1976年 4月〜11月(全34話)
「影よ …… 影よ …… ゆけぇーーー!!」
♪影!、影!、影!、ギュッギューン!カゲスターー!!(唄 : 水木一郎)
知ってる人は知っている。
そうでない人は、この珍妙なデザインに「何じゃ、コリャ!」と戸惑うかも。
頭やベルトの渦巻きは、ジッと見てると目眩がしてくるし、マントのド派手な星マークは、目がチカチカしてくる(*﹏*;)。
難儀なヒーロー『カゲスター』。
でも、こんなカゲスターには、一応仲間がいて、それが相棒となる『ベルスター』である。(コチラも渦巻きと星マークに彩られている)
激しい戦闘シーンがあれば、ミニスカートがまくれ上がり、白いパンツが丸見えになるほどのサービスっぷり。(子供番組とは思えない過剰サービス)
こんな『ザ・カゲスター』を、当時は夢中で観ておりました。(別にパンチラ目的じゃないぞ(笑))
なんせ、この『ザ・カゲスター』、他の戦隊ヒーローとは違っていて、そもそもの設定から異色だったのだ。
主人公が《風村コンツェルン》という財閥令嬢の秘書『姿 影夫』(立花直樹)。
そうして、その美しき令嬢が『風村 鈴子』(早川絵美)である。
この二人が、前述の『カゲスター』と『ベルスター』に変身するのだ! ……… と思いきや、コレを《変身》と言ってよいのやら ……
悪の軍団《白蝋魔人》に誘拐された鈴子と影夫。
なんとか敵のアジトから脱出した二人だったが、途中で運悪く崖から転落。
さらに、偶然、高圧電線に触れてしまった二人。(ビリ、ビリ、ビリィー⚡)
↑(そりゃ、当然こうなるわな。でも感電しても命があっただけめっけもん)
その後、トンデモない奇跡が、二人に起きた!
それぞれ、影夫と鈴子の人影から、ムクムクと突然起き上がる謎の生物。
そう、それが正義の味方『カゲスター』&『ベルスター』の、摩訶不思議な誕生だったのである!!
↑(何気に格好いいカゲスターとベルスターの専用バイク)
冒頭のセリフ「影よ、影よ、ゆけー!」のかけ声で、二人の影から生まれ出てくる『カゲスター』と『ベルスター』。
影夫と鈴子の意識は『カゲスター』と『ベルスター』に乗り移り、敵と闘いはじめるのだが、その間、人間体の方はというと ……
朦朧とした意識の中、邪魔にならないよう、どっか隅っこの方で、フラフラ、ユラユラとゾンビのように彷徨っている(笑)。
コレが普通の変身ヒーローモノとは、一線を引いている『カゲスター』の特殊設定なのだ。
颯爽とキメポーズで登場するカゲスターとベルスターに、白蝋魔人(薄気味悪い青白メイクのロン毛男)が、「この化け物めー!」と叫ぶ。(お前に言われと〜ないわ(笑))
こんな『ザ・カゲスター』も、東映特撮モノとしては、お馴染みの顔ぶれや見知った者たちがしっかりと脇を固めている。
東映特撮といえば小林昭二さん。(ここでは丸眼鏡をかけた少々ぬけてる『屯田警部』役である)
その部下で後ろにいるのが『業平刑事』(星純夫)。(あら、この人『燃えろ!アタック』に出てた、小鹿酒店の三枚目配達員じゃないの)
そうして写真の中央に陣取っているのか、皆さんご存知の小松政夫さんだ。(風村コンツェルンで働く、飄々とした部長さん役)
まぁ〜、ご覧のように、皆さん間が抜けてるんで、その分、影夫と鈴子が正義の味方然として頑張ってるんだけどさ(笑)。
こんなカゲスターの最大の武器は、カゲスターの影を超巨大化させて、どこまでも追いかけたり、簡単にやっつけちゃうこと。(何でもありか!それにしても影から、またもや影が生まれるのか?)
こんな、他の特撮モノには見られないような特殊能力は、当時、中々のインパクトでございました。
こんな『カゲスター』なんだけど、当時の評判は少々悪かったみたい。
おどろおどろしいオカルト的な怖さは、普通の子供には残念ながらウケなかったようだ。(全34話は当時としては短命)
私は昔も面白かったし(まぁ、子供の頃から変人だし)、今、観ても充分に面白いんだけどさ。
こうして何十年経っても覚えているのは、水木一郎さんの歌う主題歌のお蔭かもしれない。(芋づる式に記憶が蘇ってくる)
オープニングと同じようにエンディング曲でもタイトルの『カゲスター』を何度も連呼して熱唱している水木一郎さん。
やっぱり主題歌に番組名が入っているのは強みなのだ。(それが何度も繰り返し入っていれば尚更)
エンディングでも、「♪カゲスター!カゲスター!カゲスター!」…… もう、「これでもか!」っていうくらい念押しで歌ってる。
これなら洗脳のごとく脳内に深く刷り込まれるし、忘れようたって忘れられませんがな。
最近の特撮モノで、訳の分からんJポップもどきの主題歌の番組なんぞを、数十年後にはどれだけの人が覚えているかねぇ~。
よけいな理屈は要らないのに。
番組名を主題歌に折り込んで、ただ、ただ連呼すればご覧のとおり。
そうすれば、こんな『ザ・カゲスター』のように伝説として、いつか語られる日がやって来るはずである。
星☆☆☆☆。(マントの星☆の数は、こんなもんじゃね~ぞ(笑))