1980年 アメリカ。
何て長~いタイトルかと思ってる方もいるだろうが、この作品に限っては、日本ではそうなのだから、しゃ~ない。
原題は『THE GREAT AMERICAN TRAFFIC JAM』。
翻訳すれば、『素晴らしいアメリカの交通渋滞』。
このタイトルでも充分良いと思うのだけど、なぜか?日本では、放送やメディアが変わる度に、タイトルをコロコロ変えている、ちょっと不遇な扱いのテレビ映画である。
私が観た時は、確か、日曜洋画劇場の放送で、『パニック・ハイウェイ´82』のタイトルだったはずだ。
砂漠?のハイウェイで事故が起きて、未曾有の大渋滞が発生する。
後から、後から、何百台も並ぶ車の列。
人々はイライラしだして、あちこちでクラクションを鳴らしては、
「さっさと進めよ!」の大声や罵声。
でも、渋滞はいっこうに解消せず、1時間、2時間、3時間………と、どんどん時間だけが過ぎていく。
最初は罵声やクラクションの音も鳴っていたが、それも段々と静まりはじめ、もはや、そんなものさえも諦めた感じの人々。
こんな状況になると人は、どうなっていくのか?
「もう、こうなったらなるようになるさ! この『渋滞』を楽しもうじゃないか!!」(「こんな発想、当時のアメリカ人ならではだわ!」と、テレビを観ていて感心しきりだった)
道路の道端に、大きなビーチ・パラソルを立てて、屋台をはじめたり、日光浴をしたりする。
その内、ツアー中で機材を運んでいたロック・バンドは、その場で路上コンサートなんてものまで始めてしまう始末。
その内、ツアー中で機材を運んでいたロック・バンドは、その場で路上コンサートなんてものまで始めてしまう始末。
「いいぞぉ~!ヤレヤレ!ピーピーッ!(口笛)」
ヘリで仮設トイレを運んだり、この渋滞は全国ニュースにまでなってしまい、政府もてんやわんや。
でも、皆が、この渋滞の時間を楽しみだしたのだ。
そんな中、タクシーの中で、産気付いた一人の妊婦。
「産まれる~!産まれるわ~!!」
そんな妊婦を、渋滞で居合わせた大勢の人々が励ます。
「頑張れ~!頑張れ~!」と、皆で大合唱の応援。
そして、無事に産まれた赤ん坊が、
「オギャアー!オギャアー!」の声をあげると、周り中で大喝采になる。
それから、しばらくして、やっとこさ渋滞は解消されて、動き出す車の列。
車はゆっくりと走りだし、ハイウェイの道を右へ、左へと別れていく。
渋滞で出会った見知らぬ人達も、それぞれ帰路へと続く道を走っていく。
もう、2度と会うこともない、ほんの偶然が招いた出会い………そんな余韻を残して映画は終わるのである。
もはや、俳優の名前も、役名さえも忘れてしまった映画だが、こんなあらすじじゃなかったかな?
こうして、何十年経った今も、時折、思い出されるような映画で、なぜか印象に残っている。
この放送を、たまたま観ていた自分は、「あ~録画しとけば良かった~」と、見終わった時に後悔した。
でも、「いつか、また放送されるでしょ」とも安易に思っていた。
でも、そんな日は2度と来なかった………。
それから何年かして、ビデオテープが普及しだすと、「この映画もビデオ化されているやもしれぬ」と思い、探し求めるも見つからなかった。
それから、さらに数十年が経ち、ネット社会になった今、再び検索してみたのだ。
そして、やっと見付けた!
あった!!
しかも、ビデオ・テープが発売されていたのだ!それもタイトルを変えて。
それが、『フリーウェイ・クラッシュ』。(こんなの当時、探し出せるかよ~!)
やれやれ、もはやビデオデッキすら廃れた時代に、これをやっと探し当てるとは………。
監督はジェームズ・フローリーなる人で、さらに調べてみると、あの有名なテレビ・シリーズ『コロンボ』に関わっていたとか。
同じようなコメディーで、監督した、『弾丸特急ジェット・バス』も面白そう。(こちらはDVD化されてる)
でも、私が観たいのは、『フリーウェイ・クラッシュ、または、ハイウェイ・パニック´82 または、恐怖の100重衝突 史上最大の渋滞』なのだ。(長い~)
どんなタイトルでも、この際いい。
今まで変更されてきたタイトルは、ご覧のように覚えたし。
この中のどれかのタイトルで、DVD化してほしい。
私以外にも、待っている人が、きっといるはずである。
星☆☆☆☆。