1967年 アメリカ。
1944年、アメリカ陸軍の『ライズマン少佐』(リー・マーヴィン)は、突然、お偉方が集まる本部へと呼ばれた。
破壊工作のプロとして、その実力は認められていたものの、型破りな方法をとるライズマンは、軍でも異質な存在。
「ったく!何の用なんだ!」とふてくされているライズマンを、「まぁ、まぁ……」と、なだめる昔馴染みの『アンブラスター少佐』(ジョージ・ケネディ)。
ライズマンが本部の応接室に入ると、待ち構えていたように、ギロリと睨む幹部たち。
その中でトップの『ウォーデン少将』(アーネスト・ボーグナイン)が立ち上がると、ライズマンに対して新しい任務を告げた。(このボーグナインの顔を見るだけで、「ププッ!」と笑いをこらえるのが大変)
「君にやってもらう事は、ノルマンディー上陸作戦の前に、ドイツ国防軍の高級将校たちが集う保養所を襲撃することだ!」
ライズマンが黙っていると、ウォーデンは、次に、とんでもない条件を突きつけてきた。
「ただし、この作戦に従事する者は、アメリカ《陸軍刑務所の囚人たち》から選ぶように!」
な、何だって?!
囚人たちに戦争をさせようっていうのか?!
無茶苦茶な!!
「そんな馬鹿な提案に、アイツらが素直に首を縦に振るとは思いません!なにか見返りがなければ……」
そこは、ウォーデンも多少、譲歩して、作戦成功の暁には、囚人たちの恩赦を約束してくれた。
ライズマンとウマが合わない『ブリード大佐』(ロバート・ライアン)は、ウォーデンの提案に、あきらかに面白くなさそうである。
(それにしても、こんな突飛な作戦が上手くいくのか………。)
ライズマンは翌日、刑務所を訪ねた。
この中から12人の囚人を選抜するのだ。
戦争で死ぬか、刑務所で死刑を待つか、それとも戦争で勝ち抜いて無事に生き残るか……選択肢は3つ。
はてさて、ライズマンのお眼鏡にかなって、選ばれた囚人たちは……
やっと観れた、『特攻大作戦』。
面白かった!
監督は、ロバート・アルドリッチ。
それにしても、スゴイ顔ぶれを揃えたものだ、この映画。
これは、ぜひぜひ、順をおって紹介しなくては!
まずは、
★リー・マーヴィン………ライズマン少佐。
さすがの貫禄である。やはり一癖も二癖もあるような囚人たちを束ねるのは、この人以外に適任者はいない。
囚人たちにも気迫負けなんてしてしない。
「なんだ!文句があるならかかってこい!」なんて言いながら、一対一で正々堂々と対決する。(かるく背負い投げ!)
でも、自分の部下として認めはじめると、囚人だろうが、命がけで守ろうとする。(カッコイイねぇ~、男だねぇ~、憎いねぇ~)
いちいち横槍をいれてくる嫌~な『ブリード大佐』たちには、容赦なく機関銃乱射をおみまいしたりする。
まぁ、何をしても痺れるくらいカッコイイのがリー・マーヴィン様なのだ!
★アーネスト・ボーグナイン………ウォーデン少将。
ここでは、リー・マーヴィンの上官役だが、映画『北国の帝王』でも共演しているボーグナイン。
『北国の帝王』を先に観ているためか、ボーグナインが画面に出てくるだけで、不謹慎だが、笑いそうになる。
1度見たら忘れられない、この顔面の破壊力。
「ニカッ」、と笑うと見える、デカイ口に並んだ沢山の歯。
そしてギョロリとした飛び出しそうな目よ。(『北国の帝王』でも同じような事を書いた気もするが、毎回違う役でも顔面のインパクトがスゴくて、ボーグナインといえば、それなのだからしょうがない)
★ジョージ・ケネディ………アンブラスター少佐。
ライズマンとウォーデンの間で、右往左往するような中間管理職。(だいぶライズマンの味方になってくれてるけど)
この映画でも、人の良さが、にじみ出ているようなジョージ・ケネディである。
けっこうジョージ・ケネディが出ている作品を観ている自分。
以前、このblogでもあげた、オードリー・ヘプバーンの『シャレード』や『超高層プロフェッショナル』、『エアポート´75』、イーストウッドの『サンダー・ボルト』や『アイガー・サンクション』なんてのもあったっけ。
ハリウッドで、誰にでも好かれていたケネディは、もちろん名バイブレイヤーである。
★ロバート・ライアン……ブリード大佐。
ライズマンに対するライバル兼、悪役。
ネチネチと嫌味ったらしく、イケすかない野郎を演じております。
ロバート・ライアンは、あちこちの映画で有名らしいが、初めてこの映画で見かけた人。
今後、有名な作品、『罠』や『ロリ・マドンナ戦争』などにも出演しているらしいので、いずれ観てみたいと思う。
なんだか、こうやって、ダラダラと紹介していくと長~くなりそうなので、本日はここまで。
②へ続くとする。
(名優たちが続々出ているので、とてもこの紹介を中途半端でやめられそうもない。この気持ち、どうぞお察しくださいませ)