2019年7月15日月曜日

映画 「大いなる休暇」

2003年 カナダ。







誰も使わなくなった寂れた漁船が、あちらこちらの岸壁にうちあげられている。


ここ、カナダ、ケベック州サントマリ・ラモデルヌ島。




年老いたジェルマン(レイモン・ブシャール)は、古きよき昔を回想していた。

「昔はよかったなぁ……」


ジェルマンが子供の頃、島は活気があり、親たちは朝も明けぬうちから暗い海の中、漁に出ていった。


決して暮らしは楽ではなかったが、それでも働いた後は充足感で満ち溢れている。

家族は揃って食事をする。


そうして、陽が沈めば、父親たちは妻を抱く。


島は陽が沈むと、あちこちの家も似たり寄ったりで、同じような喘ぎ声が漏れはじめる。(なんせ娯楽らしいものが一切ないので、楽しみといや、『スル』事しかないのだ)


そうして《事》が済めば、それぞれの家の窓に灯りがともされ、男たちがその満足感で一服する姿が映りだされている。(ハイ、ご苦労様)


それから時が過ぎて、この島も変わっていった……



漁に行っていたものは次々と老いて亡くなり、若い者は仕事を探してさっさと島を出ていった。



そして、今は人口125人。



年老いて仕事もなくなった残された島民たちは『生活保護』のお世話になっているのだ。

もちろん、ジェルマンさえも ………




「あ~空しい……」

でるのは溜め息ばかり。



ジェルマンの妻も、「こんな暮らしはイヤ!街に出て働きに行く!」という始末。

「まぁ、待ってくれ。わしがなんとかするから!」となだめるも、ジェルマンに良い策があるわけでもない。



そんな折、この島に大規模なプラスチック工場建設の話が持ち上がる。


やったー!

工場が出来れば、仕事も出来る!

仕事が出来れば、島に活気が戻ってくるはずだ!



ただ、ひとつ問題が…………


工場を建てるには、島に『医者』がいる事が必須条件なのだ。


もう、何年も、この島には医者なんていやしない。

「どうする?」

「どうしよう?」

ジェルマンと島民たちは考える。



「いや、きっと、この島に来てくれる『医者』がいるはずだ。皆で探そう!」


ジェルマンの呼び掛けに、なりふり構わず医者という医者に手紙を書いて投函する島民たち。

だが、届いた手紙を目にした医者たちは、

「何だ、これ?」っと言いながら、ポイッ!と速攻で屑籠行き。


毎朝、郵便局の女性に訊ねるジェルマン。

「返事はきたか?」

「何もないわよ」

こんな日々がしばらく続き諦めかけた頃、島を出ていって警察官になった元町長の男から連絡が。



「『医者』が見つかったぞ!」


若い医者の名は、クリストファー・ルイス(デヴィド・ブータン)。

なんとか、この医者ルイスに島を気に入ってもらい定住してもらおう。

ジェルマンと島民たちは策を練りはじめるが………






監督も出演者も誰ひとり知らない、この映画。



何だか最近、個人的な事でゴタゴタが続いていた自分は、ただ、この『大いなる休暇』のタイトルだけに惹かれて観ることにしたのだが……



全然、休暇じゃないじゃん。(笑)



みんなが、「働きたい!」と望む映画じゃん。



まぁ、医者が来るまでの間が長~い休暇だったといえば休暇なのだが。


後、この映画、出演者たちがフランス語を喋ってるので、てっきりフランス映画だとばかり思っていたのに、よくよく調べればカナダ映画だったとはね。


この映画に限っては、美女やイケメンを期待なさるな。


見事に赤ら顔のオッサンや髭ボーボーのじいさんたちばかり。

若い医者や郵便局の女性も出てるが申し訳ないけど、それほどでも ………



オッサンやじいさまたちの奮闘で果たして医者は定住してくれるのか?


その奮闘の間も、ユル~イ時間が流れていく。



まぁ、たまには、こんなながら見の映画もいいかもしれない。


星☆☆☆くらいかな。

※《蛇足》島のオッサンたちも、若い人を呼び込みたければ、髪を整えて髭も剃って身なりをピシャリ!と整えましょうね。

ホームレスのような年寄りばかりがウジャウジャいる島に、自分なら絶対に住みたくはないけどね。(笑)