2021年9月5日日曜日

映画 「白いドレスの女」

 1981年  アメリカ。




弁護士『ネッド・ラシーン』(ウイリアム・ハート)が人妻『マティ』(キャスリン・ターナー)と偶然知り合い、愛欲の日々に溺れながらも、いつしか、二人にとって邪魔なマティの金持ち夫を殺して、財産を奪おうとする官能サスペンスである。


だが、ことは、そう簡単には上手くいかないのが、この手の映画の常。(お約束のドンデン返しが待ち構えている)



監督は、『スター・ウォーズ』や『レイダース』の脚本で有名なローレンス・カスダン

そして、これが監督デビュー作である。(キャスリン・ターナーのデビュー作でもある)



当時はウイリアム・ハートとキャスリン・ターナーの大胆な濡れ場が話題になり、大ヒットしたものだった。



とにかく、この二人が、いつでも、どこでも

「やりたくなったら、やっちゃう!」


まるで獣のような二人なのだ。



夫エドモンドが連れてきた、幼い姪の『ヘザー』が泊まりに来ているのに、ネッドは一晩でも(ムラムラ)我慢できなくて、夜中にマティを求めて豪邸にやってくる。


そんな折、寝惚けて、二人がいるベランダに現れたヘザーは、『ネッド』(ウイリアム・ハート)の、ギンギンに光る《アレ》を見てしまって、目の玉が飛び出るほどビックリする。(そりゃ、そうだろうよ。幼い子供には刺激がつよ過ぎるわ (笑) )


『マティ』(キャスリン・ターナー)は、マティで、最初こそ、


「私には夫がいるのよ。ダメよ!ダメ、ダメ〜!」


だったのに、もうネッドに会えば、自分からパッパと脱いで、自ら求めちゃうほど大胆に変貌してくる。



「あなたが私の身体に火🔥をつけたんだから!」


終始、こんな具合なのである。




こんな風に、お互い好きモノ同士の二人は、いつしか、出張が多くて留守がちなマティの金持ち夫『エドモンド』の愚痴を頻繁にするようになってくる。


「あのチンチクリンで意地悪な小男!」とか、

「あの男が死んでくれれば、姪のヘザーと私に2等分ずつ財産が入ってくるのに……」と、言いたい放題のマティ。



マティの魅力に、すっかりのめり込んでるネッドも、

「アイツを殺してしまいたいよ!」と言い出す始末。



こんな二人に、陰で散々な悪口を言われている夫『エドモンド』なのだけど…………それを演じるのは、なんと!この映画の翌年に『ランボー』シリーズで大ブレイクする『トラウトマン大佐』役のリチャード・クレンナなのだ!!


リチャード・クレンナの名誉の為に言っておくが、リチャード・クレンナは、ブ男でも小男でもない。(映画の中でも、そんなに悪い夫でもないのに、やたら、この二人にクソミソ言われるのは、ちょっと気の毒である)



とうとうエドモンドの殺害を決心したネッドは、以前弁護士として関わった爆弾のプロである『テディ』(ミッキー・ローク)の元を訪ねた。(イケメンだったミッキー・ローク。後年、整形依存や入れ墨マニアになるとは、よもや、この時は誰も知らない)


「あんたには前に世話になったから……」と、ネッドの悪だくみにも協力的で、爆弾の組み立て方をレクチャーしてくれる、とても悪党とは思えないほど優しいテディ。


そんなネッドの不審な様子に、親友で検事の『ピーター』(テッド・ダンソン)は、側にいてハラハラ。


「あの女に関わらない方がいいぞ!」

おどけながらも、注意を下すピーターは本当に親友想いだ。(『CSI』や『ダメージ』で有名なテッド・ダンソンも若いなぁ〜)



そんな忠告も振り切って、ネッドは計画を実行しようとするのだが…………



久しぶりに観た『白いドレスの女』は、現在の出演者たちの変わり果てた姿を知る者としては、妙に感慨深い気持ちにさせられた。


そう、「誰だって歳をとる」し、「みんな昔は若かった」のだ。(それだけ、あれから長い時間が経ったんだなぁ〜)




それにしても、今更ながらに気付くが、この映画のカット割りの多さに驚く。


ほんの数秒、何カットかのシーンが流れれば、すぐに別のシーンに切り替わる。


こんな極端に短いシーンを、ずっと連続でつなぎ合わせて、映画は完成しているのだ。




多分、監督のローレンス・カスダンは編集に凝り過ぎる人。


次作の『再会の時』でも、ケヴィン・コスナーが出演していたらしいが、編集で出演シーンを全カットになった話は有名な話だし。(その後、コスナーは、カスダン監督の謝罪で、『シルバラード』に起用されるんだけど)



ただ、この『白いドレスの女』も、編集に凝るあまり、今観ると、あちこちに意地悪な見方をすれば、何箇所かチョンボを見つけてしまった。(あきらかに、「『このシーン』と『このシーン』の間に突然『こんなシーン』が入ってくるのは、おかしいぞ?」って部分がある)



デビュー作ゆえ、気合が入り過ぎたか?カスダン監督?


それとも、目の前で繰り広げられるウイリアム・ハートとキャスリン・ターナーの官能シーンの連続に、冷静さをうばわれてしまったのか……



久しぶりに観た自分でさえも、やっぱり、ドキドキするしね。


星☆☆☆にしときましょうかね。(本編の映像はこんなに大人しいモノじゃない。だいぶ遠慮しておりまする (笑) )