ、白バイに追われ、怒らせたBMBの男に追われながらも、やがて車は高速の渋滞に向かって突き進んでいく。(はてさて、ど~なるや)
この手のアホなナンセンス映画、昔はよくテレビでやってたっけ。
淀川長治先生が生きてたら日曜洋画劇場あたりで、放送してたんじゃないかな。
まあ、なんにも考えないで、頭カラッポにして気楽に観れるアホな映画でございます。
この爺様の所業に、腹を抱えて笑える人は、寛大な人。
私みたいにジト目で観てる輩は、やっぱ狭量がせまいのかなぁ~
星☆☆。