1992年 アメリカ。
あるロック・スター『ジョニー・ボス』が性交中、ベッドに両手を縛られてまま、何者かに惨殺された。
31ヵ所もの刺し傷には、見ているだけで、身の毛がよだつ。
サンフランシスコ市警は、犯人をジョニーと性交中だった《女》と決定。
そうして、一番に浮かび上がってきたのが、ボスと付き合っていた、有名ミステリー作家の『キャサリン・トラメル』だった。
「俺が本人に会ってくる!」
自ら志願した『ニック・カラン刑事』(マイケル・ダグラス)は、過去の失態で、警察内部でも問題児扱い。
精神科医で恋人の『ベス』(ジーン・トリプルホーン)の後押しで、何とか首の皮一枚がつながっていたが、もはや後がない状態。
(ここで汚名を返上しなければ………)
名誉快復にと、意気揚々飛び出していった。
それを相棒の『ガス』も、「待ってくれよー!」と後を追いかけていく。
キャサリンの屋敷に二人が行くと、一人の女が出迎えてくれた。
「あなたがキャサリン?」
「違うわ。私は『ロキシー』。彼女の友達よ。彼女なら海岸の別荘。でも無駄足よ、彼女は殺してないわよ」
ロキシーの言葉など聞く耳もたず。
ニックもガスも、直ぐ様、海岸の別荘を目指した。
別荘の海辺を見渡すコテージには、リラックスして腰かけている女がひとり、煙草を優雅にふかしている。
「彼……死んだんですってね………」
そう言うと、『キャサリン』(シャロン・ストーン)は煙草を海に投げ捨てた。(今はこんな事しちゃいけませんよ)
「あなたが彼を殺したんですか?」ニックの質問はド直球のストレートだが、そんなものにもキャサリンは動じる風でもない。
「いいえ、…………彼とただ寝ていただけよ。彼、上手かったから………」
自分のセックス・ライフを、恥ずかしげもなく話すキャサリン。
(何なんだ?この女は?!何でこんなに落ちついているんだ?!………)
ニックもガスも唖然としている。
そんな二人が事件の事を、さらに追求して質問しても、キャサリンはのらりくらり。
しまいにはグウの音もでず、二人は、とっとと追い返されてしまった。
だが、ニックの中で何かが変わっていく。
キャサリンの全身から発する色香、フェロモン、セックスアピール……そんなものに迷わされて、次第にイライラを募らせるニックなのだが………。
久しぶりに観た『氷の微笑』。
シャロン姉さんの出世作であり、体当たりのセクシー・シーンの連続に目頭がクラクラ。
ヤッパリ今、観ても衝撃的でした。
警察の連中が取り囲む中、落ちついた表情の『キャサリン』(シャロン・ストーン)が、ノーパンで、脚を組みかえるシーンは、当時、どれだけの男供を悩殺しただろうか。(今でも鼻血ブー!)
でも、こんなのは本編では、まだまだ序ノ口の方。
次々繰り出す、マイケル・ダグラスとの官能シーンは、もはやサスペンスを通り越して、まるでセクシー・ビデオでも観ているようである。
この時期のマイケル・ダグラスも、なんせギラギラ無双状態。(中毒だった時期ですもん)
もう、まるで動物の交尾みたい。(『やりたくなったら、どこでもやっちゃう』状態)
でも、最初、シャロン・ストーンの起用には反対だったマイケル・ダグラス。
「そんな無名の女優と共演できるか!」だったのだ。
ポール・バーホーベン監督の『トータル・リコール』で、やっとチャンスを掴んだシャロンだったが、まだまだ2番手3番手。
既にスターだったマイケル・ダグラスを説得できなければ、このチャンスを逃してしまう事になる。
どうすればいい?
そんなシャロンに、バーホーベンは隠れて、ちょっぴりアドバイスした。
「彼(マイケル・ダグラス)は、グレース・ケリーのような女性がタイプなんだ。そんな格好で会いに行ってみてはどうかな?」
バーホーベンのアドバイスどおり、グレース・ケリーを意識した化粧、髪型、衣装でバッチリきめたシャロンは、マイケルの元へ。
その夜、シャロンとマイケルがどうなったかは知る人ぞ知る。
とうとう、マイケルは陥落して、シャロンの共演が実現したのだった。(笑)
そうして、映画は大ヒット。
シャロン・ストーンは一躍にして、スターの栄光を掴んだのである。
やっぱり、この二人の間って何かあったのかなぁ~
マイケル・ダグラスとシャロン・ストーンの共演は、そんなハリウッドの裏事情を想像させて、余計に、変なムラムラをかきたてるのである。
星☆☆☆☆。
※尚、お二人の近影。
すっかり萎れちゃったマイケルと、まだまだ溌剌なシャロンのお姿。
げに、女は恐ろしい生き物よ。(笑)