2018年10月25日木曜日

映画 「ビバリーヒルズ・コップ」

1984年 アメリカ。





デトロイトの市警察、『アクセル・フォーリー』(エディ・マーフィー)は問題ばかりおこす、口のたつ黒人の若手刑事。


ビバリーヒルズからやって来た、幼なじみのマイキーと再会するが、そんなマイキーは、呆気なく、何者かに殺されてしまう。


(こりゃ、事件の鍵はビバリーヒルズにあるはずだ!)


思いついたら、即行動のアクセルは、単身ビバリーヒルズに乗り込んで勝手に捜査をはじめる事にした。



ビバリーヒルズで知り合いのジェニーを訪ねていくと、

「あ~、あのマイキーなら、画商の『メイトランド』に雇われていたわ」

と、有力な情報。



ことを聞き出すために、今度は、さっそくメイトランドの元へ。


だが、アポイントメントもなしに乗り込んでいったアクセルは、あっさり追い出されて、逆に現地の警察に逮捕されてしまう。




アクセルを逮捕したビバリーヒルズ警察はカンカンだ。



メイトランドは町の名士で有力者なのだ。


警察もそんなメイトランドには、ひときわ優遇していて、上層部はつねにヘコヘコしているのである。



「こんなフォーリー刑事を、もはや野放しにはできない!」


勝手な行動をとらないように、ビバリーヒルズ警察は、アクセルに見張りの監視役をつける事にした。



そんな監視役に選ばれたのは、若手の刑事『ローズウッド』(ジャッジ・ラインホールド)と頭の硬いベテラン中年刑事『タガート』(ジョン・アシュトン)。



だが、そんな監視もなんのその!

アクセルは簡単に二人を振り切ってしまうと、またもや勝手な捜査をしはじめるのだ。




案の定、アクセルにまかれた、ローズウッドとタガートの二人は、「何をやってるんだー!」と上司に大目玉だ。



そんな二人が上司に怒られている光景を見て、さすがのアクセルも、気がとがめだした。



「あの~俺が悪いんです……」なんて言いながら、とりあえず二人を庇うような低姿勢をみせる。




そんなアクセルの態度にタガートはムカっ腹!


「同情など入らん!!」

根っから真面目人間で、頑固者のタガートは、大激怒する。



若手のノホホ~ンとしたローズウッド刑事は、(俺、どうしたらいいの?)なんて風で、落ち込むわけでもなく怒るわけでもない。

終始キョトン顔である。(まだ仕事に対するプライドや信念なんてモノも備わっていないのだ。)





こんな二人の刑事だったが、日々、アクセルに振り回されるうちに………。







この映画が、あの当時、大ヒットしたのはどうしてだったのか?


大概の人が、エディー・マーフィー演じるアクセル・フォーリーのキャラクターを誉めちぎって、それを一番に挙げるだろうか?




それとも、ノリの良い音楽だろうか。



とにかく、この映画は、抜群に音楽が良い!!

劇中で軽快に流れるアクセル・フォーリーのテーマ、『アクセル・F』。(そのまんまやん)


この音楽が流れると、深刻な捜査とは程遠い、フットワークのかる~い、軽快な捜査に見えてくるのだから、アラ!不思議だ。


主題歌のグレン・フライが歌う『ヒート・イズ・オン』も大ヒットした。


たまらず当時、わたくしめ、この映画のサントラを買い求めに走りました。(聴いた事ない人は、ぜひぜひ聴いてくださいませ)




エディ・マーフィーのキャラクター、ノリのよいサントラ……




でも、そんな表面のきらびやかなモノの裏に隠れていて、あまり気づきにくいかもしれないが、この映画のテーマは《人の心の変化》だと思っている私である。




頑固者タガート刑事の気持ちの雪解け…。

新米刑事ローズウッドの自我の芽生え…。



こんなモノが裏テーマになっていて、この映画は大ヒットしたのだと、自分は、そう分析している。




続く『ビバリーヒルズ・コップ2』がヒットしたのは、たんに、その流れ。(相変わらず音楽も良かったのだけど、この映画まるで印象薄い)



3は大失敗した。(タガート刑事が死んでしまうので)




続編を作るのも、ただ、ノリの良さだけでは無理なのだと、この『ビバリーヒルズ・コップ』シリーズを観ると、つくづくそう思ってしまう。



「どういうわけで、この映画は観客の心を上手く掴む事ができたのか?!」



ちゃんとしたパート1のヒットの要因や分析がなされていたのなら……


本当に残念なシリーズである。





それでも軽快な刑事もの、このパート1、『ビバリーヒルズ・コップ』は、色あせる事はない。



これからも映画史に残っていく、これは傑作である。



どうか映画スタッフの方々、「続編を作るなら、ご慎重に!」とお願いしておく。

星☆☆☆☆。