2020年1月6日月曜日

映画 「大脱出」

2013年 アメリカ。






世の中には変わった職業を生業にしている者もいるもんだなぁ~。

ましてや、《 脱獄 》を職業としているなんて……。





『レイ・ブレスリン』(シルベスター・スタローン)は収監されている刑務所から、アッサリ脱獄した。


「どうやって脱獄したんだ?それに君は何者なんだ?!」


刑務所長の問いに、隣にいた『クラーク』が答える。

「我々はセキュリティー・コンサルタントの者です。中でも、この『レイ』は、セキュリティーにかけては、プロ中のプロ。どんな難攻不落の刑務所でも、その盲点をついて見事に脱獄してみせるんです」


レイが脱出方法をペラペラと喋ると、それに呆気に取られる刑務所長。

それを尻目に、レイは退散した。


(俺に脱獄できない刑務所はない!)

自信満々のレイ。



そんなレイの元に、直ぐ様、次の仕事が舞い込んできた。


「あなたに連邦政府が支援している刑務所の脱獄をしてほしいのよ。報酬は2倍出すわ」

仕事を持ちかけてきたのは、C・I・Aの『ジェシカ・マイヤー』。


レイのセキュリティー仲間たちは、それが完全非公式で、《 その刑務所がどこにあるのか? 》さえ教えられない、というジェシカの条件に胡散臭さを感じるのだが、クラークだけは、

「良い話じゃないか?この仕事、承けるよな?レイ!」と乗り気満々だ。


ジェシカからは、

「所長は協力者で、いざという時には、合言葉を言えば、無事に解放される」と言われて、「それならば……」と、レイも首を縦に振った。



【ポルトス】の偽名と、嘘の罪状を与えられるレイ。

で、直ぐ様、レイの居場所を見付けて、捕まえにくる警察たち。


だが、発信機は取り上げられて、麻酔まで野蛮に射たれたレイは、半端、拉致同然に連れていかれる。


(これは……最初からなんだか、おかしな流れだぞ………)

レイは思うも、そこで意識は、プツリと途切れた。





次に目覚めた時、レイは四角いガラス張りの独房に入れられていた。

ガラスなので、周り中が透けて見渡せるのだが、皆がレイと同じような独房に入れられていて、カメラが、それを絶えず動き監視している。

(いったい、ここはどこなんだ……?)




ただならぬ雰囲気に危険を感じたレイは、やがて刑務所長の『ホブス』に計画中止の暗号を伝えるが、


「何の事だ!」と言われて無視される。


(騙された………あの女に………)

こうなったら、自力でここを調べて脱獄するしかない。


あらたに、そんな決意をして挑もうとするレイの前に、ある囚人が近づいてきた。


『ロットマイヤー』(アーノルド・シュワルツェネッガー)である。


「俺もここを脱獄したい!脱獄するなら力を貸すぜ!」と申し出るのだが。


はたして、この男を信用していいのやら………。






シルベスター・スタローンとアーノルド・シュワルツェネッガーの2大巨頭W主演映画である。



この映画、公開時に、日本の配給会社が大チョンボをやらかしている。



『レイ』(シルベスター・スタローン)が送り込まれた刑務所が、《 どこ なのか?》は、話の中盤までの謎なのに、それを日本の馬鹿な配給会社は、何を考えてるのか、テレビの予告でアッサリ教えちゃってるのだ。(ほんとアホ)


まぁ、そんなチョンボをやらかした『大脱出』だが、我々の世代には、この同時代に競いあったスターの共演は、素直に嬉しかった。





ただし、この共演、もう少し前に観たかったけどね……。




時の流れは、残酷。


映画業界の荒波を必死にくぐり抜けてきた男と、かたや、映画から離脱してカリフォルニア州知事になり、すっかり自堕落な生活をおくってきた男。



シュワルツェネッガーの、あの(ボヨヨ~ン)



あのギリシア彫刻のような、筋肉美の肉体 ……

その姿は、見る影も無くなっている。




撮影も大変だ。

シュワルツェネッガーを映す時には、なるべく、バストショットで。


闘う姿は、カメラをズームアウトさせて、なるべく遠方から撮影している。(それでも油断すると、映りこんでしまうシュワルツェネッガーのお腹なのだが ……… )




あ~シュワルツェネッガーよ、あの頃の君は、いずこへ?


ターミネーターの台詞、「アイル・ビー・バック!」の言葉を信じて、シェイプした姿の彼を待ちたいと思うのであ~る。

星☆☆☆。