2022年10月16日日曜日

映画 「ドランクモンキー 酔拳」

 1978年  香港。





スネーキーモンキー 蛇拳』を久しぶりに観たら、やっぱお次はコレを観なきゃアカンでしょ!

……って事で、スイスイと『ドランクモンキー 酔拳』に手が伸びてしまったワタクシ。



あんだけ『蛇拳』を貧乏くさい!と言ってた子供も、今になってみればすっかり馴染んでおりまする。(勝手なヤツ(笑))



蛇拳』がヒットした後、同年(1978年)には、この『酔拳』が作られているのだから、当時の香港映画の仕事のスピーディーさと勢いのあった事よ。(どっかの映画の続編みたいに観客を何年も待たせたりしない。まさに鉄は熱いうちに打て!なのだ)


この『酔拳』は『蛇拳』の姉妹編と呼ばれるくらいなので、ほぼ一緒のキャストやスタッフたちで作られている。(監督も同じユエン・ウーピン



主演はもちろん、我らがジャッキー・チェン



蛇拳』では虐げられられて育った孤児の設定が、この『酔拳』では、カンフー道場のどうしようもないグータラ息子に変えられている。(ゆえに道場の師範である父親は「なんとかせねば!」と思い、カンフーの達人であるユエン・シャオティエンに一人息子を預けるのだが …… )



ジャッキーの顔も身体つきも『蛇拳』の頃とは違っていて、短い間でも少しばかり精悍になってきている。


激しいトレーニング(修行)もあるだろうが、あれだけ今まで、散々《殴られて》、《蹴られて》きたジャッキー の顔面ですもん。(そりゃ、ドンドン変わっていくはずだわ)


私、こんなのを、勝手にアクション整形と命名して呼んでおります。(笑)




この映画でもお師匠様役はユエン・シャオティエン



このヘアスタイルと赤っ鼻は相変わらずだけど …… ややっ?!

蛇拳』の時とはどっか少し変わってるぞ!


そう、アゴ髭が綺麗に剃られて無くなっているのだ!



ちょっとは小綺麗になったシャオティエンである。(単に見慣れただけかもしれないが(笑))




そうして、最大の敵であり、非情な暗殺者役は、やっぱりこの人、ウォン・チェンリー


蛇拳』の時とは違い、こちらも3つ編みにしていたロン毛をバッサリ切っていて、イケメン度がアップしたチェンリーさん。(トレードマークのブーメラン口髭は健在である)



酔拳』では、そんなチェンリーさんが、もの凄い事になってきているのだ!



蛇拳』でもジャッキーの歯をへし折るほどの巧みな脚技を見せていたものだが、この『酔拳』では、さらにそれがパワーアップ。



自分の脚を、まるで手のように自在に扱う事が出来るチェンリーさん。


重心はブレる事なく、脚だけでジャッキーの顔を、猛スピードで 往復ビンタしてる。(ヒエ〜)


しかも、脚首までもがスナップを効かせる平手打ちのようでいて、より柔軟。

もう向かうところ、《敵無し》って感じなのだ。



とにかく、そんな動きの1つ1つが、早過ぎるくらいに早いし、華麗にキマっている!(《空中三段蹴り》なんて技、もう痺れるくらいに格好良すぎる!)



凡人の目では、とても追いつけないくらいの、早さ、早さの連続技なのである。





こんなチェンリーさんの猛スピード攻撃に、ジャッキーも、ようやっと付いていってるように見える。(ジャッキーも凄いけど。でも相手が、あまりにも《化け物》すぎるぞ!)



蛇拳』でチェンリーにへし折られた歯を短期間で直して、ユエン・シャオティエンとの修行場面がたっぷり続く、この『酔拳』。



そんな修行シーンでは、ジャッキーの本気度が、こちら側にもビンビン伝わってくるようだ。


今度こそ、蛇拳の時のリベンジを!と ……… 


そんな想いを宿して、黙々と修行に打ち込んでいるようにも見えてしまう。(なんせ、相手は《化け物》ですもんね)




もちろん、映画のラストでは、主人公であるジャッキーが《勝つにきまっている》 …… 

それを承知で、誰もがこの映画を観てるはずだ。



でも、相手役のチェンリーにも決して手加減なんてしてもらいたくないし、観客にも自分の強さを完全証明して終わりたい!


ここは、スター、ジャッキー・チェンの意地の見せ所である。



演じる事を超えて、カンフー映画ってのは、本当に、本気の《意地と意地のぶつかり合い》のようだ。


一見、コメディー色が強そうに見える『酔拳』も、最後には妙な感動が広がってゆく。


それに、ただただ圧倒されたワタクシなのでございました。


星☆☆☆☆☆。




※尚、この『酔拳』では、冒頭にちょこっとだけ女性が出てくる。


若い女性と、その母親である。


蛇拳』で「綺麗な女性が出てこないなぁ~」と嘆いたものだったが、いざ、『酔拳』で出てくると、あんまり必要じゃなかった。


若い女性はあんまり可愛くもないし、

母親の方は過激な岸田今日子って感じだ(笑)。

ん〜、ど~でもいい。この二人。(笑)



後、ブサイクキャラたちは、「これでもか!」ってくらい、こちらもパワーアップしてる。

こんな風に真横に髭をはやしたヤツ(ディーン・セキ)や、



こんな出っ歯男なんかもいたりして。(スゲー顔)


出てくる、出てくる!ブサイクキャラたち。



ここまで酷いと、もう故意に狙ってやってるとしか思えない(笑)。



私のお気に入りはコレ!



こんな、お灸跡のようなソバカス顔、今だかって見た事がないわ。(笑)



あなたもお気に入りのブサイクキャラを探してみては?


お粗末さま。