2019年7月6日土曜日

映画 「007 美しき獲物たち」

1985年 イギリス。






ロジャー・ムーア版007最後の作品。



そして、ビックリしたロジャー・ムーアの変わり具合に。


前作の『オクトパシー』から、僅か2年で、「歳をとったなぁ~」と感じさせるお顔。





無理もないか……撮影時は57歳、公開時は、また1つ歳をとってるし。






最後の敵は、クリストファー・ウォーケン演じるゾーリン。


ステロイド実験により、産まれた超天才ではあるが、それと引き替えに、人間らしさが、まったく欠落した人物である。(科学の進歩は時として、このような悲劇を生む)


ステロイド児として産まれたゾーリンは、憎むべきステロイドなのに、それを使って、競馬の馬にそれを悪用したりもする。(このあたりが、常人とは違う感覚なのだろう……)


このゾーリン、悪役らしく、シリコンバレーに故意に大地震を起こして、都市を一挙に壊滅するという壮大な計画を立てている。


それに、逆らうものは、平気で飛行機から投げ落とすし、ゾーリンの相棒で情婦の『メイデイ』(グレース・ジョーンズ)にも、情容赦なんて一切なし。


自分の野望の為なら平気で見殺しにする。



でも………何故か?ボンドには優しいゾーリンさん。




ピストルを持っててもボンドを撃ちません。(なぜ?)





地質学者『ステーシー』(タニヤ・ロバーツ)と共にエレベーターに閉じ込めて、エレベーターの天井に火🔥を投げ入れて殺そうとする難儀な道を選択するゾーリン。(撃てば簡単に殺せるのに、逃げるチャンスを、わざわざ作ってやる優しいゾーリンなのである)



ハハハッ!お別れだよ、ボンド君

(このセリフ、ボンド映画の中で何人の悪役がつぶやいてきた事だろう)




ビルが火に包まれる前に、さっさと逃げ出すゾーリンたち。




そして案の定、しばらくすると、ボンドはエレベーターの天井を開けて、その上に登って脱出しようとする。(それ見ろ)




業火のエレベーターの中で、ボンドが先に脱出すると、残されたステーシーがギャアー!ギャアー!騒ぎ出した。


まぁ、その超うるさい事よ(笑)



ジェームズ!Oh~ジェームズ!


(『チャーリーズエンジェル』では、黒髪だったタニヤ・ロバーツが金髪になって登場。とても地質学者に見えない、おバカそうなボンドガールを演じています。)



エレベーターの扉を、なんとかこじ開けて、消防ホースを綱がわりに垂らすボンド。



「それに捕まるんだ!ステーシー!」


Oh〜!ジェームズ!、ジェームズ!

(うるさいタニヤ、さっさと登って来いや!(笑))



それでも、業火のビルから、うるさいステーシーと共に、なんとか脱出した『ボンド』(ロジャー・ムーア)。(ほんと、ご苦労様)







クライマックスも、ゾーリンが逃げる飛行船にロープ1本で捕まるボンド。



ゴールデン・ゲート・ブリッジに、そのロープを結びつけると、止まった飛行船から、斧を持ったゾーリンが、ボンドめがけて襲ってくる。



「Oh!ジェームズ!Oh!ジェームズ!!」



飛行船の中からは、ゾーリンに拉致されたステーシーの叫び声。(本当に叫ぶばかりしか能のないタニヤ・ロバーツ……段々、この辺りまでくると、このおバカなタニヤ・ロバーツが可愛く見えてくるから不思議だ)



叫ぶステーシーを助けだしながら、宿敵ゾーリンを見事に倒すボンドなのであった………。





この、おバカそうなタニヤ・ロバーツ効果なのだろうか?………歳をとっていても、今まで経験を積んだロジャー・ムーアが、段々と頼もしく思えてくるから不思議である。



そういう意味では、この、おバカなボンドガール、最後の映画には、最適だったのかもしれないのである。(笑)





主題歌のデュラン・デュランも大ヒット!


ズンズンと心地よく響くサウンドは、とても印象深く、ボンド主題歌では、初めてアメリカで1位をとったほどなのでした。





13年間ご苦労様でした、ロジャー・ムーア。


最後に、有終の美を飾ったボンド映画は、文句なしに星☆☆☆☆☆。



これにて、ロジャー・ムーア版ボンド・レビューは終了である。


(あぁ~それにしても連続の投稿は、思ったより疲れますわい。この時のロジャー・ムーアの歳に近い自分も、ちょいとばかし休みませていただきますね)