1975年 アメリカ。
一言でいうと「チョー変な映画」である。
バイクチームを一緒に経営している『フランク』(ウォーレン・オーツ)と『ロジャー』(ピーター・フォンダ)は、それぞれの妻、ケリーとアリスを伴ってやっと長期休暇をとって、旅行に行くことにした。
しかも、豪華キャンピングカーをフランクが購入して。
台所、バスルーム、テレビ、寝室もあり、バイクも2台載せられるくらいの大型キャンピングカーだ。(絶対に日本の狭い公道では乗り回せない大きさ、でも羨ましい!)
しばらく車を走らせ、野営する場所を見つけたご一行。
男たちは、バイクを乗り回してハシャギまくる。(無邪気だねぇ~)
女たちは、キャンピングカーでくつろいでると、連れてきた犬が異常にキャンキャン騒ぎたてる。(不気味な予感が…)
夜、真っ暗な森の奥に突然、炎の灯りがパッと灯された。
不審に思い、近づいていくフランクとロジャー。
双眼鏡で覗くと、変な黒い服と覆面のカルト教団が、奇妙な悪魔の儀式をしているのが見える。
突然、女たちが、素っ裸になりはじめた。(乱交パーティーか?)
そして、ひとりの女が生け贄で、刺されて殺されたのだ!!
これには、見ていたフランクとロジャーもおったまげ。
「ロジャー、どうしたの?」
キャンピングカーの灯りをつける妻たち。
その気配に気づいたのか?カルト教団たちが、叫びながら、暗闇の先からキャンピングカーの灯りめがけて追いかけてやってきたのだ。
「逃げろ!逃げるんだ!!」
慌ててキャンピングカーに乗り込むご一行たち。
(あんな狂信的な連中、捕まれば、即、殺される……)
だが、発進させる途中、タイヤをぬかるみにとられて、脱出できないでモタモタいると、あっという間に、追いつかれてしまう。
ガラスを割って侵入してくるカルト教団たち。
「キャー、キャー!」騒ぐ妻たち。
それを懸命に蹴散らすロジャー。
フランクがアクセルを、やっと踏み込んで、脱出。
ようやく、カルト教団たちを振り切ったのだった。
翌朝、近くの警察にさっそく駆け込むフランクとロジャー。
警察を伴い、昨日の現場へと案内する。
そこには確かに焚き火の燃えかすと、血痕があった。近くでは犬が殺されていた。
「ヒッピーたちが焚き火をして犬を殺したのを、見間違えたんだろう」田舎の馬鹿な警察たちは、マトモにとりあってもくれない。
キャンピングカーに残った妻たちは、ガラスの欠片を掃除をしていると、変な文字の警告文が窓に挟んであった。
「沈黙を守らぬ者に災いを」
なんじゃ、こりゃ?
とにかく、ここを早く出て、立ち去ろう。
そうだ!人の多いキャンプ場に行こう!
キャンピングカーが並ぶキャンプ場について、プールで、束の間、はしゃぐ奧さまたち(いいのか?こんな風で、さすが気持ちの切り替えが早いアメリカンたち…)
キャンピングカーに戻ってみると、
「キャー!キャー!」(またか…)
飼い犬が殺されていた(犬もプールに連れて行けよ)
「誰だ!こんな事をしたのは!誰か目撃者はいないのか!」
だれもなにも言わず、シーン………。
早くここから出よう!クルマをだすフランク。
しばらく走らせて、「コーヒーを入れてくれないか?」
妻のアリスが「分かったわ」
コーヒー棚を開くと、今度はガラガラ蛇が『カーッ』と牙を開きながら、落ちてきた。
「キャー、キャー、キャー!!」
再び絶叫する奧さまたちなのだった。
こんな風に、この後も、逃げても逃げても(何人いるんだ?)追いかけてくる、しつこいカルト教団たちと2組の夫婦の逃走劇。
それにしても携帯もGPSもない時代に、カルト教団たちも、よく居場所がわかるもんだと、逆に変なところで感心してしまった(笑)。
後半は、キャンピングカーを前、後ろ、横と挟み撃ちにされ、銃撃戦とカーチェイスのバトルになっていく。
クルマが次々と、なぎ倒され、火をふき、橋の下に落とされたりと、カルト教団も何人、この夫婦たちに殺されていくのか、もう散々である。
もう、教団たちも追いかけるのやめにしてあきらめたら?
こんだけ何人も犠牲がでれば、教団も分が悪い、と思わんのかねぇ~。
でも、あくまでも「あきらめません、勝つまでは!」の姿勢をくずさないカルト教団たちなのである。
映画のラスト、教団たちを撃退しながら町を抜けて、キャンピングカーの中で2組の夫婦は、やっとひと息。
「やっと助かった……」なんて言いながら安堵して休んでいると、キャンピングカーの廻りが、突然炎に取り囲まれる。(えっ?奴らをふりきったんじゃなかったの?!)
近づく教団たち。そこでエンドロール。
これで終わり????拍子抜け。
今までの苦労はなんだったの????
結局、逃げられない夫婦たちに、ただ、ただ唖然(;゚Д゚)
観ている我々をおいてけぼりに、映画は突然、終わるのであった。
この宙ぶらりんな気持ちをどうすればいいんじゃ~?!
途中まで良かったのに、このラストはいかんだろうよ。
追ってくる教団の一人を捕らえて、アジトを場所を吐かせて、最後に教団のボスと教団の人間たちを全滅させるくらいに持っていけば、この映画は傑作に成りえたのに。
つくづく惜しい出来である。