1985年 11月4日放送。(月曜ドラマランドにて)
その後、ビデオレンタル時代には、ビデオ化されてレンタル店にもひょっこり並んでいたという(気づかなかった)
そして、例により長い間、全くDVD化もされない日々が続いていき ……
もはや諦めていた頃 …… またもや、最近になって運良く視聴する機会に恵まれたのだ!(ラッキー!どこまでもツイてる奴)
「へ〜え、こんな感じなのか …… 」
この2年前、原田知世主演・大林宣彦監督版の『時をかける少女』は、誰もが知るほどの名作である。
筒井康隆の原作がある以上、あらすじはほぼ一緒なのだけど、ドラマはドラマとして、なんとか差別化を図ろうとしているのが、アリアリと伺われる。(まぁ、どうしても傑作と呼ばれている映画の方と比べてしまうわなぁ~)
それにしても南野陽子演じる主人公『芳山和子』の性格は、素のナンノに近いのか、超絶お気楽で明るい!(笑)
偶然手に入れた《タイム・トラベル》能力に、最初こそ戸惑うものの、《何かの割れる音が、タイム・トラベルをする》というカラクリを知ってしまえば、それを利用してジャンジャン楽しんじゃう!
「やったー!私、《タイム・トラベラー》よ!!」
(良いのかなぁ~? それにしても映画じゃ《タイム・ループ》と呼ばれた能力が、ドラマじゃ安易に《タイム・トラベル》?!)
幼なじみのゴローちゃんは、ドラマでは理髪店の息子に変えられていて、坊主頭に眼鏡姿。一気に地味〜な印象だ。(この学校では、男子は珍しく学帽まで被ってる)
このゴローちゃん役が伊藤康臣って人。(その後、あっさり俳優を辞めたそうな。どうりで知らないはず)
で、問題は、2660年の未来からやって来た『深町一夫』役なのであるが、それを誰が演じているかというと …… それが『中川勝彦』って人。
↑(上の写真を見ても誰だが知らない人もいる?)
この中川勝彦さん、このドラマの当時は、こんな風に高校生役を演じながらも、もう立派に成人を過ぎた23歳。
しかも、既に、奥さん までいて、このドラマの同年、1985年の5月には 子供まで産まれていたそうな。(ゲゲッ)
そんな裏事情は所属事務所によって、もちろんひた隠しに隠される事となる。(まぁ〜ねぇ~、イケメンのビジュアルで、まさに売り出そうという時に、妻や《隠し子》の存在はタブーでしょうよ)
オマケに、この方、映画『ねらわれた学園』では、薬師丸ひろ子の相手役オーディションで、あの高柳良一さんと競い合ったそうなのだ。
もちろん、薬師丸ひろ子の相手役は高柳良一さんになり、中川勝彦さんは落選するのだけど ……
それにしても、その後、映画『時をかける少女』で高柳良一さんが演じた《深町一夫》役を、ドラマの方でこうして演じる事になるとは、なにやら、この二人には因縁みたいなモノを感じてしまう。
このドラマ版に話を戻すと、タイム・トラベル能力で『芳山和子』(南野陽子)は、銭湯の男湯の浴槽の中にセーラー服で突然現れてしまったり、『深町一夫』(中川勝彦)は、女湯に出てきたりと、もう、ヒッチャカメッチャカな展開になる。(これって、ドタバタコメディー?)
映画版の真面目な純愛ドラマに心うたれた人には、とても受け入れにくいかもしれないが、コレはコレで、お気楽〜に楽しませて頂きました。
神がかっているナンノの美しさと可愛らしさは、この時から抜きん出ている。
星☆☆☆。
※《補足 ①》
エンディングテーマで流れる曲は、南野陽子の『接近〜アプローチ〜』である。
コレが最後に流れると、「んん??」
ちょっと驚くし、それに確か、この曲は『スケバン刑事 Ⅱ 』が終了された後にリリースされた曲だったはずなのだ。
実は、この『接近〜アプローチ〜』、デビュー曲の『恥ずかしすぎて』の次、セカンドシングルとして、本来ならリリースされる予定だった曲。
だが、もろもろの事情により、先延ばしにされたそうなのである。(歌詞も違う)
それなのに(何の因果か)コレが先もってドラマには使用されている。
この『接近〜アプローチ〜』を聴くと、なんだか不思議な気分に襲われるのだった。
《補足 ②》
先程から出ている中川勝彦さんについて。
彼は不幸にも32歳の若さでお亡くなりになっている。(急性骨髄性白血病で)
そして、この時産まれていた子供なのだが、今じゃ知らない人はいない有名な方!
皆が知ってるマルチタレントの
☆中川翔子(しょこたん)なのだ!!(ビックリ!驚き! (´⊙ω⊙`)!)
何かの番組で、ドラマ『時をかける少女』を観て「おとーちゃんが出てるぅー!」と叫ぶ中川翔子。
南野陽子に「おとーちゃんの事、覚えています?」と訊ねると、「もちろん、覚えているわよ」と即答するナンノ。
こうして、二人仲良く記念撮影なんかもしてくれちゃったりする。
それにしても、南野陽子にとっても、この出会いは不思議な因縁だったろう。
(あの時、産まれていた相手役の子供が、こんなに大きくなって、同じように、また芸能界にいるなんて …… )
これは、まさに、長い長〜い、時をこえた《タイム・トラベル》のようなモノ。
ドラマ『時をかける少女』の世界観は、2020年を過ぎた今も、不思議な縁で、ずっと継続中だったのである。
長々、お粗末さま。(これにて)