1975年 アメリカ。
たった今、チャールズ・ブロンソンの『ブレイク・アウト』を観終わったとこ。
懐かしい~。
これも、大昔、日曜洋画劇場で放送していたっけ。
この『ブレイク・アウト』のDVD、嬉しい事に、日本語吹き替えの追加収録までしていて、《 ブロンソン 》=《 大塚周夫(おおつかちかお)さん 》を、心ゆくまで完全に堪能できるのだ。
やはり、ブロンソンと言えば、《 大塚周夫(おおつかちかお)さん 》。
《大塚周夫さん》
この声に、慣れ親しんだ世代には、誠に嬉しい限りの、お宝のようなDVDなのである。
この大塚周夫さん、リチャード・ウィドマークの吹き替えも専門でやってらしたので、今思うと、ブロンソンもウィドマークも、大塚さんの声で好きになったんじゃないかと思えるほどである。
「この俳優には、この吹き替えの声じゃなきゃダメ!」なんてものが、我々、世代には絶対にあるのだ。
さて、この映画、『ブレイク・アウト』だが、お話自体は、なんてことは、ない話。
無実の罪でメキシコの刑務所に収監された『ジェイ』(ロバート・デュバル)を妻の『アン』(ジル・アイアランド)が救おうとして、金のためなら何でも請け負う『ニック』(ブロンソン)に脱獄を依頼するお話。
この映画を、ブロンソンの声と字幕スーパーでも観てみたのだが、何なんでしょう………やはり物足りなかった。
観るべき、見せ場、見せ場は、確かにあるのたが、今の時代の目で観ると、やはり展開が、いささかノンビリし過ぎていて、古くさいように感じてしまった。(決してつまらなくはないのですよ)
だが、吹き替えの大塚さんの声で観ると、それに何かが加算されたように、イキイキとしてくるのだ。
ここでの『ニック』(チャールズ・ブロンソン)の吹き替えは、大塚さんにしては、珍しくべらんめぇ調の声でニックの声をあてている。
金のために、脱獄を成功させるために、あちこちで、口八丁のブロンソンなんてのも、また珍しいものだ。
ブロンソンの芝居に、大塚さんの声が乗っかると、平坦な映画でも、まるで別の命が吹き込まれたようになってしまう。
これが、声優としての力なら、まさにプロ中のプロの仕事である。
残念ながら、2015年にお亡くなりなってしまったが、大塚周夫さんの声は、今でも、この世には残っている。
生きている我々は、この声を楽しみながら、これからもブロンソンを楽しみたいと思う。
名吹き替えがプラスされて、
星☆☆☆☆であ~る。